灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
そして私的考察のアンサー…ということになります。
先を進む父が差し出した手を娘がとる。上の足場へ引き上げる傍らで、ルフレが光の軍勢を焼き上げた。
『どういうことか説明してくれませんカ? キーラとダーズがあの… タブーと関係しているトハ?』
クロムの背後から襲いかかってきた複製が赤いビームに撃ち抜かれる。ジェット機で浮き上がっていくロボットは穏やかな声をしていない。彼の場合はタブーの方にその激情が向いているのだが…
『キーラとダーズは我らのように対となる存在だ。キーラは全てを焦がす光を司り、ダーズは全てを呑み込む闇を司る。表裏一体の存在なのだ。』
マスターハンドはそう語りながら自ら戦う。スマッシュブラザーズという共通の敵がいても尚争い続ける光と闇の軍勢をビームでまとめて薙ぎ倒す。
『しかし、奴らは互いを自分の力で押さえつけている。奴らが持つ大いなる力が拮抗し合うことで世界の光と闇のバランスは成り立っているのだ。』
「カッコウ?」
「きっこう、です。つまりキーラとダーズの力のバランスが取れている時は平和が続く、ということです。」
「ああ、なるほど〜」
チコを操り、守りながら、ロゼッタはネスとともに戦う。周りを確認すると、人数の差にヨッシーが慌てているので、ネスを促して下っていくことにする。
「そういえば… そもそもダーズが現れたのはキーラを一度倒した後だ!」
「なるほどな、キーラを弱らせた結果、ダーズが暴れにきたってことか…」
つまり、キーラやダーズを倒しても、もう片方が強くなるだけで根本的な解決にはならなかったということだ。それを裏づける情報。フォックスが過去の戦いを思い返し、事実を知ってファルコが歯軋りした。
「それで互いが戦っているのだな」
「だが、ダーズが現れることに心当たりはあっても、最初キーラが現れたことに心当たりはない。」
常戦の構えで敵を蹴散らしながら上へと登り続けているリュウの言い分も正しい。この最終決戦にキーラが乱入してきたのはダーズを苦しめたから。それ以前にダーズが登場したのはキーラと戦ったから。ならば一番はじめ、この戦いの火種となったキーラの登場は?
『リュウ、君には心当たりはないだろう。心当たりがあるのは… せいぜいここにいる半分程度といったところか』
『半分…程度…? ま、マサカ…!』
『そう、タブーだ。』
事実を冷淡とも感情的とも取れない、ただ淡々とした様子で語ったマスターハンド。その言葉に、その半分に動揺が走る。
「タブー… ってなんだ?」
「以前、この世界の所々で亜空軍という敵勢が現れたんだ。タブーはその亜空軍を率いていた。私たちはそいつに危うく全滅しかけたんだが…」
「オレさまのおかげだぜ!」
「(本当にそうだから返答に困る…)」
「ピカー…」
ケンが近くにいたサムスに聞く。その答えに被さってデデデが割り込んできた。確かに全滅を回避できたのはデデデのおかげなのだが… サムスはピカチュウと共に呆れた目をした。
『亜空軍を率いていたファイターは当時のスマッシュブラザーズから離反していた者であり、私自身不覚を取ってタブーにいいようにされた。』
『あの時のダサさったら… ぷくくく…!』
『黙れ、クレイジーハンド。そして亜空軍の元となっていたのはMr.ゲーム&ウォッチの生み出してた影蟲だった。』
『えっ? なになに?』
「テメェのことだよ、ペラペラ、グチャグチャにしてやろうか?」
「やめんか!!」
無自覚で反省してるとも思えないMr.ゲーム&ウォッチにガンナが割と洒落にならないことを言う。ブロウに小突かれてなかったら本当にやっていたかもしれない。
「アワアワアワ…! そんなトークしてる場合じゃないって… うわあ!?」
「要するに、そのタブーって子だけ出自がハッキリしてなかったってことね。」
数の暴力を受けかけているソードを、ベヨネッタがソードごと蜂の巣にする。近くにいたお前が悪い。
「その出自がダーズに関係していたってことか…」
『ああ、もっとも自覚があったかは不明だが… そのタブーですらもダーズにとっては一つの先兵で、力の一部分でしかなかった。僅かでも均衡が緩めば送り込めるほどの』
「オイオイオイ… 冗談キツイぜ…」
こどもリンクが独り言のように呟いた言葉にマスターハンドが反応した。タブーですら、ダーズの一片でしかない。ソニックが軽く現実逃避に走るのも無理はないだろう。
「そうか… カービィのボディ… というかデータの方が近いのか。OFF波動でフィギュア化された時に作られた偽物。あれと同じようなものなのか。」
「あっ!? そういえばブラピ助ける前にカービィのボディがいた気が…!」
「おい」
