灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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Q.海に潜れるようになりましたが?
A. 嬉。

Q.ミェンミェン参戦しましたが?
A. 嬉。

Q.持ちキャラ超強化されましたが?
A. 嬉。



六十一話 意趣返しだ

 

自然の力が生まれたての双葉に注ぎ込まれ、芽吹いただけの緑はたちまち天まで届く蔓となった。

 

 

『ふん、勘違いするでないぞ。今は手を貸した方が有益なだけじゃ。』

 

「いや、何も言ってないけど…」

 

 

人間の体を借りるのは流石に嫌だった自然王ナチュレはピットの体を借りて植物を急速に成長させたのだ。

 

 

「え、あのえと… これ…登るの…!?」

 

「探してないの空ぐらいだしな。崖登るのと大した差ないだろっ!」

 

「どっちもキツいよ!」

 

 

インクリングが悲鳴を上げる。軽く流すのはリンク。しかし登るしかないと、一部は悲鳴を飲み込みながら手をかけた。

 

 

 

 

「ようよう、鳥なのにお空も飛べないファルコくん。そんな爪のないおててで登れるんですかぁ?」

 

「あ゛あ゛!? テメエこそ武器外して奇襲されたらどうするんだよ?」

 

「えっ、何? 持たざる者の僻みってヤツ? うすのろくんはそんなことでしか張り合えないのかなぁ!?」

 

「んだと!?」

 

「お前ら!!」

 

 

短気同士なファルコとガンナが登りながらに煽り、下からフォックスが咎める。そんな彼らは実は中間辺りの速さだ。

インクで道を作ったり風船を使ったり様々な工夫をして登っているファイター達。握力故か速くはないが疲れを見せないロックマンと、かぎツメロープとデクの葉を活かして登るトゥーンリンクが追いついてきた。

 

 

「ロックマンとトゥーン、平気か? 他はどうしたんだ?」

 

「うん、ぼくは平気。むらびとやネス達は先に行っちゃった。」

 

「マジか、気づかなかった…」

 

「ボクの方はあんまり… ピーチ姫背負ってるマリオほどじゃないけど疲れた…って」

 

 

ふと横を見ると、カービィの上に乗るシュルクとプリンの上に乗るピカチュウ。思わず漏らした、あっ、という声が聞こえた。

 

 

「ずるーい!!」

 

「バレた! カービィ、スピードアップ!」

 

「んー!」

 

 

くぐもった声と同時に上昇速度が上がる。

トゥーンは結局二人の喧嘩声を聞きながら、地道に登るしかなかった。

 

 

 

 

 

第一回ジャックと豆の木大会の優勝者は波いる強豪を押さえつけて勝ち抜いたまさかのダークホースだったが、それは別の話。

 

疲れて寝てしまったカービィを肩に乗せてシュルクは雲の上を散策する。

 

 

「すぅ… すぅ…」

 

「キーラはあっち… 他にできることは…」

 

 

次負けてしまったら今度は誰かが逃げきれる保証はない。未来視は受動的にしかできないのも難点だった。

 

 

「んぅ… ぽ…? わあああぁ…!」

 

 

匂いを嗅ぐ空気の音がしてカービィが見ている方向を見る。完璧に覚醒したカービィはよだれを垂らしていた。

 

 

「りょーりー!」

 

「えええ!? ちょっとー!?」

 

 

走りだしたカービィを追って走り出す。大声で誰か察してくれるのを祈り、雲と雲を渡る。

 

 

 

 

 

「なんだろう、ここ…」

 

 

カービィを追って星型の飛行船へと飛び込むと、あみだくじのような迷路のスタート地点にでた。何故か道中に食べ物が置いてある。

 

 

「オッホー! シュルクもお腹空いたの?」

 

「いや、こいつはカロリーメイトとかで済ませるタイプだ。お前と一緒にすんなよ。」

 

「えっ? カロリー…?」

 

