灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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えっ、ポケモンスナップアプデでステージ増えるんですか!?
ないものだと勝手に思ってたから驚いた…

そして、試合数が増えるだけだからと省いたクレイジーハンドル戦。こうすることでなかったことにはしませんでした。



百十三話 闇は闇の前に沈んだ

 

「これはマズイ! これでさっきみたいな攻撃をかけられたら…!」

 

「てえぃや!!」

 

 

シュルクは焦っていた。ダーズだけでも厳しい戦いだというのに、キーラも使っていた偽物のファイター、それにクレイジーハンド二体というラインナップなど絶望以外の何者でもない。

これに加えて、先程まで苦しめられた同時攻撃も合わせれば… と考えると─

 

後ろ向きな想像を振り払って、闇の眷属が一人に狙いを定める。振り下ろされた剣をモナドで防ぐ。手が空いたカービィは『ハンマー』を振り回し、回避させることで相手を引かせた。

クロムの姿をしたそれをカービィと二人で封じる。それがシュルクが思いついた対抗策だった。

 

 

 

 

クラウドの偽物は、同じ大剣使いのアイクが相手をする。質量の差もあってか、アイクが押され気味だった。

 

 

「くっ…」

 

「無事か」

 

 

その間に入り込んだのは本物のクラウドだった。助太刀を見て、アイクもまた立ち上がる。

 

 

「ツキがなかったな、俺一人ならばもっと戦えただろうに」

 

 

 

 

増援の姿を見たルフレは、極めて冷静に行動を始めた。軍師が平静さを失えば、勝てる試合も勝てなくなる。

クロムとルキナに二人組で眷属を相手するように言い、ルフレは空中に浮かぶ足場に登って高いところから戦場を見渡す。

 

クロムの偽物はシュルク、カービィと対峙している。いつの間にそんなに仲良くなったのか知らないが、コンビネーションもいいので余程のことがなければ抑え込めるだろう。

クラウドの偽物はクラウド、アイク。前二人と違って即席のコンビだが、本物がいるおかげか優位に戦えている。

ルイージ、ゼルダ、ケンの偽物と対峙するのは、メタナイト、スネーク、リュウだった。数の優位が取れてない上にメタナイトは手痛い傷を負っている。そこに向かうべきか… いやクロムとルキナが行ってくれた。ならば問題はないだろう。

 

リドリーの偽物はピチューが抑えている。逆に助けなんていらないと返されそうだ。

プラックピットの偽物は本人が止めている。これも自分の力で倒したいと思っているのだろう。

ブロウの偽物はガンナが抑えている。相性と本物を知り尽くしているから問題なさそうだ。

ソニックの偽物はソニック本人が止めている。あのスピードについていけるのは本人ぐらいしかいないため、そもそも助太刀しにくい。

ミュウツーの偽物はレッド達が抑えている。こんな状況でも格上相手とのポケモンバトルは楽しそうだ。

 

となると、自分が加勢すべき場所は─

 

 

「そこだ! 『ギガファイアー』!」

 

『…! ルフレ!』

 

 

全身を竜化させたカムイが、ややくぐもった声でルフレの名を呼んだ。

破壊神の偽物が飛行機の形でカムイへ突っ込んでいるのをルフレは見逃さなかった。かわせばほかのファイターが轢かれてしまう。だからどれほど分が悪くても、カムイは受け止めるしか選択肢がなかったのだ。

どんなパワーファイターでもまず無理なことを、カムイは全身を竜化させることで可能にしようとしていた。結局はパワー負けしていたのだが。ここまで踏ん張れただけでも健闘したと言えるだろう。

 

指を鳴らしてテレポートしようとしていた敵を背後からマルスが攻撃して止める。

これで三人。これで戦いになる。

 

 

「準備はいいかな?」

 

「ああ!」

 

『うん!』

 

 

カムイとマルスとルフレの共闘。その二人は姿も中身も違うというのにマルスの親友を彷彿とさせる。負ける気がしなかった。

 

 

 

 

一方、もう一匹顕在している眷属の破壊神。

前者三人に比べて、こちらの三人… 三匹は随分と仲が悪い。

 

 

「おおい!? 今のはオレさまがぶん殴っていればクリティカルだっただろうが!? おまえが攻撃したせいでオレさまの攻撃が当たらなかったんだぞどう責任とってくれるんだアァ!?」

 

「ウホッ! そんなこと言って避けられたらどうするの! 攻撃、当てられる時に当てないとダメ、卵からやり直せ!」

 

「ウッキャッキー!!」

 

 

