灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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正直、半オリキャラだから自由にしすぎたとは思っている。
残る一人は常識人なので安心してください。えっ? ソードに比べれば大体誰だって常識人? せやな。


…ちなみに前回の前書きにFF7リメイクの話がなかったのは作者がPS4持っていない敗北者だからです。決して忘れてたわけでは…忘れてました…
KH3とかもやってみたいですし買いたい欲はあります。いや、PS2はあるんだしいっそのことオリジナル探すか…?


後申し訳程度のラプラス。


五十一話 ブッ飛ばす

「うおおぉ…! 海だ! シーだ! 海水浴だ! ヒャッホオオオ!」

 

「きゃあああ!」

 

「馬鹿! ソード跳ねるな、揺れる揺れる!」

 

 

海のど真ん中で好奇心のままに動くソードは止まらない。つい口調が悪くなるのも仕方ない。こんなところで水没してたまるか。早くもソードを連れてきたことを後悔し始めていた。

 

 

「うおっと、ヒュー!」

 

 

リンクはリンクでこの状況を楽しんでいる。ひっくり返ったってこの性格は治らないだろう。転覆なだけに。

 

 

「なんとか、ならない、か!?」

 

「ここは波がひくのを待つんだよー!」

 

 

 

─数分後。

変わらない光景に飽きたのか嘘のように大人しくなるソード。登山でもしていた方が自分で動く分、本人には良かったのかもしれない。

 

 

「う〜… まだ〜…?」

 

「君が暴れてたせいで動けなかったんだ。全く…」

 

 

あまりの退屈さに顎を淵に乗せてとろけていく。何かが来なければ一生そのままだったかもしれない。ソードの視界が何かを捉えた。

 

 

「ん〜? ワッツ?」

 

 

何かがこちらへ向かって泳いでくる。とろけていた顔は一瞬で元の形に戻った。

 

 

「エブリワン! 何かがカモン! こっちにきてるよ!」

 

「…! それが何かわかるか?」

 

「なんか… どっかで見たことある…」

 

 

近づいてくる水色の体をした誰か。

 

 

「あー! ラプラスだこれ! レッドの図鑑で見たことある!」

 

『クゥ!』

 

 

その正体は、半透明ののりものポケモン ラプラスだった。

 

 

「ポケモンだったのか。どこから来たんだー?」

 

「あ〜… 実際に乗りたかった…」

 

 

撫でているつもりのリンク。肉体を持たない今の状況では実際に触れもしない。涙を流して現状を嘆く。

 

 

「オリマー! 連れてっちゃダメ?」

 

「………はあ… 大人しくしてたら構わない。」

 

 

条件つきの許可にソードは一気に破顔する。

 

 

「よっしゃあ!」

 

「だから、跳ねるな!」

 

「きゃあ!」

 

「アッハッハッハ!」

 

『クゥー!』

 

 

 

 

ソードの静止が多くを占めた船旅も終わり、リンクが発見した島郡にたどり着く。適当な砂浜にボートをつけ、近くの木に縄を繋いでボートを固定した。

 

 

「ヒュー。チラッと見るよりずっと森森してんなー!」

 

「島と島は… 繋がっている…のか?」

 

 

まるで通ってくださいと言わんばかりに砂浜が足場のようにつながっている。自然物のようでいてそうではない。

 

 

「わあー… 誰もいない無人島、いいですね! 休暇が取れたら遊びに行きましょうかね!」

 

「ラプラスー、ボートのガーディアン、頼んだよ!」

 

『クゥー、クゥー!』

 

 

長い首を撫でる。勿論実際には触れられないので悪魔で、つもり、だ。

 

 

「よし、っと。さてと、どうしようかな…」

 

 

確かに好奇心のままに動くソードだが、決して考えなしではなかった。

既に彼女の気配は感じ取れている。

 

 

「しずえさん! そっちの子お願いできるかい?」

 

「こちらの方ですか? お任せください!」

 

 

近くにいたしずえに他の戦いを任せて人避けをした。オリマーはリンクの方を向いている。こっちのことには気づいていない。

 

