灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
作者はガキ使派でした。テンプレになっていた構成を崩して新鮮さをなくしたのはグッドでしたが、個人的には驚いてはいけないの破茶滅茶エンドがなかったのが悲しみでした。
令和初の笑ってはいけないでしたので心機一転するにはいいタイミングだったのでしょう。
さて、長々感想を駄弁ってしまったのですが今年も本小説をよろしくお願いします。
ソード君の設定おいておきますね。暫くマリオグループの話になりますが。
・剣術Miiファイター
名前はソード。姿技はデフォルト。趣味はガーデニング。英語もどきを会話におりこむ偽外国人。実際の出身地は不明。フリーダムで何事にも興味を持つ好奇心旺盛。Miiトリオは共に全てのやみのおうを倒した仲。
時は戻って別れたもう片方のチーム、マリオ、ピーチ、オリマー、Wii Fit トレーナー、スネーク、むらびと、リンク、シークは溶岩城周囲の細かな散策を任された。
未だ探索が済んでいない場所もある。恐らく見落としだってあるかもしれない。それらの解放が目的だ。
怒りに任せて突き進んでいったクッパと、それを追っていった他ファイターの背中が見えなくなると、パン、とマリオが白い手袋をつけた両手を叩く。
「さて! どこか行っていない場所の心当たりがある人はいるかい?」
「えっーと… オレ達はここを通っていて、オリマー、ここの辺りは行った?」
「どこだ? …そこらへんは行ったな。一人ファイターがいるんだがゲートが閉まっていて辿り着けなかったんだ。」
簡単な地図を地面に描き、指を指して確認する。新参者は古参に指摘されながらもそれぞれ意見を出し合う。
「でも、そこと城の間辺りはまだだな。さっき川のところに一人いたが、この広さ的にもう一人二人はいそうだな。」
「ふむむー、他なんかある?」
「ピチューがいた気味の悪い森とインクリングやトレさんのいた街へ行くために横道を通った森。ここはあまり探索できていないな。後、リンクがいたところにまだ道があった。」
「でも、そこは遠すぎます。後でいきましょうよ。」
「多分こっちの方は他のみんながやってくれるわよね?」
「多分ね。じゃあ、ボクらはこのへんだね。あの激流を超えれるスピリットが居ればいいけど…」
現時点での問題点を上げたシーク。川の真ん中の陸地にポツンと一人いるファイター。あの激しく流れる川がどうにか出来ないか、と悩む。カービィならば飛び越えれたのだろうが、今ここにはいない。さらに言えば、一人川を越えられても、もしそこで負けてしまったら、そこのファイター共々激流に囲まれ取り残されてしまう。
「あそこのファイターをどうするかというのは一つの課題だな…」
「でも今はどうすることもできませんね…」
「ん〜… 取り敢えず後回し! ここのへんから行こう!」
マリオが指した場所。点々と置いてあるカラフルな丘の上を歩き、虹の橋がかかっている。地味に高さがあるので落ちると面倒なことになる。
「おおー、メルヘンなところに来ました!」
「なんかお菓子みたいにも見えるな!」
「うーん… 言われてみれば。やっぱカービィいなくてよかったかもな。」
「確かに!」
こんなところの探索を任されていたら、知らぬ間にお菓子を平らげてそう…いや、これは本物のお菓子じゃない。それなら、いた方がよかった。
「むらびとー、そっちに一人いるよー!」
「あー、いた!」
「あら、あの子…」
適当に別れて付近を探索する。一人いたファイターに一番近いのはむらびとだった。
シークと探索をしていたピーチが声を上げる。彼女にはそのファイターの正体を把握したのだ。
「ヨッシー…!」
「ヨッシー… そうか。むらびと! ヨッシーの相手を頼む! ボクはマリオを呼んでくる!」
「ぼくが? んー… ま、いいよ。行ってくる!」
別に拒まなきゃいけないほど仲は悪くない。恨みと言えば、たまにお菓子をつまみ食いするぐらいだ。どうやらヨッシーの裏に道があるようだ。解放しなければ進めそうにない。意を決してファイターに触れる。
ヨッシーはファイター達の知っている彼だけではない。確かにマリオ達と冒険に行ったり、ゲームで共に遊ぶ個体は彼だが、彼の故郷に行けばカラフルなヨッシー達をみることが出来る。
その故郷がヨッシーアイランドだ。但しここは厳密に言えば違う。ベビークッパによって絵本の世界に変えられた元楽園、『スーパーしあわせのツリー』だ。
ただでさえ偽物にされた世界なのに、それをマスターハンドの力で模倣したステージを作られ、さらに今は『終点』化している。とてもややこしい。
「本当にヨッシーだ… 僕もしずえさんを見つけたらわかるのかな?」
ピーチの言う通り、むらびとの相手はヨッシーであった。マリオの頼もしき仲間の一人だ。今は赤色の双眼をギラつかせているのだが。
むらびとがふとぼやく。同郷の者を見破る不思議な感覚はむらびとにはわからない。少なくともしずえ相手にはもうわからない。
『…』
「おっと、」
自分で産んだ卵をヨッシーは投げる。不思議なことにその卵の中身はなく、むらびとが余裕で避けた後、地面に激突して割れる。殻のみが飛び散り、そしていつの間にか消えている。
