灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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あーーーーーあかんべ完全に忘れてたああああああ
これだから予約投稿しろとあれほどおおおおおおおおおおおおお


ポケモンDLCもARMSの使い方も前書きで語ろうと思ったのにこれは禊確定


五十九話 あいがと

 

密林を抜け、更なる大地を捜索する。空に浮かぶ雲の一つに光の足場のようなものがかかっているのを妹の望遠鏡でトゥーンリンクが見つけた。

 

これにより最終的な目的地が判明し、そこへ向かうのがキーラへの道しるべとなる。

勿論、道中にいるスピリットやファイターの解放も忘れてはいけない。不自然な自然の中に配置された被害者を救うことも目的の一つだ。

 

 

「んー…」

 

 

望遠鏡の覗き込む方とは逆側から大きな猫目が見える。トゥーンリンクが見ているのは滝の水源となるだろう崖の頂。しかし、距離的な問題ではなく、角度的な問題で頂点は見えなかった。

 

 

「むうー…」

 

 

自分が見つけたファイターのことが気になったが、汽車の整備に自分の体を貸してほしいというのを思い出し、離れる。徒歩では捜索に限界があったらしく、スピリットの力がほしいとのことだった。

一度振り向くが、こちらが先決とばかりに始発駅の方へ向かう。

 

 

 

 

トゥーンリンクが見つけたファイターの目の前。ルカリオは座り込みながら彼の到着を待っていた。側にはレッドの姿もある。

 

 

『…ようやく来たか………』

 

「ぽよ?」

 

 

ルカリオの待っていたのはカービィだった。ここ一帯の解放戦の一員として参加していたもの。ここまで来れなければ何のためにレッドを止めていたのかわからない。

 

 

「待ってたのってカービィなのか?」

 

『ああ、とりあえず行け。話はそれからだ。』

 

「…ぽぅ。」

 

 

未だ不思議そうな顔をしているが、言われた通りにファイターの解放に挑みにいく。ワープしていく彼の後ろ姿を二人は見ていた。

 

 

「…もしかしてわざと負けてたのか?」

 

 

そう、ルカリオは一度目の前の相手に敗北していた。フィギュアになっていたところをレッドが元の姿に戻したのだった。続けていこうとするレッドをルカリオはずっと止めていたのだ。

 

 

『私の中に迷いはあったのかもしれないが… 負けようと思って負けた訳ではない。』

 

「そう、なのか…」

 

 

カービィと同郷のものだったのか? この状況についての経験が足りないレッドは不思議そうにしていたカービィの様子を疑問に思うことはできなかった。同郷ならば本人だって感覚でわかるのだ。

 

 

『しかしあの感情… 操られているとは思えないほど強かった…』

 

「感情って…何の?」

 

 

レッドの素朴な疑問。波導を感じ取れるルカリオだからこそわかったもの。短く、簡潔に彼は答える。

 

 

『…………後悔。そして─』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その平原は広く、夜空の星が見下ろしている。大地の上に大地のあるその場所は神の骸。そこにすむ種族達は『ガウル平原』と呼んでいた。同じものでもなく、『終点』型の模造品ではあるが。

 

 

「あっ…」

 

『…!』

 

 

ルカリオが自分に勧めた理由を一瞬のうちに理解してしまった。そこにいた金髪の青年…シュルクは自分がここにいれる要因をつくってくれた者で。少し前にルカリオに助けたいと挙げた人だった。

 

青白い光の刃は既に起動しており、ルカリオとの戦いの後遺症か疲弊しているように見える。

でもそれすらも上回る存在感を出すたった一つの激しい感情。そのようなものに疎いカービィにはわからなかった。

 

 

『…ッ!』

 

「ぽよっ」

 

 

横薙ぎの一閃をしゃがんでかわす。その状態から跳び上がっての頭突きがシュルクの胸部に吸い込まれる。当たりはしたが、膝で蹴られ転々と地面を転がる。

 

 

『…!』

 

 

