灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
PS5確保できてないので対岸のゲーム状態ですが。なので実感がないというか。
ちなみに買おうか悩んでたゲームプログラミングソフトは悩んでるうちに発売しました。きみは実にばかだなあ。
ぼくが救ったのはぼくから見て七年後の世界。まだ幼かったぼくはマスターソードを抜いた時に七年間眠っていたんだ。
え? 歳が合わない? 時の勇者は十二歳?
それは多分だけど、若く伝わっちゃったんじゃないかな? 幼い天才なんて如何にも世間が好みそうな話じゃないか。
七年後の世界でガノンドロフを封じて元の時代に戻ったから、みんなぼくのことを知らない。ぼくの世界にいたゼルダと会う前に戻っちゃったからぼくの冒険はなかったことになった。
………
………………
それでも… よかったんだよ。ナビィ…一緒に冒険してくれた妖精が覚えてくれている。それでよかったんだ。
でも、ナビィはいなくなった。ぼくに何も言わずにどこかに行っちゃった。元の世界じゃ惰性でナビィを探して旅をしてたけど、何も言わなかったってことは二度と会う気がないってことなんだと思う。
その後に訪れた月が滅ぼそうとしているあの世界みたいに、時の勇者の冒険を証明するのはぼくの記憶だけになった。
勇者っていうのはほんの少しの見返りも求めちゃいけないのか?
それを求めただけでここまでされなきゃいけないのか?
どうしてぼくは記録すらも残せない?
ぼくにとっては記憶だけが最後の柱だ。
それをあの女の存在は折ろうとしてる。時の勇者が負けた時間軸で生まれたお姫サマは、最後に残ったぼくの記憶すらも否定しようとしている。
ぼくの記憶を否定したら、ぼくの仲間達が命懸けで戦ったことは本当になかったことになる。
それはできない。何を差し出されても譲れない。だからあの女の存在をぼくは否定し続けなくてはいけない。あんたがシークに何を言われたかは知らないけどぼくはこの行動を改める気はないからね。
知恵の村、時を刻む篝火の元に戻ってきたのはソードとガンナだけではなかった。
「フォーティーミニッツ…」
「40分と、なんで着いてきてんだ? 見せもんじゃねーぞ?」
着いてきたのはゼルダとシークだ。少し離れた場所にいる。
「ああ、気にしないでただの作戦会議さ。邪魔をするつもりはないよ。」
「作戦…? ああ、チャイルドリンクのこと?」
「チャイ… まあそうだけど」
謎解きを解いたにも関わらず話し続ける。
「あんまりイヤイヤ言う子に近づいてもどうかと思うけどナー」
「やはりそうなのかしら… 今まで友達なんていたことないからわからないの…」
「ソードの言うことも間違ってはないんだろうけど… 納得できない。」
神妙な面持ちでシークが俯く。彼女の存在そのものを否定するようなあの物言い。ただ嫌っているだけであそこまでいかない。何か理由があるはず。
「あ、ごめんなさい… おふたりはブロウのことに集中していいわ。私の問題は私達で解決するから。」
「そーだな。オラ、行くぞ」
「んにゃ? でもでも、三人寄れば…」
「おまえみたいな頭パッパラパーが何になるって?」
「あ、ノー… なんでもないです…」
外れに登場したファイターへ向かっていくのをゼルダは見つめて、はあ、とため息をついた。どうしてあの三人みたいに上手くいかないんだろうか。
「ゼルダ…」
『きみはもう少しあの子のことを知るべきじゃないかな? 自分を知って欲しいなら自分もしらなきゃ』
「…! あなたは…!」
聞き覚えのある声。誰よりも信頼している声。
素朴ながらも真っ直ぐな目をした不思議な雰囲気を持つ緑衣の勇者。
『よっ姫さん、久しぶり。』
「リ、リンク…?」
ゼルダのよく知るリンクがそこにいた。
『終点』の空は早送りをしているかのように目まぐるしく変わる。暁の空から星々の光る夜へ。その夜は寂しいものではない。星が照らすどこかに仲間がいるのだから。
乱打を刃で防ぎ、シールドを両断するように力を込めて振り下ろす。膠着状態を破ったのは刃の後方から放たれた『ガンナーチャージ』だった。
「ワッツ!?」
『…!?』
慌てて跳んだソードが邪魔で判断が遅れたブロウに『ガンナーチャージ』が直撃する。
「ちょっと!? フレンドリーファイアはどうなのさ!?」
「お前はこんぐらい避けんだろ? 当たらなきゃ誤射にはなんねーよ」
「そういうプロブレムじゃない!」
プンスコ怒るソードに対してガンナはあくまで淡白な対応だ。でも、それはソードの能力を知っているからこその発言だ。口を動かしながら体も止めずに動かしている。
ソードの生み出した『トルネード』に『ガンナーチャージ』を合わせて急加速させた。こうすることで狙撃と錯覚するほどの速さを持った弾を撃てる。
『…っ』
腕を組んでのガードすら間に合わない。歯を食いしばって耐えた後はソードが迫る。
