この世界には「壁」がある。
その壁は、自分を主張できる者と、そうでない者との壁。
少年は、その「壁」に気づき…
幼少期。
少年は、人と関わる事が、凄く好きだった。
何故なら、少年は親を亡くしていて、おばあちゃんと2人暮らしだったから、寂しかったから。
しかし、ある時を境に、人と関わる事…自分をさらけ出す事が出来なくなってしまった。
「おまえウゼーんだよ!」友達だった者
「なんでそんな事言うの!?」少年
「おまえつまんねーし、うるせえんだよ!もう友達なんかじゃねーからな!」友達だった者
「どうして…」少年
「じゃーな!二度と話しかけてくんな!」友達だった者
少年は、どちらかといえば寡黙な方だったが、いじめっ子気質の友達に、いきなりそんな事を言われ、少年は、自分を見失った。
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幼稚園。
「では皆さん!今日は、自分を顔を描いてみましょー!鏡で自分を見てみてもいいですよ!」幼稚園の先生
「できたー!」幼稚園の子A
「わたしもー!」幼稚園の子B
「ほら、どう!?にてるでしょー!」幼稚園の子C
「…………」少年
少年は、自分の顔が描けなかった。
少年は、人に話しかける事も、話しかけられる事も嫌になっていた。
結局、幼稚園でもらったスケッチブックには、何も描かれる事は無かった。
少年の心の中に、「壁」ができた。
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小学校。2年生
少年は、少しばかり成長した。それでも、他人と関わる事はほぼ無かった。
「昨日のヒーローみたかー?」小学校の子A
「みたみた!あのヒーローカッコイイよなー!」小学校の子B
「今度ベルト買って貰うんだぜ!ベルト買ったら遊ぼうぜ!」小学校の子C
「………」少年
少年の心の壁は、どんどん高くなっていく。
そしてチャイムが鳴り、授業が始まる。
「さて!今日からかけ算に入る!黒板に色々書いていくから、しっかりノートを取るように!」小学校の先生
「………zzz」少年
少年は夢でこんな問いかけをされていた。
「汝、自分を主張出来ない悲しい子供よ。汝に問おう」夢に出てきた者
「………?」少年
「まず1つ…名前は?」夢に出てきた者
「灰葉…若菜」若菜(少年)
「では若菜よ。2つ目の質問だ…好きな物は?」夢に出てきた者
「…ギター」若菜
少年は、幼い頃に公園で、誰かが弾いていたギターが凄く好きだった。おばあちゃんにお願いして、ギターを買って貰い、家では今もよく弾いていた。
「それでは3つ目…なりたいものはあるか?」??
「なりたいものは…今は無い」若菜
「ほう…それでは最後だ…今、汝はなんの為に生きている?」??
「…わからない。」若菜
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中学校。
少年は、キラキラのお日様に出逢う
「世界を笑顔に!」お日様の少女
「………」若菜
「あなた、とっても暗い顔をしてるのね!名前はなんて言うのかしら?」お日様の少女
その言葉は、少年に向けて放たれていた。
「…灰葉 若菜。覚えなくていい。」若菜
お日様の少女と出逢った事で、少年は…
「ほらほら若菜!今日もそんな
くらーい顔してたらハッピーが逃げてっちゃうわ!」お日様の少女
「いい加減にしろよ…」若菜
その少女の行動が、正しかったのかはわからない。しかし、少年は限界を迎えていた。
「え…?」お日様の少女
「どうして俺なんかに関わるんだよ!偉そうに世界を笑顔にする?それなら俺に関わらないでくれ!」若菜
「そんな…あたしは…」お日様の少女
少年の心の壁は、更に分厚く、高くなり、お日様を貫いた。
お日様の少女は転校した。少年は、学校では腫れ物扱いされ、イジメの対象にはならなかったが…壁は高く、高くなっていく。
…そのお日様の少女は、とあるルートで、別の世界線に行き、存在をくらました…そこで、とある男と神に救われるが、ここで語る話では無い。
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高校。
少年は、共学化した羽丘高校に通っていた。
少年は、未だギターを辞めていなかった。
幼い頃に聴いた音を出す為に、今も練習をしている。
そして壁を築き上げた少年の前に、“運命“が訪れる。
とある日、放課後の教室でギターを弾いていた時…
「あれ〜?君、ギター弾くの〜?」??