拳は相手へ、口は仲間へ。

口喧嘩では、思想の違いで殴り合っているが、クレイジーハンド相手にしっかりダメージを与えられている。仲が悪いは撤回しよう。喧嘩するほど仲がいいというやつだ。

 

 

 

 

援軍の相手は数の優位を活かして戦っている。ダーズ相手に不確定要素は少ない方がいいため、他に手を出させずに、できる限り完封することが求められる。

この一部のファイター以外は全員ダーズを相手取ることになる。69から20を引いて49人。その20はアイコンタクトや呼びかけ程度で集まり、黒子役を自ら引き受けた数だ。故に連携はさほど心配しなくてもいい。真に心配するのは残った49の方だった。

 

 

「ちぃッ!」

 

「ギャハハハ! 邪魔だ!」

 

 

ゼロスーツサムスの射線に巨大な体躯が入る。リドリーは初めから連携する気などないのだ。蹴りによって防御が弾かれるダーズではなく、射線に入ったリドリーに対して舌打ちをした。

偶然、ではないだろう。わざわざ遠回りしたくないから最短を選んだ結果、射線に入っただけだ。

─撃ちたければ撃てばいい。

そういう考えが伝わってきて尚更表情を苦くする。死ぬほど認めたくはないが、今は共に戦っているのだ。誤射でも当てるわけにはいかない。仲間、同志という言葉を使わないのはせめてもの抵抗だった。

 

 

「オラオラ!」

 

『───────ッッ!!』

 

 

リドリーの尾による、高速刺突。しかし、それは行手を阻む茨のように防がれた。それでいい。サムスから見て正面に触手が集中しているのならば、裏はその分無防備な筈だ。奴が意図していたかは不明だが、上手く進んでいるならばいい。

 

 

『───────ッッ!!』

 

「─ガッ!?」

 

「ぐっ…!!」

 

 

ダーズの触手が、クロスするように空間を裂く。先程ソードとロゼッタ、ロボットが受けていた周囲の時間の流れを裂く力。

ダーズは動けなくなったサムスとリドリーを放っておいて、他のファイターの方へ眼球を動かす。

 

 

「ピカチュ〜!」

 

「(ピカチュウ! 助かった…)」

 

 

戦闘から抜け出してきたピカチュウが時間操作の及んでいないギリギリの場所から、サムスの足を引っ張り出す。バランスを崩して転びかけるも、なんとか膝をつかずに立つ。

 

 

「ピカー!」

 

「ッ!? ピカチュウ!?」

 

 

サムスだけではなく、リドリーの尻尾を掴み彼もまた脱出させる。時間が正常に戻ったリドリーは自分より下のピカチュウを睨みつける。

 

 

「テメェ… ど〜ゆうつもりだ? いつかは雷浴びせた癖して今度は勇者気取りか?」

 

「………」

 

 

何も答えない。

どうせ何も伝わらないから黙っている… というわけでもなさそうだ。

その反応に飽きたのか、ケッ、と吐き捨てながらダーズに向かって翼を動かす。

サムスは今の複雑な顔を隠すため、スーツをつけてピカチュウの隣に並び立つ。

 

 

「私は… 大人げないのかもしれないな…」

 

「…………ピ…」

 

 

ピカチュウは何か言おうとした。でも言えなかった。

 

 

 

 

「全く… 嫌になるなっ!」

 

「何が?」

 

 

キャプテン・ファルコン。この世界が生まれてからずっと闘っている歴戦のファイター。だが、彼もまた押され気味だった。

隣のこどもリンクは割と涼しそうな顔だった。余分に動いて他のファイターにいく攻撃を撃ち落とす余裕すらある。

 

ダーズが、行動を変えるのを敏感に察知した。

闇の柱をところ構わず起こし、無数の触手は空間と空間を移動して予備動作なしでの攻撃を開始した。そして、ダーズ本体は。

 

 

「ヤッホー! ボク人気者!」

 

「ふざけている場合ではないぞ…!」

 

 

ムカデのように曲がりくねった軌道で、一本の触手と共にマリオをつけ狙う。シモンが呑気なマリオを叱咤しながら後尾の本体を『クロス』でダメージを与える。マリオもわかっている。強がりが半分の言葉だった。

 

 

『このまま逃げ続けろ。私たちは狙える時に狙う。』

 

「もっちろん! わかってるよ!」

 

 

ミュウツーがテレパシーで簡単な作戦を伝える。その通りマリオは従い、前方を遮る火柱と瞬間移動攻撃を避けることに専念する。

 

 

「と、言われてもぉ!?」

 

「避けるのに手一杯だわ…!」

 

 