うつ伏せ状態のままのカービィを尻目にモナドの力が解放される。シュルクの能力を一時的に特化させる技『モナドアーツ』。斬の力、バスターは与えるダメージを上げる技。ここからとどめに繋げるためにダメージを溜めるつもりだろう。軽めのカービィには致命傷となる。

 

 

「ぽ〜… うわっ!?」

 

 

対策をじっくり考えさせてもくれやしない。紫色の光が宿ったモナドに斬りかかられる。咄嗟に『ファイナルカッター』で防ごうとするも、相手が神が使った剣となると流石に武が悪かった。

 

 

「うにっ…!」

 

 

とばされるカービィに対してシュルクは攻撃の手を緩めない。斬り上げる形で更なる一撃を加えようとする。

 

 

「ぷいっ、すおおぉぉ…!」

 

『…ッ!!』

 

 

横にとんでシュルクを『すいこむ』。斬りあげの体勢、つまり重心が上にあるシュルクに足で踏ん張って抵抗する暇は残されていなかった。

カービィのどこからかからシュルクがとびだした時には、カービィの背中にシュルクと同じ赤い剣が背負われていた。

 

ようはモナドにはモナドで対抗しようというハンムラビ法典リスペクトの単純な攻略だった。しかし、同じアーツを使ってもリーチは、武器を扱うシュルクが上な以上、工夫しなくては押し切られるだけだ。ここは─

 

 

「…はしるっ!」

 

 

走力の強化。赤い足に水色の光が宿った。走り出すカービィにその場で迎えうつシュルク。

 

 

『…っ』

 

「とっとっとっ!」

 

 

防御に構えるモナドを避けて、三段蹴りをいれる。もう一撃はシールドで防がれた。

モナドはそれなりの重量があり、シュルクも基本は両手で持っている。故に素早い攻撃には対応が難しいのだ。

同時にアーツの時間切れが訪れ、強化の光が消えていく。双方すぐさま次のアーツを選んだ。

 

 

「とぶっ!」

 

『……ッ!』

 

 

カービィは翔、シュルクは盾。

カービィ自身が得意な飛行能力を更に強化し、シュルクは防衛に挑む。

アーツは一方的な強化ではなく、弱体化する能力もある。通常ですら追いつけるかわからないのに跳躍力を下げられたら敵うはずもない。

 

 

「ぷぃ!」

 

『……!』

 

 

遥か上空からの『ストーン』を歯を踏ん張って耐えるシュルク。敵うまいと初めからわかるならば無駄に追いかけず、対応に集中できる。カービィの強化が無意味なものになりかけていた。

 

 

『…ッ!』

 

「うわぁっ…!」

 

 

元の姿に戻ったカービィに背後から『バックスラッシュ』を仕掛けた。今、シュルクは攻撃力も下がっているが、カービィも守備力が下がっていて大体プラマイゼロ。いや、『バックスラッシュ』を背中で受けたのでシュルクにはプラスになってしまった。短い強化もお互いに解ける。

 

 

「ょ…!」

 

 

とばされたまま、根気で体をひっくり返す。鈍足も解けてありのままのスピードで走るシュルク。いや、また『モナドアーツ』の切り替えをしている。そろそろ勝負を決めようとしているのか。ならば─

 

 

『……ゥッ!』

 

「まもりゅ!」

 

 

黄色の光、シールドのアーツがカービィの体を包む。空中でシールドは張れないし、回避も難しい。ならば耐えきるしかない。

シュルクのアーツはスマッシュ。シールドのアーツを選んでなければ仕留められていただろう。

 

 

『……!!』

 

「いぃ…!」

 

 

今は耐えるしかなかった。ぶっとばし力が底上げされている今のシュルクの攻撃は一発でも致命傷になりえる。鈍足な今の身では回避も難しくなり、シールドを広げて連続斬りを耐える。

 

 

『………───ッ!!!』

 

「…!? しゅるく…!?」

 

 

