灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
今更ながら波導の勇者ルカリオ視聴しました。口調が大きく違っていたら目も当てられないところでしたが、そんなこともなかったので良かったです。
しかし、幼い頃映画館で見たものと同じものの筈なのに大分短いものに感じました。ポップコーンとドリンクがない所為なのか画面の大きさが足りないのか成長したからなのか…
そんな私、名探偵ピカチュウはスルーしましたがソニックは見るつもりです。
「はあ… 完全に寿命が縮まった…」
見渡す限りの星の海。グレートフォックスの運転席にフォックスは珍しく安堵の表情を隠さないままだらけ切っていた。勿論それを運転に投影させたりはしないのだが。
氷山の頂上に墜落していたグレートフォックスを見た時は心臓が止まるかと思った。直せない程の重傷だったら本当に立ち直れなかっただろう。ちなみに修繕費は当然スターフォックス持ちなので費用が嵩むことは変わりない。
そうやって直ったグレートフォックスに仲間のファイターを乗せて宇宙のような空間を散策している。
「確かに壊れた愛機を見た時は私も肝が冷えた… 結局まだ買い戻せてないが…」
「それは… オリマーも大変だな…」
助手席に座るオリマーとお互いの身の上話をする。借金のかたにアーウィンを持ってかれることなど想像もしたくなかった。
因みに他のメンバーは一部を除いて、各々くつろいでくれ、と伝えている。勿論この空間にも散らばるスピリットの救助のために体力を温存して欲しい、という意味もある。例外にカービィはコックピットではしゃいではいるが。
だが、話を聞いていなかったのかトレーニングしていたらしい。汗を拭きながらリュウがコックピットに入ってくる。
「りゅー!」
「休んでおいてくれと… まあいい、何か用か?」
「ああ、確かリトル・マックが戻ってきたと聞いたからトレーニング相手を頼もうとしたんだが見つからないんだ。」
「ああー、マックなら…」
雪が降り積もる山頂。四人がプラカードを首からぶら下げながら正座、二匹がそれを見て腹立つ顔して笑っている。
「なあ… 二人とも…」
「「…」」
「目を逸らすな! どうして俺まで留守番にされたのかわかってるんスか!」
急いで頂上に戻ったむらびと達だったが、集合に間に合わず。
その取り決めを知らないリトル・マックは罰を逃れるかと思いきや、むらびととピットの抜群な連携プレイで留守番の道連れにすることに成功したのだ。しずえの弁明すら挟ませない程の素晴らしい連携であった。
そんな彼らのプラカードには、私は遅刻しました、と書いてある。
ちなみにしずえは止められなかった自分も悪い、と自ら残っている。でなければ女性に雪山で正座させるなど許さない人がいるだろう。
「ほんっとインタレスティングだな〜!」
「あの… ソードさんまでどうしてこちらに?」
「出禁くらった!」
遅刻してはいない筈なのに共に残っているソードのプラカードには、厳重注意前科者、と簡潔に書いてある。
その姿にしずえは察してしまった。フォックスはまた壊される恐怖に怯えるより、危険を排除する方法を選択したのだと。
異形の翼に囲われるキーラが非常に大きく感じる。この空間はキーラに近いところにあるのだ。ここから奴との最終戦に臨めそうだが、バリアが残っているのははっきり確認できる。まずはあのバリアを剥がさねばなるまい。
グレートフォックスで砲撃する手もあるが、それでどうにかなるとは思えない上、下手に刺激を加えると向こうが迎撃してくる可能性がある。まだ触らぬ神に祟りなしを貫いておく必要があるのだ。
「おーい、そろそろ替わろうか?」
「キャプテン・ファルコン。別に長くやってる訳じゃないし別にオレは…」
コックピットへ入ってくるキャプテン・ファルコン。別にあてもなく動かしている訳ではない。そう長い時間運転することもないので断ろうとした時だ。
この感覚は。獣特有の鋭い五感とも違う感覚は。
「………」
「ふぉっくしゅー?」
無言で方向を変えてキーラが見えていた窓に違うものを写す。そう、こいつは。
「…やっぱり機体の安定は頼んだ。オレは行ってくる。」
コックピットから駆け出るフォックス。ここまでしてはオリマーとキャプテン・ファルコンも彼の思惑を理解できない訳がない。そんな二人を、首を傾けてカービィは見ている。
「そうか。頑張ってくれ…」
もう見えない背中にエールを送る。彼の気持ちはせめて理解していたいから。
自分もかつてキーラに囚われていた時、同じ場所で戦ったのだろうか。いまだに、クッパと戦っていたな、という朧げな記憶しか思い出せていない。
『…』
「ファルコ… 言葉は要らないよな?」
それでもリーダーは銃を取る。この『ライラットクルーズ』の銀河の舞台で。『終点』の姿となったこの地で、エースに銃口を突きつける。
『…!』
それに真っ向から応じるかのように、ファルコ・ランバルディも性能が少し違うだけの銃を向けた。
そして、ほぼ同時に。
『…ッ!』「…っ!」
二人は飛び出した。
フォックスの蹴り出した足とファルコの鋭い手刀が交錯する。ここで鍔迫り合いを続けると、片足を上げているフォックスの方が一方的に不利だ。それは本人もわかっている。
「…っ…!」
地につけている片足で、機体のような大地を蹴り、体を浮き上がらせる。『ブラスター』を乱雑に撃ちながら宙返りで距離を取った。
