灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
はい、キングダムハーツハマってこの有様です。
また、遅刻です。せめて早めに投稿予約しておく脳ないのかな…
鉄拳シリーズは未プレイですが、使い方の動画を見るにゲームスピードの差と原作再現のバランスを取るのが難しかったのかな、と勝手に。
『今お前はここにいるんだ! それだけでお前の存在は肯定されているんだ!』
『人が残すのは記憶じゃない! 歴史でも世界でもないんだ!』
『何かしようと言うわけではないの、友達になりたいの』
『だって… あんなに苦しそうなんですもの…』
「(世間知らず共が…)」
彼の時が進むたび。戦っていた姿に近づくたびに。彼の時間はズレていく。
友達も故郷も戦いも。こどもリンクの頭の中でしか証明できない。彼らは知らない。
みんな命懸けで戦ったんだ。泣いたり苦しんだり失ったりして、それでも勝ったんだ。
それをアイツは崩してくる。巨大な世界が用済みの勇者を押し潰そうと、存在すらもなくそうとしてくる。
「(アイツらは運がいいだけだ… 世界から否定されたことがないだけだ…)」
こどもリンクの存在だけが、あの戦いを証明する。仲間が闇に抗ったことを証明している。だから生き続けている。
「(そうやって生きて…)……その…あとは…?」
思考を妨げたのは咆哮。目の前にいたのはかつて倒した怪物。あの本物にはもう勝ったからと興味も持たなかったが。
「おまえもか…!! おまえもなのかダーズゥッ!」
精神を揺さぶられた今現在は到底看過できなかった。
━お前たちがぼくを否定し続けるというならば
━ぼくの存在を消してみろ。かけらも残さず無くしてみろ
━時と共にいつか失われるぼくを、永遠に消え去る物語を、今この場で幕を下ろしてみろ!
「…あっ! 今の…!」
「この声は…!」
「ぬぅ…!」
遠くで鳴り響く咆哮をたしかに聞いた。ゼルダとシークは驚きに染まった顔で振り返り、元の姿に戻ったばかりのガノンドロフはこれ以上ないほどに苦い顔をした。
「聞き覚えがありすぎる。でもどうして…」
「難しい話ではない。俺とは違う時間の存在を連れてきたか再現してるかなだけだ。」
立ち上がったガノンドロフが、二人の知恵を見る。シークは慣れたものだが、ゼルダはまだ慣れず少々怯えている。
「…礼はいらんぞ。」
「必要ないよ」
短く話を切り上げ、ファイターの人混みを突っ切って三人は走り出した。いざあの運命の場所へ。
巨大な怪物が闇の力を纏って突進してくる。体力が桁違いだからこそできる真正面からの攻撃。読まれやすいそれはこどもリンクには効かなかった。七年後の姿よりも軽いので逆にかわしやすかったのだ。
巨大な双剣の二連撃でもあの小さな姿を捉えられない。股下から潜り抜けたこどもリンクは緑色の特徴的な尾を斬りつけた。
『グウゥゥ…』
「帰れよ… ぼくみたいに元の時代に…!」
負けない。負けられないではなく、自分が負ける確率など存在しない。驕りでも気持ちの昂ぶりでもなくこどもリンクはただ事実としてそう考えた。
こどもの姿でも、あの決戦の時より更に強くなっていたのだ。これで負けろという方が難しいだろう。
「こどもリンクー! 遅れてゴメンー!」
「まったせたな! 英傑様の御登場だぜ!」
「(あんたたち…)」
飛び入りで参加したのはリンクとトゥーンリンクだ。こどもリンクを追っていた二人は合流も早かった。
「…ま、いいけどさ」
別にいい。あの女じゃないなら助っ人は大歓迎だ。出来るだけ早くこの怪物をここから追い出したい。だからこそ目の前の敵のことを話すことにした。
「あの怪物はガノンドロフが本気を出した時の姿。時の勇者の最後の敵。」
「へぇー…」
「えっ!? あんなに大きいのが!?」
「緑の尻尾が弱点。ダウンさせれば他もいける。図体の割に素早いから気をつけて。」
「ガッテン承知の助!」
簡潔だが、彼らには充分。マスターソードと盾を構える。
時の勇者に倒される前の時間軸から連れてこられたもう一人の魔王ガノンドロフ。あたりには城のかけらが散らばっており、火事まで起きている。本当に何もかもが同じでこどもリンクは腹が立っていた。
『ウガアアァァァ!!』
ジャンプと共に叩きつけられた剣は三人の中で一番力のあるリンクも受けようと思わなかった。こどもリンクとトゥーンリンクが背後へ回り、リンクが弓矢で応戦する。効かないのは知っているが、気を引き続けるつもりだ。
「てやああ!」
「……」
