魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。



エピソード2.「王の揺れる信念」

恰幅のいい中年男性がアタシ達を出迎えてくれた。

 

「おぉ、義勇軍の諸君、

息災のようで安心したぞ。

ん?見慣れぬ顔が混じっておるのぉ?」

 

「オイラはモガ丸、コイツはスラッピ、

でコイツらは・・・」

 

「何!?ブルリア星の冒険王!?

では、君らが宇宙政府と互角に渡り合った

という・・・いやぁお目にかかれて光栄だ。」

 

このタァコ城の城主タァコ王は

密かに義勇軍に加担している人物らしい。

オリオリとボロンに加えてアタシ達のことも

好意的に出迎えてくれた。

 

「して今日は何用で来られた?」

 

「率直に言う、ヨンツゥオ大宮殿へ向かう為

東雲の洞窟の鍵を借りに来た。」

 

「洞窟の鍵じゃと?大宮殿へ向かう?

・・・まさか、諸君らは星屑魔法団を

追うつもりか?」

 

「やはり魔法団は大宮殿へ向かったか。」

 

「うむ、新たな魔星王誕生のためだと

聞いておる。」

 

ボロンの顔色が変わった。

 

「それを聞いておきながらどうして

止めなかった?

王と我々は同じ考えを共有していたはず、

であれば義勇軍、タァコ、そして魔法団は

宇宙政府打倒を掲げる同士であったはず。

同士の心変わりを見過ごしたのか!?」

 

友好ムードは吹き飛び一気に険悪な空気が

謁見の間じゅうに充満したわ。

 

確かに。

魔星王誕生の場がヨンツゥオ大宮殿である以上

そこへの道のりを管轄に置くタァコ王の

責任は重大だわ。

ボロンが厳しい口調になるのも

やむを得ないと思う。

けど、義勇軍への協力を非公式に表明している

以上、表立って上級執行官の要求を

撥ね付けるのが難しいのもまた、我々は

理解しないといけない。

 

重苦しい空気の中、口を開いたのは

恰幅のいい国王。

 

「ワシは・・・ある者から説得を受けた。

宇宙政府を倒す事が本当に全宇宙の人々に

とって幸せな事なのだろうか、と。

宇宙政府への考え方を変えてみないか、と。

その者が言う議論の内容は、妙に説得力が

あったのだ。

ゆえにワシは今、悩んでしまっておる。」

 

「ある者?それは一体誰だ?」

 

「その者は・・・名乗らなかった。」

 

「あ!もしかして!白いスライムナイトか!?」

 

「あぁそうだ、白いスライムナイトの言い分は

とても説得力があったのだ。」

 

出た!

魔法団を宇宙政府への協力に応じさせた

張本人、白いスライムナイト。

ヤツはこのタァコ王をも言いくるめようと

現れたのね。

 

しかしタァコ王は、アタシが見る限り

ディミトリに操られた人たちのような、

異様な目付きはしていない。

催眠術とかであやつられている

わけではなさそう。

 

という事は逆に。

白いスライムナイトの主張には

宇宙政府への協力を促すだけの

強い正当性が伴っているという事!?

む~ますます謎めいてきたわ、

白いスライムナイトの正体と、

彼の理論の中身が。

 

「ふん、まぁいい、とにかくオレたちは大宮殿へ

行かなくちゃいけない。鍵は渡してくれるな?」

 

「いいだろう、今は諸君らに言う通りにしよう。

しかしワシは本当に悩んでおる。

宇宙王の時代に戻すことが本当に

正しいのかどうか。」

 

「難しい話はいい。

よし!洞窟に向かうぜ!!」

 

アタシは。

もちろん、あの恐ろしいドスラーデスのような

魔物を再びこの世に生み出してはいけない

っていうのは理解してる。

身を持って理解し尽くしている!

 

けど宇宙政府を真っ向から批判していない

人々がこうも存在するという事実に驚いてる。

 

オリオリの旦那様が長を務める星屑魔法団、

政府の圧政に苦しみながらも服従を選んだ

レェノォ村の人々、そして今まさに目の前に

いるタァコ王・・・。

 

レェノォ村で生まれたアタシの心の小さなトゲが

また少し大きくなった気がした。

アタシはそれを、少し自覚し始めた。

 

魔星王誕生は絶対に阻止しなければいけない。

卑劣な宇宙政府のやり方を今までいくつも

見てきた、奴らを許すことはできないという

考えは今も変わらない!

 

けど。

白いスライムナイトの主張、

それをアタシも聞いてみたいという願望が

少し生まれてしまった。

 

とにかく!

タァコ王から鍵は借りられた。

大宮殿へ急ごう。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・ボロン
義勇軍親衛隊隊長でオリオリの幼馴染。
義勇軍の中でもかなりの実力者らしいけど
超の付く怠け者。
そして超の付くスライム愛の持ち主。

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。

・タァコ王
タァコ城の城主。
密かに義勇軍を支援してくれている人物。
最近、白いスライムナイトの論説、主張に
触れ、宇宙政府に反抗することの意義を
見失いつつある。
ヨンツゥオ大宮殿へとつながる東雲の洞窟
の管理者。
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