灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
ARMSの誰か…という発表の仕方は斬新でした。スプラ2の影に隠れていましたが(実際私もスルー)世界でダブルミリオンなら新規タイトルとして成功した、と言えるでしょう。
ただ、何か匂います。このタイミングで、主人公がアシストにいるにもかかわらず、DLCで参戦させるのは中々の博打のような気がします。
但しこの報は参戦予想勢には混乱を呼びます。スプリングマンが参戦するならば、『はじめてアシストフィギュアとファイターを兼任するキャラ』が生まれます。似たような例はクロムがいますが、切り札で出てくるキャラと戦うアシストとは無茶のさせ具合が違います。
他キャラならば、『主人公を差し置いて参戦』かつ、『DLC初の主人公以外のキャラが参戦』となります。後者はミュウツーの立ち位置が不明瞭ですが、新規なのでスマブラ層に人気の土台が殆どありません。
そして、ARMSキャラは何人かスピリットに既にいるので、『スピリットとファイターの兼任』も初になります。
もしかしてファイター予想、相当荒れる?
それともARMS2の布石?
あ、ピカチュウの設定忘れかけてました。えっ? 設定に捻りがない?
・ピカチュウ
性別♂。まじめな性格。なんでもよく食べる。
ポケモン全体のまとめ役。正義感や責任感が強く、困った人は見過ごせない。
静かな足音とふわふわとした足音が、橋の前の人だかりに合流する。
「ププリー」
『すまない、待たせたな。』
「フン、いつまでワガハイを待たせる気だ? お前ら、遅いぞ!」
「大丈夫、そんなに待ってないよ。」
遅れてきたプリンとルカリオにご立腹なクッパと対照的に、彼らを柔らかく迎えるマルス。
プリンの気持ちがわかるからこそ、彼女もプリンのために人を掃けたルカリオも咎める気はなかった。
「ピーチュピチュ!」
「ピカッピカ!」
先に解放されていたピチューとなんらかの会話をしているピカチュウ。まじめな性格の彼はポケモン全体のまとめ役を自ら行なっている。
ピチューが色々話した後に驚いた顔をしたり、更に聞き込んだりしている。
「(恐らくは… 今回の件についてピチューを通して話を聞いているのだろうな。)」
二匹の動作や表情から会話内容を推測するオリマー。あの星の原生生物と比べて、ポケモンはわかりやすく動く。ピカチュウならいち早く状況を理解し先頭に立とうとしているのだろう。
そんなことを考えながら、周りに声をかける。
「さて… ここからは未知の土地だ。全員いつでもいけるように心構えをしておいてくれ!」
「他のエブリワンも探さないとね!」
ソードが付け足した。今までのようにこの先にもファイターがいる筈なのだ。
「まずはオレ達がこの先にゴーできるようにしないといけないよ!」
「ワーオ! でも橋の先に誰かいるよ!」
ヨッシーの言う通り、何者かのファイターがいる。避けて通ることの出来ない位置だった。
ファイター達を視線を動かすが、誰も声を上げない。相手が誰かわかれば対策もできるし、情報が無駄になることなどないだろう。だが、それがないのであれば仕方ない。そんなことを考えているマルスの服を引っ張る者がいた。
「ピカチュウ? どうしたの?」
「ピカッピッカカチュチュ?」
「ボクが戦ってもいい? だ、そうです。」
オドオドしながらもピカチュウの言葉を訳するリュカ。まだピカチュウは言葉を続ける。
「ピッカッチュウ! ピーカピカ!」
「口で聞くのと体験するのは違うって言うし、ボクもこれから頑張らないと! …って」
「ピーチュピチュ?」
「ピカピカピ!」
「あっ… 一匹で行くんだね。」
「ピカッ!」
他のファイター達から異論は無さそうだ。一番文句を言いそうなクッパも難しい顔をしているが反論はなさそうだ。早く道を開いて単独行動がしたいと考えているのかもしれない。