トゥーンリンクの『回転斬り』に続いて、こどもリンクは大きく跳び上がって斬りつける。
後方の敵に斬りつけてきた攻撃はこどもリンクが注意を促すことで二人とも回避できた。
「逃さないぜ?」
「このまま袋叩きにしてやるー!」
ガノンドロフを中心に三角形状に立つ。これならどこを向いても誰かが攻撃を加えられる。
『グオオオォ!』
「…っ!」
「うわあ!」
しかし、所詮は人間の浅知恵なのか。振り回した大剣が突風となり、三人を襲う。咄嗟に剣を突き刺しその場にとどまれたのはリンクだけだった。軽いこどもリンクとトゥーンリンクは吹き飛ばされ、地面に転がる。
「くそっ!」
振り上がった刃を認めるとすぐに判断をする。
刺した剣を抜く間もなかった。かと言ってここまで大きさに差があれば受け流すことも出来ず、回避も間に合わぬ。土壇場で選択したシールドが割れる音はリンクに否が応でも自身が戦った厄災との比較をさせた。
「(まったく! リンクはのびてるしトゥーンはどこまで吹き飛んだかわからないし!)とりあえずリンクをどっかに退避させないと!」
『グウ…!』
永遠の宿敵の魂。幼かろうとその魂だけは見間違えない。目眩を起こしてふらふらな目の前のリンクより、小さく素朴な剣と木を剥いだような盾を持つ少年へと武器は振われた。
「ッ!」
地面も抉るような一撃を避け、怪物の頭上へ跳んだこどもリンクはその頭に向けて剣を振り下ろした。効かないのは誰よりも知っていたが、視覚の状況を一瞬だけ遮ることができる。そして一瞬だけ有れば充分だ。
「でりゃああっ!」
『─グウウ!』
完全に背後に回り、弱点に向けて『回転斬り』を放った。後ろへ向けて放たれた二連斬りを最小限の動きで軽々と避ける。まだ剣は届くぐらいの至近距離。
「おりゃああ!」
ジャンプ斬りを大きく超えた勢いで叩きつけられた剣は怪物の意識を刈り取った。
「今のうちに! こっち!」
「うっ…!」
リンクの手首を掴み、瓦礫の陰へと誘導させようとしたその時だった。
「せぇい!」
「ハァ!」
「どりゃあぁ!」
ゼルダのイナズマキックが、シークの踵落としが、ガノンドロフの拳が怪物へと落とされる。
「っ!?」
駆け出していたこどもリンクは硬直した。今までやろうとしていたことも、戦闘中なことも忘れ、ただ視界が真っ赤に染まっていく。
「ギリギリ間に合ったってところかな?」
「ぐうぅ… 胸糞悪いわ! よもや自分自身の模倣をされようとはッ!」
「大丈夫? こどもリンク、助けに来たわ!」
「来んなよッ!!」
意識もせず、突然大声を張り上げた。まるで時が止まったかのように三人は硬直した。
「なんで来るんだよ、なんで関わってくるんだよ!お前が嫌いだって何度も言ってるじゃん! ぼくは勝てるんだよ! お前なんかいなくてもッ!!」
「こどもリンク…!?」
シークがなんとか声にした名前も彼を止めるには至らなかった。
「ぼくは勝ったんだ! ゼルダと一緒に! みんなと一緒に! 何が悪かった? 何がいけなかった? おまえが出る幕はない! おまえは! 時の勇者が負けた世界は! 必要ないんだよッ!」
「負けた世界だと…?」
何も口に出せない。何も言い返せない。燻げに口を出すガノンドロフに彼らの心象は察せない。
「わかってるんだよ…! ぼくの記憶でしか証明できないぼくの冒険は… ぼくが死ねば本当に消えてしまう…! みんなが頑張った事実すらも…! だからってその事実を報われなかったことにするのは違うだろうがあッ!」
リンクを捨て置き、ゼルダの方へ駆け出し剣を抜く。突然のことに驚いたゼルダは構えることすらできない。守りに入るシークの腕を踏み抜いてゼルダの頭上を超えていく。
ダウンしていた怪物を斬り伏せた。一体この数瞬に何回斬ったのだろう。
「負けない…! ぼくは戦って勝ったんだから! おまえなんかに負けるかぁ!」
刃先は起き上がった怪物の方を向いていた。しかし、鋭い全てを拒絶するような目は確かにゼルダに向いていたのだ。
ソニック「ハァ…」
クラウド(こいつがため息なんて珍しいな…)
ピカチュウ「ピカ〜?」
ソニック「Hey、ピカチュウ。満を辞しての登場なのにな、やれゼルダ勢やら覚醒やらMiiやらでろくに話が進まなかったじゃないか」
クラウド(たしかに)
ソニック「あーあー! はやくダーズをぶっ飛ばしたいぜ!」
ソニック「次回! 『To be continued to』!』
クラウド「どうせ全員に平等に出番が渡らないなら… ってことでメインで出すキャラクターを絞ったらしい」
ソニック「そういうの、まとめで言えよなー」