灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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プリンちゃんについての超個人的解釈が入っています。

まあ、大乱闘にこんな子だっていてもいいでしょう?


それでは私は無人島に戻ります。


四十七話 戦いが嫌いな理由

「プリー、プップッリ!」

 

「ピチュッチュッピ?」

 

『いいのか? 別に無理をする必要は…』

 

「プリープリー!」

 

『…わかった。任せよう。』

 

 

 

 

グレートフォックスでキーラへ接近する案はあったものの、橋を越えて向こう側の大地にも何かがあることに気づいた。

キーラを討てば囚われていた人々も全て元に戻るだろうが、戦力は多いに越したことはない。

機体から降り、留守番組と合流すると、崖を挟んだ向かい側へ進む。だが、その前に後回しにせざるを得なかった問題を解決することにした。

 

 

「この子をどうにかしなくてはね。」

 

 

ピーチがその『この子』に目線を向ける。荒れ狂う激流の真ん中にいる一匹のファイター。リュウがいた場所に向かう途中に湖を渡ったが、ここには船らしきものはない。

 

 

「仕方ない、俺が泳いでいくよ!」

 

「はあ… キミが身体能力について天賦の才能を持っていることは知ってるよ。それでも限度はある。」

 

「ギクッ… 確かにミファーが作ってくれた鎧は今持ってない…」

 

 

あの激流を渡る手段を話し合う。リンクの案は流石に危険なので却下された。

 

 

「やっぱり飛び越える方法が一番か…」

 

「リ…」

 

「カービィやファルコなら飛び越えられるかな?」

 

「プリュ…」

 

「なんだ? 早速こき使うのか?」

 

「はあい!」

 

「プリー…」

 

「別に喧嘩腰になる必要はないだろ…」

 

「プ…プリ…」

 

 

スネークへ、マルスへ。話しかけようと声を上げようとしているプリンだったが、小さな声で聞こえていない。俯いてしまったプリンにルカリオが助け舟を出す。

 

 

『少しいいか、その役目、プリンに譲ってやれないか?』

 

「えっ? プリンが?」

 

 

マルスがプリンに目をやる。彼女は戦いを嫌っている。大乱闘に挑む仲間を見るたびに縮こまるプリンの姿をマルスは認識していた。

だからこそ、先程もプリンを候補から外していた。カービィと同等以上の飛行能力があるにも関わらずだ。戦いなんて慣れるものじゃないとマルスは考えているから。

 

 

「でも… ピチューはいいの? だってあそこにいるの…」

 

 

インクリングがピチューにも声をかける。川の真ん中の小島にいるのはピカチュウだと、知っている筈だ。だが、ピチューは肯定をしめす。

 

 

『私たちで先程話し合った。プリンから、自分が救いたい、と言ってきた。そして私とピチューはそれを了承したのだ。』

 

「…わかった。」

 

 

ピチューが誰かと共に戦うことを知り、自分が誰かに頼ってもいいことを知ったように、プリンも何かを知ろうとしている。乱闘嫌いのからをやぶろうとしているのだ。

心配はするが止めはしない。

 

プリンは頷いて飛びだす。真ん中の小島、戦場に向かって。

 

 

「リュウさん…」

 

「リュカ、どうかしたか?」

 

 

リュウの道着を引っ張って話しかけるリュカ。

 

 

「戦いが好きな人って… 好きな理由は人によってそれぞれだと思うんです…」

 

「ああ。」

 

 

最強を目指す、ライバルを倒す、誰かに憧れて… 戦う理由もそれぞれなら戦い続ける理由もそれぞれだった。

 

 

「じゃあ、戦いが嫌いな理由もそれぞれ、でいいんですよね…」

 

 

リュカと正面から目を合わせる。

人が死んで欲しくないから、気弱で戦いに向いていないから。

ならば、あのプリンの、戦いが嫌いな理由はなんなのだろうか?

