魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。



2ndシーズン第4章[白い騎士]***惑星クラウド・ヨンツゥオ大陸編***
エピソード1.「エルフを尊ぶ人々」


マタセ島。

 

この島にも国が存在し王が国を治めている。

島国マタセもまた、陰ながら義勇軍への

支援をしているらしい。

 

陰ながら支援というのは、有り難い話である

と同時に、表立って協力はできないという事実の

裏返しでもあるわね。

宇宙政府の規模の大きさと苛烈な恐怖政治の

実態を考えると、やむを得ないこと

だというのは理解できる。

何より義勇軍自体がレジスタンスグループ、

つまり統治者への反逆者である以上、

表立って活動することができないという制約がある。

 

そう、オリオリ達義勇軍は、そんな危うい

パワーバランスのもとで活動してるという事。

少しでも旗色が悪くなればそのパワーバランスが

いつ崩れるかもしれないという事。

 

そんな義勇軍と、その他の支援団体との関係に

ひとたび綻びが生まれでもしたら

きっと宇宙政府は抜け目なく

漬け込んでくるに違いないわ。

 

アタシ達はブルリア星でイヤというほど

宇宙政府の卑劣さを見てきた。

オリオリから「マタセ王は陰ながら協力してくれている、

魔法団の行方を知っているかもしれない」

と聞かされはしたけど心底信用してもいいものかしら、

とつい勘ぐってしまう。

 

タァコ地方を冒険してた頃、義勇軍の活動に

疑問を抱きかけてたアタシが

言えた義理ではないんだけど(_ _;

 

ううん、だからこそ!

宇宙政府の卑劣なやり方をよく知っている

アタシでさえ迷うんですもの。

実際に刃を交えたことのないタァコ王やマタセ王が、

自国の損害を顧みず義勇軍への協力を

いつまでも続けてくれるだろうか?

100%YES、とは言い切れないんじゃないか?

 

レジスタンス活動とは、アタシが思っている以上に

騙し騙され合いの世界なのかもしれない。

 

マタセ島へと向かう飛行船の中でオリオリが

マタセ国は支援国だと教えてくれたものの、

アタシはまた、様々な懸念を抱いていた。

ううん、アタシ自身が義勇軍の活動に

また疑問を抱いてるってわけじゃなくて。

義勇軍を取り巻く環境に不安を感じたの。

 

なにより今から向かうマタセ島からは

新しい魔星王かもしれない

邪悪な気配が感じられるもの。

何か良くない事が起きるかもしれない。

それだけは確かね。

 

そしてアタシの、その嫌な予感は

的中してしまうことになるの・・・

 

「ニョレ港へ着いたぞー!」

 

「飛行船での航海にも、ずいぶん慣れたぞ。」

 

「ピピー!」

 

マタセ島に着いた。

邪悪な気配の正体を早く突き止めなければ。

星屑魔法団の行方も。

 

「ようこそ、マタセ島の玄関口ニョレの港町へ。

航海お疲れまでし・・・・?

お、ぉう?エ、エルフだー!」

 

出迎えてくれた港町の住人らしき男性が

アタシ達に労いの言葉を

かけてくれようとした瞬間、

スラッピの事を見て驚きの表情を浮かべた。

 

「もが?エルフ??どこどこ!?」

 

「ピピィ?」

 

「あぁエルフ様だぁ!」

 

「もが?どうやらスラッピの事を指して

エルフと言っているようだぞ?」

 

「オイ!みんな見てみろー

エルフだぁ、エルフだぁーーーー!!」

 

「スラッピはエルフじゃない、

スラッピはスラッピだぁ!」

 

「いぃや、エルフだ!

エルフだ~~~~!!」

 

「あ~、もう!

困ったなぁ・・・」

 

スラッピがエルフ?