 

満腹のヨッシーとまだ食べてるスネークとの間に何か文化的な差が垣間見える。

 

 

「そうだ、カービィを…」

 

「チクショウ! 木登りでも負けっ! 今カービィにも負けたっ! 俺は敗北者だあ!」

 

「リ、リンク!? なんなのこのテンション…」

 

「くっそーー!!」

 

 

悔しさのあまり慟哭するリンク。たち膝で空を仰いで叫ぶ姿にドン引きするが、カービィの単語を聞き逃さなかった。

 

 

「カービィがこっちにきた?」

 

「リンクとどれだけ多く走りながら食えるか、って勝負してたんだよ!」

 

「じゃあこの先のゴールに…」

 

 

大食いどころか逆に小食気味の自分にこの二人と同じことをしろと? 青ざめるシュルクは追い討ちとなるサラダの存在を見逃さなかった。

 

 

「…これはダメだ……」

 

 

カービィが自分で戻ってくるのを願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファイナルカッター』の斬撃が木槌を掠め、空を斬る。振り下ろした木槌をバックステップで避け、槌を焼き尽くすほどの心意気で『バーニングアタック』。

 

 

「ぽっ!」

 

『…っ』

 

 

巨大な図体すらも後ろへ退けずらせるほどの威力がデデデを襲う。

 

シンプルな『終点』と同じ形の『夢の泉』。オリジナルのこの場所のスターロッドを巡ってデデデと戦った時をカービィは思い出していた。そういえば、その騒動で初めてメタナイトに会った気がする。三人の因果はそこから始まったのかもしれない。

 

 

「よっ…」

 

 

水が溜まった池をバウンドするゴルドー。部下を平然と投げるその姿はキーラの力の影響を…いや、正気の時にもこんな態度だった。

ほとんどぺったんこ状態のしゃがんだカービィには当てられなかった。

 

 

「ぷぃ、でででー!」

 

『…ッ!!』

 

 

それでもカービィは知っている。彼はしょっちゅうみんなの為に悪役に買って出るのだ。亜空軍の件も、彼が動いてなかったらソニック一人では手に負えなかったかもしれない。

キーラに抵抗できなくてもいい。それは求めていない。ただ声を届かせたい。それだけのために彼の名を呼んだ。

 

肉薄し、デデデに掴みかかる。デデデごと飛び上がり、地面に叩きつけた。『いづな落とし』だ。大きく水飛沫が上がり、赤い服が水を吸って濃くなる。

 

 

『…!!!』

 

「んーっ!」

 

 

素早く起き上がるデデデと距離を取ったカービィの『すいこみ』対決。側から見ればカービィが力負けするように見えるが、カービィには負けられないという意志と元祖としてのプライドがある。一番の大口を開けて全神経を集中する。足場が水場で踏ん張りにくいデデデは徐々に引き寄せられていく。

 

 

『…っ!!』

 

「…ぃ!?」

 

 

だが、操られているデデデは勝利のために的確な判断をした。『すいこみ』を中断し、代わりにゴルドーを放り込んだ。突然口に入った異物に動揺したカービィは即座に吐き出す。その動作は痛すぎる隙となった。

 

 

『…ぁっ!!』

 

「ぷいぃっ!!」

 

 

デデデのハンマーが展開し、内部の機械構造が見える。ジェットによる噴射を加えた一撃がカービィに激突する。ぶっ飛びながらもギリギリで崖を掴んで事なきを得た。

 

 

「…んぷい!」

 

 

復帰したカービィが取り出したのはデデデと同じハンマー。いつかデデデがやってくれたことの意趣返しだ。

カービィがハンマーを構えると、デデデも受けて立つとのようにハンマーを握りしめた。二人の中ではもはやここは電流の走るリングだ。

 

 

「はあっ!」

 

『…!!』

 

 