 

そういえば、リュカもポケモンと意思疎通のできる一握りの存在だった、とリュウは思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふわりとプリンがふうせんポケモンらしく着地したのは『ポケモンスタジアム2』。元々ノーマル時の地形は戦いやすいシンプルなものなので『終点』と同じ地形となったと言っても、フィールドに大きな違いはない。

 

でも、プリンにとってここは単なる戦場以上の意味があった。何故ならここはかつて外界に蔓延る恐怖から逃げるための部屋であったのだ。

 

 

『…』

 

「…プリ」

 

 

両頬の電気袋からバチバチと電気が漏れ出す。

でんきねずみポケモン、ピカチュウ。彼もまた、プリンにとって大きな存在だった。

 

 

「プリリ…!」

 

 

正直なところ、まだ戦いは怖い。手も足も震えて今でも逃げ出したかった。でも、キーラが世界も理も神をも掌握している現状は、逆にプリンから逃げ道を断ち、今の状態を作り上げているのだ。

─そうでもなければ、また逃げて、自分の認識が及ばないところで全てが終わるのを祈り続けていただろう。

 

 

『…!』

 

「プッ…!」

 

 

自分の事情など相手に関係ある筈もなく、攻撃にかかるピカチュウ。『でんげき』の走る大地。それに対してシールドを張るプリン。

 

 

「〜! プリュ!」

 

 

ジャンプで跳び上がって相手に近づき。

『はたく』を繰り出す。

一撃当たる。『ねずみはなび』で弾き飛ばされるが、ぶった感触は残っており、自らの短い手をまじまじと見つめていた。

 

 

「プ…」

 

 

痛かっただろう。自分も痛かった。

攻撃するのも攻撃されるのも苦手だった。娯楽であると知っていながらも大乱闘は痛いから。だから大乱闘も苦手だった。

 

ずっと自分が何故呼ばれ続けているのか疑問に思っている。何かを成し遂げた訳ではなく、戦いに興味があった訳ではない。最初からずっと、この世界の全てに馴染めなかったのだ。

 

 

『…ィ…!』

 

 

目の前にいる彼は最初にいる唯一の同郷のポケモンだった。基本一匹でいたプリンだが、誰と一番一緒にいたのかと聞かれたなら、ピカチュウを挙げるだろう。向こうから話しかけてくるしか交流はなかったけど。

今もそうだ。ポケモンの仲間は増えたにも関わらず、現在も話しかけてくる。それでも彼女から話しかけることは出来なかった。大乱闘で、彼らは誰かに攻撃しているという事実が頭にあったから。自発的ではないにしろ、自分だって同じだと言うのに。

 

 

「プゥゥウー!」

 

『…!』

 

 

目を瞑ったまま『ころがる』攻撃を当てる。『ずつき』を後ろに跳んで避けて、飛び蹴りを放つ。よかった、ちゃんと戦えている。

 

 

─この世界での全てを広げてくれたのはキミだったんだ。

 

初めて声をかけてくれたキミが、このステージにいる。亜空軍の事件が起きたとき、プリンが逃げこんでずっと隠れていたここにいた。攻撃するのもされるのも嫌だったから。

 

 

『…ッ! カ…!』

 

「プ…ゥ…!」

 

 

電気にしびれた体に鞭を打ち、『ロケットずつき』を正面から受け止める。筋力は寧ろない方だったが、前のめりの体勢になりながら体全体でスピードを殺した。

 

 

「プ!」

 

『…ッ!?』

 

 

抑えてた手をどけると同時に体を膨らませて弾いた。そもそも攻撃を止められた時点で隙を晒したピカチュウにこれに対処できる方法はない。

 

 

ファルコとの死闘の末、満身創痍になりながらもファルコを救助することに成功したフォックス。きっと自分も想像できないほど壮絶な戦いがあったに違いない、と心配で心の突っかかりも忘れて近づいた。

でも、きっと。例え止めたってフォックスは戦いに行ったのだろう。相手はファルコ、友だったから。彼を救う役は自分以外にいないと確信していたから。

 

 

「プリッ!?」

 

『…ァッ!』

 

 