らしくない乱雑で勢い任せな戦い。

支配されているはずのシュルクの目に、明らかに拒絶の色が見えたのだ。それこそカービィでもわかるほどに。身に覚えのないカービィとしては困惑するしかなかった。

 

 

「…! ぷぃ!」

 

『…!』

 

 

アーツの制限時間をさとり、『ハンマー』を振って乱打に使われていたモナドを弾く。モナドに傷などつかないが、使い手がこれでは負けよう。

振った勢いそのままに一回転して今度はシュルク本人に当てる。ステージ外までとばされ、それと同時にアーツも消え去る。

 

 

「……」

 

 

背中に背負っている小さなモナドを両手で構える。

優しい救い方を彼は知らない。シュルクの本心に一言伝えるために、今は加減をしないだけ。

 

 

「すまぁっしゅっ!」

 

 

中心に撃の字が浮かび、赤い光が手に宿る。

復帰しようとするシュルク。カービィはモナドを背負い直し、木槌を握る。

 

 

『…!!』

 

「いけえぇぇ!」

 

 

ステージを蹴り出し、空へ飛び出す。

『ハンマー』に炎が燃え上がる。

たった一振りで彼の身を撃ち飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………く…」

 

 

声?

誰の?

 

 

「…ゅ…くー?」

 

 

呼んでる?

 

 

「しゅるくー!!」

 

「わっ…!?」

 

 

聴覚がクリアになって、後を追う様に視覚と意識が鮮明になる。

 

 

「う…あ…」

 

 

でも体はついてこない。どうにか上体を起こし、言葉にならない音を喉から搾り出す。

 

 

「…カービィ?」

 

 

目を潤ませるピンクの悪魔。そんな態度を取られる覚えはなく、ただ状況に戸惑う。

 

 

「ぷぅ〜… ぷぅやあぁ…!」

 

「うわっ!?」

 

 

突然号泣されながら飛びつかれ、起きた上体はまた地面と仲良く雑魚寝状態だ。全くもって何がなんだかわからない。

 

 

『カービィはデデデやメタナイトだけじゃなく、ずっとお前も探していた。』

 

「ルカリオ…」

 

 

どうしてここにいるんだろう。

ルカリオは避けきれずに、後ろのレッドは押しきれずにあの光に呑まれていったはずなのに。

 

 

「そんな… でも僕は未来を」

 

 

変えられなかった。

言葉は出ずに、代わりに涙が溢れてくる。

みんなの敗北を二度見た。避けきれず、押し切れず、逃げきれなかった仲間の姿。もうみたくなくて、ただひたすらに孤独でありたいと願ったことだけは鮮明に覚えている。

 

 

『お前が未来を見たおかげだ。そのおかげでカービィはいち早く離脱することができたんだ。』

 

「えっ…」

 

 

言葉が詰まる。起き上がれず、顔を出来るだけルカリオの方へ向ける。

 

 

『見た未来は変わらなかった。でも更に未来は変えたんだ。お前と、カービィのおかげで…』

 

「………」

 

 

空を仰ぐ。

ルカリオの伝えた事実にまだ実感が湧かない。

 

 

「しゅるくー」

 

「カービィ…」

 

 

体にくっついていたカービィが視界に入るところまでよじ登ってくる。少し顔を上げた。彼の鮮やかなピンク色が見つめてくる。

 

 

「あいがとっ!」

 

「あっ…あっ…」

 

 

舌足らずで単純な言葉。

それがなにより頭に響いてきて。

後悔の涙はすぐに嬉し涙に変わっていって。

 

 

「はは… 言えてないって… 言えてないよ…カービィ…」

 

「ぷ?」

 

 

腕で目を隠して照れ隠しで返す。

カービィはよくわからないままにすまし顔で首を傾けた。





カービィ「たたく! とぶ!」

シュルク「カービィ、それ… 僕の真似?」

カービィ「あそぶ! ねむる!」

シュルク「あはは、あるといいね、そんなアーツも。」


シュルク「次回、『負けてはいられない』!」


カービィ 「たべる! うたう!」

シュルク「やめてえぇー!」
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