灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
地形のあれこれもいじれるとか後からよくよくやばばですよ!
ただ初期の地図に橋が見えないのですよね…
私川の向こう側の高地に家を建てたいのですが最初は建てられる場所が限られているのでしょうか…?
クンクンと足元の匂いを嗅いで何かへ向かうダックハントを追っていると、いつのまにか森を抜けて、Wii Fit トレーナーがいた街中に来てしまっていた。
「ハッハッハ…」
「ねえ、結局ダックハントは何追いかけてるんだ?」
「さあ…」
「私にもさっぱり…」
辺りを見回しているが、何か目ぼしいものはない。彼らは知らないが、ここは既に探索済みなのだ。故にスピリットもファイターもいない筈。肝心の本犬はバリケードを引っ掻いている。まるでその先に何かがあるのをわかっているかのように。
「何かあるのでしょうか?」
「うーん… なんだろう…っておっ?」
バリケードが開く。するとすぐにダックハントはその奥に入っていく。
オオデンチナマズを解放したことにより、電力プラントから供給されていた電力が消え、バリケードが開いたのだが、それは彼らの認知の及ばぬこと。先程から彼らの知らないところで話が進んでいっている。
「とりあえず追いかけてみるか。」
「はい、そうですね!」
奥にいたのは一人のファイターだった。匂いを感じ取り、ここまで来ていたというのか。
「あっれ〜? こんなところに残ってるファイターがいる!」
「うーん… どうして開いたのか知りませんが、今まで開かなかったならそもそも見つけられなかったんだと思います!」
「まあ、こんな奥にいるほどだしね。」
もう探索しきっていたと思われる場所に一人ファイターが残っていた。見つからない事態になったらどうなるかわからない。ダックハントがいなかったら見つかってなかったかもしれない。ファインプレーだった。
「うんうん… ところでその、ダックハントは?」
「…」
「…」
「…」
「「「先に行っちゃったー!?」」」
無数のライトが一つの戦場を照らす。大きなモニターがついている『特設リング』。
オリジナルのものならばボクシングの試合に使われているだろうそれは、この世界の模造品では大乱闘の舞台として使用されている。
括りは同じ試合ということもあり、この場で戦っても違和感がないが、乱闘用に『終点』化している今のリングはボクシングには使い辛そうだ。
「ワンッ!」
『…』
ダックハントの対戦相手はリトル・マック。このステージのオリジナルには何度も立ったことがあるのだろう。他のボクシング選手と比べると頭一つは小さい身長だが、その分スピードで勝負する選手だ。大乱闘でもそのスピードで戦い抜いてきている。
何度も挫けても折れぬ不屈の闘魂に立ち向かうは異色の共演。脳裏にゴングの音が響いた。
「ワフッ!」
『…』
爆発する缶を蹴りだす。後はもう一人が動かしてくれる。更に呼び出すのは『ワイルドガンマン』。射程に優れたノッポを呼び出し、飛び道具の弾幕を作る。
リトル・マックはスピードはあるが、飛び道具のような絡み手はない。飛び越えられるような跳躍力もないため、この弾幕を潜り抜けるしかダックハントに攻撃を加える方法はない。
『…!』
「…ウゥッ!」
寄ってくる相手に対し、ダックハントも前進する。鋭い拳を屈んでかわし、犬にしては器用過ぎる前足でリトル・マックの服を掴んで身動きを封じる。殴って振り払おうとするも、腹の立つ笑顔で犬の方には当たらなかった。鴨の方の顔面には直撃して舌が思いっきり見えたのだが。
『…!?』
ノッポの弾丸がボクサーに当たり、銃撃で運ばれていた缶も近くで爆発する。ちゃっかりダックハントは抜け出し、遠くからまたもや腹立つ笑い方をしている。
「イッシッシックゥ!?」
「クーッ!」
避けるならばもっと上手く避けろ、の抗議に上にいる鴨からくちばしで突っつかれる。仲が悪いなら、どうして見えない者とでトリオを組んでいるのかわからない。
『…ッ!』
「…グウ!?」
軽い喧嘩をしてる隙に、飛びかかるパンチ『ジョイドブロー』がノッポごとヒットする。
リングのギリギリで落っこちることはなかったが、視界の隅にはひょうきんな目を向けて煽ってくる鴨。先程の意趣返しなのか。ただ、返す相手が違う。
「ワフッ!」
無視してクレーを投げる。けれども力を溜めていた『気合ストレート』はクレーを打ち砕きながら進む。
「キャンッ!」
『…!』
突き進む拳はダックハントの張ったシールドによって阻まれた。硬いシールドを殴った衝撃が腕へ伝わりしばらくまともに動けない筈だ。これは最大のチャンス。
「ワンッ!」
『…ッ!!』
ダックハントの合図でリトル・マックに射撃が襲いかかる。『ザッパー』と呼ばれる攻撃は見えない三人目が行うもの。ダックハントの合図でしか予測のできないこの攻撃は威力もあり非常に強力なものだった。