少年は出逢った。自分を変えてくれる少女に
「……」若菜
「お〜?だんまりですか〜…これはモカちゃんも泣いちゃうよ〜?ヨヨヨ〜…」モカ
「はぁ…ギターはいつも弾いてるよ。悪いか?」若菜
「いや〜?ここら辺は、ガールズバンドが多いですからな〜、てっきりその類かと〜」モカ
「俺は男なんだけど?」若菜
少年は困惑していた。いつもなら人に話しかけられるだけでも嫌なのに、この少女に向かっては、自分が思った事を言えるからだ。
「そうなの〜?結構可愛い顔してると思うけどな〜?」モカ
「どんな顔だよ…」若菜
「あ、今日あたし用事あるから、帰るけど、明日また話そうね〜」モカ
「明日は土曜日だぞ?」若菜
「そうだった〜…はい、これどうぞ〜」モカ
少年は、少女から一枚のチケットを受け取った。
「これは?」若菜
「明日あたし達がでるライブのチケット〜」モカ
「何処でやるんだ?」若菜
「circleって所〜」モカ
「バンド名は?」若菜
「Afterglow!」モカ
少女はドヤ顔でそう言った。
「Afterglow…ね。」若菜
少年は、学校でギターを弾くのを辞めた。他の誰かに見られるのが嫌だったから。
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次の日、少年はテレビを見ていた。
「次のニュースです。」アナウンサー
「高校生の、響 明日音 さんが、行方不明になりました。残された家族は…」アナウンサー
テレビに映っていたのは、羽丘高校の近くだった。
(行方不明か…)若菜
少年はテレビを切り上げ、ライブチケットを持ってcircleに向かってライブを見ていたが、Afterglowは出てこなかった。
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事件は起こっていた。Afterglowのボーカルギター“美竹 蘭“が、父親との喧嘩でAfterglowを解散する。と言ってしまったのだ。
circleの前で立ち尽くしている少女に出会った少年は、話を聞いてみる事にした。
「それでね?Afterglow…解散するんだって…」モカ
少女は泣きながら話を始めた。
少年は、少女達に対して、なんの感情も持っていない。だから…
「それならさ…自分の気持ち。ぶつけてみろよ。その蘭って子に。」若菜
しかし少年は少女に自分の思った事をぶつけた。この時、何も言わない。と言う選択肢もあったにもかかわらず。少年の壁は、少しずつ薄く、低くなっていた。
「…わかった。あたし、みんなに伝えてみる!」モカ
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その後、Afterglowはバンド活動を再開したと、少女は嬉しそうに少年に話していた。
「この前はありがとね〜…蘭と、みんなと話して決めた。あたしは、Afterglowを支え続けるって。」モカ
「そうか…今日…久しぶりに学校でギター弾くけど、聴いていくか?」若菜
「…うん!」モカ
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「じゃ、早速始めますか…」若菜
「パチパチパチ〜」モカ
「よし…“true color“」若菜
少年は歌った。青春を、自分をぶつけるバンド、“Afterglow“の曲を。
少女も何処からか自分のギターを持ち出して、2人でずっとギターをかき鳴らしていた。
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「やりきったな…」若菜
「疲れたね〜…楽しかった?」モカ
「…ああ、楽しかったよ。」若菜
少年は、あることを少女に伝えたかった。
しかし、それを聴いて少女がどう思うのか…
だけど、少年は自分の想いを伝える事を決めた。
「言いたい事があるんだけど、いいか?」若菜
「いいよ〜?」モカ
「俺と…友達になってください!」若菜
「………」モカ
「………」若菜
沈黙。
「…あはは!ちょっと、あんな告白みたいな雰囲気出しといて〜まさかの友達宣言って!」モカ
この時、少年の壁は、無くなった。
「あ、あの、モカさん?口調変わり過ぎじゃ?」若菜
「あ、ごめんね〜…て言うか、あたし達、友達じゃなかったの〜?」モカ
「え?マジ?」若菜
「ほんと、おもしろいよね〜、君って」モカ
「で?どうなの?」若菜
「喜んで〜!」モカ
「すごいモカらしい返答だな」若菜
「じゃあ早速友達記念として、山吹ベーカリのパンを買いに行こ〜!勿論…」モカ
少女の言葉が止まった。
「どうしたんだ?」若菜
「そういえばあたし、君の名前知らなかった〜…」モカ
「まぁクラス違うしな…俺の名前は、灰葉 若菜だ」若菜
「灰葉 若菜…うん。覚えた!」モカ
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少年は、いきなり意識が持っていかれ、久しぶりにある質問をされた。
「久しぶりだな…汝、心に壁を持っていた男よ。」??
「久しぶりに3つ質問をしよう。汝、なりたいものは?」??
「なりたいものは未だ見つからないけど…モカや、その友達と一緒に笑いあえるようになりたい。」若菜
「ほう…2つ目だ。汝は、何故生きている?」??
「楽しむため。今この瞬間、1秒1秒を。」若菜
「最後だ。…汝の壁は、どうなった?」??
「俺の壁は…壊れたよ。きっとな。」若菜
「そうか…これからは、自分の中にあるものを、大切にしていけ。」??
「言われなくても。」若菜
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「若菜〜?どうしたの〜?」モカ
「なんでもねぇよ。パン屋行くんだろ?」若菜
「勿論若菜の奢りで〜」モカ
「待てや。奢るなんて言ってねえぞ」若菜
「えぇ〜?そんな事言って〜若菜が実は優しい事、知ってるよ〜?」モカ
「…一回だけだからな」若菜
「ありがと〜!」モカ
「てか歩くの早くね?置いてかれちゃうんだけど?」若菜
「ほらほら〜そこはついていこうよ〜!」モカ
「…わかりました…ついていくよ。何処までも」若菜
灰色の少年は、青葉の少女と出逢い、これからの物語…“いつも通り“を築いていく。
この物語は、学校の先輩に見せる為に書いた作品の1つです。この話の何処かに、“別の世界“という表現がありました。その“別の世界“が元々書いていた方なのですが、書いたやつを消してしまった為、この話とまたもう2
個別の短編を投稿します。そこには、元々書いていた物語のキャラが出てきます。そのキャラのお話は、もう2個の短編を投稿したら、簡略化してこのサイトに投稿する予定です。