〝勝利〟は誰の手に 作:幻想の詩人
三話目でようやくオリ主くんの名前が登場。だいぶ遅いよな。
たぶんもう続きは書けない。てか、書けてもどんどんつまらなくなる気しかしない。
何故か目が覚めた。……本音を言えば、もう少し寝たいけども。と言うか、まだ起きるにはだいぶ早い時間だ……。これ二度寝しても怒られないよな。
エマやみんなは……3時だし、さすがにまだ寝てるよな。6時になるまで寝顔を見続けてるのでもいいんだけど、さすがにそれはヤバい奴だし、止めとくか。まだあと3時間くらい寝れるし寝よ……。おやすみ……。3時間後に起きれるといいな……。
二度寝したけど、ちゃんと3時間後に起きれた。良かった。もしかしたら起きれないかもとか思ってたからな。よく考えたら、二度寝しないで本を読んでるとかでも良かったんじゃないだろうか。……まあ、気にしなくていいか。
☆☆☆☆☆
自由時間になったけど……何をしようかな。
「眠くはないし……木でも登ってみるか」
最近あまり動いてなかったし、ちょうどいいだろ。鬼ごっこでもいいんだけど、それはノーマンが鬼で気分の向いたときに参加しよう。
「……登ってみたは良いけれど、特に面白くもないな」
木に登って、遊んでいる年少組を見ていたが、あまり面白くはない。いや、退屈はしないけど、自分がやるよりは面白くない。……仕方ない。鬼ごっこは気分じゃない以上、図書室で本でも読むかな。
そう考えてハウスの中に戻り、図書室に向かおうとしたとき──
「ベルー!」
ママに呼ばれてしまった。タイミングが悪いのか何なのか。……まあいいか。それにしても呼ばれていた理由はなんだろう?
一応出来る限り急いで行くと、呼ばれていたらしいエマたちが先にいた。
エマやノーマン、レイに加えて、ドンとギルダもいることを考えると手伝いか何かかな。
そんなことを考えていると、
「何? ママ」
ドンがママに何の用か聞いていた。
「お手伝い、頼めるかしら?」
やっぱり手伝いだったか。……何のだろう。まあ行けばわかるか。
☆☆☆☆☆
これで三日目か。食料庫の整理、予備リネンの点検、空き部屋の片付け。……これ、新しい誰かが来るよな。
そう考えていると、
「あー! 遊びてえ~!!! ねぇ、なんで俺らだけ!!? 何の罰ゲーム⁉ 何か悪いことした? 俺達!」
ドンがいきなり叫んだ。どうやら遊びたいらしい。
「ドン。ちょっとこっち手貸して」
「えー」
……何かドンがギルダに引っ張られていった。俺も行くか。
「俺もあっち手伝ってくる。そのほうが
エマたちにそう言って、返答は聞かずにギルダたちのところに向かった。……あ、その前にトイレ行こう。
「……」
用を済ませ、戻ろうとしたときに、ママが年少組の髪をさりげなく掻き上げて耳を確かめるような動きをしてるのが見えた。……そういえば、ママは何かあったときに耳を確かめてたっけ。……左右どちらかの耳に発信器があると考えていいかもしれない。俺たちに発信器が本当に埋め込まれてるのならの話だけど。
「あ、やべ。そろそろ戻らないとか」
あまり長い時間離れてた訳じゃないし、許してくれる……と信じたいな。
「どこ行ってたんだよ。ベル!」
ドンに怒られた。いや、俺が戻ってきたときには終わってたから当然なんだけどさ。
「ごめん。ちょっとトイレ行ってた」
素直に理由を言って謝った。
「なら仕方ないな!」
許してくれた。許されなかったらどうしようと思ってたけど良かった……。
「ベル。ちょっといい?」
「……? どうかした? エマ」
何か急にエマに呼ばれた。ノーマンとレイも真剣な表情をしてるけど何かしたか? ……いや、思いっきりしてたな。〝いろいろ話しやすいこともあるだろ?〟とか何か知ってるように思われるよな。ミスった。どうやら新しい家族が増えるかもしれないことに俺は喜んでるらしい。あまり関わらないことは明らかなんだけどな。