「うん、特に問題はなさそうだし、行っておいで。転移の方法はわかるかい?」
「ピカッチュ!」
彼は賢い。ピチューの見聞からでも十を想像できる。それだけじゃなく、自分で経験を積む謙虚さも持ち合わせている。
しっぽをふって戦いへ挑むピカチュウはかなり高めに評価されていた。
「ピッカー…!」
寂しそうになきごえを上げる。ピカチュウにとって戦友、とも言える相手が目の前にいたから。そして、悲しい乱闘の相手となる人だったから。
『終点』化された『ブリンスタ』。そこにいたのはパワードスーツを見に纏うバウンティ・ハンター、サムスだった。
昔は特別関係が深い、とまではいかなかったが、亜空軍との戦いで暫くの間共に戦っていたのもあり、その後も良き関係が結ばれていた。まとめ役のピカチュウが一番頼りにする相手といったら彼女を挙げる。
『…』
冷たい眼光がピカチュウを射抜く。焼き尽くすような赤を瞳に宿しておきながら、感情が消えた視線は背筋が凍る程のものだった。
「ピ…ピカッ!」
少し怯えはしたものの、すぐに自らをふるいたてる様に声を張り上げる。頬から静電気が漏れ出す。通常の大乱闘ではあまり見られない本気の臨戦体勢だった。
「ピカッチュ!」
『…』
『でんげき』を放つ。深く考えず威力だけを引き出して放つピチューのそれより威力は劣るが自分へのダメージはない。弟のように思っている彼より堅実な技だ。
『…!』
「ピカッ」
直進する『ミサイル』を避けるために左へ跳ぶ。一つピカチュウには考えがあった。相手を正面にして左側、つまりサムスの右方向、もっと言えばアームキャノンのつく右を攻めるといったものだ。
「ピィ!」
電撃を纏い、とっしんすると見せかけて尻尾を右腕に当てる。浮いてるところを着地と同時に相手の足を足場にして蹴り出し距離を取る。
やはり、右半身はパワードスーツの装備に頼りにくい。彼女は超人すらも超える身体能力を持つためこれで完封できるなど思っていないが、装備の恩恵を薄めればそれだけ勝ちやすくなる。スーツを着ていればそれだけ足や機敏さを削がれているし、今の状態ならピカチュウはスピード勝負に勝てる。
「ピッカァ!」
『…』
しかし、パワーはまず負けるだろう。まず正面から力勝負してはいけない。『でんこうせっか』で一瞬のうちに股の間を通る。
『ッ!』
「ピッ!? ピッカ…!」
サムスは後ろへ振り返って回し蹴りを放った。読んでいたのか目で追うことができたのか。技の終わりにすぐ蹴られた。一瞬何が起きたか理解出来ずに痛みが後から襲ってくる。
「ピッ…カァッ!」
『…!?』
張り出した声が『かみなり』を呼ぶ。とばされたピカチュウの背後で天雷が落ち、溢れる雷撃が鋼鉄の外殻に襲いかかった。直撃はなかったが、追い打ちを防ぐためにできた最低限のことがこれだった。
「カッチュ!」
体を回して視界にサムスを捉える。ピカチュウの策が尽く対処され、優位に立つことができない。確かにパワードスーツを纏ったサムスにスピードでは勝てているがそもそものけいけんちが桁違いだ。パワーよりも、対応という面で劣っているのが致命的であった。
今だってサムスの戦法が攻撃寄りであったなら『かみなり』が当たっていたかもしれない。だが、生憎彼女は超がつくほど冷静だった。
『…!』
「…ッ!」
短いチャージのエネルギー弾が飛んでくる。相手の冷静さを砕ける程の戦闘センスも、柔軟な思考回路もピカチュウは持ち合わせていなかった。だから少し無茶をする。
─あの手は掴めなかったけれども。
─この手は掴み取るし、あの手だっていつか掴み直す。
勢いはつけず、ほうでんをすることで電気を直接身にまとう。いつもの火力にさらに電圧を高める。少し体に痛みが生じるが、あの外殻を一瞬で貫通する程の威力はいつも通りでは為せれない。
「カッ…チュッウ…!」
『…っ!?』
