灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
作者が忘れん坊なので買ったゲームはともかく発売日とかの祝いはいつのまにかすぎてるんですよね。一度まとめた方がいいかな…
ちょっと忙しくてまだゼノブレイド起動できてないのです。
他に言うこと…
あっ、pixivに投稿忘れてらあ!
五十六話 球体と平面
海へ渡り、リオレウスを討伐した時より、少々時間は遡る。二手に別れ、迷宮のようなものの構造を探っていた他のファイター達。
外に出れる道を見つけても、あえて残ってここの捜索を続ける者がいた。名をパックマン。ここら辺一帯がパックマンの生まれた世界にあった場所にそっくりだったのだ。ここを初めて見た時の狼狽っぷりは記憶に新しい。
「パックマン、ずっとここにいるよ!」
「外の道、他にも見つけたのに出ないもんねー」
「あ! もしかしてスネークが言ったこと気にしてるんじゃないかな!」
「言ったこと? ええと、たしか…」
なんとなく一緒に来たヨッシーとインクリングが会話する。ソードほどではないが、二人も退屈は嫌いな方であった。
マリオが一つ思いついたことがあり、口に出す。ピーチがマリオの言葉を反復すると…
「スネークが言ったことー」
「『俺だったら』ー」
「「『一人ぐらいはここに置く』ー!」」
「そうそう、そう言ってたわね。」
アイスクライマーの助け舟に、完全に思い出したピーチは両手を合わせる。
「でも、誰も言わなかったらマルスは残ると言い出してたと思うぞ! パックマンが残ったからここを任しただけだ!」
「そうなのー!? ヨッシー、びっくり!」
「イッシッシッシッシ」
一時的に指揮を任されているマルスも見落としの線は追っていたようだ。何もかも気づいていなかったヨッシーは両手を上げて驚いた。そしてダックハントに笑われた。更に一人。
「(そうだったんだ…)」
同じく気づいていなかったインクリング。声を上げていたら自分がヨッシーの立場にいたのだ。
「でもさそれなら、ここにいると思うから残って〜、って言えばよかったんじゃないかな?」
「それでも結果は変わらなかっただろう。だがな、フォックスがファルコとの戦いを自分から望んだように、自分の手で助けたい、という人もいるだろう?」
「ルイージとか、デイジーとか?」
「その二人に限らずさ。こんな狭いところより外の方がいる可能性が高い。マルスはそれをわかってたんだろうな。」
「でもパックマンはここの人を助けたかったから… うん、みんなハッピーだね!」
「ああ、そういうことだな!」
ヨッシーが納得して笑顔を見せる。キャプテン・ファルコンもそれに答えて白い歯を見せて笑った。
「ん〜、でもそろそろいないじゃあ… あっ、そっち行く?」
悩み始めたマリオの肩を、パックマンが叩いて一つのポイントを指し示す。どうやらそこに行きたいと伝えているようだ。
「OK! みんな、動くって!」
「はーい♪」
マリオの呼びかけに対して真っ先に反応したのはピーチだった。ちょっとした遠足気分なのかもしれない。
「はい、つい…たったった… わっ、本当にいた!」
パックマンが飛び跳ねて喜びを表現する。何回目かのワープを繰り返してようやく一人、ファイターを見つけることができたのだ。
「…っと… うわあ、詰まってる詰まってる!」
「うわ、うわあ!」
先頭のマリオとパックマンを押して、続くファイターが次々に入ってくる。
この迷路はそこまで狭くないのだが、壁も床も黒一色なので広さがわかりづらいのだ。
二人を押し倒してしまった後続達も囚われたファイターを視認した。
「いた! スネークの予想、大当たりじゃん!」
インクリングが予想の的中に驚く中、キャプテン・ファルコンがパックマンに話しかける。
「さて、パックマン。」
黄色い球体の顔を傾げる。何かの用なのか聞いているようだ。
「キミがここの捜索を言い出したのだから…」
「言ってないよー!」
「言ったのルカリオー!」
「…ルカリオが代理で、キミがここの捜索を言い出したのだからどのように挑むかはキミが決めるべきだ。オレ達も自由に使ってくれ!」
指を当てて考えた後、一人ファイターの元に近寄ってサムズアップを取る。
「ソロか。よし、パックマンが戻ってきたら合流を目指そう! オリマー達の方も気になるしな!」
「わかった! ともかくパックマン頑張ってね!」
右手で振り返し、左手で挑戦権を握りしめる。実際の心境はどうあれ、自分に付き合ってくれた人のためにも、必ず勝ち抜くと決意を抱いた。
