灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
それよりクリスくんちゃん実装されるのか…
正直ヒーローズのサービス終了まで出てこないと思っていました。勿論引いてみせましょう。マイユニット愛好家としては外せない。
「おし! 倒した…!?」
「これは… そうか。同じだったのか…」
キーラの近くでのたうちまわるマスターハンドが溶けていく。白い物体が金色になって破裂する。これはスピリットを解放した後のボディが死ぬ時の現象と同じものだった。
「えー!? 無駄足!?」
「無駄じゃないさ。どのみち倒さなければキーラと戦えなかったんだ。」
「パチモンだろうとなんだろうといいわ。全部ぶっ倒せば同じこと。」
「はーい、ガンナ、シャラップ。」
「ああ!?」
今いる全員が揃う。しかし、未だに姿を見ない者もいる。
「うー、パルテナ様が見つからないー!」
「ピカッチュ…」
「ロゼッタとデイジーと… あっ、ルイージもいなかったね。」
「キーラめ! 早くジュニアを返すのだ!」
とはいえ、近くにいない以上助けることもできないのだ。キーラの討伐と共に救出できると信じるしかない。
「多分今戦えるのはここにいる全員だね。よし、頑張ろう!」
「ああ、正直キーラは何してくるかわからない。けどオレ達は負ける訳にはいかない!」
マリオに続いてフォックスが声を張り上げた。もうあんな敗北をする訳にはいかない。
ファイター達が近づくとキーラは空高く浮遊する。皆が唖然としている間に、敵対勢力全員を何処かへワープさせたのだ。
「…!?」
そこは終点に似てはいたが、それよりもずっと広く所々の宙に小さな足場が浮いていた。大戦場と終点を足してスケールをかけたような場所。
突如仕掛けたキーラに驚きながらも各世界の英雄達は周りの状況を素早く把握した。
『─────!』
機械音にも似た響き。それは現存するどんな言語とも似つかわない振動。それでいてこれは生物で言うところの雄叫びのようなものなのだと本能で理解してしまった。
「けっ、先手必勝だ羽野郎!」
「オメエは引っ込んでろ! オレの獲物だ!」
「たくっ、二人だけで行くな!! 散って包囲網を作ろう!」
真っ先に飛び出したのはガンナとファルコ。フォックスは二人に注意しながらもファイターに提案をした。反対意見は出なかったので採用されたと見ていいだろう。
「「くらえっ!」」
「ていっ!」
『ガンナーチャージ』が放たれ、遅れてファルコが中心の球体へ跳んで蹴りを入れる。
エネルギー弾とトゥーンリンクの撃った矢が取り囲む翼のような物体に阻まれた。ファルコのキックはそのまま通る。
「っ! 本体は中心の球体だったか…」
「狙撃の援護が欲しいところだね。」
「わかった。俺が集める。」
サムスの事実確認、マルスの分析に付随して、スネークが遠距離攻撃にかって出た。既に戦闘中の中、人を集めて回るのは簡単なことじゃない。
『─────!』
ましてや、その相手が一度負けた相手ならば尚更だ。甘く見るという概念そのものが存在しないかのように、まるでただの工程のように攻撃を生み出す。空高くに巨大な電撃弾。分裂した電撃が雨のように降り注ぎ、無差別にファイター達を苦しめていく。
「『サイマグネット』…! 嘘!?」
「効かないっ…!」
エネルギーを自身の生命力に変化させる超能力も規格外なのか通用しない。
「しまえもしない…!?」
「そんなっ…!」
雷撃を防ぐ方法を使っていたファイター達が今更回避に動ける余裕はない。
「…っ、いけっ!」
友を案じながら、純粋な悪に向けての言葉が口汚くはなっているが、それでも比較的冷静なままのロックマンは質より数だと言わんばかりに『リーフシールド』を撃ち放った。
確かに葉の一つは本体に当たったが、相手が巨大すぎてキリがない。
「ああん、もう! チャージャーがあれば簡単に本体叩けたのに!」
「…! ピチュッ!!」
「ん…? …!」
地団駄を踏むインクリングへ、接近の機会を伺っていたピチューの激しい声がかかる。彼女へのバックスラッシュは先の乱闘でのダメージが残っていたインクリングを物言わぬ像へと変えてしまった。
「これは…! 紛い物かっ!」
