灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

119 / 135
先週またもややらかしたので、この時間での投稿ry

多分これ終わるまで治らないな…

そして、この章最終話になります。



百十一話 To be continued to

「すまん、これはあの六人の戦いにしてやってくれないか!」

 

 

大勢のファイターの前でクロムは頭を下げる。一部のファイターは微妙な顔だった。ここの一帯を陣取る相手は易々と勝てる相手だとは思えない。戦力は多い方がいいのはわかってる。しかし、部外者を掃けたい理由があるのだ。援護するようにルフレが語る。

 

 

「僕からも頼むよ。この時を逃したら… きっともうこどもリンクの時は動かなくなる。今しかないんだ。」

 

 

人の能力を見透かすその目はひたすらにまっすぐだった。善性を持つファイターは彼らの言葉に傾き始めている。

 

 

「それがなんだよ! ボク達はやく進みたいんだ! トゥーンに手を貸してやらなきゃいけないんだ!」

 

「ジュ、ジュニア…」

 

 

全員がそうだとも限らない。子供ゆえの無知さと純粋さは彼らの意図を汲み取れるとは限らない。

 

 

「マ、いーんじゃない? オレ達だってスピリット相手にユーがやるべきだーウンタラカンタラやってたし」

 

「俺は復帰する以前のこと知らねえからな… でも別に拒否する理由ないし」

 

 

クロムとルフレの背中を押したのはソードとブロウだった。彼らはこどもリンクではなく、ゼルダの真意に近づいていた者だった。

 

 

「あの姫さんがあんなに必死こいてんだ。檄撃に応援してやろうぜ」

 

「ブロウ…! 助かる!」

 

 

一人がクロム達側についたことで、彼らの想いに寄り添う方向に傾いた。後はその想いを繋げるだけ。

 

 

「(そうだ… 人が残すのは想いだ… 人はそれを繋いで生きていくんだよ…)」

 

 

ルフレ達が失ったものは多かったし大きかった。それでも進むしかない。今この瞬間に生きているのだから。生きながらに死んでるなんて認めてたまるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こどもリンク!」

 

「うるさいッ!」

 

 

ダウンから復活し、起き上がる怪物の視界に既に彼はいなかった。一瞬のうちに背中側に回っていたこどもリンクは乱暴に剣を叩きつける。

 

 

『グウオオォォッ!』

 

 

リンク達のそれのように回転斬りが辺りを襲う。ゼルダとシークは素早く範囲外に逃げるが、他は違う。ガノンドロフはシールドを張ってもなお、大きく引きづられ、こどもリンクが放棄したリンクは防ぐ手立ても出せず直撃する。

 

 

「こどもリンクは!?」

 

『あそこ!』

 

 

小さい姿を探すシークの手助けをしたのはゼルダのよく知るリンクだった。ガノンドロフとの戦いの時にシークの体を借りて戦っていた彼は、離れるタイミングを逃し、未だ彼女の手助けに残っていた。

半透明な肉体が指したのは空だ。飛び上がった怪物にまだくっついていたのだ。一振り、徹底的に弱点を狙い続けるこどもリンクは振り払われ、怪物から離れた場所に着地した。

 

 

「駄目… 一人で戦う必要なんてないの…」

 

「ゼルダ…」

 

『頭に血が昇ってるね』

 

「…!」

 

『大乱闘には私情を持ち込んでないから冷静には戦えてるけど、こちらの話は聞く耳持たずだね。』

 

「こどもリンクの頭冷やせばいいの?」

 

「トゥーン、いつの間に」

 

 

このタイミングで吹き飛ばされていたトゥーンリンクが復帰する。多少の傷はあるものの、まだまだ戦えそうだ。

 

 

「…いや、ボクはこどもリンクを連れて一時的に離脱する。二人にはその間戦っていて欲しい。」

 

「りょーかい!」

 

「私も?」

 

「キミがいたら、冷静にはならないだろうからね。」

 

「そう…」

 

 

少し不満げだが、仕方なく戦場に渡っていく。残されたシークは未だに戦い続ける小さな体を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、だらしない。仮にもこの俺に挑んだ男か? あの程度の言葉で動揺するとはな」

 

「………」

 

「無視ってるぅ!?」

 

 

前線はガノンドロフ、こどもリンク、リンクの三人となり、陣営も崩れていく。トゥーンリンクとガノンドロフとではやれる事が大きく違う上に彼自身に協力する気がないのだ。自分の利になれば協力はするだろうが、積極的にする気はない。そういうことだ。

 

怪物が空へ剣を掲げると雷が落ちる。剣を振り下ろすと共に放たれた雷の弾は三人のファイターへ迫る。偶然にもいつかの勇者のような攻撃だった。

 