Wii Fit トレーナーやゼルダといった一般人の域をでない人々や、動きが鈍重なファイターは、いつ噴き上がるかわからない火柱、どこから来るかわからない攻撃に対処するだけで限界だった。

 

 

「くそっ…!」

 

「ウワッと!?」

 

 

被害は援軍と対峙していた者たちまで響く。援軍を対ダーズ部隊に合流させないようにするのは難しくないが、ダーズの攻撃を対援軍部隊に届かせないのは無謀だったのだ。

 

 

「ちっ… どうする? 何人かこっちによこしてもらうか?」

 

「…いや、仲間を信じる! あいつらはきっとやり遂げる!」

 

 

スネークの提案。しかし、それには乗らない。絶対に勝つのだ。それしかないのだ。

 

 

「それなら… 一撃必殺だ。それしかない。動きを止め、邪魔者を排除する。」

 

 

目をぎらつかせ、魔王が降臨する。ダーズが起こした闇が、何故か歓喜しているようだ。

 

警戒していたパックマンが、背後からの空間の歪みに気づいた。すぐに声を上げようとするが、戦場は混沌としており出ない声に気づく者はない。しかし、その様子を直接見ていれば別だった。パックマンを飛び越して登場したのは三人の人影だった。

 

 

「ここらが年貢の納め時だぜェ!」

 

「も・ち・ろ・ん、現金でね!」

 

「いきますよ〜!」

 

 

リンクの剣から、むらびととしずえの懐から、対魔の光が放たれた。『しまう』を活かした同時攻撃でダーズの触手のほとんどは切れて使い物にならなくなる。

 

 

「頼むぜ、パックマン!」

 

 

コクリと頷き、僅かに生き残っていた触手の一本を『消火栓』で下敷きにする。弱っていたからこそできたものだった。

まだ残っていた触手にロックマンの『フレイムソード』とピーチのパラソルが突き刺さる。

 

 

 

「ワオー!」

 

「ヨッシー、上に!」

 

 

マリオを乗せたヨッシーがフィールドをあっちこっちに駆け回る。足場に飛び乗り、ダーズを置き去りにするように駆けていた。

 

 

「この!」

「えい!」

 

「「はずれたー!!」」

 

「ふざけてる場合じゃないっス!」

 

 

ポポとナナが時間差で攻撃を仕掛けても、するりするりとかわされる。ヨッシーの足に追いつくようにか、先程より速くなっている。

 

 

「はあ… はあ…」

 

「ちょっと! そろそろヨッシーが限界だよ!」

 

 

そして迎えた限界。ようやく追い込んだとばかりに一つしかない目をマリオへ向ける。そこへ機械音が鳴り、近づく誰かが。

 

 

 

 

「キィーッ!!!」

 

「ウホッ! ナイス、ディディー!」

 

 

ディディーコングが、クレイジーハンドの中指部分に両手足でしがみつき、エビ反りの要領で拘束する。それに合わせて、ドンキーコングも両手で、手首部分を叩きつけた。破壊欲の化身が沈む。

 

 

「ウオオオオ!」

 

 

空中へ飛び上がり、手の甲へと思いっきりのボディプレスを仕掛けた。キングクルールの硬い腹部からの衝撃が、紛い物の全身に広がっていく─

 

 

 

 

上空のクレイジーハンドがどこからか爆弾を落とす。それを三人は避けていた。

 

 

「うう… しつこい…!」

 

「二人とも平気かい?」

 

「…少し厳しいかな。」

 

 

ここで見栄を張っても何にもならないため、思うがままにルフレは伝える。武装は多いし、厚手のコートでは、二人ほどのスピードはでない。回避一つでも割といっぱいいっぱいなのだ。

 

 

「仕方ない… マルス、賭けに出よう! 乗って!』

 

「…! わかった!」

 

 

言葉の途中で全身を竜化させて、マルスを乗せる。爆弾の雨を潜り抜け、破壊神に鋭い腕を突き刺した。マルスもカムイから飛び降り、手の甲へファルシオンを突き刺す。体勢を崩された相手は攻撃をやめてしまう。その隙を逃すものはここにいなかった。

 

 

「(二人が作ってくれたチャンス…! 無駄にはしない!)いけっ!」

 

 

最高の魔力を込めたサンダーソードが、その手に突き刺さる─

 

 

 

 

あわや追いつかれるというタイミングで、ダーズを止めたのはロボットだった。接続部から嫌な音を上げながらも、アームでの押さえ込みをやめることはない。

 

 

「アワワワ… ロボット…!」

 

『ググググ… 何故だかこのダーズを見ているとムカムカするんデスヨ! お願いしマス!』

 