あのクイズがあった謎の空間に、倒したはずのタブーがスピリットとして存在していたのも、これで説明がつく。ガレオムは亜空軍の作った機械であり、デュオンは影蟲から生まれたモンスターだった。Mr.ゲーム&ウォッチやロボットがキーラに捕らえられていたことを考えれば、キーラの陣営に存在していてもおかしくなかった。
ダーズの陣営にタブーがいたのも、タブーの力の元凶がダーズそのものなのだから、寧ろこっちの方がより納得できるだろう。
『矮小過ぎて、すぐに光と闇の戦いに影響を出さなかった。ようやく出たのが私が捕らえられた時だ。』
「なるほどな、それで…」
『サイファー』で上昇していくスネークはキーラとダーズの様子が変わったことに気づく。光と闇が集まり、力を蓄えているような…
「それでは、キーラにもダーズにも勝てないということですか?」
「っ!? そっか! 片方を倒してももう片方が強化されちゃったら…!」
ピットが顔を真っ青にする。これではイタチごっこで終わりがない。平和なんか生まれない。
『ああ、普通の方法では勝てない。それどころか、片方を倒せばもう片方がこの世界を牛耳るだろう。』
『だが、好き勝手やられて負けちゃいましたなんてありえねえよな?』
集まっていた光と闇が、束になって襲いかかる。この二対の神を現在の最大の障壁と認識して。その光と闇は、よく見れば辺りに大量にいるスマッシュブラザーズの模造品達だった。
「プ…! プリリ!」
『後ろだ!』
平和主義のプリンが慌てて声を上げ、ルカリオが明確に注意を促した。でも遅い。二柱は光と闇に包まれる… ことはなかった。
マスターハンドは空気を斬る程のアッパーで、クレイジーハンドは大地を抉る程の突進で、造作もなく敵意を蹴散らしたのだ。
『難しい話ではない。キーラもダーズも両方同時に倒してしまえばいい。私が選んだ精鋭達なのだ。むしろイージーゲームだろう?』
『へっ、お前らが潰れた時にはオレが代わりにやってやるよ。だから潰れてもらってもいいんだぜ?』
できない、とは言わせない。言うとも思っていない。はっきりと断言した言葉に少し面食らった者もいた。
「ひえー… 簡単に言うよなー…」
「大丈夫! ボクがいる! だから勝てるよ!」
「ぽよーい!!」
「あ、ちょっと…」
その面食らったメンバーのインクリングの肩をポンと叩きながらマリオが通り過ぎていく。カービィも気楽な笑顔で通り過ぎる。
「…そうだね! 負けない! 負ける気がしないもん!」
背中のマントとヒーローコスチュームが勇気をくれる。もっと戦える。3号はそう感じながら最後の足場を登る。そこには全てのスマッシュブラザーズが揃っていた。
『私たちは私たちの偽物を倒しておこう。本丸は任せたぞ。』
『ひっさしぶりにぶっ壊し放題だ! 暴れまくってやるぜ!!』
そういうと、未だ上空に点在している敵と戦いに空を飛ぶ。この大勢が戦うのに十分すぎる足場はマスターハンドによるものであろう。
「よし、これで本当に最終決戦…って、なんスかこれぇ!?」
「イッシッシッシッシ」
突然目の前が光と闇で眩みだす。かっこよく決めようとしたところ、出鼻を挫かれたリトル・マックは確かにダックハントに笑われる声を聞いた。
「…! みんな!?」
「この場所は一体…」
マルスがはじめに仲間の無事を確認するように声を荒げ、ロイが辺りを見回す。故郷では見られないような金属でできた壁。誰かには見覚えがあるような…
「こいつは…!」
「ガレ…オム…!」
ドシンと巨大な何かが落ちてくる。それは鋼鉄の体を持つ巨人。亜空軍との戦いで遭遇した経験のあるアイクとリュカの反応が早かった。
「キーラの配下としてのガレオムは倒した… 他のみんなは別の敵と戦ってるのか?」
「多分そうだろうな、まずはここを乗りきってからだ」
マルスが周りを見渡しても、明らかに全員はいない。合流を目指すべきだが、ワープされているのだから歩いて合流できる保証はない。ならばスネークの言う通り、復活したガレオムを倒すことで道が開けるかもしれない。
ガレオム
VS
マルス アイク リュカ スネーク ロボット アイスクライマー ネス ルフレ ルキナ クロム カムイ ロイ
再々戦と再戦は思わぬ場所で始まった。
闇は至るところから現れる。ついさっき戦った時と同じように、再び勇気と力と知恵はめぐりあう。
「…飽きないの?」
「俺に言うな…」
記憶にも新しい魔神、ガノンドロフ。スマッシュブラザーズの一員の姿とは違う。巨大なモンスター。リベンジというにも早すぎる再開にこどもリンクとガノンドロフは自分達の関係も忘れて呆れるしかなかった。
「ですが、私たちにとっては新顔です! 油断はいけません!」
「わわわ、頑張ります!」
Wii Fit トレーナー、しずえ。戦いとは縁遠い者も臨戦体勢を取る。その前へ出てくる者がいた。
「ふっふっふ… さっきはトドメ取られちゃったから、今回はみんなの出番を潰す勢いで大・活・躍してやるー!」