しかし、いかに強力といえどもまだ試合は序盤。グローブをはめた手で、ぶっ飛んだ体を起き上がらせる。カウントは数えられてもダウンは取られるものか。
「ウッ〜…」
『…っ』
再び睨み合いが起こる。ダックハントは四足歩行で、ただでさえ低い体勢をさらに低くして。
リトル・マックも重心を落として体の力を抜く。何が起きてもすぐ動けるように。
『…ッ!』
「クワッ!」
体勢の低いダックハントを救い上げるように拳を振り上げるアッパー。それは鴨が羽ばたいて避ける。別に犬の方が当たったって問題はないし、むしろ喜ばしいことなのだが、流石にそこまで堕ちていない。それに自分にも攻撃の余波がくる。それは勘弁だった。
「ククゥゥ〜ッ…!」
「ワンッ!」
当然鴨の翼が犬ごと飛ぶことに対応している訳がなく、段々と落ちていくコンビ。落ちながらクレーを投げ、リトル・マックを牽制する。着地を邪魔されぬようにし、いつも通り着地する。鴨を労わらないのも冷やかさないのもいつも通りだ。
『…ッ!?』
クレーを目の前で撃たれ、その炸裂に巻き込まれるリトル・マック。目眩しの役目を終え、敵方、ダックハントが体当たりしてくる。だが正面から突撃してくるのであれば、対応は簡単。目眩しがあっても、一瞬でもあればリトル・マックにとって対処は難しいことではない。
─それでも、彼らは何もかもが異色なのだ。
『…!』
突き出した右の拳は、更に右へ飛び込まれることでかわされる。
リトル・マックといえど、この大乱闘で戦ってきたことによって、普段のボクシングの相手とは特色の違うファイターとの経験を積んできている。
だが、このダックハントはリトル・マックより小さい所か、当然普通の人間より小さい。
それに加えて、十人十色のファイターでも少ない四足歩行なのだ。当然リトル・マックが防御しやすい位置に攻撃はそうそうこないし、二本の足より方向転換がしやすい。一見リトル・マックが有利に見れる近距離の戦いでも、一概にダックハントは勝てないとは言えないのだ。
「グルッ…!」
『…!』
かわしたダックハントがリトル・マックの横っ腹に激突する。まだ右手は殴り込んだ位置のままだ。防御に動かせる手はない。
『…!』
無機質なリトル・マックの顔に傷が増えていっている。こんなところを攻撃した記憶は彼らにはないが、そんなことを気にする者はここにはいない。
「ガウゥ!」
小さな犬の体躯では、大きく吹っ飛ぶことはなかったが、逆に好都合だった。そのまま彼の右足に噛み付いて動きを封じる。
『─ッ!』
自由な左足で蹴飛ばそうとするも、鴨がひょうきんな顔して翼を広げている。隙をつくるの覚悟で、でたらめに右足付近を蹴るも、上手くかわしているようで当たらない。焦るリトル・マックより先に犬がくぐもった声でワン、と鳴いた。
『ッ!』
この合図は、射撃。第三者にはわからない三者への射撃の合図だった。
ボクサーは弾丸に襲われ、モニターのKOの二文字だけが彼らを称えたのだった。
すたっ、と四つの足で着地する。アスファルトの地面に爪を食い込ませ、周りを見渡してさっきまで近くにいた三人の顔を視認する。
「あ、戻った。」
「ダメですよ〜! お助けに行くのならまずは私たちに言ってください〜!」
「クゥ?」
「リュカならともかく僕ら言葉わかんないよ?」
こんなことを話しながらむらびとが金色の台座に触れた。
「うう… ここどこっスか…?」
「ボクは誰… じゃなくて、おいっす、マック!」
目覚めたリトル・マックに、記憶喪失定番ネタを言いかけたピットは寸前で止めて挨拶する。
「まあ、説明は後でしよう! 因みにキミを助けたのはそこにいるダックハント!」
「ええ〜… ま、いいか、あざっした!」
思いっきり頭を下げるリトル・マックに対し、歯を見せていつも通り笑うダックハント。助けてやったんだぞ、の態度なのか真偽は不明だ。
「そういえば、僕たちあそこの森を探索してたんだよね?」
「そういえば… 3号に待機って言われてたような…」
「修理の待ち時間だったような…」
「「「……… 戻るよ(りますよ)!!」」」
一体どのくらい経ったのか。
スピリットと戦い、ダックハントを解放し、ちょっと待機して、ダックハントを追って、リトル・マックとの戦いが終わるのを待って。
相当時間が経った筈だ。走り出す三人とついていくダックハント。
「え? あ? ちょ、ちょいと待つっス〜!」
彼らの影を追いかけるリトル・マック。
右も左も未だわからないけど、今はとりあえず追わなければ。
ピット「ダックハントのダックは鴨… じゃあ犬の名前はハントか!」
マック「どんな名前っスか…」
ピット「じゃあ一体どこの誰がマックなんだ?」
マック「リトルもマックもオレっスから!」
マック「次回! 『手を抜いてはいけない、目を逸らしてはいけない』っス!」
むらびと「別にマック小さくないと思うけどなー」
マック「デフォルメキャラに慰められても…」