 

「ぐう…」

 

「うへっ!?」

 

 

動きの遅いガノンドロフはよりにもよって足に当たってしまう。リンクはギリギリながらもかわした。こどもリンクは、

 

 

「こ…のッ!!」

 

「うそーん!?」

 

 

なんと、小さな、いかにも脆そうな木の盾で攻撃を弾き返したのだ。この場で見てきた二人は驚愕する。ここまでのことができるのか。

 

 

『グウオオォォ!!』

 

「…ッ!」

 

 

自分の撃った攻撃が相手に当たってもなお、怪物の攻撃は続いた。宿敵、時の勇者に向けて猛烈に突進してきたのだ。それを見たこどもリンクは得物を前方に構えて対処しようとする。

 

 

「ハッ!」

 

「…ッ! シーク!?」

 

 

その突進から救ったのはシークだった。横抱きにされたこどもリンクはシークの手によって怪物から離れた遠くへ移動させられる。

 

 

「私達は負けてはいられないの!」

 

「ふん、遅れだけは取るな!」

 

「リンクリンク! ちょっとやりたいことがあるんだけど!」

 

「おっ? 戦いながら聞くぜ?」

 

『オオオオオォォォ!!』

 

 

咆哮は鳴り止まぬ。宿敵が消えてもその本能は消えることはない。目的も知らずに戦い続けるその姿はまるで怪物だった。

 

 

 

 

「…何のようだよ?」

 

「少し冷静になってもらおうと思ってね。」

 

「…ぼくはこれ以上ないくらいに冷静だけど」

 

「そうは見えないけどね」

 

 

予想に反してこどもリンクは抵抗しなかった。いつでも抜け出せるということか。でも無理に逃げないのはシークにとって都合が良かった。

破損した城の外壁に身を隠して話し出す。どうやら他の四人の相手でここまで目線が届いていないらしい。

 

 

『ちょっと僕からもお話したくてね、少し時間いいかな?』

 

「…! あんた…!」

 

 

こどもリンクの目線は一気に敵意を含んだものとなる。この勇者は自分とは一番相容れぬ存在だ。

 

 

「あんたには関係ない」

 

『そうかな? 君が負けたのが世界で、君が撃ち漏らしたアイツを倒したのは僕だ。十分に関係者だと思うけど?』

 

 

シャキン!

半透明のその姿に剣を振われた。刃は何も斬り裂かず、空だけを貫く。リンクは変わらぬ表情でこどもリンクを見つめ続けていた。

 

 

「攻撃を受けないからって随分言いたい放題だね…? 間違った歴史に住むあんたらにあれこれ言われる筋合いはないんだけど?」

 

『僕にとっては真実だ』

 

「じゃあぼくにとっては虚構だ」

 

『違う。僕は僕の進んだ歴史を君のせいだとは思ってない。寧ろ感謝してるんだ。僕にはたくさんの人が助けてくれたけど、最後は一人で戦ったんだ。』

 

 

こどもリンクは驚いて目を見開き、力なく左腕を下ろした。剣はリンクの足を貫通している。

 

 

『そんな僕がアイツに勝てたのは君達の頑張りがあったからだよ。君に会わなかったら僕はずっと勘違いしてた』

 

「だからなんだよ… おまえが倒したんだからおまえの成果だろ… ぼくは何もしてない」

 

『あそこ、見て』

 

 

実体のない指は戦場を指さした。そっちの方を見る。

 

 

「ゼルダ! 足止め!」

 

「わかったわ!」

 

「うおおお!」

 

 

トゥーンリンクの呼びかけに応じたゼルダは『ファントムアタック』で片足を留める。動きが止まった時、リンクは前転で背後へ回り込み、体を捻りながら舞うように斬り伏せた。

 

 

「あの技… 背面斬り…?」

 

 

こどもリンクが扱っていた剣技の一つだった。今までの大乱闘で使っていたのをいつの間にやら覚えていたのか。

 

 

「おっーし! 次行くぞー!」

 

「大ジャンプ斬り…」

 

 

ダウンした怪物に飛び上がったトゥーンリンクは斬りつける。これもこどもリンクが使っていた技だった。未だに起き上がれぬ怪物は無数に火の弾を放った。

 

ゼルダとガノンドロフはシールドや回避で防いでいるが、リンクとトゥーンリンクは盾で跳ね返した。─盾アタック。

 

そのままトゥーンリンクは飛び上がってすれ違いざまに頭部を斬りつける。─兜割り。

 

リンクはいつの間にやら納刀しており、背中に背負った鞘から剣を抜いた勢いのままに斬りつけた。─居合い斬り。

 

 

