灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
さて、来週はついにポケモン新作が発売します。シールドを買う予定です。先に言っときますがポケモンに夢中で投稿忘れたらごめんなさい。予約すら忘れたんだ。投稿ぐらい余裕で忘れるよ!(白目)
- 二十八話 今回は一緒に行きますわ -
ファイター全員、無意識にマリオを先頭にして階段を登る。本人もそれについて何も言わない。当たり前の待遇と思っているわけではないが、単純にそこまで考える余力がないのだ。
「……」
「(マリオ…)」
マリオのすぐ斜め後ろで心配そうに彼を見つめるピーチ。たまにクッパとの対戦を間近で見ることがあるが、その時する顔と同じ顔だ。クッパにとってマリオとの戦いは特別なものなのかもしれないが、マリオにとってもクッパとの戦いは特別なものなのかもしれない。
「………ん〜! あ〜! もう! この息苦しいの嫌い! もう着くよ! もっと話すことあるでしょ!」
沈黙に耐えきれずインクリングが声を上げた。これを皮切りに他のファイター達も声を上げてもいいという謎の許しが出たと認識する。
「話すことって言ったってなあ…」
「正直何を話すのですか?」
「えっとえっと… ほ、ほら! 誰が戦うのか、とか!」
「彼以外にいるのかい?」
「ピチュ。」
「あ、えっと…」
「当の本人もそのつもりだぜ? タイマンしかないぞ。」
えっと、と繰り返しているが、どんどん声が萎んでいく。インクリングは特に会話内容に意味は含めず、沈黙していた雰囲気をどうにかしたいと思っただけであり、なんとかして会話を続けたかったのだ。そんな中、突如凛とした声が上がる。
「いえ、マリオだけじゃない。私も行きますわ!」
「え?」
「は?」
「へっ?」
「キャー!」
参戦の意向を示したのは、ピーチだった。突然の発表にマリオを含めた大半のファイターが驚きの声を上げる。インクリングなど語るまでもないだろう。さっきまでの戸惑いが一変、頭の中恋色桃色ピンク色だ。
「いや、あのピーチ姫?」
「私も戦います。何故かはわかりませんが、私にも奥にいる方がわかります。行かせてくださいな。」
「このタイミングで言うか…」
「さっきまで宿敵との真剣勝負だー、って雰囲気満々だったのにな。」
「ピーチ姫、でもさ」
「先程、冒険の旅に出ると伺いました。ならば私だって戦うことに問題はないでしょう?」
「確かに言ったけど」
「行きます。今回は一緒に行きますわ。」
「…はい。」
仕方ない。拒否は許されなかった。
割と強気なところもあるが、今回は完全に主導権を握られていた。
「シーク、シーク。こういうのを尻にひかれるって言うんだよね?」
「ピチュチュ?」
「間違ってはないんだけどどうしてボクに聞くのかなあ…」
「ね! リンク!」
「んー? よくわかんないけどそうだと思うぞ?」
溶岩城の最深部、階段を登りきった先に居た、奴が居た。視認できるそれは周りと同じファイターの力に見えるのだが、勘違いに出来ない程に強いオーラを感じ、ファイター全員を気圧させる。周りは熱い筈なのに冷や汗すら流れる程に背筋に悪寒が走る。命を常に握られているような重圧を感じる。
「これはっ…!」
「マリオ、タイマンじゃなくて正解だったな… なんだこれ…っ!」
「ピッ…チュ…!」
ピチューはバチバチと電撃を漏れさせ、リンクは普段からは想像もつかないような真剣な顔で睨みつけている。他にも同じく睨みつけたり怯えたりと反応は様々だ。
「ワオ… これは…!」
「でも、行きましょう。行くしかない!」
二人は顔を合わせて同時に頷くと前に出る。徐々に重くなっていくような錯覚を押し退けてそれに近づくと、ぎゅっと互いの手を握る。決して別々の場所に離れないように。そして空いているもう片方の手でそれに触れた。
『終点』。光と闇の流れをここ一つに集束したかのような空。黒金に輝く大地。キーラに操られているとはいえ、あの宿敵がいる場所としてはあまりにも幻想的で、不釣り合いだった。
「ここは…」
「こんな場所に…っ!」
振り返ってそこに居たのはクッパ。己の永遠の宿敵だった。でも、違う。この重圧は。
倒れこむように両の手を地面に落とし、獣が吠えるかのような咆哮をあげると、みるみるクッパの体が変化していく。このステージの半分は占拠してしまえるほどに巨大な体躯。もう一回耳をつんざくような咆哮を上げた。
『ガアアアアァァァ!』
「ギガクッパですって!?」
「キーラがこんなことまで出来るなんて…!」
