灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
うちの島のイカれた(イカれてない)メンバーを紹介するぜ!
初期メンバーの片割れシルビア!(もう一人は既に引っ越し済み)
白い体に赤いお目々ルナ!(部屋に実用性を感じない)
ナルシストは遠い目で見つめるキザノホマレ!(黄金レシピ頂戴)
初対面と印象が全然違うニコバン!(意外にランク高くてびっくり)
唯一の椅子が椅子じゃないキャロライン!(バランスボール)
今んとこ一番の推しフララ!(かわいい)
しょっちゅう物落とすエスメラルダ!(8割はポーチ)
怖い系が欲しかったジョン!(ジュンじゃないよ)
初めてあだ名つけられたプースケ!(後頭部には空気用の穴)
一番の新参リリィ!(狼系が欲しかった)
以上だ! 何か質問は!?
え? ゲムヲの設定?
・Mr.ゲーム&ウォッチ
通称ウォッチ。悪意や敵意などを持たないある意味純粋な存在。それ故に誰も嫌わないのだが、本人も悪意や敵意を感じられないのがたまに傷。
一方、海の向こうへの島へとソード達を見送ったピットとリュウ。他に残っていたスピリット達を解放していた。
軽く近辺を片付けたところでサムスを伴った子供達と電気鼠組が合流してくる。
「あっ! そっちどうだった?」
「あっ、はい! えと…」
「ネスがいたんだ!」
「うん? うん、ぼくがいたよ?」
前後の話がわからないのでクエスチョンマークが混じるが、とりあえずネスは肯定しておく。
「むらびとが海の向こうに島が見えたと言っていたが… それについては他が解決してるんだったな。」
「ああ、リンクが携帯みたいな物を触っていたら見つけたそうだ。」
「え、じゃあ情報料は!?」
「ZERO〜♪」
「そんなぁ!?」
無駄にいい声で金額を教えるピット。むらびとは驚いた後、ショックで膝をつき、ロックマンが慰めていた。
「情報料のことはともかく、彼らが戻ってくる前に出来る限り開拓は進めておこう。」
「ともかくじゃないよ…」
「まあまあ…」
「それじゃあ、あっちだ!」
ピットが橋の向こうを指差す。その橋の手前には一人のファイターがいたのだ。
「ふむ、まるで通り道を塞ぐように… いや、実際塞ぐために置いているのか。」
「ピカッ?」
サムスがそのファイターの方を目をやり、自然とピカチュウもそちらへ目を向ける。そして、耳をピンと立たせた。
「ピーカチュッ!」
急いでリュカの前へ行き、何かを訴えるように前足を動かしてピカピカと鳴く。
「えっ… 本当?」
「ピカチュ!」
「ピッチュウ!」
何かが伝わり、ピカチュウが頷く。ピチューはピカチュウの意図を理解し、リュカの腰を頭部で押そうとしている。
「…うん! ごめんなさい! ぼく、行きます!」
「あ! あの連戦…」
むらびとの静止も聞かずに走っていってしまう。
「ピカチュウ、一体何を伝えたんだ?」
「ピカァ…」
ピカチュウは少し悩んでジェスチャーで伝えることにした。
まず、両耳の先を帽子のつばのように顔の前で繋げる。
そこから少し間を空けて、耳を下ろし四足歩行になって尻尾の先を丸める。
また間を空けて、先程より低い姿勢の四足歩行で尻尾が体の下へしまわれ、口を鈍角の形にとんがらせる。
更に間を空けると、後ろ足で立ち、前足を翼のようにパタパタと動かして何かを吐くかの如く顔を動かした。
「…なるほど、そういうことか。」
「ああ、わかった。」
「へえ〜…」
「それでリュカが…」
「ボクでもわかった!」
「ふむふむ…」
ピカチュウのジェスチャーのクオリティが高く、四回やったことなどもあって全員が彼の正体を理解できた。ネスに通訳してもらえばよかったというのは後に気づいた。