「よくやった、とは言ってやろう」

 

 

その腕には膨大なまでの魔力と闇が込められている。その腕は拳を握りダーズに叩きつられようとしていた。

 

 

「うおお!」

 

「うわ…」

 

 

魔人の拳が穿たれた。

闇は闇の前に沈んだのだ。

 

 

 

 

ダーズの肉体は所々消滅し、トンネルのように闇を形作ってその奥へ消えていく。逃がさない、と追おうとすると、どこからか完璧なる光がそこへ入っていくのが見えた。

 

 

「ッ!? キーラか!」

 

 

トドメを刺したフォックスはその光の正体がかつて退けたキーラであることを見逃さなかった。

 

 

「…行こう」

 

 

やけに静かなマリオを先頭に、闇の先へ進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、今までの世界のどことも似つかわない、場所だった。立ち向かうファイター、支配されたスピリット達、遠目に見える同胞。

不思議な力で作られた足場がそれら全てを支えていた。

 

宙に浮いているのは数えきれないほどのマスターハンド、クレイジーハンド。そして元凶のキーラとダーズだった。

ビームを撃ち合い、配下を向かわせ争わせている。キーラが倒された時と違い、その戦いは互角に見える。光色の空と闇色の空がその勢力図を表しているようだった。

ファイター達、スマッシュブラザーズがここまでたどり着いたのに気づいたのか、こちらへ本体を向ける。

 

 

「これが本当の最終決戦、か…」

 

「ここまで来たらどっちも敵だ! やってやろうぜ!」

 

 

リュウ、ケンの格闘コンビが再度決意を固める。

 

 

「うん、これが本当の──だから! 私達は絶対に負けない!」

 

 

インクリング、否、3号がどこからか取り出した黒いマントを羽織る。そこには3の数字と似た記号が書かれていた。

 

 

「それはキーラとダーズも同じ… ですよね。ならば近くにまだ助かっていない方もいるはずです」

 

「っ! そうね、まだ見つかってないのよね…」

 

「イッシッシッシッシ」

 

 

ルキナが未だ敵対しているものの可能性を挙げると、ゼルダがそれを思い出す。ダックハントはそのおとぼけを見て笑った。妙に緊張感がない。

 

 

「まだ、見つかっていないのは… パルテナ、ロイ、ベヨネッタ、ダークサムスか」

 

「あの、その人達と誰が戦うか、あらかじめ決めていた方がいいんじゃないですか…?」

 

 

オリマーがこの場にいない者の名前を言うと、リュカがそれに追従して提案をする。それを聞いて、動きが一番早かったのはピットだった。

 

 

「ハイハイハイ!! ボクがパルテナ様を助ける! ブラピ、ベヨネッタお願い!」

 

「ッ!? ざっけんなッ! オレにあの魔女を押しつけんじゃねえ!!」

 

「……俺が行こう」

 

 

口論になりかけた天使二人はあの魔女を恐れているらしい。まあ、文化の違いというやつだ。ベヨネッタと同じ世界にいるファイターはいないため、率先してクラウドが手を上げた。一応、ほとんど同じ時にこの世界の仲間に加わったのだ。無縁ではないはず… と自分の中で言い訳をした。

 

 

「ロイの相手は… 僕がするよ。」

 

「それなら私がダークサムスを引き受ける」

 

「ピカ…?」

 

 

ロイの相手にはマルスが名乗りを上げ、ピカチュウに心配されながらもサムスが立候補した。

 

 

「じゃあ、他のみんなはスピリットの相手と四人の援護だね」

 

「仕方ねぇな」

 

 

ルフレの言葉に渋々肯定したのはウルフだった。四人に割って入る理由はなかった。

 

 

「…うん! それじゃいくよ! スマッシュブラザーズ!」

 

 

全ての始まりの一人。

マリオが上げた声で、最終決戦の幕が上がった。光と闇が入り混じる世界で、スマッシュブラザーズの反撃が始まったのだった。

 





シモン「キーラとダーズと私達の三つ巴か…」

ルフレ「彼らにとって僕らはおまけ扱い… この戦局、どうするか…」

カムイ「う〜ん… とりあえず…」

ルフレ「何かいい策があるのかい?」

カムイ「両軍に同時に攻撃を仕掛けてみたらどうかな?」

ルフレ「!?」


カムイ「次回、『今の僕は本当に負けず嫌いなんだ』!」


クロム「そうか!」

アイク「なるほど」

リヒター「それじゃやるか!」

ルフレ「真面目に受け取らないでって! カムイも歌姫の片鱗が垣間見えてる!」

シモン「だが、原作的には正解…」
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