「話があるの」
そう言われたとき、真剣な表情のエマに見惚れてしまい、拒否出来なかったことは黙って墓にまで持っていくことにする。ノーマンとかレイにバレたら弄られそうだ。……いや、二人以外にバレても弄られそうだ。年少組は悪意なしで無自覚に弄ってくるかもしれないな。
☆☆☆☆☆
「それで? 話って?」
夜に図書室でエマやノーマン、レイに会っていた。
「ベルならわかってるんじゃない?」
ノーマンがそう言ってくる。レイは見ているだけで、エマは何かあったら聞いてくるって感じだろうか。
「さあ? 俺はお前たちより頭が悪いからわかんないな」
誤魔化してはみるが……たぶん無駄だろうな。今も怪しまれてるし。
「……わかった。僕たちの知ってることを全部話すよ。だからベルも話してほしい」
「いいよ。それじゃあ聞かせてよ。お前たちの知ってることを」
そしてノーマンやエマは語り始めた。コニーのこと、鬼のこと、ママのこと、そしてハウスのことを。
……そっか。
「やっぱりコニーは死んじゃってたか」
「……やっぱり?」
エマが聞き返してくる。ノーマンとレイは厳しい表情になった。どうして〝やっぱり〟と言ったのかが
「うん、やっぱりだよ。コニーが里親のもとに……いや、出荷された夜。間に合わなかったって言ってたのに、リトルバーニーを持っていなかったからね。それに、次の日のエマたちの様子が明らかにおかしかったし、〝もしかしたら死んでるのかもしれない〟とは思った。エマやノーマンがショックを受けるなんて、家族が死んでるか、家族が酷い目にあってるかの二つくらいしか思い付かなかったし」
それだけで? とでも言いたそうな表情で見てくるエマ。エマはほんとわかりやすいなぁ。ノーマンとレイは……なんだコイツみたいな目で見てきてる……。酷くない?
「それにしても〝鬼〟か」
人を喰らう。とても納得出来た。それなら殺す理由も理解できる。……これは食用児が育てられてるのはここだけじゃないと思っていいね。俺たちが〝高級品〟なら、高級じゃないものも存在するはず。なら、高級品と量産品の違いはなんだ? ……これは考えても無駄か。
「……ベル」
「どうしたの? エマ」
エマが深刻そうな表情をしている。どうして……あ、もしかして俺の出荷がもうすぐだから? ……そんな訳はないか。でも、一応言っておくか。
「言っておくけど、〝逃げろ〟とか言われても、俺は逃げないよ?」
「どうして⁉」
……どうして? そんなの決まってる。
「もし俺が逃げたら、お前たちの計画に何か影響が出るかもしれない。だから逃げない」
お前たちが逃げるのなら、俺は何もしないでおとなしく出荷されよう。きっと、それがお前たちの為になる。
「それで、俺が知ってることを話す約束だったな。……とは言っても、俺は殆ど知らないぞ? ノーマンたちが話したことを除けば、発信器が恐らく耳にあること、ハウスに新しい誰かが来るだろうことくらいだし」
「……なんでそう思った?」
レイが聞いてきたけど……なんでってそりゃ、
「部屋の片付けをさせたり、予備リネンの確認をさせたりしたのは、あの部屋を使うからだと考えたからだけど?」
「「「────っ!」」」
三人が目を見開いて驚いて──って、まさか気づいてなかったのか。……何だか眠くなってきたし、そろそろ寝よう。
「もう遅いし、これで話は終わろう。そろそろ寝ないと明日起きれないしな。それじゃあ、おやすみ」
返答は聞かないで部屋に戻り、ベッドで横になる。そして、もうすぐ家族と永遠に会えなくなることを寂しく思いながら、瞼を閉じ、夢の世界に落ちていった。
──誰かの温もりを感じながら。