〝勝利〟は誰の手に   作:幻想の詩人

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続いた。これも本気だったからだな! やはり本気の力は素晴らしい! まあ、拙い文であることに変わりはないが。
そういえば、いつの間にかUAが1000超えてたの超嬉しいです。……なんでそんなにいったんだろ。約ネバの二次が少ないからか。約ネバの二次もっと増えろ。
あ、今回は戦闘描写ありますけど、めっさ雑です。ついでに意味不明でも戦闘とかろくに知らない素人なんで大目に見てくださると嬉しいです。
……光の奴隷もどき in GPを書こうかな。
ついでに何故か知らんけど総統閣下 in GPとかを書きたくなる衝動が……。(それを書くかはしらない。書いたらどうなるかは目に見えてる)


もしもベルが光の奴隷もどきだったら その2

 森の中をベルは全力で走る。エマたちが行ってからそう時間は経っていない。ならばすぐに追い付けると確信して──次の瞬間、エマたちの姿が見えた。

「見つけた!」

 ベルがそう言ったのが聞こえたのだろうか。エマたちが振り向いた。

「ベル!」

 エマが追い付いたベルを見て喜ぶ。

 だが、一つ考えてほしい。ベルはいまボロボロな姿で、しかも血塗れで、刃折れの剣を一本持っている。どう考えてもホラーだろう。普通なら恐怖を感じておかしくない絵面にも関わらず心の底から喜んでいるエマは何者なのだろうか。

「約束をちゃんと守ったよ」

 そして、そんな絵面にも関わらず気にせず満足そうな笑顔でそう言うベル。何に対して満足そうなのかは言うまでもないだろう。そんなベルを見てエマたちはと言うと……

「ベル、そのケガどうしたの⁉ それにその剣も!」

 今更感が拭えないが、ケガや剣のことを聞いていた。

「ちょっと鬼どもを殺してたときにケガして、剣はそのとき鬼から奪った」

「お前は何してんだ⁉」

 レイが思わずツッコミを入れた。当然だろう。どうやって生き残ったのか不思議に思ってはいたのだろうが、まさか鬼を殺していたとは思わなかったのだろう。

 冷静に考えればそれ以外ないということにも気づいたのだろうが、いかんせんベルのいまの見た目はインパクトがありすぎた。お陰で何人かは気絶してしまっている。

 頭部以外は何処を見ても無傷なところなどなく、左腕や右足は穴が空いてしまっている。どう考えても、すぐに治療しなければならないだろう。

「すぐに治療しないと! 余ってる包帯とか!」

 エマがパニックになったように言うが、

「大丈夫。用意してるわ」

 取り出していたギルダがすぐにベルのケガの中でも特に重傷な部分に巻き始めた。

「ありがとう、ギルダ」

「……無茶だけはしないで」

 涙を堪えながら消え入るような声で言うギルダ。

「……わかった。無茶だけはしない」

 ベルは真剣な表情で言うが……もし鬼が現れたら積極的に殺しに行くことだろう。ベルは、それを無茶だと思っていないのだから。普通に考えれば無茶でしかないことには恐らく一生気づかないのだろう。

「さて、急がないと。鬼が追ってきてるかもだろ?」

 ベルはそう言うと、走り出そうとする。

「待って! 一度休んで朝ごはんにしよう?」

 エマがそんなベルを止める。

「みんな疲れてるし、一度休まないとだろ」

 レイもベルに言う。ベルはみんなを見ると、

「……わかった」

 しぶしぶ納得した。そんなベルを見てみんなは思った。〝お前が一番休まないとだろ‼ なんで一番元気なんだ⁉〟と。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 洞穴のようになっている木を発見し、そこで休むことにした一同。

