魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「超ギガスラッシュ!」
ギッシャァァァッ!!!
ジョギーの最高の剣技の煌めきが
洞窟内を眩しく照らす。
群がる魔物達を振り払いながら洞窟を進む。
アタシはというと。
タァコ王の苦悩を耳にしてから彼と同じように
悩み始めていた。
戦闘を担う者としては、あるまじき事
なのだけれども。
弟妹達が懸命に戦っているにもかかわらず
アタシは上の空で別の事を考えてた。
「宇宙王の時代に戻すことが
本当に全ての民の幸せに繋がるのだろうか?」
この一言がどうしても頭から離れない。
オリオリが心から宇宙の平和を望んでいる事は
共に行動していても、十分わかるし
伝わってくるわ。
けどアタシは宇宙王の時代というものを
知らない。
その時代の民の声というものを直に
聞いたことがない。生の声を知らない。
翻って今現在のここ惑星クラウドの人々
とは僅かながらだけど接触してる。
彼らは・・・決して幸せに暮らしている
ようには見えない。
けれど、宇宙政府の圧政に苦しみながらも
反旗をひるがえすほど、政府を憎いと
思ってるふうでもない。
それはレェノォ村での一件を見れば明らか。
タァコ王しかり。
星屑魔法団に至ってはなんと宇宙政府側へと
寝返ってしまった。
本当に、宇宙政府を倒すというのは
正しい道なのだろうか?
アタシの脳裏に一瞬、義勇軍の一員として
ううん、ブルリア星の冒険王として
あるまじき疑問がよぎった。
ヤツらの卑劣なやり方を幾度なく
この目で見て来たし敵の強大な力を
この身で思い知って来た。
全宇宙の星々を政府の思い通りに
させてはいけない!
けれど。
この星に来てからの、
人々の反応は何???
明らかにアタシが想像していたもの
とは違うわ。
そのギャップがそのままアタシの中で
ギャップとなりつつあった。
「リザ、どうした??
洞窟に入ってから、いや、タァコ城を
出発したあたりから様子が変だぞ?
どこかケガでもしてるのか!?」
!!
いけない、モガまるがアタシの様子が
おかしいのに気が付いた!
「ピピィ?」
スラッピも心配そうにアタシの顔を覗き込む。
まずい、考え事に集中しすぎて
ボーっとしてた。
アタシは慌てて作り笑顔でその場を
ごまかした。
「もが~、何ともないならそれでいいけど。」
「もうすぐ出口だ。
そこから大宮殿は目と鼻の先だ。
宮殿には上級執行官がいるかもしれない。
ヤツとの戦闘になったならブルリア星の
冒険王に頼るしかないんだ、頼むぜリザ、
気を引き締めてくれよ!」
うぅ、皆んなに心配をかけてしまった。
ボロンはアタシへ叱咤の言葉をかけた。
うん、ごめん、ボロン、みんな!
そうね、ことは一刻を争う。
考え事をしている場合じゃない。
アタシはひとまず余計な事を考えるのをやめ、
出口への途を急いだ。
群がってくる魔物たちを呪文で振り払いながら。
「ようやく洞窟を抜けました!」
「その先に桟橋があるだろう。
そこに飛行船が停まってる。
それで大宮殿が建っている島まで向かうぞ、
急げ!」
ボロンが指し示す方向を見ると確かに
飛行船が見えた。
さらに先の方角に、かすかに建物らしき
影が見える。
あれがヨンツォオ大宮殿ね!
アタシ達は駆け足で桟橋まで向かい
飛行船に乗り込んだ。
ちょうど風は追い風となり飛行船は
グングン前へと突き進む。
かすかに、影でしかなかった大宮殿が
みるみる大きくなっていく。
物凄いスピードで飛行船が進んでいるのが
わかる。
まるで何かに吸い寄せられるように・・・。
小島の岸に着くと目の前に荘厳な
白亜の建物がそびえ立っていた。
ここがヨンツゥオ大宮殿!!
「もが~なんて厳かな雰囲気の建物なんだ!
オイラなんだか畏っちゃうぞ~」
確かに。
平時であれば、思わず背筋が伸びてしまう
であろう神聖なオーラを放つ建造物だわ。
けれど!!
中からは明らかに邪悪なオーラが
発せられている。
この星に来てからは1番大きなオーラ。
けど、うん、魔星王はまだ誕生してないわね、
あのドスラーデスのような強烈さはないわ、
このオーラには。
アタシは内心安堵し、けど、激しい戦闘に
なる事は予想できたので警戒を強めて
宮殿の中へと踏み込んだ。
おそらく、その上級執行官がいるのだろう。
急げばまだ魔星王誕生を阻止できるっ!
宮殿の中に入ってすぐの大広間まで進むと
その邪悪なオーラの持ち主は現れた。
「誰だ?貴様らここで何をしている!?」
黒い甲冑を纏った魔物が現れた。
ソイツが現れた瞬間、コッツの顔が強張り、
全身が震えだしたの。
「きっ、気をつけてください!!
コイツこそが3番隊を捕虜にし連行した
上級執行官ドアヌです!!!」
やっぱり、この大きなオーラの持ち主は
上級執行官か!
コッツは直にコイツに酷い目に遭わされてる、
震えるのも無理はないわね。
「もがー!!
星屑魔法団と会っていたという上級執行官か!」
「ほほぉ、貴様ら義勇軍か。
星屑魔法団を追ってきたようだな。
ガハハハ!
しかし少し遅かったようだ。
新たな魔星王はすでに誕生した!!」
な!
なんですって!!??
「魔法団もすでにこの地を去った。
新たな魔星王は、貴様らの思いもよらぬ
姿で誕生したぞ!
やがて魔星王はその強大な力で全宇宙を
闇で支配するであろう。貴様らの徒労だ!!」
クッ!
一足遅かったというの!?
アタシが!余計な考え事をしていたせいで!!
この宮殿に着くのを遅らせてしまった!?
アタシは自らの失態を激しく後悔した。
アタシのせいで魔星王誕生阻止を
止める事ができなかった!!
けど・・・???
おかしい。その割には魔星王らしき
強烈なオーラを感じない。
確かに目の前にいるドアヌからは
邪悪なオーラを感じるけれど。
ドスラーデスに比べれば
話にならないぐらい小さいわ。
アタシ達の思いもよらない姿で誕生した?
確かにドアヌはそう言った。
ドスラーデスとはまた違うタイプの
魔星王なのかしら???
「しかし貴様らごとき新たな魔星王を
さし向けるまでもない。
貴様らは、この地で我が軍勢によって
全滅するからだ!!」
上級執行官ドアヌが合図をかけると
宮殿の大広間を埋め尽くさんばかりの
魔物達が現れた!
「あ、あ、あぁぁぁ」
コッツの体が再び震えだした!
ジニョリスタの塔での悲劇を
思い出してしまったんだろう。
けど大丈夫。アタシ達がいるわ!
魔道士リザがアナタの心の傷を
取り除いてあげる。
アナタを酷い目に合わせた、
この邪悪な執行官を退治してみせるわ!
「リザ達、くるぞー!!」
アタシは杖を構え、詠唱を始めた。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・ボロン
義勇軍親衛隊隊長でオリオリの幼馴染。
義勇軍の中でもかなりの実力者らしいけど
超の付く怠け者。
そして超の付くスライム愛の持ち主。
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。
・ドアヌ
宇宙政府の上級執行官。
"秘術"を扱う星屑魔法団と共に
行動する。
"秘術"を行使できる場所、ヨンツゥオ大神殿で
魔星王誕生に立ち会ったうえでアタシ達を待ち構えていた。