全身水色の光で構成されているファイター達。シュルク、リュウ、リトル・マック、Wii Fit トレーナー、Mr.ゲーム&ウォッチ、プリンの形をしたキーラが生む偽物達。
「空飛ぶキーラにも役割ないとは思ってたっスけど…! 偽者まで使っていいとは言ってないっスよ!」
自分と同じ形の偽者の左ストレートをかわし、渾身の『K.O.アッパーカット』。しぶとく生き残る偽者とのマッチに拳を構えた。
『もらうねー!』
「気を抜くなっ!」
灼熱波動拳をバケツに溜めたMr.ゲーム&ウォッチだったが、深く考えない彼はその後のことを何も考えていない。純粋に喜ぶ平面に向かう正拳突きを本物が足で弾く。
ふらついたところを『昇竜拳』で打ち上げる。まだ体力は残っていたが、視覚外の矢の狙撃で消滅した。
「ふう… 折角集められたっていうのにこれじゃあキーラどころじゃないぜ…!」
「そっちはどうだ?」
「微妙。幾つか当たるけど明らかに威力足りてない…!」
スネークが突発的に集めた狙撃部隊。力強く矢を射てるリンクと、弾を操作出来るピットとスネーク自身。
偽者を生み出され、混戦になっている状況では近距離で戦える者が少なくなる。遠距離の弱点をカバーしづらくなるのだ。
「…! このっ!」
遠距離の弱点、それは距離を詰められては辛いこと。打撃戦と射撃戦の武器が同じピットがギリギリで片足バランスウォークを防ぐ。まだ神弓を分離していない状況で押し返して近距離戦の構えを撮ろうとすると、流星の様に落ちてくる者がいた。
「『ファルコンキック』!」
「キャプテン・ファルコン!」
「助かったぜ!」
無言ながらも白い歯を見せてサムズアップする。
「ゼニィ…!」
「! 戻れ! ゼニガメ!」
手負いのリュカ達を守る形でレッドがプリンとMr.ゲーム&ウォッチの偽者に立ち向かう。ジャッジで出た8のハンマーで後ろへゼニガメが飛ばされていく。ここで前線を下げるとリュカ達に危害が及ぶ。後ろ手でゼニガメを戻し、フシギソウを出した。しかし、戦況は辛いままだ。
「ぷぃ!」
「ソウ!」
「大丈夫かい!?」
プリンを飲み込み額にカールをつけたカービィと先程からモナドを閉じていないシュルクが助太刀に入る。数の有利を取ったことで狭まった視野が広がっていく。
「チュイ…!」
攻撃対象をキーラからシュルクの偽者に切り変えたピチューが肉薄して接近戦に挑む。両手剣に近いモナドを振るうシュルクに小柄なピチューは相性がいいのだ。通常ならば。
羽のような物体がドリルのように地殻を抉る。ちょうどいいところで本体の攻撃が跳んできて攻撃を中断せざるを得ないのだ。それでも連発はできまい。
再び接近したとき、偽者達が明滅するという異変が起きる。
「ピチュ…!?」
「まさか…! フシギソウ、『つるのむち』!」
手持ちを抱えてレッドは走り出す。抱えられたフシギソウが蔓を伸ばし、偽者と戦っていたピチューとキャプテン・ファルコンに絡みつき無理やり戦線を離脱させた。
「ねすー! りゅかー!」
「むらびと、しずえさん! 畜生っ…!」
まだ動けない四人にレッドが構えない以上、二人でどうにかしなければならない。だが、ここにいる偽者は二人。偽者のプリンがこちら側に来る以上、二人には一体でも止めるしかできなかった。前のシュルクがアーツのシールドで構え、カービィがシュルクの足に全体重をかける。
「……ごめん!」
「リュカ…!?」
「「ええっ!?」」
『PKファイヤー』をネスに撃って無理やり爆風圏内から抜けさせる。次にむらびととしずえをと振り向いたところで視界が白に染まっていく。リュカが意識の最後に見たのは金色の光を放つむらびととしずえだったのだ。
「まずい…! どんどんやられて…!!」
爆発自体はなんとか耐えたリトル・マックだったが、周りを見ている状況で真上から来るドリル状の翼を避け切れる訳がなかった。意識すらできぬままにリングから降りることを余儀なくされた。
だが、どこもかしこも絶不調という訳ではなかった。キーラの周りを囲む翼が攻撃に回っていることで直撃させることが容易になっているのだ。
「みんなはっ、大丈夫かな!?」
「今はやるしかない! なんのための狙撃部隊だ!」
当然キーラが攻撃に移ることは見えていたし、違う場所では苦戦しているのだろうとは爆発音などで想像できた。しかし、攻撃を続けなければ勝てないのだ。ひたすら本体に撃ち続けるしかない。
