灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
とりあえず評価が最大になるまで軽く道だけ作ってます。
それにしてもあつ森、無限増殖に神隠し引っ越しに風船バグと対応が早いですね。とび森の時代ではこんなに早かった覚えないです。
まるで環境がポンポン変わるポケモン剣盾ランクバトルみたいだ…
平原に建つには不自然過ぎる黒い迷路。青白い光と黒い壁のそれを敢えて表現するのならば、近未来という言葉が一番似合うだろうか。
「…パックマンが落ち着かないな。」
「ここと似たステージを知っている。パックマンと所縁のある場所なのかもしれないな。」
パックマンが露骨に動揺している。クッパと対峙したクッパ城そっくりの城砦といい、ここの世界には何か拘りのようなものが感じられる。
ただ、ここを創造した者はキーラ。
故郷の世界に意図的に似せているのか、こうでなくてはならない理由があるのか。いずれにしても本人達の神経を逆撫でしているようにしか感じられない。
「迷路になっているのか…? 移動できる魔法…か?」
「コレクト! 適当に踏んだら迷っちゃったぜ!」
「右に同じく!」
「以下同文!」
「おい、ソード、ピット、リンク。」
「アホ天使がなんかやらかしてるっス。」
ジェネレーションギャップを受けるシモンを傍目に壁を隔ててソードの声がする。興味を第一目標として脊髄反射で行動するソードはどのワープポイントを通ったか記憶しておらず、案の定迷ったようだ。更に恐ろしいことに追従する能無しがまだ二人いたことだ。
フォックスも呆れるしかない。リトル・マックは先程の恨みも乗っている。
「どこのポイントにワープするかは決まっているだろう。ワープを繰り返して記録していけば自在に動ける。」
「ワープだから迷路全体の位置どりを把握するのは難しいそうだけど… ここに誰かいると見落としやすい。気をつけた方がいいね。」
「ま、俺だったら一人ぐらいはここに置く。ただ、どこへ繋がるかわからない以上慎重になり過ぎて損はないな。」
数人が適当に振り分けられ、むらびと、リュカ、ロックマンの年少組と彼らに追いてきた形のしずえとサムス、ピカチュウのコンビ。ピチューもいる。そこにオリマーとリュウが加わり、一つのグループとして動いていた。
「あ、外が見える!」
「となるとここと先程のポイントが繋がり…」
「うおっと、合流できた!」
別のポイントから移動してきた迷子の三人が合流する。一応三人でかたまって動くという頭脳はあったようだ。
「全く… みんな揃って迷子とか困ったちゃんだな!」
「全くな!」
「君たちは…!」
オリマーの握られた拳がブルブルと震える。迷った、と自分で言っていたのに。
「あ、みんなちょっと来て!」
先に外の景色を見に行ったロックマンから声がかかり、オリマーの怒りも霧散していく。
暗い迷宮から抜け出し、眩しさすら感じる外は橙色の土管と海辺へ向かう道と分岐があった。
「更に分かれ道… よし、今度こそ棒切れで…!」
「…いや、周囲のスピリットを倒して道を確保しよう。数人で別れ、土管の先に進む者、海辺に行く者、ここに残る者…」
「じゃあ、リュカとロックマンと僕で… 土管の先に行こう!」
木の枝の先は土管の方に倒れた。子供のメンバーを誘うむらびとをサムスは考えながら見つめる。その顔にピカチュウが気づいた。
「ピーカッチュウ!」
「…! ああ、任せた。」
「ピカー!」
サムスの肩から飛び降り、進む子供達の背を追っていく。キョロキョロと辺りを見ていたピチューも少し遅れて彼らと共にする。
「私は残ります。情報の整理は得意なんですよー!」
「俺はいこう。体が鈍っていないか確かめたい。」
「では私としずえで残ろう。留めても聞かない三人の手綱を上手く握っておいてくれ。」
「…厄介ごとを押し付けられた感覚が…」
自分から志願したのに気持ちが沈むリュウと、はあ、と大きなため息を吐いて眉間に大きなシワを作るオリマー。当の本人達はよろしくー! と、呑気に言い放ったのだった。
橙の土管の先はまるで夢の中のような世界だった。桃色の雲は見た目よりずっとしっかりしていた。
そこに刹那、稲光が見えたかと思うと、戻ってきたのは二匹のねずみポケモン。辺りに散らばった六つのボディはすぐに金色の液体となって溶けていった。
「「ピー!」」
「ナイスゥ!」
むらびとがグッとサムズアップ。一人のファイターを守るかのように塞いでいたスピリットが解放され、ファイター戦に挑む権利を得た。
「じゃあ、あっちに行ってるロックマンを待って…」
「ご、ごめん、そのことなんだけどさ…」
リュカが口を開く。一回言い切って視線が集まったところで口を開く。
「ぼく… 一人で行くよ。そうしないと本当の意味で助けたって気がしないんだ「やだ!」
