灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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どうしてこんな話が出来た\(^o^)/


あ、そうだ(唐突)
ファイアーエムブレム風花雪月、黒鷲帝国ルートクリアしました。これでも短めのルートってマジ? 1週目の相手はシルヴァンでした。











ちなみにif暗夜1週目の相手はラズワルドです。
作者の趣味が知れるね。


二十二話 地獄の沙汰もベル次第

リンク救出から、少し時間は遡る。

辺りのスピリットの解放に専念する他ファイター達。

 

その中の一人、キャプテン・オリマーは、傍にあった建物前にいるスピリットを相手にして戦っていた。

このフィールドは戦乱の続くある世界の戦を元にしたフィールドだ。『攻城戦』。城を墜とそうとする戦い、城内の戦い、人の力を凌駕する者との戦いと、城をベースに戦う地形が変化していく。

 

 

オリマーの相手はルキナの姿をした者であった。目も髪も、赤の色に染まってはいたが、それ以上にルキナではないと、確信していた。

 

 

「(ルキナの相手か… …そういえば、私の家族もこうして囚われているのだろうか。)」

 

 

同じく参戦しているクロムの娘と同じ姿を見て、ふと考える。本物のルキナも、クロムもどこかに居るのだろうか。

もし、クロムがルキナと対峙したら、戦うことで救えると知っても剣を振るうことが出来るのだろうか。そもそも、同列に語るのがいけないのかもしれない。自分の家族が戦う姿など似合わない。

 

 

「…もうよそう。本当にここに居たらその時に考えよう。」

 

 

ピクミンの方を見る。こうやって思考の海に入っていることなど感じてすらいないように、いつも通りのピクミンだ。何考えているかわからない。

 

 

『…』

 

「…!」

 

 

裏剣の一突きを横に跳んで躱した。ピクミンにも当たらず、刃は宙へ置き去りにされた。

 

 

「よっと…」

 

『っ!?』

 

 

背後に回り込んで、背中に直接赤ピクミンを貼り付けた。パチリパチリと焼きつくような打撃が背中を襲うが、無理に離すにしろ、切りつけて絶命させるにしろ非常に大きな隙を作ってしまう。特に後者は勘定に入れてはいけない。相手にとって唯一の攻撃の手段を、しばらく封じられてしまうのだ。

 

 

『…っ…!』

 

「わっ!? 集合!」

 

 

ジャンプしてから体を捻らせ、無理やりピクミンを引き剥がした。ぽてん、と赤ピクミンは落下する。笛を吹いて呼び寄せるが、その前に敵が赤ピクミンを切り裂いた。

 

 

「あっ… しまった、くっ…申し訳ない…!」

 

 

少し欲張り過ぎたか、と反省する。しかし、ピクミンの命を無駄に散らしたくない以上、いつでも剣を振るうことのできる正面からピクミンを投げる訳にはいかない。そのまま防御で真っ二つにされてしまうだろう。

ならば、相手の攻撃をかわしてカウンターを繰り出すしかない。受け手になる以上攻撃できるタイミングは減るが故に出来るだけ叩いておきたいという欲が裏目に出てしまったのだ。

 

だが、それでもまだ生きている者達がいる以上、死んでしまって終わった者のために立ち止まってはいけないのだ。

 

 

「しかし、どうもファルシオンの威力が上がっているようだな。その恩恵を私達にも受けられるというなら、他の人が戦った方が良かったか?」

 

 

キーラによる支援なのかどういうわけか、敵が謎のパワーアップをする戦いがあった。逆に自分達に唐突に悪影響を与えてきたりということもあった。

しかし、何故かパワーアップの恩恵を自分達も受けられることもあったのだ。一体どういう仕組みなのか謎だが、それで戦いが有利になるのならば使わない選択はなかった。

 

 

「(今考えても仕方ない。不利でも勝とう。)よし。」

 

『…』

 

 

敵はじりじりと迫ってきている。走るより遅いが、歩く方が敵の動きに対処しやすい。オリマーも相手がいつ動き出してもいいように、真正面から睨みつけている。先に動くのは。

 

 

『…っ!』

 

 

敵側の方であった。マルスやクロムと同じ剣技『マーベラスコンビネーション』、連続して斬りつける技だ。潜り抜けられぬように超速の剣技で抜け道を無くしてしまおうという判断だった。

 

 

『…!?』

 