「これは…! まずい…!」
被害が把握しきれなかった。仲間が多いのもそうなのだが、大体が自分の好きなように戦っているのでどこに誰がいるのかわからないのだ。挑む前に作戦を練るべきだったとマルスは後悔する。
「!」
正面からドリルが迫る。キーラの周りを浮遊する翼のようなもの。だが、避けるのは難しくない。横へ跳んで進路から外れる。
「ふんぬううう…!!」
「クッパ…!?」
自分から攻撃に近づいて翼を受け止める。重量があるのもあって負けてはいるが抑え込むのには成功している。
「これで攻撃を防げるということは…! 実体はあるのだろうッ!」
「…!」
一部が戻らなくてアンバランスになったキーラに対してキーラへの攻撃は順調だった。『リモコンミサイル』を翼で防いだ結果、フォックスの『ファイアフォックス』が直撃しているのを見た。
「なるほど、それならば難しくはない!」
「サムス!」
話を聞いていたサムスがキーラへ走り出す。
「キィーー!!」
「ウホッ、サムス、手伝う!」
「ああ、後一つを誰か頼む!」
グラプッリングビームを翼の一つへ放ち、引き寄せる。キーラ側が抵抗し、サムスの方が浮き上がるもドンキーコング、ディディーコングが力勝負に加わり翼が剥ぎ取られていく。
動揺しているようにブルブルと本体が震えた。
「ならば! オレさまを忘れるなぁ!!」
ジェットの勢いを加えたハンマーが翼を潰す。空を飛び、高所からの叩きつけで地面へめり込んだ。ピクピクと抵抗するところへガンナが押さえ込みに参加してとどめを刺さんとした。
「よしっ! 今だ!」
『はーい!』
フォックスが声を張って全員に届くように叫ぶ。
丸裸になったキーラへ、Mr.ゲーム&ウォッチの『オイルパニック』とパックマンの投擲したカギが飛んできた。双方強力な攻撃だ。
「はあ、はあ… カービィ!!」
「んんんんっー!!!」
空中の足場にいた、ネスの『PKサンダー』による電撃とリザードンの『かえんほうしゃ』の炎が『ころがる』カービィにまとわり、カービィ自身にダメージが入りながらも飛んでくる。荒い息をつきながらのシュルクの声に応えるようにキーラへ激突した。
「当然最後はボクが決めるんだ!」
大きいダメージを受けたキーラを揺らすように空中から拳で叩きつけた。赤い帽子のスーパースターがふらふらしながらコピーの剥がれたカービィの隣に着地する。キーラ本体は綺麗な音をしながら地面に落ちる。
「ぷぃ〜…」
「カービィ! ごめん、無茶させたな…!」
リザードンに乗るレッドとネス、そしてマリオに置いてかれたピーチが近くに寄る。
誰かが大きく息を吐いたのを合図にしたのか羽を押さえていた二人から怒号の声が響いた。
「カ、カービィ! キサマいっつもいいところばかり…!!」
「マリオそこはワガハイが決めるところだろう!? ワガハイの活躍を取りやがって!」
「ええ!?」
そんなことを怒っていたのか。自分から抑えに行っていたのに。ファルコやガンナもそうだが、彼らもつくづく理不尽だ。驚いて後、一周回って呆れてしまうフォックス。そんな空気が蔓延していたからか、後ろでキーラが強く発光しているのに誰も気づかなかった。
「うぐぅ…!?」
突然の突風に襲われ、フォックスも含めてファイター達はぶっ飛ぶ。少し気が抜けてた状態では抵抗できなかった。翼も解放されキーラが本気になる。
「うわ、エブリワン、ノープロブレム!?」
「これは…!」
後ろへ吹き飛んだことでフィギュアになっている者を除いたファイター全員が大体同じ場所にいる。フィギュアとなったファイターは飛ばされてしまっただろうか。
『─────!』
キーラ本体の暴力的なほどに眩い光にファイター達の目が眩む。殲滅せんとする光の化身は本当の力を誇示し始めたのだった。
CF「前回の次回予告は64組だったが今回は64の隠しファイターなんだな!」
ネス「作者が意図せず、六十四話で区切りがついてビックリしてたよ! 僕もビックリした!」
プリン「プリ! プリプリ!」
CF「という訳で長いのはちゃちゃっとすませてしまおう!」
ネス「OK!」
CF「次回! 『決着を』!!」
ネス「あれ? なんか足りないような…?」
CF「ん〜? 気のせいじゃないか?」
プリン「プ〜リ〜! プリーリ!」