どこかの平面世界、『フラットゾーンX』。ここにいる間は立体感がなくなるという謎の多いステージだが、こんな世界に住んでいるだろうファイターもトップクラスに謎が多いので、結局その世界が謎だらけということなのだろう。
『…』
流石に驚きはしなかった。『終点』化されたここにいるだろうとは予測できていた。Mr.ゲーム&ウォッチ、通称ウォッチ。亜空軍の戦力が厄介となるきっかけとなったファイターだ。
今回も敵に利用されているのだが、カービィ以外もそうなので非を責めることはできない。というかそういうのは理解できないだろう。
『…っ』
パックマンが蹴り飛ばした『消火栓』をふわりとジャンプしてかわす。その平面っぷりが体の軽さにも繋がっていた。
『…!』
そのまま宙で接近し、亀を武器にしてパックマンに突き出した。攻撃に一瞬怯んだが、そのまま足を狙って蹴り出した。
『…ッ!』
体の軽さは一方的な長所にはならない。たった一度の攻撃でもそれなりに距離を稼げる。少し後ろに引いただけのパックマンに対し、体一つ分は下がったMr.ゲーム&ウォッチ。素早く動けるが、一つの攻撃も致命傷になりやすくなる。
だからこそ、パックマンは先手を取ってガンガン攻めることにした。相手に有利を取られないように、スピードを活かせないように戦うことにする。
まずは近寄る助走を活かして『ダッシュパックバイト』。腕と足は何処へいったのか、欠けた球体になって突進する。
『…ッ』
攻撃を受けたばかりのMr.ゲーム&ウォッチには対応できる余地がなかった。宙に浮き上がり、そのままの体勢で追撃したパックマンの回転に巻き込まれる。
『…!』
だが相手もやられるばかりではなく、下向きに構えた鍵を刺され、変身が解ける。地面に着地するが、痛がる暇はない。鍵とともに着地したMr.ゲーム&ウォッチに向かって『フルーツターゲット』のイチゴを投げた。
『…』
一直線に向かってくる飛び道具を避けきり、それを追う形で走ってくるパックマンの攻撃に対応するために構える。
『…!』
球体と平面がぶつかる。
パックマンのパンチをシールドで防ぎ、『ジャッジ』のハンマーを振った。ランダムに出てくる数字によって攻撃の質が変化する技。数字によっては、パックマンにとどめを刺す技にも自身の首を絞める技にもなる。出た数字は4。
『…』
パックマンは叩かれた筈なのに身を斬られたような感覚に陥る。一撃必殺級の数字を引かれるよりはマシだった。そしてこの攻撃、そこまで破壊力のある攻撃でもなく、何とかその場に踏みとどまることができたのだ。
『…!』
トラクタービームでMr.ゲーム&ウォッチを捉える。左手に軽い体を掴み、張り手で突き飛ばす。体を飛ばされ、こちらは踏みとどまれなかった。
『…っ!』
両手を左右に突き出し、手の先に呼び出した『ピンキー&グズタ』のピンキーが、相手を平面の外へ弾き飛ばした。
目を覚ました…かどうかは体全体が真っ黒なためにわからないが、あちこちを見たりしているところから、意識は取り戻しているようだ。関節もわからない手足を使って立ち上がる。
「ふふふ、お久しぶりね。気分はどう?」
未だピコピコと電子音のような音を鳴らしながら周囲を見渡す。亜空軍の件で彼を気に入ったピーチが話しかけた。
ちなみにパックマンはやってやったぞ、と言わんばかりにマリオとハイタッチしている。
『…? ピーチ、ピーチ、ぼく、ここだよ。』
「…あら? ごめんなさい。周り真っ黒だったから間違えてしまったわ。」
壁、床がMr.ゲーム&ウォッチと同じ黒色で、彼がいる場所を間違えてしまっていたようだ。
「ワッハッハ、それじゃあこんな真っ黒なところ早く出ちゃおうか!」
『ところでここどこ?』
「ボク、説明してあげるよ!」
状況の読めないMr.ゲーム&ウォッチ相手にヨッシーが先輩風を吹かす。
「…ん?」
後方で後を追おうとしていたインクリングがスルーしかけていたある事実に気づいてしまった。
「(…………喋れるの、あの子!?)」
唖然としたインクリングの背後で笑うダックハントの声すら耳に入らないほどの驚愕だった。
ヨッシー「まっくろくろすけ出ておいでー!」
ピーチ「これ大丈夫なのかしら?」
マリオ「まあ大丈夫なんじゃないかな? ここ、ニジソウサクってやつらしいし!」
CF「ワッハッハ、出てきてもここじゃあわからないと思うぜ!」
ヨッシー「アワワワワ… それもそうかー」
ウォッチ『でておいでー!』
インクリング「あれー? ウォッチどこー?」
ウォッチ『次回、『背中を押してくれた』だよ!』
ポポ「ウォッチの霊圧が…」
ナナ「消えた…!?」
ウォッチ『ここにいるよー!』
ダックハント「イッシッシッシッシ」