灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
ファイターフィギュア化→ファッ!? どういう状況? タブー? いやまさか…
炎の剣→フェッ!? アルフェン!? 早すぎだろ、風花雪月も半年なのにいやまさか…
キーチェーン→あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
オーケストラ版光→浄化
お待たせ!→いやほんっとに待ってたあ…
サークライ→いやこっちがええ!?なんだが?(正気)
今週色々起き過ぎて情緒不安定になってますが、ここはスマブラの小説なので話題はこれで…
立っている者はいない。
回避もカウンターもシールドも間に合わなかった。
レッドがてもちを戻そうとしたのも間に合わなかった。尾の炎が弱々しく揺れて、蕾は萎れて倒れている。しっぽも手足も上がらない。
─今、立ち上がっている者はいない。
それはタブーが使っていたOFF波動に似た技だった。何もわからないうちに致命的なダメージを受けてしまったという点がそっくりだ。
「何が… 起きた…!?」
起きあがろうとするサムスがスマッシュブラザーズの疑問を代弁する。不意打ちのせいで何が起こったのかわからない。
「キーラが何かしたように見えたが… どうなったかは…!!」
スネークがなんとか立ち上がる。大丈夫だ、やりようはある。当たれば即死だったタブーのものとは違う。段階的に衝撃を受けていた。数を上げている分威力は下がっているのだ。敢えてそうしたのか、こうでしかできなかったのか不明だが、まだ体は動かせる。戦える。ダーズだって今ので大きなダメージを受けている。残っているのだってあとは光の軍勢だけだ。まだ…
それは理論上の話だ。今のスマッシュブラザーズにどれだけ戦える数がいるのか。その判別すら至難なのだ。
「これでは… まるで絶望の…!」
「クゥオォ…」
嫌な凝視感の正体。討つべき相手は自分達など歯牙にかける必要もないぐらいの差があって。遥かな上位の存在だ。こんな存在相手に人が立ち向かうなどどうかしている。無理だ。近くでいかくを続けるゲッコウガの唸り声がやたら遠くに、他人事のように感じてしまって、刃を地に落とした。
「や…だっ!!」
その手はその声に驚き… 無意識にまた剣を握っていた自分にもまた驚いた。神弓を棒代わりにピットがゆっくりと立ち上がる。背中の翼は土や砂で汚れていても目の輝きは失っていない。
「負けられる…か…! 諦める…もんか…!!」
二体で戦いを続けるキーラとダーズに狙いを定め… 痛みで上がらない腕はブラックピットが走ってきて持ち上げた。
放たれた2本の矢。人智を超えた力で曲がった矢は二つの化身を撃ち抜いた。
ただ、それだけ。それだけでもスマッシュブラザーズの道になった。
『甘いな。私の世界を汚すには脆すぎる。』
「マスターハンド…!」
マスターハンドのチャクラムが全ての光の軍勢を斬り刻む。複製はただの模倣でしかなく、それが創造に敵うはずもないのだ。
「まだです…ね… 未来は変わるんです、ここから…!」
ルキナが立ち上がる。いや、ルキナだけではない。
「そうですね…! 得意ではないと言っている場合じゃありません…!!」
Wii Fit トレーナーもまた立ち上がる。己の力量が力不足だと気づいていながらも。
「ボク達は、会えたんだ…」
ケンがロボットの肩を借りてなんとか立ち上がる。そのロボットも接続部から火花が飛んでいて被害は甚大だ。
「世界も常識も時も超えて…」
剣を突き立てて立ち上がるクラウドに、腕を庇いながらも戦意をなくしていないリヒター。
「この世界で会えたんだ! だから負けるはずないよ! ボク達はスマッシュブラザーズなんだから!」
眉を吊り上げて叫んで、言葉の途中で口角が上がる。最初の数字を与えられた者。はじまりの戦士。だから誰よりも彼は、マリオは知っていたのだ。みんなの強さを。
「ふぁゆ!」
マリオの隣に立ったのはカービィだった。この最終決戦。カービィは最初っから本気モードだった。ポップスターを救ったように、この世界も救うのだ。
「流石ね… 前を向かせてくれてありがとう、スーパースター」
「スーパースター? 今更そんな当たり前のこと言わないでよ!」
ピーチが小洒落て話すとマリオもそれに答えてて見せた。ダーズの触手での刺突の攻撃を走りながらかわし続ける。
「マリオ!」
「やあっ!!」
ピーチが上げたパラソルを踏み台にして、最後の一突きの触手についていた本体を叩く。更に魔法でピーチが追撃をかけた。
「そう、だよな! 負け、られるかあぁ!!」
「……………!」
力任せに足で触手を纏め、マスターソードで斬り落とす。その側に空中を滑るように移動し、フェイゾンの力を押しつける。
「キーラもくる!!」
キーラの周りに浮遊する翼が槍のように鋭くなり、ファイターに追尾してくる。声を出したマルスが跳び上がり、体を捻らせて避けきる。