「…すまないね。」

 

 

それでもオリマーは敵の後ろに回り込んだ。ホコタテ星人は、違う世界の人間より大分小さい。この世界においては創造神の加護故か、彼ら自身の違和感が無いように操作されているのだが、それでもオリマーは小さい方だ。本物のルキナならば適した策もとれたかもしれないが、生憎敵はルキナの体を使っているだけの誰かだ。要するに距離感を見誤った訳だ。

 

 

「さあ、つかみかかれ!」

 

 

青ピクミンと黄ピクミンに指示を出して、敵を抑えにかかる。すぐ近くの後方の行動に対応出来る者はそうそう居ない。身動きの取れない相手に二つパンチを入れる。先程は欲を出しすぎて返り討ちにあったので、ここで次の動きに移る。

 

 

「後ろだ!」

 

 

『ピクミン後投げ』の指示を出す。二匹のピクミンは息のあった動きで後ろの地面へ投げ飛ばした。青ピクミンは投げ攻撃の威力が高い。小さくないダメージとなった。

 

 

『…っ〜!』

 

 

受け身を取り、すぐに立ち上がる相手。その相手に向かって青ピクミンが投げられた。体こそ立ててはいるが、剣の方はまだ勢いが死んでいない。無理に振っても青ピクミンを防げれないだろう。

 

 

『…!』

 

 

ここは跳んで回避するしかない。行き場をなくした青ピクミンは、地べたにピタッと顔から転んだ。

 

 

「大丈夫だ、いい攻撃だった!」

 

 

空中についてきたのはオリマー。彼の手にいるのは黄ピクミン。振りかぶったピクミンがダイレクトに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スピリット、アンナを救出したオリマーは、目の前に商品を並べられていた。

 

 

「ここはお店だったのか。」

 

『そう! 何か買っていく? 命の恩人なんだし、サービスしちゃうわよ?』

 

 

商品の中にはルフレの使う剣や魔道書などが混ざっている。どうやら彼らと同じ世界、同じ時代の人のようだ。

 

 

「申し訳ないが、今物を買っている余裕はないんだ。それに私はそういう物は使えない。」

 

 

無料ならば、お宝として持って帰って借金返済に充てたかもしれないが、お金が必要ならば…

 

 

「(って、私まで思考がむらびとに似てきてしまった!?)」

 

 

頭をブルブル振って思考を戻す。ここまでがめつくなったのは社長の所為だ。今の借金を返したら絶対に家族全員で旅行に行ってリフレッシュしよう。そう心に決めた。

 

 

『えー? そんなあ。こんな世だからこそ身を守る武器は必要よ? 武器じゃなくても傷薬とか持ってるだけで違うわ。』

 

「そうは言ってもだな…」

 

『じゃあ、これはどう? さっき拾った物なのだけど、服らしいってだけしかわからないのよね。今なら格安にしてあげるわ!』

 

「拾い物を商品にするんじゃ…って、!?」

 

 

お前が言うな発言が飛ぼうとした時、オリマーは硬直した。1が一つ、0が六つほど書かれた値札のついたそれは、円錐型のイヤーカフのような物、黄色を基調としたベストに下に着る黒の服、少しゴツい靴。そう、アタリメ司令から探して欲しいと渡された紙に描かれた、3号、もといインクリングの服装だったのだ。

 

 

「これは…」

 

『目に留まった? ふふっ、どうかしら?』

 

「オリマー、そっちの様子はどうだい?」

 

「マルス! むらびと! 良いところに…」

 

 

マルスとむらびとの姿が見えた。相手方も、アンナの存在を視認したようだ。

 

 

「おや、あなたは…秘密の店の…」

 

『あら? うちに来たことあるのかしら?あなたみたいにカッコいい人なら忘れないと思うんだけどなー』

 

「? だが、ルフレの物と同じ武器が売られているということは…」

 

「でも、ルフレとマルスの時代って大分離れてるよね?」

 

「先祖返り…? あなたの名前は?」

 

『アンナよ。』

 

「名前まで同じ…」

 

『もしかして、姉妹に会ったのかしら? 私には顔も声も名前も同じ姉妹がいるの。』

 

「…それはそれでどうかと思うけど」

 

 

マルスが英雄王として崇められる間の長い時間は決して無視出来る程の時間ではない。

 

 

「って… そうじゃない。マルス、これを」

 