背中からマスターソードを抜いてギラつく瞳で前を見据えた。やってやるさ、今の自分はイケイケモードだ。
魔王ガノン
VS
こどもリンク ガノンドロフ ゼルダ リンク トゥーンリンク シーク ソニック Wii Fit トレーナー しずえ むらびと パックマン ロックマン
闇はどこにでも潜むもの。
「うわ、またこいつか、飽きないの?」
「おい、こいつのこと知ってるのか?」
「ファイアドラゴンでフラッシュがウィークポイント!」
戦った経験があるガンナとソードの二人。それを言動から見抜いたウルフが聞いてくるが、わかるようなわからないような。
見かねたオリマーがピクミンを引っこ抜きながらわかるだけの情報を語る。
「火を吐いてくるドラゴンのようだ。足の爪には毒があり、身軽に宙を飛び回る。強い光が弱点のようだ。」
「りょーかいっス。てか、ダックハント聞こえてたっスよ!!! どこだゴラァ!」
「ハハハ! それは後だな!」
空中から飛んできたリオレウスが砂埃を撒き散らしながら堂々と着地する。各々がバラバラのタイミングで戦闘体勢に入った。
リオレウス
VS
オリマー ソード ガンナ ブロウ フォックス ファルコ ウルフ ピット パルテナ ブラックピット キャプテン・ファルコン リトル・マック
猛々しく咆哮が鳴り響くものの、身を竦める者はいない。
「さすがのしつこさ、ということか…」
「何度でもこいよ! 倒してやるぜ!」
ダーズによって復活させられたドラキュラ伯爵。一番血気盛んなのは当然ながらシモンとリヒターの二人であった。
「ふん、悪の大魔王如き、この3号の敵ではない!」
「インクリングちゃ「3号!」3号ちゃん! サムスちゃん! ベヨネッタちゃん! 俺が守るぜ!」
「必要ない!」
「あら、じゃあ頑張ってね」
「はあ…」
ケンがいつも通りの悪癖を見せた裏で、リュウが密かにため息をついた。だが、すぐに切り替えて構える。その速さは流石の対戦経験だろう。
ドラキュラ伯爵
VS
シモン リヒター インクリング サムス ベヨネッタ リュウ ケン クラウド ダックハント Mr.ゲーム&ウォッチ ダークサムス リドリー
余裕とも取れる高貴な仕草は全員のヘイトを集めるのに十分であった。
「ピットが言ってたよ! これが天丼ってやつだね!」
「なんか腹が立つぞ!マリオめ、少しはだまれ!」
「なんかちょっと違うよ兄さん…」
この世界以外でも交流のある団体を迎え撃つのはギガクッパ。しかし、クッパはスマッシュブラザーズ側として健在だ。おそらくマスターハンドやクレイジーハンドと同じように偽物がいたのだろう。
「アワワー! モンスターだー!」
「モンスター!? オレさまよりでしゃばるな!」
「倒せばいいんだろ! 倒せば!」
「ウホッ! 頑張ろう!」
「ええ、頑張りましょう」
以前、マリオとピーチで戦った時とは違い、フィールドは比べものにならないぐらい広くなっている。十二人全員が戦うのに十分なほどに。
ギガクッパ
VS
マリオ クッパ ピーチ ルイージ クッパJr. デイジー ロゼッタ ヨッシー ドンキーコング ディディーコング キングクルール ワリオ
全員がそれなりに関係を結んでいるため、団結力はピカイチだ。
「またか…!!」
「最早金切り声も上がらないか…!」
うぎー、と文句を垂れるデデデ。相手の事情を即座に見破ったメタナイト。偽物である以上、声を上げることも無理だと。
『またか… だが、このフィールド。今回は我々も思う存分戦える。』
「プリ…」
ルカリオが少し安堵する。一度目の対戦とは違い、しっかりした地面がある。相手は変わらず空を飛んでいるものの、これならば飛べずともやりようはある。
「よし! これなら僕も戦える! いくよ、カービィ!」
「ぅん!」
舌足らずな声でもその意思ははっきり聞こえた。この戦いが、この世界が生んだ絆がある。
マルク
VS
カービィ メタナイト デデデ シュルク レッド ピカチュウ ピチュー プリン ミュウツー ルカリオ ゲッコウガ ガオガエン
それを守るために。
スマッシュブラザーズはその得物を握りしめた。
パルテナ「第一回、マスターハンドとクレイジーハンドってしゃべるの?講座ー! わーい、わーい! パチパチパチパチー!」
リドリー「んだよ、これ」
パルテナ「みんな気になってる創造欲の化身と破壊欲の化身について、私が軽く説明しますよ。ゲストは適当にSP初期参戦組をお連れしました。」
インクリング「わーい! みんな見てるー?」
デイジー「2回目があるの?」
パルテナ「多分ないですね」
インクリング「んがッ!?」
リドリー「…………めんどくせえ」
リドリー「あー、次回、『これが最終決戦だ』」
パルテナ「あー! ちょっと、何締めようとしてるんですか!?」
リドリー「次回もオタノシミニー」
デイジー「なにも講座はしてないわね」
インクリング「あるのかな、第二回」