う~ん、どういうことなのかしら。

しかもこのオジサン、スラッピを見てすっごく

嬉しそうな、興奮してるというか、

狂喜してる様子。

 

「このマタセ島ではスライムの事を

エルフとか、精霊というふうに呼ぶんだ。」

 

アタシやモガ丸が途方にくれていると

ボロンが謎を教えてくれた。

 

「ほー、そういうことだったのか。」

 

「まぁオレにとっちゃあスライムは

天使だけどな。

あ~スラッピちゅわん、相変わらず

カワイイでちゅね~」

 

「う、スラッピにデレるボロン・・・

久しぶりに見たぞ・・・」

 

そうだった、ボロンはスライム愛が

凄かったんだった。

最近、事態が緊迫してたから忘れちゃってた。

 

「それにしてもエルフを連れているなんてっ!

君たちは立派な人達なんだな~。」

 

「なんかオイラたちまで崇められてるぞ。

スラッピ、すごい人気だな!」

 

なんか・・・調子狂うわね

スラッピがエルフ・・・と呼ばれ

港町の人達に大人気・・・

ボロンは久々に デレるし。

けど、本題に入らなくっちゃ!

 

「ん、なになに?

最近この島に新しい邪悪が現れていないかって?

う~ん、わからないな~。」

 

むむ、おかしいな、アタシの感覚が鈍ってたのかな。

 

「・・・あっ!

もしかすると・・・最近エルフが姿を

現さなくなったことと関係あるのかな?」

 

スライム・・・いや、エルフが姿を見せない!?

 

「エルフたちは近くのほこらに住み、たまに町まで

顔を出してくれるんだ。

でも最近エルフたちは元気がなくて

この町に来なくなった。

オレたちはずっと心配してるのさ。

精霊のジェルがあればエルフたちは

元気を取り戻すはずなんだが・・・。

強い魔物を倒さないと精霊のジェルを

手に入れることはできないんだ。

魔物と戦えば宇宙政府に逆らった罪で

一生牢屋の中で 奴隷生活だ。

だから困ってるんだよ・・・・。」

 

む~、この港町付近に棲むスライム達は・・・

人間に危害を加える悪いモンスターではなく、

野生動物のように人間と

共存しているというワケね。

共存どころか、エルフ、精霊と呼ばれ人間から

尊ばれている、ってワケね。

 

アタシはなんだか、このマタセ島の人々

とスライム達の関係性こそが本来あるべき

宇宙の星々の姿なんじゃないかと思った。

ちょっと飛躍しすぎた話かもしれないけど。

方向は間違ってはいないかな、と。

 

それはひとまず置いといて。

港町の人々が心配しているエルフたち。

どうして元気がなくなってしまったんだろう。

その原因が、アタシが感じたマタセ島の

邪悪な気配の持ち主と関係あるのかもしれない。

アタシはその、精霊のジェルとやらを

取りに行く事を申し出た。

 

「何だって?

君たちが精霊のジェルを取ってきてくれるって!?

だ、大丈夫か?宇宙政府に捕まったりしないか?」

 

このオジサンはアタシ達が奴隷の日々を

送ることになってしまうのではないか

と心配してくれた。

 

大丈夫、魔物退治は任せて!

そしてやっぱり!宇宙政府の強引なやり方は

許せないっ!!

魔物と戦っただけで反逆罪で牢屋行きだなんて。

やり方が強引すぎるわ!

 

「・・・そうか、自信があるんだな、だったら

ぜひお願いしたい!

精霊のジェルはここから南にいった

ジェルジェルの洞窟にあると聞く。

元気のないエルフたちのために君たち!

頼んだぞ!!」

 

もちろん、困っているニョレの人々を

助けたいというのが大前提。冒険王の務めだわ。

それに加えて宇宙政府の相変わらずな

圧政への抵抗。

そして何より、ここニョレ地方での

人々とスライムのあり方。

 

人間と魔物の理想的な姿を宇宙政府が

意図的に壊そうとしている、とアタシは感じた。

それに対して激しく抵抗したいと思ったの。

 

アタシ達は南に向かった。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・ボロン
義勇軍親衛隊隊長でオリオリの幼馴染。
義勇軍の中でもかなりの実力者らしいけど
超の付く怠け者。
そして超の付くスライム愛の持ち主。

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。
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