「あっ… これは…」

 

 

微妙な空気になる。インクリングの物なのだから返すべきなのだが、本人としては、3号であることを隠しているので、正面から渡しても否定されるかもしれない。 彼女の矜持を壊してしまおうとは考えれなかった。それに、品物となっている以上、今ヒーローギアはアンナの物である。

 

 

「…直接交渉してもらおうか。呼んでくる。」

 

「わかった。頼んだよ。」

 

「マルス? これが何なの?」

 

 

事情の知らないむらびとが疑問を口にする。

正直に言うのも憚れるので、少し嘘を混ぜて話すことにした。

 

 

「とある人に探して欲しいと言われてるヒーローがいてね。そのヒーローの服装がこの服なんだ。」

 

「ヒーロー…!」

 

 

少し目を輝かせる。こういうところは矢張り子供だ。

 

 

「インクリングの知り合いらしいから、インクリングを通して渡そうと思うんだけど…」

 

「でも、お金無いよね?」

 

「そこはなんとか交渉してもらうか、後払いで許してもらおう。」

 

「マルス、王子だしね。お金のお風呂浸かってるんでしょ、恵んでー」

 

「あはは…」

 

 

隙あらばこうだ。誰のせいなのか。

 

 

「つまりあれがいるんでしょ? 僕に任せて。」

 

「え?」

 

 

アンナに近づいて交渉を始めた。

 

 

「今大変なこと起きててさ、世界が危険なんだよ。」

 

『それでもこっちは商売なのよね。たとえ何があろうと譲る気はないわ。』

 

「うん、でさ、創造神のマスターハンドも捕まってるんだよ。」

 

『あら、そうなの? 大変ね。』

 

「つまり、マスターハンドを助けたらそう、巨万の富が…!」

 

「えっ」

 

 

お金をマスターハンドからぶんどる気か。両手を広げてスケールを表すむらびと。

 

 

「だからさ、1割増額でいいからさ、後払いで売ってくれない?」

 

『ん〜、2割! 2割増額ならいいわ!』

 

「オッケー。2割ね、了解。」

 

『まいど〜! 一筆もらっておくわね。』

 

 

紙に名前を書いて、ヒーローギアを手に入れた。

 

 

「むらびと、助かったよ。ありがとう。」

 

「ま、使わなきゃお金は金属と変わりないもん。使い時だから使っただけ。」

 

 

お金に関してはびた一文引く気はないと思っていたが、こういうこともあるようだ。

 

 

「あ、インクリング。」

 

「オリマー、いきなり呼んで何が… あっ」

 

 

インクリング達とオリマーと合流する。後からついて行っているリンクを見つけると手を振りあう。そして、先頭のインクリングはむらびとの持つギアに気づいたらしい。

 

 

「あわ、あわわわわ、わ、むら、むらびとそ、それ」

 

「知り合いの奴なんでしょ? 返すよ。」

 

「ホント? ありがとう! よかった、あたしの…じゃない、友達も喜ぶよ!」

 

 

マルスの詭弁を真実と思っているむらびとの言葉に乗るインクリング。駆け寄って受け取ろうとするが、

 

 

「三倍返し。」

 

「えっ?」

 

 

思わず手を引っ込めた。

 

 

「僕が立て替えてるから、返すのは普通だよ。」

 

「でも、三倍って」

 

「君じゃないからいいでしょ。はい、領収書。一緒に渡してね。」

 

 

ギアを受け取ったインクリングは地に手をつけた。ここでギアを受け取らない選択をしないのは流石と言うべきなのか。

 

 

「むらびと、あの、使い時って」

 

「さらなる儲けに繋げる時を使い時って言うんだよ。」

 

「多分言わないよ…」

 

「仕方ない。地獄の沙汰もベル次第だし。」

 

 

最後の言葉を理解出来る者はここにいなかった。インクリングの慟哭がやけに響いていた。




インクリング「三倍… 三倍って…」

オリマー「しかも三倍じゃなくても2割ほど盛ってないか…?」

むらびと「交渉による出費の分だよ?」

インクリング「新しいギア買おうとしてたのに…」


インクリング「じかいぃぃぃ!『波導の勇者対ハイラルの勇者』…!」


インクリング「鬼、悪魔、人でなし…! デブ、サディスト、ダウニー…!」

オリマー「ダウニーとはなんだ… 悪口なのか…?」
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