話の途中で拒否した。言われた本人はキョトンとして目を丸くしている。
「助けた気がしないって、それはネスに関係ないじゃん! 別にいいじゃん、頼っても。タダでいいからさ!」
「あっ…」
亜空間で戦った時も元の世界での時も、一人じゃ動くことも出来なかっただろう。
彼はあの大きな像から逃げていた際、一人で助けに来てくれたから。だからこそ自分も…と思ったのだが。
「………」
でも、リュカは知っている。一人で行く、ついてくるなと自分に言って、二度と戻らなかった兄を。それを知っていて、残されてしまった気持ちを知って、その提案を蹴ることは出来なかった。
「お願い…していい?」
「当然! どうせならロックマン戻る前に助けちゃおうよ! ピカチュウ、ピチュー、留守番よろしく!」
「ピカチュー!」
左右に揺れる短い手に見送られて、彼らは夢の世界へ向かう。
このステージは先程居た周囲の世界によく似ている。桃色の雲が足場の幻想世界。夢の中の国をベースに『終点』化されたそこは『マジカント』と呼ばれていた。ネスの、自分だけの世界らしいが、その時の場所とは何故か外観が違うらしい。
「あ、ネス!」
むらびとが、支配下に置かれているネスを視認した。彼は亜空軍との戦いを人伝にしか知らない。まだ弱かった頃の自分を知らない。
戦う勇気もなかった時、一度彼を見捨てて逃げた事実を知ったらどう反応するのだろうか。
でも、そんなことはどうでもよかった。
『…』
「…行くよ。」
「わっ!」
同じ『PKファイヤー』がぶつかり合う。いち早く動いたリュカにむらびとは驚いた。リュカは好戦的な性格ではないと認識していたからだ。
「(あ、でもプリンも心境の変化?みたいなことあったし…)」
パチンコを撃って回避を誘発させながら、そんなことを考えていた。
でも難しく考えるものではない。前に助けられたから助ける。リュカの中ではそれだけだった。結局助けられた数は二度になってしまったし。だからこれで1回目の分。
「や!」
『…っ』
PSIの力を込めた蹴り。その威力は見た目以上に強力なものだ。むらびとの攻撃で隙が出来たネスに当たり、顔が歪んだ。
『…!』
「…ぅっ!」
そんな不安定な体勢でも、ココロの力であるPSIには関係ない。手から放たれたPSIがリュカを弾き飛ばす。
「今度はこっちだ!」
『きのぼう』を握り、相手に対して振りかぶる。やっていることだけを聞けばまるでただの子供の遊びのようだ。だが、
「ふべっ!?」
ヨーヨーがおでこにぶつかり、先に攻撃を受けた。いかんせん目の近くだったため、反射的に目を閉じてしまう。
『…、……!』
「…ぁっ…!」
『PKフラッシュ』の眩しい光が衝撃と共に襲い掛かった。視界が潰され、吹き飛ばされた。
「目が…眩しい…!」
気配で敵の位置を予測するなんて彼にはできない。むらびとはなんの力も持たない普通の子供なのだから。
しかし、相手は違う。今は意思を持たないとはいえ、ネスは力を持つ子供。この大きな隙を見逃す筈がないのだ。
『…!』
駆け出すネス。目が眩んでいるむらびとは冷静になれず、接近に気づけていない。このままでは崖から落とされる。今の状態じゃ復帰も難しい。
「『PKファイヤー』!」
『…!』
しかし、隣に飛ばされていたリュカが彼を阻む。教わった仲間の性格が反映されたのか、このPSIは爆発力が高く、相手を大きく吹き飛ばす。
「…あれ? リュカ?」
「大丈夫? 目、見える?」
薄っすらと目を開けるが、白に近い薄い桃色はまだ眩しく感じた。ぼんやり見える金髪と黄と赤でなんとなくリュカの位置がわかるだけだった。わっ、と声を上げて目を閉じる。
「(まだ駄目…かな?)」
その行動で答えは知れた。手を出させないように戦うしかない。
「っ! とおっ!」
『…!?』
左手の拳にヒットしたものの、同時に出したPSIの力を無理やり当てる。互いに近距離での攻撃で互いに仰反る。
そんな中、無理やり放った至近距離の『PKフリーズ』が爆発する。
弾足の遅い攻撃なのだが、避けられないほど近くで攻撃すれば問題はない。氷塊に閉じ込められた相手が外へ飛んでいく。
無意識に目線が相手を追って空へ動いた。
「…ううっ… (やっと目が…)」
ようやく視界が回復したむらびと。リュカの姿を見て、反射的に彼が見ているものと同じものを見る。
飛んでいった氷が飛んでいって、赤い光を生んだ。
ピチュー「ピチュピチュピッチュ!」
リュカ「もくもくくもー…」
むらびと「おおおー! 高い高い高い!」
ロックマン「綿飴みたいだー!」
ロックマン「次回!『さらに先の海』!」
ピカチュウ「ピーカー…!」
リュカ「ひえぇ… あ、遊んでてごめんなさい…!」
ロックマン「真っ黒になる…!」
むらびと「かみなりぐもだー!」