『…チッ!』
身を引いたフォックスを追ってファルコが走り出す。弾を乱暴に翼で弾きながら突き進む。
「…とっ…!」
回った視界が元に戻り、正面から迫る相棒を認識する。徐々に体勢が低くなっている。体術方面がキックに偏っているフォックスに対して、蹴り込んだ後の無防備な片足を狙う構えだった。
「ならっ!」
『…!!』
体勢は合わせない。振り下ろす勢いを攻撃に加えられる高めの体勢のまま、フォックスも走り出した。
『ブラスター』を握り込んだままの拳がファルコの頭部を殴打したのは、
ファルコの手刀がフォックスの脇腹を穿ったのは、殆ど同時だった。
「…っ…かっ…!」『ーっ!』
口の酸素が吐き出され、一瞬呼吸が出来なくなる。頭と視界が揺れ、一瞬意識が飛ぶ。
それでも彼らは無意識に次の攻撃へ動いている。
「…らあっ!」
下がった顔の左目、スカウターを巻き込む位置に回し蹴りを放つ。
『…ッ…ッ!!』
片腕は既に突き出している。動かす足を止めず、そのまま敵の腹部に向かって頭をぶつけようとした。
「…!(頭突き…!)」
その行動を見た瞬間、振るう足を膝から折る。一番力の入る場所が足の甲ではなく膝そのものとなるように。
「かぁ…!」『…ぁっ…!』
今度は双方大きく吹き飛ばされた。
腹部と頭部。肉体の構成的に弱い箇所に攻撃が集中し、攻防の時間以上に大きなダメージを二人に残していた。
互いに倒れ、攻防が一段落したことで脳内麻薬が切れ、感じなかった痛覚が雪崩のように襲いかかってくる。
「…ちっ… くう…」
銃をしまい、両の腕でなんとか体を起こす。
相手の方も起き上がろうとしている所だった。キーラの支配下にあれど、全ての感覚を無視して戦うことが可能という訳ではないようで、少し安心した。
ただ信じていたかっただけかもしれない。自分相手に全力を出して戦うファルコは、キーラの意思によって戦っている訳ではないと。
当然そんな事はないとわかっていた。でも理解と願望は別だ。そう言い聞かせた。
だが、理解できているということは今のファルコはキーラの意思によるものだと考えているということで──ファルコに対しての信頼を汚した自分の思考に腹が立った。
「…ふぅー…」
心を落ち着かせて息を吐く。
その汚点、拭いたかったら目の前の乱闘に手を抜いてはいけない、目を逸らしてはいけない。
今戦っているのはキーラではない。ファルコ・ランバルディなのだ。
「…ッ!」
ギリリと歯軋りをし、走りだす。ファルコも今立ち上がった。今度は動かず待ち構えている。
『…!』
高速の突進、『フォックスイリュージョン』。フォックスの足の速さはたかがパイロットと侮れないものがある。
しかしフォックスは手負い。今のファルコでも見切れる程にスピードが落ちていた。身を引いて回避し、そのまま『ブラスター』を放つ。
「くっ…!」
振り返ったフォックスも『ブラスター』で敵弾を撃ち落とそうとする。数に任せて一つ落とし、他の弾は横跳びで避けた。
『…!』
双方銃を手に持ったまま、再び激突する二人。お互いに本気を出さない選択肢など初めからなかった。そう思いながら、フォックスは体を沈めてスライディングをかけた。ブーツに当たり、ファルコの体は宙に投げ出される。
「う…おおおおぉ…!」
『…っ!』
振り返ってももう遅い。
不安定な体勢から体重全てをかけて跳び蹴りを背中にぶつけた。
「ぐっぷっ…」
情けない声を上げ、顔面からうつ伏せに倒れる。機体の冷たさに歓迎されて相手の動向がわからない。
決着がついたと知ったのは、元の場所に戻り体に伝わる冷たさが苦い砂に変わった時だった。
グレートフォックス内部にファルコと共に引き上げられたフォックスは何度目かわからないため息を聞く。今回はファルコのものだった。
「…ったく、また無茶しやがって…」
「悪いな、不器用なんだよ。」
「お前のどこが不器用なんだよ…」
呆れ顔のファルコに言葉を返す。こればかりは性分だった。
「プリリ…」
「ん? プリンか。どうした?」
解放戦から帰ってきたと聞いて、今いるファイターの大半はコックピットに集まっていた。
満身創痍のフォックスを見て、涙目で寄ってくるプリン。一度フィギュア化したファルコと違い、未だ痛みが残っている。泣き止ますように頭を撫でて笑う。
「大丈夫だ。擦り傷だよ。」
「プリュ〜…」
それでもプリンは泣き止まない。
彼女は戦い自体が好きではないのだろうか。初期から共にいる数少ないメンバーの内の一匹だが、プリンが積極的に大乱闘に参加した記憶はない。本当は戦ってなど欲しくなかったのだろうか。
…それでも今回だけは引けなかった。
「…他の誰にも任せられなかったからな」
「プ…!」
フォックスの呟いたような一言に、驚いて目を見開いた。平和主義者よりもずっと甘い彼女に天啓が舞い降りた瞬間だった。
マリオ「おっ! みんな、そうめんが戻ってきたよ!」
ファルコ「誰がそうめんだ!」
オリマー「まあ、これを食べて落ち着け。」
ファルコ「だからそうめん…そばじゃねえかこれ!」
スネーク「おー、おかわりもあるぞー」
ファルコ「わ・ん・こ・そ・ば!」
ファルコ「あー、くっそ! 次回、『戦いが嫌いな理由』!」
フォックス「スマブラのネタ枠がどんどんFE勢に取られていくからな。そうめんももう十二年前だぞ?」
ファルコ「だからなんだ!? 取られちまえそんな枠!」