『終点』と同じ形になった『戦場』。シンプルが故に地力が求められる。自分の戦闘能力に自身のないリュカには不安が残るステージだった。
「レッド…!」
『…!』
ピカチュウの言っていたことを疑っていた訳ではない。やっぱり信じたくなかっただけだ。客観的に見ればそれほど歳の変わらないはずの彼に頼もしさを感じていて、ネスと同じく強い人間の象徴だったのだ。
『…ァー!』
「! ゼニガメ!」
初めて出会った頃からレッドと共にいた彼の最初のパートナーをくりだす。彼は自分自身は戦わず、後方から指示を出して戦わせる異質なファイターの一人。
目の前のポケモンを倒した後に、レッドの方は元に戻るのか一抹の不安はある。操られているとはいえ、戦闘能力を持たない彼相手に戦える自信はない。
「(でもとりあえず勝たないと…)」
でもまずは目の前の問題だった。もしそうなったら後で考えよう。爪先で地面をつついて靴の奥に足を入れる。
「てい…!」
『…!』
掌から放出したPSIをぶつけようとする。しかし、レッドの指示通りにしっぽで叩かれ、手は見当違いの場所に動いた。
「…! せいっ!」
『…っ!』
それを認知した即座に足を出す。年相応の小さな足であったが、PSIの力で強化されたキックは年に合わず力強いものであった。
『…ェッ!』
「よ…」
後方へ飛ばされるゼニガメは『みずでっぽう』を吐き、リュカは『サイマグネット』で対処した。それを見てゼニガメが突っ込んでくる。水を巧みに利用して移動するので、かめのこポケモンでありながら走行速度は割と速い。
「『PKファイヤー』!」
パイロキネシス。火柱を噴き上げるPSI。向かってくるゼニガメに対して撃ったはずなのに、そこに敵の姿はなかった。
「こうたい…!」
『…ィッ!』
ゼニガメが主の元へ戻り、次のポケモンへとバトンタッチ。たねポケモン、フシギソウ。ポケモンの交代時に生じる誰もいない時間を使ってリュカの攻撃を回避したのだ。
ボールから飛び出した勢いのままにとっしんして攻撃した。
「いっ…!」
『…!』
リュカの体には13キロの重さは辛い。肺の中の空気を吐き出し、小さな体躯が転がる。
「げほっ… げほっ…」
無理に呼吸をして咳き込んだ。急いで息を整えるが、相手がわざわざ待ってくれるはずもない。じきに追撃がやってくる。
『……!』
『…!』
トレーナーの指示に従い、フシギソウは立ち上がったリュカに『はっぱカッター』を放つ。
「…と!」
先程と同じ技で葉を炭にする。鋭い斬れ味を持った葉だが、葉である以上、炎で燃えることは変わりない。
だが、数で勝てない。上がった火柱を避けて三枚の葉が飛んでくる。
「あっ…!」
それを認識してすぐにシールドを張る。ギリギリ間に合ったシールドは葉をはじき、リュカを守る。護りを解いてすぐにリュカは動いた。
「『PKフリーズ』ッ!」
『…ゥ…!』
『…』
冷気を込めた弾を当てる。弾速は速くはないが、凍りついたフシギソウはしばらく動けない。そんな状況でも眉一つ動かさないレッドを見て、とても悲しくなった。
「…っ!」
『…!』
氷塊になった相手に飛びかかる。PSIの力を持って強化された蹴りは氷を砕いて本人の体にダメージが通った。
しかし、それは相手との距離を詰めたことになる。本人が状況を理解できないのならば、離れるなりすればいいだけなのだが、生憎相手には優秀な指揮官がついている。
『………!』
『!』
「あうっ…!」
両腕に二本の『つるのムチ』が絡まり、身動きが取れなくなる。そのまま強く地面にたたきつけられた。