「よっと!」
『ハニワくんロケット』を用意し、発進させる。推進力を持ったロケットがヨッシーに向かって飛んでいく。
『…』
だが、ヨッシーはたった一つ踏みだしただけでハニワごとむらびとを越えてしまったのだ。
彼は飛べる翼を持っているわけではない。念動力で浮かんでいるわけではない。ただ、自分の身体能力だけで彼らの例に劣らないほどの空中での戦闘能力を持っている。飛べる力がなくとも、言わば足で飛んでいるのだ。
「あわっ…!」
『…』
後ろに回り込まれたむらびとの反応が遅れる。
先まで力を込めて、ぴんと張った尾がむらびとにヒットする。見た目はファンシーでも彼はドラゴン。この世界の影響で力が制限されているとはいえ、その一撃は重い。さらに後ろからの攻撃により、バランスを崩してしまい、次の動きも遅れる。
『…!』
「いっ…!」
追撃。後ろに引いて勢いをつけた頭突きが迫りくる。そのままの勢いでぶっ飛ばされ、顔から地面にダイブする。擦り傷が出来た。
更なる追撃をしようと寄ってくるヨッシーを、カブを振り回して退却させた。
なんとか引かせられたが、空中戦を挑めばまず勝てないであろう。パチンコで牽制する。だが数発当たっただけでは戦況は変わらない。
「どうしようかな… 別に僕も特別足が速いって訳じゃないし…」
とはいえ、陸上戦を強みとして押しつけられるほどむらびとは身軽ではない。あくまで空中戦より勝算が高いというだけである。
「ま、やるしかないか…」
小脇に植木鉢を抱えておく。そのまま先程の続きと言わんばかりにパチンコを撃つ。
『…』
何度も同じ攻撃をしても、牽制程度にしか使えない。人を乗せても素早く走り回る脚力を使い、放たれる弾幕を潜り抜けていく。そして、むらびとの目の前に来ると跳び上がる。今度は越えず、むらびとの真上の宙にいる。
「(『ヒップドロップ』!)っ! いっけっ!」
『…っ!』
相手のやりたいことを一早く理解したむらびとは一気に走り出す。そして、持っていた植木鉢を真後ろにぶん投げた。
上手くヨッシーに植木鉢が当たり、着地が乱れた。まるで先程の出来事がヨッシーに返ってきたかのようだ。
「よし、チャンス!」
取り出した傘でヨッシーを打ちつける。少年ならば傘を剣に見立てて戦いを模した遊戯をしたことはあるだろう。むらびとも例に漏れずだ。
さらにバランスが崩れた。いつの間にか両手に着けた赤のパンチンググローブで見様見真似のボクシング。数発殴られたところで体勢を立て直し、ヨッシーは拳の雨から離脱した。
「あー、抜けられた…」
出来るだけいっぺんにダメージを稼ぎたかったが、仕方ない。
もう少し押していけばぶっ飛ばせるはず。手を緩めるな。
『…っ!』
「…たっ…!」
ヨッシーの蹴りが、むらびとのシールドに激突する。シールドを足場のようにして跳んで距離を作る。そこでヨッシーは止まる。どこから何をしてきても対処できるよう集中しているのだ。
「…ならっ!」
『…』
『はなび』を握る。対応は万全というならば、やってみればいい。ヨッシーの目が鋭くなる。
「つあっ!」
『…ぇ』
なんとむらびとは打ち上げ花火でそのままヨッシーをぶん殴ったのだ。普通は下に置いて火花で攻撃してくる。それを逆手にとった奇想天外な攻撃だった。シールドも間に合わず、ヨッシーの視界がガクンと揺れる。
「おっけー!」
殴打に使っただけの花火の中身はまだある。殴った勢いのまま大地に置いて火をつける。
「…!」
耳と目を塞いで背を向ける。それでも聞こえた音が耳に響きながら、大乱闘の勝利を手に入れた。
あのメルヘンなエリアに戻ってきた。ヨッシーのフィギュアは横たわっている。
「お疲れ様。怪我はないかい?」
「んーと… 後頭部と…」
「治療費はないからね?」
「ちぇ。バレてるよー。」
クスクスと手を口に当てて上品に笑うピーチ。そんな会話をしていると、誰かがこちらに渡ってくる。
「こちらの方は終わりました。そちらはどうですか…ってヨッシーさんですね。」
「おおー、小僧やるじゃないか。」
Wii Fit トレーナーとスネークが渡ってきた。他はまだどこかで戦っているらしい。
「それはどうもっと。ヨッシー戻してみんなで次行こうよ。」
金色の光を放つフィギュア。人をこうやって助けるのも悪くはない。恐らく助ける規模が多いのだから、勇者だの英雄だの言われるのだろう、とぼんやりとそんなことを考えていた。
オリマー「あの大きさの卵を生み出すには相当な時間と気力が必要なはずだが… 乱闘中にぽんぽんと産んでいる。」
ヨッシー「ん〜?」
オリマー「そもそも性別からして謎だ。ボクと言うが卵は産む。そういう趣向なのか、それとも雌雄同体?」
ヨッシー「どうしたのー?」
オリマー「あの舌でどうやって喋っているのか。オウムとかいう生き物が人の言葉を話せるのは舌が人の物と近いからであって、ヨッシーの舌は全く別のものだ…」
ヨッシー「次回!『一長一短、どっちもどっち』!」
ヨッシー「それじゃあフォックスとかファルコとかどうなのー?」
オリマー「…それもそうだな。」