「ウホッ!! 受け止めて!」
「「押し留めるよ!!」
ドンキーコングが力づくで翼の一つを押さえ込む。回転しているところを掴んだせいで、摩擦によって両手の平が焼けるほどに痛いが根性で抑える。そこにアイスクライマーの二人が杭のように打ちつけることで抜けなくする。
『そうだ、それでいい。』
『守りを薄くして本体をぶち壊すってことか、単純だが、悪くはねえ』
マスターハンドとクレイジーハンド。彼らがいいたいのはこうだ。キーラの翼とダーズの触手、防御や攻撃に回せるそれらを最初に削ぎ、そこから大技を叩き込む。わかりやすい作戦だった。
「OK! とにかくこの付属品を押さえ込めばいいんだな!」
「簡単に言うけど、超越的に難しいことわかってんのか!? ほらまたきた!」
キャプテン・ファルコンが快活な笑顔で語るが、その難易度にブロウは悲鳴をあげる。武器もなければ特殊な力もないならば敵の武具を捕らえるのは、更に難易度が上がるのだと。その流れを察されたのか再びあの複製を生み出してきた。
「だがっ、みんな頑張ってんのに俺だけ腑抜けんのはカッコつかねえよな!!」
手頃な敵に鉄球を放り投げる。頭を強かに打った相手は当分動けないだろう。その勢いのまま飛び出し、触手を撃ち続けていたダークサムスとリンクの元へ乱入する。
「ガハハハ!いくらオレ様が有名だからって何も言わずに真似るのはよくないぞ!」
「こんな時にも調子いいんだから…」
ワリオが自らの複製を前に一気に上機嫌になる。それでも自慢のパンチやタックルで戦う中、ネスがその様子を見て呆れていた。中々言葉に表しにくい関係性の二人だが、共通の敵がいる以上、それを持ち込んだりしない。
他にも、ファイターの複製に立ち向かいながらキーラとダーズの得物をどうにかしようと機会を伺う。
「わわわ! ダメですー! 捕まえられませんー!」
『やはり警戒はされる…! 慢心してはくれないか…!!』
しずえがパニックゆえに慌ててクラッカーをかき鳴らす。キーラの翼を追っていたが、複製のファイター達に囲まれてしまったのだ。ルカリオが助けに入って難を逃れたが、押されている。敵の数が増え、戦闘経験の薄さが露呈し始めていたのだ。
「ポンポン出てきちゃ幾ら戦ったって意味がないっスよ!!」
「ううう… 挫けちゃダメだ…」
まだ折れてはいないが、押されているのは変わらない。グローブで殴り続け、キーラの翼を狙ってクラウンの砲弾を撃ち続けるが、当たらない。
「これでは… もう…」
「いや、勝ち目はあるよ」
だが、ロイには見えていた。キーラの敵はダーズとファイターで、ダーズの敵はキーラとファイターなら─
「キーラの味方もダーズの味方もいないんだ…」
奴らは一人だ。仲間はいない。
幾らスピリットを支配しても、
幾らボディを作り出しても、
幾らファイター達を従えても、
幾ら複製を生み出しても、
奴らは一人なのだ。何をしてても一から百までその全てが独り遊びなのだ。
『孤独に戦っても遊んでも、なんの面白みもない。つまらない。楽しくない…』
「留めろおおぉ!!」
「驚いて泣いちゃダメよ!!」
3号の持ったローラーに触手が絡みつく。そこから召喚した魔人マダム・バタフライの両腕がローラーごと押さえつけるように握りしめる。強い圧力がかかり、3号が引き摺られかけるも地に足つけて食いしばった。
「チュウウゥウウッ!!!」
「いっけええぇええ!!」
ピカチュウがほうでんをし、動きを弱らせた翼をシュルクはモナドで地面に突き刺した。彼が纏う黄色の光は、ピカチュウの電撃を耐えて攻撃をしたことを表していた。
「弾いて…ッ! 頼む、シモン!!」
「ああ! フォックス!!」
嵐のように襲いかかる触手の進行方向に回り込んだフォックスは、リフレクターで上空へ弾き飛ばそうとする。仲間の作った武装は悲鳴をあげながらもその役割を全うした。シモンはその触手の束を縛り上げる。
『─────ッ!!!』
『───────!!』
『崩れた! 今だ! 受け取れ!』
キーラとダーズの前に、スマッシュボールが現れる。正真正銘、この世界の最後の切りふだ。創造者の力と支配者の権限を利用した、掟破りの二つのカードだ。
「ふんむぅ!!!」
「いくよ! カービィ!!」
『───!! ──!!!』
『────────!!!』
ピンクの悪魔、星のカービィ。
Mr.ニンテンドー、スーパーマリオ。
上空を飛び出し切りふだを握った二人は、最後の大技を繰り出すキーラとダーズに迫り来る。
キーラは全てを焼き尽くす巨大な火球を。
ダーズは全てを引き裂く鋭い双牙を。
「「「「マリオ!!」」」」
「「「「カービィ !!」」」
カービィは神をも斬り裂く刃を!
マリオは神をも焼き尽くす炎を!
ウルトラソードは火球を真っ二つに斬り捨て、
マリオファイナルは爪のついた触手ごと燃やす。
「くぅらえぇぇぇ!!」
「おおおぉぉおおおおっ!!!」
光は右と左に斬り離され、闇は炎を残して黒く焼かれる。
二人がそれに気づいた時には力が抜けていた。