灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
五十話突破! そしてタイトルセンスがこいの回!
島の評価が四で停滞中… 物を置くスペースが足りてないです…
最初に調子に乗って限界まで住人を呼んだのが完全に響いている…
「う〜ん…」
自分を覗き込む誰かの気配を感じて、ネスは目を覚ます。日光の影になっていつもより暗い色に見える友達の姿を視認した。
「あっ… 大丈夫?」
「大丈夫? ふあぁ… うん。」
「ま、最初はよくわかんないよね。」
自分を心配するリュカの言葉に少し怪訝に思ったが、欠伸をしている内に意識を飛ばす前の出来事を思い出して返事をする。むらびとは自身がそうであった時のことを思い出していた。
「ちょっとぐらい待っててくれてもよかったのに…」
「あー… ごめん…」
先に行かれたロックマンの機嫌は斜めだ。結局こっちの方が遅かった。
「二人が助けてくれたんだね! ありがとう!」
「い、いや、ぼくは…」
「お望みならば代金を頂戴するよ?」
「う〜ん… いいかな。」
いつものむらびとの対応に軽く流すネス。遊びの中でも金銭関係に考えるのはよく見る光景だ。
「ネスは二人が助けたし後は…」
「ジュニアはクッパに任せようよ。というか多分『お前たちに任せられるかー!』とか言って話聞いてくれないよ。」
「そうだよね… お父さんだもん…」
「あれ、ってことは後は…」
四人の頭の中で緑服の少年の後ろ姿が描かれる。
彼らの中で唯一、剣という武器を持って戦う風の勇者。大層な肩書きを背負っていても、彼らの中ではただの仲のいい友達でしかなかった。こんな世界のどこに居るのか─
「ピィカピカー!」
四人を呼ぶ声がする。ピカチュウの声だ。その側でピチューが下を見ている。
「ピカチュウどうしたの?」
「ピカチュー、ピッカァ!」
「あっ…!」
ネスが声をかけると、雲の下を指して何かを訴えた。そちらを向くと今まで探索してきた世界が広がっていた。
「こんなに高いところに来たんだ…」
むらびとが思わず呟く。今いる空にもまだスピリットはいて、地上にもまだ見たことない場所があった。この世界はまだ広い。
「…あそこさっきの迷路じゃない?」
「えっ… 本当だ。こうなってたんだ…」
ロックマンの言葉に今まで迷っていた迷宮を見つけた。壁が厚く、思っているより広くなかった。
「よくわかんないけどあそこのこと教えれば…!」
「ここからは行けないっぽいし戻ろうか!」
残っているだろうサムス達に迷路の構成を教えれば、大きい情報となる。
救助したばかりのネスにもなんとなくわかったらしく、合流を急ぐ。
「ピチュー」
「(…あれ?)」
むらびとの目が迷宮のさらに先の海へ動く。
海の向こうには小さな島が存在していた。
『ウーフーアイランド』の海の岩場。その狭く不安定な岩場が現在のリュウの戦場だった。
いつもより薄い青と水色の防寒具を着た二人、アイスクライマーのボディが小さな氷を木槌で飛ばす。ジャンプして避け、二人ごと跳び蹴りで海に落とす。
「(見た目よりハンマーの威力は大きい。更に言えば二対一。視界から外さないように気をつけなければ。)」
しばらくこの世界で戦ってきて、大乱闘はストリートファイト以上になんでもありだとわかった。
確かにリュウも現実離れした相手と戦ったことはあるが、犬と鴨で一人のファイターだったり、てもちに指示するポケモントレーナーだったり。そもそも目の前の相手は二人で一人のファイターだ。フィールド一つとっても平凡なものから広いもの、逆に戦いづらいものもあった。
確かに何もかもが予想もつかないような戦いだったが、まさかこんなことに巻き込まれるとは。
『…!!』
「っ!(しかし言っても仕方ないことだ。今は勝つのみ!)」
海から飛び出てくる二人に対して目を逸らさない。相手が戦闘に不向きだろうが、自分の意思で戦ってなかろうが、格闘家として加減する方が失礼に値する。
攻撃が先になったポポの姿の方のハンマーがこちらへ届く前に、二人まとめて体躯を蹴って吹き飛ばす。
スピリットの方は水に慣れている様子だったが、生憎宿ったのはアイスクライマーのボディ。
一度、海に入ってしまえば過剰過ぎる水分が着込んだ防寒具を襲う。たっぷりと水分を含んだ服は非常に重く、登山のためにそれなりに鍛えられた二人の体でも大きなハンデを背負うこととなったのだ。
『…ッ!』
もう一つの岩場まで飛ばされた二人は飛び込んでくるリュウを目撃した。先の足場よりは広いものの、狭い場所には違いない。だがやらないよりはマシということで岩場に登って出来る限り距離をとる。高さの違う岩で構成されている足場で高さをとって迎え討たんとする。
「はっ!」
『…!』
跳んで距離を詰めるリュウに向けて小さな吹雪を放つ『ブリザード』を撃つ。
「…!」
咄嗟に腕で視界を守る。流石に実体がないものを受け流すことはできない。これは当たったのだが、攻撃の隙はできてしまうのだ。