「うう…」
『…!』
『……アァッ!』
衝撃で起き上がれないリュカに、レッドはポケモンを入れ替えた。一番爆発力のあるエース、リザードン。強力が故に自身すらも傷つける技、『フレアドライブ』を命じた。まさにとどめに相応しい大技。
「…っ! ダメ…!」
その技を撃とうとするのを見た。それに当たればどうなるか予測もできる。立ち上がる暇はない。急いで両手にPSIの力を溜める。
「ああっ…!」
『…!』
それを地面にぶつけ、爆発の衝撃で飛び上がる。子供の体は簡単に浮き上がった。
「おっと… いてっ…」
自分で起こしたこととはいえ、爆風まで細かく計算できず、着地に失敗して尻餅をつく。すぐ頭を振って立ち上がった。
『ゥゥ…』
唸り声を上げるリザードン。冷たくにらめつけるその目。初めて戦った時と違ってレッドは隣じゃなくて向こうにいた。
この戦いは一人を救う戦いではなく、一人と三匹全員を救うための戦いなのだ。
その戦いに、ピカチュウとピチューは知っていて背中を押してくれた。さっきからみんなには我儘を聞いてもらってばかりだ。
「(恵まれてるよ…! ぼくやレッドのためにここまで…)」
プレッシャーすら吹き飛ぶ程に尽くしてくれて、ここまでやってくれたら、もう負けちゃいけない。
『…ゥ!』
「っ!」
リザードンの口から吐き出される『かえんほうしゃ』をジャンプしてかわす。PSIが込められたジャンプは通常よりも高く跳ぶ。
『……!』
当然、後を追うリザードン。翼を持つ彼にとって空だって得意な戦場の一つだ。
「いっけー!」
リュカの指先から放たれる電撃が、リザードンの右翼を撃ち抜いた。
『…ァ…!』
片方の翼が痺れ、バランスが取れずに墜落していく。
「ああぁ…!」
全開の力を込めて、回避もできないリザードンを蹴りつけた。確かな手応えを感じ、彼を視認する前にリュカの視界は黒に染まった。
「──ッ!」
「─ッ!」
騒がしい声が聞こえる。ああ、また二匹が喧嘩しているのか。早く起きなければ。
─あれ、なんで寝ちゃってたんだっけ?
「あっ─」
「グオ、グオオッ!」
「ゼニー! ゼッニ!」
「ソウ、ソゥ!」
「ピーカチュウ!」
「ダメだってば…」
いがみ合うリザードンとゼニガメ。二本の蔓で二匹の間に入るフシギソウ。よく見れば他にも見覚えある顔が喧嘩を止めようとしていた。その中の一人、リュカが起きたこちらに気づいて近寄ってくる。
「レッド、大丈夫?」
「あー、あんまり覚えてないけど… また助けられたな。」
ガレオムを倒した後、呆気なく気絶した自分を助けてくれた。あの時は素直に感謝していたが、後から思うと恥ずかしくなった。
その時と同じように手を差し出される。
「でも… 最初に助けられたのはぼくで… 今もみんなに助けられたんだよ。」
「そうか…」
差し出された手を握り返す。
まだ、キーラは生き残っている。
「一緒に頑張ろう?」
「ああ!」
また共に戦おう。
立ち上がり、まずは喧嘩真っ最中のあの二匹を鎮めることにした。
リュカ「ボク一つ思ったんだけど…」
レッド「ん? どうした?」
リュカ「多分ポケモンを操ってたのはキーラだよね? なんでレッドに指示させてるんだろう…?」
レッド「確かに…」
ピット「ふふふ… 名探偵コ…ピットが当てて見せよう!」
レッド「うわ、出た!」
ピット「出たって失礼だなぁ!?」
レッド「次回、『最高に怒り狂っている』!」
レッド「ま、いいか… で、なんでなんだ?」
ピット「キーラはごっこ遊びが好きなのさ!」
リュカ「それは… そうかもしれない…」
レッド「パックマンのとことか再現してるもんなあ…」