二人いるのだから遠距離攻撃と近距離攻撃で分かれて連携した方がいいのは自明の理だ。ブロウはガンナの遠距離攻撃をやり過ごしながらソードと対面しなければならない。
『─!』
「んべっ!」
足払いでソードを転ばした後、右腕を掴んで後ろ蹴りで蹴り飛ばす。崖へ飛んでいくソードを見て振り返るとそこには何かの機械。
『っ!?』
それが銃口だったと気づいたのは目の前で爆発が起きた後だった。
「いつもとはやっぱちげーんだな。単純に考えすぎだっつーの。」
別にガンナは近距離戦闘ができない訳ではない。同様にソードも飛び道具がない訳ではない。武装から見て勝手にそう結論づけただけ。
ガンナの言う通り、普段つるんでいるならば簡単に気づいたはずなのだ。
「そのとおぉーー…りっ!」
『…!』
背中へと飛んできたのはソードだ。『変則急襲斬り』と名付けられたその技は積極的マイペースのソードお似合いの技だった。
「こんなのでビクトリーしたと思うなよな! スイート見過ぎなんだぞ!」
「そーだそーだ、ブロウの癖して生意気だぞー」
同調して煽る二人。洗脳されているのだから効かないのだが。いや、これはただの性格だ。
「いっつも潮風に当たってるとブレインまで干物にってワッツ!?」
『─ッ!』
両手に鉄球を持ち、二人に向かってぶん投げた。球速は遅いが鉄球だけあって当たったら痛いでは済まない。向こうから仕掛けてきたのだ。決して煽りに乗った訳ではない。
「チッ」
横飛びで回避したガンナを蹴り上げて踵落としをくらわせた。『天地キック』だ。アームで防御しようとしたが、上手くずらされ腕を強打した。
「─ッ、舐めんなぁッ!」
『……』
咄嗟に回し蹴りで対処するが、動きが鈍い。武装が重いのもあるが腕の痛みを庇って体が遅く動いているのだ。
それでも『ボトムシュート』を撃ちまくる。上昇力を生むほどの爆発は簡単に辺りを黒煙だらけにした。辺りを見渡したブロウの目は近づく影を見落とさなかった。
『─!』
殴りかかってきた腕を受け流し、腹に正拳突きをあびせた。くの字に曲がって煙地帯を飛び出した姿をはっきりと確認した。
「キューー!!」
『…!?』
ソードだ。彼が何も持たずに格闘戦を挑んでいたのだ。あり得ない。武器も持たずに近接戦を挑んでくるなんて。
「ゲームオーバーだ、地味面…!」
『…ァ…!?』
煙が晴れ、ガンナはブロウに狙いを定めていた。それだけではない。斜めに突き刺さった剣の柄と鍔は、ダメージを負ったガンナの腕を支えていた。即席の固定砲台だったのだ。
引き金を引いて放たれた全力の『ガンナーチャージ』はブロウを撃ち飛ばした。
「さっさと起きろやテメェ!」
「ホベッ!?」
ブロウに穏やかな目覚めは存在しない。最初は肩を揺すっていても、短気なガンナは早々に暴力での解決を図った。
「何すんだガンナ!!」
「何すんだじゃねえよ! 起きんのおせーわ!」
「顔面踏んで起こしてんじゃねえよ超絶猛烈に痛かったんだが!?」
「揺すっても起きねえから仕方ねえだろ!?」
「もっと方法あるだろ!!」
ここまでされることをした覚えはない。付き合いは長いが普段離れていたらそんなものなのか。違う、アイツらが意味不明なだけだ。それでも引くつもりがないのはわかっている。
「はあ… まあそれはそれとして助けてくれたのはあんがとよ。何したかは大体わかってるつもりだ。」
「アフター何をするのかも?」
「ダーズを倒せばいいんだろ? とりあえずお前らだけじゃないだろ? 合流するぞ」
「なんかテンポ速くない?」
ソードが問うと、ブロウは心底呆れた、そしてめんどくさいという顔で答えた。
「………どうせ俺がいない間他所に激烈爆裂に迷惑かけたんだろ? 謝罪行客しねえと…」
「マイナスにシンクしてるとハゲるよ?」
「誰のせいなんだよ…!!」
拳はブルブル震えてどうにか殴る方法ないかなと考えている内にもう一方のトラブルメーカーが何かを嗅ぎつけた。
「ん…? 知り合いがいるな、さっさと行くぞ、取られちまう」
「そーなの? それじゃゴー!」
「ちょと待てどこ掴んでんだ俺は病み上がりだあぁぁァ!」
ブロウの叫びは簡単に消えていく。
ソード「服がいっぱいあるのは面白いけどさ、ワンドを剣だと言い張るのはどうなのさ?」
ガンナ「変な骨っコロといいコップお化けといい私のコスよくわからんの多くね?」
ソード「よくわからんのって!? むしろ一番恵まれてるでしょ! グレイトなゲストみんなガンナが独り占めしてるんだよ!」
ブロウ「よくわからんというのは俺のこと言うんだろ… なんか絶妙微妙な立ち位置のやつばっかだぞ…」
ソード「いーないーな!」
ブロウ「お前もかなりいいとこ貰ってんだろうが嫌味か!」
ブロウ「次回… 『どこかにいるのだから』…」
ソード「バクレツゲキレツに嫌味だよ?」
ブロウ「デリートしてやる…!」