「─っ!」

 

 

ダウンしたガノンドロフの遥か上空。飛び出してきたのは一陣の風。一つの小さな影。それはこどもリンクだった。

 

 

「(ぼく… いつの間に動いてたんだ? なんで動いてるんだ?)」

 

 

気がついたら、体が勝手に動いていた。左手の剣を器用に動かし、刃先が怪物の頭部に向けられた。

 

 

『今お前はここにいるんだ! それだけでお前の存在は肯定されているんだ!』

 

『人が残すのは記憶じゃない! 歴史でも世界でもないんだ!』

 

 

脳裏に聞こえたのはあの言葉だった。なんの脈絡もなく思い出したそれは何かを目覚めさせたのだ。

 

 

「(ああ… そういうことなのか。)」

 

 

この魂は、みんなが戦った証だ。この剣技はぼくが戦った証だ。ぼく一人でみんなの想いが繋がる筈がない。繋いでくれる人がいて。

 

 

「はあああぁぁぁぁ…ッ!!!」

 

 

─初めて繋がっていくんだ…!!

 

とどめを、刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫色の炎が散っていって、一際大きな炎が化け物の肉体と共に消えていった。その中心にいたこどもリンクは盾と剣を背中にしまう。

 

 

「こどもリンク…」

 

「うるさい、ぼくはあんたみたいな人の都合も知らずにグイグイくる人間が苦手だ」

 

「ううぅ…」

 

 

一番に近づいたゼルダにこどもリンクは冷たく接する。ゼルダは最早涙目だった。

 

 

「でも」

 

「嫌いではないよ」

 

 

一言区切った言葉はゼルダを満面の笑みにさせるのに十分過ぎる言葉だった。

こどもリンクもあんなに刺々しかった顔がほんのちょっとだけ優しくなった。

 

 

「ふん、つまらん」

 

「ありゃあ? そんなこと言っちゃってライバルが強くなって嬉しいんじゃん〜?」

 

「そうだそうだ!」

 

「たわけが」

 

 

ガノンドロフを徹底的にいじる二人のリンクに今度はガノンドロフの怒りが爆発しそうだ。

 

 

『まあ、姫さんの機嫌が直ってよかったよ』

 

「う〜ん…」

 

『どうしたの?』

 

「やっぱりあの剣技見覚えがあるんだよな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなことがあったのは最早どれほど前なのだろうか。

 

果てしない時を迷い続けたこの肉体はとうの昔に朽ち果てた。それでもなお、この魂は残り続けたのだ。

 

でもそれももう、終わるのだ。

 

 

『勇者として生をうけながら後世にそれを伝えることの出来なかった我が無念も、ようやく晴らすことが出来た』

 

 

気高さと獰猛さを併せ持つ今代の勇者。彼の道の未来には果たして何が待ち受けているのだろうか。

 

どうしようもない痛みがあるのかもしれない。

途方もない別離があるのかもしれない。

 

 

『幾多の戦いを経てなお、曇りなき眼で未来を見据えるそなたなら、必ずや、このハイラルを在りし日の神々が愛でた大地に戻すことが出来るだろう』

 

 

それでもきっと前に進むことができる。繋がれた想いがあるのだから。

 

 

『…さらばだ!』

 

 

白んでいく視界の中、光の勇者はその骸の騎士に何故か似ても似つかわぬ幼な子の姿が見えたのだった。

 

 

「怯まず進め、我が子よ!」

 

 

 

 

To be continued to ‘Twilight Princess’

 




現ファイター

カービィ
マリオ
マルス
ピクミン&オリマー
パックマン
Wii Fit トレーナー
Dr.マリオ
インクリング
ピチュー
ロックマン
スネーク
むらびと
シーク
リンク
ルカリオ
キャプテン・ファルコン
ピーチ
クッパ
フォックス
シモン
ピット
リュカ
しずえ
Mii 剣術タイプ
ヨッシー
プリン
リュウ
ドンキーコング
アイスクライマー
ダックハント
リトル・マック
ファルコ
ピカチュウ
サムス
ネス
Mii 射撃タイプ
トゥーンリンク
Mr.ゲーム&ウォッチ
ポケモントレーナー
ディディーコング
シュルク
ゼロスーツサムス
デデデ
ルキナ
デイジー
ワリオ
リドリー
ケン
ブラックピット
ルフレ
リヒター
ロゼッタ&チコ
ロボット
ゲッコウガ
ウルフ
カムイ
アイク
メタナイト
ルイージ
キングクルール
ミュウツー
ガオガエン
ゼルダ
こどもリンク
ソニック
クラウド
クッパJr.
クロム
Mii 格闘タイプ
ガノンドロフ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。