 

「ふう… ソーリー…」

 

 

せめて彼女の爆発を自分だけで抑えられますように。そう祈りながら小声で謝る。

嫌がっていてもどうせもう手遅れ。自分の余分な思考も彼女─ガンナも彼女のようにブッ飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアアァァ〜…」

 

 

わざとらしく感じる程に大きなため息を吐く。今、この状況でガンナだけは戦いたくなかった。やること為すこと破茶滅茶な雷撃のような少女。

 

 

『…ッ!!』

 

「だからベリーバイオレンスゥ!」

 

 

右手に装着されたアームキャノンが、ソードのいた位置に爆発と共に叩きつけられる。『コトブキランド』の土が吹き上がり、思わず、ヒェー、と声が零れた。性格言動と、どこを取っても一般的な女性とほど遠いガンナの力押しの戦法はキーラの支配と相性がいいらしい。

 

 

「だからワッツ? って感じだけど…(でもせめて今の半分でもクイットだったらグットなんだよなぁ…)」

 

 

今ぼやいたら後で何か仕返しされる気がして心の中でぼやくも、そもそもソード自身も問題児だ。彼女が正気だったらそこも含めて倍返しにされそうだ。

 

 

「んーあー、要は後でボコボコにするのやめてね! ってこと! 負けちゃったそっちがバッドなんだから、なッ!」

 

 

体を回転させ、小さな竜巻を生み出す。

迎え撃つガンナは両腕を交差させて風に耐える。アームキャノンは中々の重量を持ち、竜巻を耐えきるのに大きな助っ人になった。

 

 

『…!』

 

「うおおぉぉ!」

 

 

竜巻に隠れて接近したソード。両手で握った剣を振り下ろす。

 

 

「うおっ、っ!」

 

『…』

 

 

キャノン部分に刃がぶつかり、音が響き渡る。

ガンナ製作のアームキャノンは様々な機構が仕込まれ、その分重量がかさむ。それを振り回すガンナが非力なわけがなく。

 

 

「んべぇっ!?」

 

 

武器を封じられたソードの右頬に手加減なしのストレートパンチが叩き込まれる。大きくぐらついたソードの守備はガタガタだ。

 

 

『…ぁぁっ!!』

 

「うぇっ…!」

 

 

先の左手の拳よりももっと重い右のパンチが脇腹に放たれた。タイミングよく爆発させて火力も上げる。

 

 

「いっ…ぐ… ぺっぺっ!」

 

 

草地を通り越して砂場にまで飛ばされる。口の中に入った砂を吐き捨て、ふらりと立ち上がった。空に輝く太陽とは対照的にガンナの視線は冷たすぎる。

 

 

『…』

 

 

キャノンをおろしたガンナがざっ、ざっと芝を踏みつけて近づいてくる。

 

 

「へっへっへっ…」

 

 

でもそれは。

 

 

「詰めがスウィートだよ!」

 

 

いつもとはほど遠い。

 

 

『…!?』

 

 

低空を前転させて斬りつける『変則急襲斬り』。あらゆる剣術の形に収まらないこの技の効果は大きかった。いきなりの反撃に、左の腕で防ぐしかなかった。下ろしたアームで防ぐには時間が足りない。

 

 

『…ッ!!』

 

 

炎を吹き上げながらのアッパーが体を捻らせてかわされる。逆に『カウンター』で斬り付けられた。

 

 

「ガンナはね、ヨウシャってワードと真逆にあるんだよ! な〜んでちょっとずつ近寄ってるんだい!」

 

『…ーッ!』

 

 

両手を上げてあーだこーだ言う姿は、子供が駄々をこねるかような幼稚な抗議だった。

 

その姿に反応したのか、ガンナが動きだす。今度は力任せの格闘ではなくキャノンから放たれるエネルギー弾だ。

 

 

「…ハッ!」

 

 

再びの竜巻。撃たれたエネルギー弾と打ち消しあった。相手の得物の得意分野では押し切るのは難しい。竜巻を生むのに予備動作が多く、多用すればいずれ読まれる。ならば先程のように接近戦に持ち込む。