 ベルが見張り番をすると言ったが、満場一致で却下され、見張り番はエマとレイがすることになった。

 その結果にベルはとても不服そうだったが、エマやギルダが一生懸命説得して納得してもらったことは割愛する。

「それじゃあ、俺はちょっと川を探して血とか落としてくる」

 そう言って、ベルは服を貰って剣を持って川を探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

「……いや、川を見つけたのはいいけど、鬼もいるとは思わなかった」

 ──剣を持っていて正解だったな。

 そう呟くベルの近くに、一刀両断された鬼の死骸があった。

 ベルは鬼に襲われたが、鬼の攻撃を咄嗟に転がり避けて、縦一文字に鬼の身体を切り裂いたのだ。

「にしても、この鬼は仮面をしてなかった。それに、俺を喰おうとしてきた辺り、追手ではないな。……すぐにエマたちの所に戻らないとか」

 血を洗い流して、新しい包帯を巻き直して服を着るベル。

 そして、全力でエマたちの所に走って戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 戻ってきたベルは不思議そうに首を傾げた。それも当然だろう。

「……? みんなは何処に行った?」

 何故なら、洞穴になってた場所にエマたちの姿はなかった(・・・・・・・・・・・)のだから。鬼に追い付かれたにしては、争ったような跡が無さすぎる。まるでいきなりいなくなったような──

「──チッ! やられた!」

 そこまで考えたベルが痛烈に舌打ちする。敵は鬼だけではない(・・・・・・・・・)。自然環境も敵だということを理解したからだ。

 ベルはすぐに周囲を探すが、見つからず焦る。

 それでも諦めずに探そうとしたベルだが、

「──⁉」

 突然片膝をついた。当然だ。今までどれだけの血を流した? 今までどれだけ動いた? 普通ならば既に気絶……いや、死んでいてもおかしくないようなケガを負いながら、今まで無理やり動いてきた代償がここに来てベルに襲い掛かったのだ。

「こんな……ときに……‼」

 こんなところで止まってなどいられない、と動こうとするベルだった。

 そんなとき、少し遠くのほうから微かにだがエマたちの声が聞こえてきた。

「……っ!」

 すぐに駆け寄ろうとするも、身体はベルに限界を訴え続ける。しかし、それでも気合と根性で無理やり動かし、声の聞こえる場所に歩いていった。

「……俺はもしかして運がないのか?」

 その途中で十匹ほどの野良鬼に見つかったが、すべて一刀両断したベルだった。血の臭いのせいで見つかってる可能性に気づけていない辺り、休憩が必要だと思われるのだが、それを言う人間はここにいない。

「……しまった。このままだと追手にバレるか?」

 野良鬼の死体をそのままにして歩いてきたせいで、下手したら追手に場所を教えているだけになるのでは? と思ったベル。

 だが、野良鬼に追われているエマたちを見つけてしまった。

「チッ!」

 舌打ちすると、ベルは全力で走り、背後から剣を降り下ろし、野良鬼を両断しようとする。

 しかし、野良鬼はそれをわかっていたかのように横に跳ねて回避し、剣を降り下ろしたばかりのベルを喰らおうと大口を開けた。

「ベル!」

 みんながそれを見て叫ぶ。ベルは回避したところで鬼との距離が近すぎて、もう間に合わない。反撃などしようとしても同じだ。確実にベルは死ぬ。エマはベルを助けようとするがそれには距離がありすぎた。故にベルはここで鬼に喰われる──はずだった(・・・・・)

「──まだだッ!」

 喰われる刹那、ベルは目の前の(オニ)否定(ころ)してみせた。

 ベルが何をしたのかと言えば簡単だ。降り下ろした剣を(・・・・・・・・)もう一度振り上げて(・・・・・・・・・)鬼を脳天から股下まで切り裂いた(・・・・・・・・・・・・・・・)。ただそれだけ。