突然のクッパの強化に、流石に動揺を隠せない。今までも巨大化した彼とは戦ったことはあるが、まさかここでこんな形で戦うことになるなんて。
「とうっ!」
「えいっ!」
遠距離攻撃の手段である火の玉やカブを放つもあまり効いている様子はない。
「これはまさか…!」
「マリオ!」
火の息の『クッパブレス』を潜り抜け、『ファイア掌底』をぶつける。ダメージは入っている筈だが、やはり吹っ飛ぶどころか微塵も浮き上がる様子はない。
『…グオオオオォ!』
「うおっと!?」
甲羅に篭った回転攻撃、『バズソー』を繰り出された。冷気を持った攻撃を頭の帽子を抑えながら間一髪で退避する。
「大丈夫、マリオ?」
「ああ、平気さ! …やっぱり今のクッパはボク達とは違う。体力制が適応されているんだ!」
「まあ!」
大乱闘では基本、ダメージを溜めて、溜まったところをぶっ飛ばすというルールを採用している。但しこれが適応できるのはファイターのみであり、単純に体力を減らす体力制のルールはあるが、ファイター以外の者と戦う緊急事態は気絶させるまで戦うことになる。
今回のクッパの場合、クッパはファイターなのは間違いない。だが、ファイターの体を使ったスピリット達はファイターの性質を宿していて、普通のルールも体力制も適応されていた。クッパはファイターでもギガクッパは違うと言えなくもない。この微妙な立ち位置ゆえに少し迷っていたのだ。だが、この巨体をぶっ飛ばすことを考えると、体力制で助かったのかもしれない。
「ピーチ姫、あまり前に出過ぎないで。この大きさだと後ろを取るのも一苦労だ。追い込まれないように前衛は必要さ。」
「ええ。頃合いを見て出来そうだったら攻撃しますね。」
マリオがそう言って走り出して前に出ようとした時、ツノによる打ち上げ攻撃が来る。緊急停止して、後ろに引いて回避した。
「危ない… って、あっ! この一連の流れは…!」
自らの周りに影が出来てなんとか気づいた。この次はヒップドロップをしてくるのだ。反射的に前へ進んで退避するも、それで出来た状況はクッパによって二人が分断された現状だ。
「しまった!」
先程も本人が言った通りだが、あの巨体を飛び越えてピーチの所へ行くのは並大抵のことではない。ギランと普段より威圧感の増した気がする目がマリオを睨んだ。
「えい!」
「ぷー」
一方、分断されたもう一人。たまに土に潜って遊んでいるがために、まれに間違えて掘り出す『どせいさん』を投げるが、クッパはこっちを向かない。
「(マリオは無事かしら…?)」
心配になっていく。頭突きや火の息を吹いている様子を見る。こちらを向いていないということはこっちからは割と攻撃し放題なのだが、それはマリオの方に攻撃が集中しているということだ。あまり平常心でいられない。
虹の魔法で攻撃するも、やはりというか、こちらへ向く様子はない。そもそも眼中にないのだろうか。
「(どうにかしてこちらへ向かせます! 無視出来ないと認知させればそれぞれ攻撃が振り分けられる。そうすればお互いに動きやすくなる!)」
「もしもし、おひめさまですか?」
「…はい?」
「わー、おひめさまだったですー。さっきまでうまってました。ありがとうー。」
掘り起こして先程投げたどせいさんが何故か話しかけてきた。そういえば、ファイターすら残らずキーラに捕まったはずなのにどうして普通に存在しているのか。
「あの… ごめんなさい。今手が離せないの。」
「ごたぼうでしたか。ぼくもおてつだいしたいですー。」
「うーん… ダメよ。危険だから隅っこに居てね?」
「おひめさまなんでたたかうです?」
クッパとの戦いに再び乗り込もうとすると、どせいさんの素朴な疑問が投げかけられた。突然の質問に一瞬驚いて止まるが、答えを紡いだ。
「え? それはみんなを助けたいからよ。みんなを助けてキーラを倒して。いつもの日々を取り戻したいの。」
「おひげのひともいるです。おひめさまもたたかうことないです。」
「おひげのひと? ああ、マリオね。それはね…」
ピーチは少し話しだす。お姫様が冒険に憧れるのは興味や関心だけが理由ではないから。
インクリング「こんな近くにマグマだよ!Twitterに上げればいいね取れそう!」
シーク「これは本物なのかなあ…」
リンク「よし! 撮れ撮れ!」
インクリング「まずはマグマではいチーズ!」
リンク「次は二人ではいチーズ!」
CF「ブルーファルコンバックにはいチーズ!」
シーク「何混ざってるの!」
CF「次回! 『助け合い』!」
インクリング「大変だ! ブルーファルコンが邪魔でマグマが見えないよ!」
リンク「完全に邪魔だったな!」