 

 

『…!』

 

「うおとっ、と…」

 

 

近づこうとするソードを認識し、数を重視した弾幕に切り替える。『ガトリングショット』の弾を剣を振るって弾いた。細かな火花が飛ぶ。

 

 

「つぁっ…! まだまだァ!」

 

 

だが、完全には防ぐことは出来なかった。数発の弾がソードの頬を掠め、服を切り裂く。

とにかく止まっていては一瞬で蜂の巣だ。わざと周るように走りだす。

 

 

『…ッ!』

 

 

少しは当たっているとはいえ、決定打にはなり得ない。風のように飄々な男に照準を合わせるのは至難の業だ。

 

 

「とにかくっ…!」

 

『…っ』

 

「それ、ストップ!」

 

『…っ!』

 

 

手に持つ剣で大地を抉る。掘り起こし、土片をガンナの瞳目掛けてぶちまけた。

反射的に目を閉じてしまい、砲撃の手が緩んだ。

 

 

「恨みっこは〜…」

 

 

肩に乗せた剣の柄に左手が添えられる。

 

 

「ナッシングぅ!」

 

 

上半身ごと叩きつけられた刃が重い一撃となって雷撃をブッ飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐る恐る、爆発物を扱うかのように祈りながら金の台座に手を触れる。

 

 

「…んっ …あ゛…?」

 

「え…えっと…」

 

 

解放した後のことは全く考えていなかった。言葉に詰まり、思考が停止し、沈黙が二人の間に流れる。

 

 

「あー、えーと、気分はドウデスカー…?」

 

 

抑揚のない、棒読みでなんとか返す。正面から見られず、両手の人差し指どうしでつつき合いながら目を逸らす。

 

 

「……………ハア?」

 

 

あ、だめだこれ。逸らした視線を元に戻すと、明らかに目尻が吊り上がっている。悪鬼の生まれ変わりと言われても信じてしまう程の悪魔がそこにいた。

 

 

「ウワワワワぶへっ!?」

 

「すこぶる最悪に決まってんだろ、エセ外国人があ…!!」

 

 

左手で顔を掴まれ、体全体が硬直する。ガンナの指の間から、怒気を放つ顔が見え、無意識のうちに両手を上げた。これは女性がやっていい顔じゃない。

 

 

「ちっ… とりあえず好き勝手やりやがったあの羽野郎は叩き潰す! 働けソード!」

 

「イ…イェース…」

 

 

顔を掴まれたまま連行されていく。機嫌は最悪だとはわかっていたからこそ、できるだけ損なわないようにと一人でやり遂げたと言うのに。

 

 

「こ、これが焼け石にウォーター… ヘルプ、ブロウ…」

 

「あー、ブロウも捕まってんのか? どっちでもいいか、羽野郎のついでにブッ飛ばしてやる!」

 

 

カチャっとキャノンを握りこむ。左手には仲間の剣士。探しだすのは格闘家。

 

ソードの顔面を片手で掴んだ状態を見たリンクが喉を痛めるほどに大きな悲鳴を上げたのは余談だ。彼曰く、「一瞬ライネルの亡霊か何かがソードを喰おうとしてるのかと本気で思った」らしい。





ソード「ガンナー、ガンナー、その喋り方どうにかならないの? まるでストームみたいだよ?」

ガンナ「おまえに言われたかねぇわ。つか、てめえだってヘンテコに英語混ぜてんじゃねえか」

ソード「これは! これは… ワイ? どうしてこんな喋り方してるんだろ?」

ガンナ「私が知ったことか! …つーても私だって別に理由とかねえけど…」


ガンナ「次回は『“また”なんだよ』だ!」


ソード「でもさ、せめてそこ言う時はもっと柔らかくいこうよー、まるでストームみたいだよ?」

ガンナ「おまえに言われたかねぇわ。つか、てめえだってヘンテコに英語混ぜてんじゃねえか」

ソード「これは! これは… ワイ? どうしてこんな喋り方してるんだろ?」

リンク「このやりとり、後二時間は続いたらしいぜ?」
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