「せいやッ!」
『…ッ!?』
相手の付近に落ちながら地面目掛けて殴るかのように拳が振るわれた。
『…〜ッ!』
ここから勝てる道はなかった。ならばせめて一矢報いてやろう。反射的に手に握られた木槌が動く。
「はぁっ!」
『…ッ!!』
踏み込んで動いた足が、ボディの体に叩き込まれ─
「!」
同時にハンマーが空を切った。
目の前の何かが目を覚ます。長い首ごと頭が動いて周囲を見る。リュウの知識からは海に住んでいた恐竜に形が近いポケモンだろうか、といった曖昧なことしかわからなかった。
「…大丈夫か?」
『クゥ…? クゥー…』
いざ首を上げるととても大きな生き物であるとわかった。2メートル半くらいはあるだろうか。その頭が上下して肯定の意を示す。
「次は真っ当な形で戦いたいものだ。最後まで諦めない根性は見事なものだった。」
首をくねらせて目を逸らす。照れているのか正面を見られなかった。
二手に別れた彼らは範囲を決めてそこにいるスピリットの救出に絞って動いている。こうでもないと言われていないことを言い訳にして突貫する者たちがいるからだ。
まだ奥に誰か囚われている者がいる。更なる乱闘に挑もうとした時、大きく張りのある声がした。
「みなさーん! ここにありましたー! 海岸にいきましょう!」
「むっ?」
しずえの声だった。彼女は待機して情報の整理に回った筈だったが、何かあったのだろうか。疑問に感じてリュウも海岸へ向かうことにした。
海岸に着くと、既にこの近辺を探索していたファイターは全員集まっていた。異質なのは残った筈のしずえだけだ。
「合流をかけてどうしたんだ。しずえは別れ道で残った筈だが。」
「んー、あーそれは」
「えーい!」
「「えええええええ!?」」
理由を問い、リンクが答えようとすると、しずえの可愛らしい掛け声と共に大きな波音が耳に響いた。どこからともなく出てきた立派なモーターボートにソードとピットが驚きの声を上げる。
「ええ、あ、あれ、あんなデカいの、どこにしまって」
「ふふふー。内緒ですー!」
「そんなゴムタイなー!」
謎の収納術に困惑する二人。何かを企むようなリアクションのしずえにソードは崩れ落ちた。
「…さっきはボートを探していたのか?」
「ああ、ここにあるかは賭けだったが…」
「俺がさ、海になんか見つけてさ、なんだろうって思ってシーカーストーンでズームして見てみたらなんとびっくり、島じゃねえか!って!」
「…そういうことなんだ。」
ハイテンションで身振り手振り、シーカーストーンも取り出して説明するリンク。大体のことは理解できた。
「しかし、手漕ぎにしては重そうだな。エンジンがあるのか。運転はどうするか…」
「はーい! 私少しなら運転できますよー! かっぺいさんの運転をたまに見せてもらってました!」
「そうか。ならしずえさんは確定だな。」
それならばリュウがいた場所に行くために人の力を借りることはなかったはずだが…
少しと言っているのだ。実際に運転したことはないのでは? しかし、この人手の少ない時にああこう言ってはいられない。こちらも自信はないがオリマーもヘルプに行くしかないだろう。
「私も行こう。後は…」
「「「はい! はい! はーい!」」」
「だろうと思った…」
一斉に声を上げる。予想通りすぎて涙がでそうだった。リュウも呆れている。
全員残すのもそれはそれで心配だから連れて行くつもりではあった。それにしてもピットはここまで考えなしだったか? 二人のノリが移ったのか、上司がいないからなのか。
そんな彼に残酷な現実を突きつける。
「なんやかんや適応力があるリンクと… ソードだな。」
「「ウィナァァァアアア!」」
「くっそおぉぉー!!」
一瞬で決まる勝者と敗者。天使、崩れる。
オリマーがリュウにこっそりと声をかけた。
「発見者のリンクはともかく、一人は頼んだ。正直どっちでもよかった。」
「…そうか。」
最早短く答えるしかなかった。その島に何人いるかわからない以上乗れるだけ乗る訳にもいかず、ここをほったらかしにする訳にもいかない。ピットを押しつけられる形になってもだ。
とりあえず待機しているサムスに伝えるか、と考える。
「さてと! よっしゃー! 行くぜー!」
「ああ!」
「イエス!」
「はい!」
リンクの掛け声に答える三人。後から思えばそこに何かがいることを薄々感じ取っていたのかもしれない。
リンク「ラ・プ・ラ・ス・に、のっ・て〜♪」
しずえ「…? これはボートですよ?」
リンク「えーとな、ラプラスって名前のボートなんだよ、今つけた!」
ソード「作者がラプラスの存在忘れてオレたちの体をスピリットが借りるって設定にしちゃったからな!」
オリマー「独自設定の矛盾をぽっと出のボートで救い上げるとは…」
オリマー「次回、『ブッ飛ばす』!」
本当に恥を晒しました。すみませんでした。
ソード「うわ、地の文が出てきた!?」
オリマー「次回予告は謝罪の場ではないのだが…」