『ショートでんげき』がプリンを襲う。どんなに堅い決意があっても、戦闘経験の差は覆せない。長く続くとその差は段々顕著になり、おいうちの『でんげきドリル』で場外へ飛ばされる。

 

 

自分が誰かを救わなければならないのだとしたら、その誰かはキミしかいない。自覚できないところで自分の世界を広げてくれた。

なら今度は、かつて自分が使っていた殻をやぶって、キミ自身を解放しに行くよ。

 

 

「プリィッ!」

 

『…!?』

 

 

ステージ外からピカチュウの真上を取り、両足を揃えてドリルのようにキックを打つ。苦痛に歪む彼の顔に心が痛む。でも既に傷んだ心は決まっている。

 

 

キミが戻ってきて、この大乱闘が終わったら。またこっそり泣いちゃうと思う。キミの痛みと自分の痛みも思って泣いちゃうと思う。

それでもきっと変わらず大乱闘は苦手だけど、大乱闘が苦手じゃないキミやみんなのことは苦手じゃないから仲良くしてほしい。

 

 

「プ〜プ〜リリ〜プ〜プ〜…」

 

『…ッ』

 

 

『うたう』で相手の睡眠を誘う。彼女の歌声を間近で聞いてしまえば、抗えない。

 

 

「プ…」

 

 

体を丸めて眠りについたピカチュウの頭を労わるように撫で、目をギュッと閉じて『ずつき』で彼を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川を渡り、近くの平地。

つぶらなひとみが開き、ピカチュウは目を覚ます。プリンの大きな瞳と目があった。

 

 

「ピカ…」

 

「プリー!」

 

「ピカチュウさん、調子はどうですかー?」

 

 

しずえが屈んでピカチュウに話しかける。後ろ足で立ち上がり、大丈夫だと、うなづいた。それを見て花が咲くような笑顔を見せるしずえ。

 

 

「よかったですー! プリンさんが助けてくれたんですよー!」

 

「ピィカ?」

 

 

ピカチュウ自身もプリンが大乱闘を苦手にしていることは知っている。その印象と自分に残る曖昧な記憶と辻褄が合わなかった。

真実をプリンに問いただそうと辺りを見渡すが、少し目を逸らした瞬間にいなくなっていた。

 

 

「ピカチュー?」

 

「あれ? プリンどこ行ったんスかね?」

 

 

しずえやリトル・マック、パックマンもキョロキョロと見渡すも見つからない。

そこでルカリオが口を開いた。

 

 

『私が見つけよう。後で合流する。』

 

「ピカッピカ?」

 

「ルカリオなら大丈夫っスね。じゃ、頼んだっス!」

 

 

人がまばらになっていく。

実際あの数瞬で遠くに行ける訳がない。波導を感じられるルカリオの目は誤魔化せない。近くの草むらに荒れた感情が感じ取れる。

 

 

『………』

 

「プリィ… ププリ…」

 

 

勝者であるプリンは泣いている。痛みを思って泣き、戦いに涙を流す。そんな感情の中に少し吹っ切れた感情があることも確かだった。





むらびと「あつまれどうぶつの森発売! 暫くぼくたちのターンだよ!」

しずえ「祝、です! でも村長業は怠らずに!」

むらびと「え〜…」

リュカ「新作かぁ…」

CF「オレたちに光はないのか…?」

ピット「ええい、新作はまだかー!」

オリマー「次回作でも主人公でいられるだろうか…」

フィットレ「リングフィットアドベンチャーは私の後輩でいいのでしょうか?」

マルス「ポケモンはDLC、ゼノブレイドはリマスターが待ってるけど、僕たちはエコーズから結構ハードだったからなあ… 暫く落ち着きそうだ。」

リンク「続報カモンー!」


マルス「次回、『あの手は掴めなかったけれども』」


マリオ「新作のことは心配だろうけど、今はむらびととしずえさんを祝おうよ!」

ピット「流石の余裕だよ!」

マリオ「ボクだから仕方ないよ!」

ピット「まったくもって正論だからなんにも言えない…っ!」
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