【完結】Azur Lane for Answer   作:塊ロック

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恩人を討つ覚悟はあるか。


決意

ストレイドに乗り込み、接続する。

データベースの中にある機体群から……1機のネクストを選択する。

 

ネクスト、シリエジオ。

 

桜色の機体を眺めていた。

 

「……セレンさん」

 

師であり、オペレーターだった女性……セレン·ヘイズ。

 

彼女との訓練で、嫌と言うほど相手にした機体だった。

機体の扱いも覚束ない頃からずっと戦わされ、何度も苦渋を味合わされた。

 

その機体が、セイレーンの手先としてこのアズールレーンに牙を剥いた。

 

「………………」

 

無言でシュミレーターを起動する。

いつもの荒野に、ストレイドが降り立つ。

 

離れた場所に、シリエジオが着地した。

 

……今、ストレイドに装備されている武器は、アサルトライフルとブレード。

肩には無誘導ロケットが装着されている。

 

何だかんだセイレーンの量産型KAN-SENを攻撃する際、良い働きをしてくれている為ずっと使い続けている。

 

固定目標……まぁ動いているが……に対しての良いダメージソースになる。

 

シリエジオが動き出す。

俺もストレイドを動かす。

 

久しぶりに繰り広げるネクスト戦。

 

全てが眼前を通り過ぎる。

いつの間にか視界の外にいるなんて当たり前。

 

目標を見失うなんてザラ。

 

弾なんて当たらない。

 

ロケットだって無理だ。

 

けど、

 

「クソッ、クソッ、何で、何で、何でッ……!!」

 

俺は、彼女を討たねばならない。

シュミレーションで遅れなんて取れないのだ。

 

距離が縮まる。

ブレードを振るが……空振る。

 

レールガンを浴びせられ、APが削られていく。

 

「届かない……ちくしょう」

 

画面が、暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

「……ここで寝るには、狭すぎるんじゃない?」

 

ハッチが開けられた。

……返事が出来ないほど、俺はぐったりしていたらしい。

 

「ねる、そん……」

「うわ、酷い鼻血……」

 

ネルソンがハンカチを差し出した。

 

「すまん……」

「何そんな焦ってるのよ……らしくない」

「何で、だろうな……」

 

赤城に話した事、だろうな。

 

「……ベルから聞いたわ」

「何を……」

「所属不明機よ」

「ああ……お喋りなメイド、だ……」

「休みなさい、指揮官。それも仕事よ」

「分かってる……何だ、今日はやけに、優しいじゃないか……」

 

ネルソンに手を引かれて、ストレイドから降りる。

足元がふらついて、ネルソンに抱き止められた。

 

「すま、ん」

「気を付けなさい」

「血が……」

「……良いわよ、これくらい。今度買い物付き合ってもらうわ」

「それくらいなら、お安い御用だ……」

「ほら、部屋に戻るわよ」

 

結局、ふらふらになりながらネルソンに肩を借りて部屋まで帰ったのだった。




未だに勝機の見えない指揮官。

それでも事態は進んでいく。
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