その状態のまま放った『ロケットずつき』が相手に向かって突き進む。チャージの短い『チャージショット』は纏った電撃だけで打ち消され、進路を塞ごうと動かした左手を弾き飛ばしてサムスに衝突する。
互いにノックバックで下がる。胴に強烈な攻撃をくらっても戦闘態勢を崩さないのは流石といったところか。
一方のピカチュウは身に纏った電撃が止まっている。熱いやかんに我慢して触れていたようなものなのだから、どの道長続きはしなかったのはわかっていたが。それでも再び電撃を纏って飛びかかる。その状態はボルテッカーに近かった。
当の本人は気づいていなかったが、戦闘経験豊富で操られているサムスに勝てるところがあるとすれば、決意の強さだった。
キャノン部分の突きを横飛びでかわし、くるりと体ごとしっぽを振るう。ローキックで蹴り飛ばされ、地に跳ねて体を強打した。
「ピ…カァッ!」
キーラに理解なんてしてほしくない。
確かにピカチュウが負けても他のファイターがいるため別の誰かがチャレンジすれば良い。
捕らえたファイターにしても奴には使い捨ての駒感覚に過ぎないだろう。
一度助けの手が途切れてしまえば、助けられる側は必ず後悔してしまうんだ。自分を置いていけばあの閃光は助かったかもしれないのに。
『…!』
「ピィッカ!」
『ボム』を投下して接近してくるだろうピカチュウを牽制する。遠くから『チャージショット』で撃ち抜く思惑だった。
的確に『でんげき』でボムを撃ち、害のない位置で起爆させる。常に電撃を纏っている状態ならこういう対処が少し早く行えた。
『…ッ!』
「ピ〜カァ〜…」
爆風を潜り抜けたピカチュウは電圧を高めていく。咄嗟に更に距離を取ろうとするが、ピカチュウの前進に間に合っていない。
「チュッ!」
『…!』
足に衝突するタイミングで電気を爆発させる。対処しにくい足に向かって放った今までで一番の攻撃。
それでも確実な致命傷にならなかったのは、衝突のタイミングで一気に身を引かれたからだ。直撃は避けられ、電気のダメージだけがサムスに伝わる。でも、それだけでも大きすぎるダメージになった。
「ピカチュー!」
ピカチュウは名を呼んだ。放ったらいげきと共に。深いところにいるだろう彼女本人にも届くように。
久しぶりの光に視界が悲鳴を上げて、反射的に目を閉じる。メットの緑の越しに周りの自然を知覚した。
「(ここは…?)」
最後の記憶は、光の本流の正面だった。
違う。それとは対極の漆黒の世界に、思考も出来ずに囚われていた筈だった。
今との違いに戸惑うサムス。視界の隅に少しだけ黄色の手が見える。視線を下に向けてみるとピカチュウが両手を振っていた。
「ピカチュウ? どうしてここに?」
「ピカッチュ!」
左手を伸ばしたピカチュウは傷だらけであった。自分が何をしていたのか察する。
「…いや、助かった。ありがとう。」
「ピカー!」
言いたいことはあったのだが、真っ先に口に出たのは純粋な感謝だった。手を伸ばして握り返す。ピカチュウがにこりと笑った。
ルカリオ『新作…か…』
ピカチュウ「ピカ? ピカーカピカ?(ん? どうしたのルカリオ?)」
ルカリオ『順当に行けば次はダイヤモンドパールプラチナのリメイクの筈だが… まだDLCが控えているからな…』
ピカチュウ「カー、ピチュピカチュピカピカー(あー、初の据え置き本編というのもあるし慎重になってると思うからのんびり待とうよ。)」
ピチュー「ピーチュチュ! ピチュチュチュピチュウピピー! (今なら言える! 光の軌跡のリメイクだ!)」
プリン「プリリプリ!? プー… プリリプ… (初代もバトナージも追い越して!? えっと… じゃあポケナガリメイク…!)」
ルカリオ『次回、『これで1回目の分』。』
ピカチュウ「ピカチューチュー、ピカピカ? (ミュウと波導の勇者ルカリオリメイク、期待してみる?)」
ルカリオ『話題的には水の都が妥当ではないのか…?』