カービィのものより一回り大きいハンマーが振り下ろされる。小さな体躯のカービィはデデデの懐に入りこみ、体ごと回転させたハンマーをぶち当てる。無防備なところに当たり、思わず仰反るデデデ。更にカービィのハンマーが燃え上がる。

 

 

「ていやーっ!」

 

『ッ!!』

 

 

そのまま同じ脇腹に『鬼殺し火炎ハンマー』。カービィが今できる技で最大の威力を持つ攻撃だ。暗い宇宙を彷彿とさせる空へぶっ飛ばされようとするも、持っている得物の重さでそこまでには至らなかった。

 

 

「んむう」

 

『…ッ!』

 

「えぇい!」

 

 

仕留めきれなかったことに頬を膨らませるも、すぐ切り替えて『スーパーデデデジャンプ』を後ろに跳んでかわす。

 

 

「んにぃ!」

 

 

すぐさまハンマーを握る。飛ばなかったのならもう一度当てるのみだ。着地時にスライディングを当てて軽く浮かす。

 

 

『…っ!!』

 

「せいっ!」

 

 

そこを狙った『鬼殺し火炎ハンマー』は─

 

 

 

当たらなかった。ギリギリ体を捻らせて炎が空をきる。

 

 

「んー… とりゃああー!」

 

『…ッ!?』

 

 

でもカービィはへこたれない。空振りした勢いのままに体を回転させ、ハンマーを放す。手から離れたハンマーはデデデを直撃し、共に夜の空へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界の隅で何かが動き、フィギュアを持ったピンクが戻ってくる。ゴールからスタートに戻るワープ地点があったらしい。

 

 

「カービィ」

 

「しゅるくー!」

 

 

星のような笑顔を見せ、フィギュアを置いて元の姿に戻す。

 

 

「んー… ここはどこだ…?」

 

「でででー!」

 

「うおっ!? カ、カ、カ、カービィ!?」

 

 

まだ寝ぼけた目をしているデデデの両手をとり、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。

 

 

「ふん、大王をつけろ、大王を!」

 

「だいおーででで?」

 

「逆だ逆だ!」

 

 

目覚めたばかりのデデデにいつもの調子が戻ってくる。それ以上にいつも通りのカービィのおかげだ。

 

 

「デデデ、キーラのことについてちょっと話長くなるんだけど…」

 

「むっ、そうか。キーラめ、オレさまをコケにしやがってぐぬぬ…」

 

 

シュルクの言葉にはっきりと思い出したのか青い顔が真っ赤に染まっていく。

 

 

「おのれキーラ! オレさまが成敗してやる! いくぞ、カービィ!」

 

「はーい!」

 

「元気だなあ…」

 

 

すっかり定位置になってしまったシュルクの肩にカービィが乗りながら返事をする。

 

 

「よし、そろそろいくぞ。」

 

「ええー!? ヨッシーまだ食べたいよー!」

 

「お前はそのしかばね拾ってくれ。」

 

「敗北者… 一生敗北者…」

 

「まだへこんでたのか…」

 

 

未だに崩れ落ちてるリンクをヨッシーが背中に乗せ、進みだす。

 

 

「何してる!? オレさまについてこい! キーラに目に物見せてやるんだ!」

 

「ぽよ!」

 

「ははっ… 行こうか。」

 

 

キーラの喉元はすぐそこだ。





リンク「おっしゃー! 勝ったー!」

リュウ「むう… 登るのに必要なのは握力だけじゃない。体幹のバランスや経験も必要だな。全身をムラなく鍛えられそうだ。」

ピチュー「チュー!!」

リンク「へっへっへ、何言っても俺がトップ…ウ?」

リュカ「あ… えっと…」

リンク「先に… 先にいた…?」

ネス「……いた。」


リュウ「次回、『覚悟を…』。」


ルカリオ『そうか。テレポーションか。まっとうに登っては勝てるわけもない。』

リンク「ンガアアアアア!」
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