「……え?」

 みんなが茫然とする。当然だろう。

 反撃は間に合わなかったはずだ。普通に考えればあそこでベルは死んでいた。なのに、ベルは反撃してみせた。

 まるで英雄譚に出てくる英雄のように、追い詰められたことによって隠された力に覚醒したと言われても信じられるような光景だった。

「……だからか」

 その光景を見て、レイはベルが出荷されても生きていたことに納得した。

 鬼からしたら悪夢だったに違いない。

 どれだけ追い詰めても、どれだけ傷つけても、気合と根性だけで覚醒して殺してくる。鬼たちにはベルが不死身のようにさえ見えたかもしれない。

「……」

 ──今のベルを見てたら、そんなようには見えないんだけどな。

 泣きそうな表情をしているアンナたちに対して、どうすればいいのかとオロオロしているベルを見ながらレイはそう思った。そんなときだ。

「見つけました。直ちに連れ戻ります」

「……!」

 追手の鬼に見つかった。声が聞こえた瞬間、ベルは剣を構えて追手を見据える。家族(みんな)だけでも逃がすために追手を皆殺すと決めたベルはもう止まらないだろう。

 追手に殺気が放たれる。それも追手の鬼が反射的に武器を構えてしまうほどのものが。そして、ベルは家族に向かって叫ぶ。

「行け! また必ず追い付く!」

 その言葉には有無を言わせない威圧感があった。

 それを感じたのだろう。レイやエマがみんなを連れて走っていく。しかし……

「させるか」

 リーダー格と思われる鬼以外がそうはさせるかとエマたちを追い掛けるために飛び出した。だが、

「それを許すとでも?」

 飛び出した鬼たちはその瞬間にその命を散らした。

「……なに?」

 飛び出さなかった鬼が怪訝そうな声を漏らす。何故か? 答えは単純。ベルの剣が捉えきれなかった(・・・・・・・・)からだ。

 鬼は人間よりも身体能力などが高い。個体差はあるものの、人間に劣っていることはまずないだろう。だと言うのに、人間の子供が振るった剣を捉えきれなかった。

「お前たちに恨みはないけど、家族の邪魔になるから死ね」

 その言葉と共に、ベルが残っていた鬼に斬りかかった。

「──ッ!」

 鬼は縦一文字に振るわれた剣を避けようとするが、僅かに遅かった。避けきれずに左腕を切り落とされる。

 決して油断していた訳ではない。一切の油断も慢心もなかった。そんなことをすれば死ぬと本能で理解していたから。しかも、ベルの剣速は先ほどよりも僅かではあるが遅くなっていた。なのに避けきれなかった。その事実に驚愕するが、すぐに左腕を再生してベルの首を切り落とそうと剣を横一文字に振るう。

「甘いッ!」

 だが、ベルは跳躍して避けると、剣を降り下ろした。

「貴様がなッ!」

 鬼は降り下ろされた剣を受け流し、ベルが地面に着地するのと同時に足を払い、ベルの身体が地面に叩きつけられた瞬間、心臓目掛けて突きを放った。地面に身体を叩きつけられたことで硬直してしまったベル。鬼は必殺を確信した。だが……

「まだだッ!」

 死を前にベルは当然のように覚醒し、心臓に放たれた突きを空中を蹴って(・・・・・・)回避してみせた。

「なっ……⁉」

 その事実を前に鬼は動きを止めてしまった。

 避けれなかったはずだ。確実に心臓を貫けたはずだ。ベルが地面に叩きつけられ動きが硬直した瞬間に放たれたそれは、必殺と呼んでも問題なかったはずなのだ。だが、ベルはそれを魂の強さで上回った。気合と根性で覚醒するという馬鹿げたことを成し遂げてみせた。

 しかし、そんな驚愕などベルの知ったことではない。

 敵を前に動きを止めてしまった鬼の命は、ベルによって無慈悲に刈り取られた。

「……」

 頭部を失ったことで倒れる鬼の胴体。それをベルは無言で一瞥すると、エマたちの逃げた方向に、出血多量などが原因で意識が朧気になりながら全力で走っていった。




ちなみにベルくんは覚醒したことで上がった身体能力を全力で使ってエマたちと数分くらいで合流しました。そして当然倒れた。
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