魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「おぉそれは!まさしく精霊のジェル!!
あぁ君達!本当に精霊のジェルを
取って来てくれたんだね、ありがとう!」
やっぱり魔物が巣食っていた
ジェルジェルの洞窟。
これを蹴散らし洞窟の最深部まで進むと
そこにうっすら光る粘液の塊があった。
これが精霊のジェルだとは、おおよその見当が
ついたけど、ニョレ港のおじさんに
確認するまでは半信半疑だった。
けどこの粘液の塊こそが精霊のジェル!
これでエルフ達の元気を取り戻せるのね!
「急いでスライムエルフの祠に行って
それをエルフ達の体に塗ってやってくれ!
そうすればエルフ達は元気を取り戻すはず!!」
そのスライムエルフの祠という場所に
エルフ、スライム達がいるのね、わかったわ!
急いで向かおう!
アタシ達は精霊のジェルを携えたまま
スライムエルフの祠があるという
東の方角へと出発した。
「いやぁ、しかし。
エルフ達を救ってほしい一心で
半ば強引にお願いしたとはいえ、
あの娘達、本当にジェルジェルの洞窟から
精霊のジェルを持って帰って来た!
洞窟には魔物もいたはず。
あの娘達の仲間には1体のエルフがいた。
本当に彼女らは、すごくエライ人達
なのかもしれん。」
アタシ達が港町を出発した後、
おじさんはこのように呟いたらしい。
「エルフ達には確かに元気になってほしい。
しかし彼女らの旅もまた、無事で
ありますように。」
港町のおじさんはそう呟くとアタシ達が
向かった方角に、深々と頭を下げた。
当然アタシ達は。
彼のそんな行動には気づかないでいた。
ニョレの港町から東に向かうと
確かに祠があった。
ここにエルフ達が棲んでるのね。
祠の入り口に立つと突然スラッピが
泣き始めた。
「モガ~!どうしたんだ?スラッピ・・・。
突然悲しそうな顔をして?
泣いてるじゃないか。」
「ピピ、ピエ~ン!!」
書からオリオリが現れた。
「きっとこの祠には魔物が棲み着いて
いるのでしょう。
きっとそのせいでスライム、いえエルフ達が
元気をなくしてしまったのかと。
スラッピさんは、同朋達の悲しい声を聞き、
泣きだしてしまったのでしょう。」
「はぁ~ん、スラッピたん、泣かないで~!
クッソ~、スラッピたんを泣かし
スライム、いやエルフ達を苦しめるとは!
リザ達、頼むぞ!
魔物達をやっつけてくれ!!」
まぁボロンったら!
ホンットにスライムが好きなのね。
うん、言われなくてもそのつもりよ!
スラッピが悲しむ姿は見たくないし、
苦しんでるエルフ達も元気にしてあげなきゃ!
エルフ達が元気になれば、ニョレの人達も
元気になる、スラッピも元気になる、
そしてボロンも元気になるもんね!
アタシ達がエルフを苦しめる魔物を退治さえ
すれば皆んなハッピーよ!
暗い話題が続いていたけど
少しでも幸せになる人がいるなら
アタシ達は喜んでそのお手伝いをするわ!
というわけで。
アタシ達はいつも以上に気合を入れて
祠の内部へと足を踏み入れた。
祠は・・・なかなか立派な造りになっていて、
だけどやっぱり魔物が棲み着いているのか
占拠されているのか、ところどころ壁のタイルが
剥がれ落ち、柱にヒビが走っていた。
本来は神聖なスライム、いえエルフ達の
棲み家なんだろう。
エルフを脅かす悪い魔物達、
さっさと退治してエルフ達を助けなきゃ。
祠は地下に向かって幾階層にも
分かれていた。
アタシ達は魔物たちを倒しながら
下の階層へと進んだ。
手足が8本あるライオン型の魔物、
コイツがここに巣食う魔物の長なのかしら。
これを倒し、おそらく最下層であるこの階層の
最深部に、エルフ達は居た!
「もが!!
見ろ、神々しいスライム達がたくさんいるっ!
そうか、たしかにエルフだって港町の人々が
呼ぶのも納得できるぞ。」
「けど、ひどく弱っているみたいだ、
あぁ・・・なんてかわいそうなんだ・・・。」
そのスライム達は黄金色の、神々しい体を
していた。
モガ丸の言う通り、エルフと呼ばれるに
相応しい姿。
そして、ひどく弱っていた。
「リザさん!
精霊のジェルをエルフ達に塗ってあげて!」
「モガー!
オイラも手伝うぞ!」
オリオリがすかさず指示をくれる。
みんなで手分けして精霊のジェルを
エルフ達の身体に塗り込んであげた。
ボワァァァン
すると黄金色のエルフ達の身体が
わずかに光を帯び始めたわ。
やった!エルフ達が元気を取り戻すのね!
けど・・・・。
輝き始めたかにみえたその光は
しばらくするとみるみるかすみ始め、
やがて消えてしまった・・・。
「モガ、おかしいぞ!ジェルを塗ったのに
エルフたちは倒れたままだ。」
「なぜだ!?
これじゃエルフたちを救えないじゃないか!」
黄金色のエルフ達は苦しそうに喘いだままだった。
おかしいわ。
確かにジェルの効き目はありそうだったのに。
ジェルの効能の力以上に衰弱が激しいの!?
すると1体のエルフが震える声で何か呟こうと
しているのをスラッピが気づいたらしく、
そのエルフに近づいて会話を始めた。
「ピッピピピ!ピピピピー!
ピッピピーピッピ!」
「本当か!スラッピ!」
「ピッ!」
エルフと同種であるスラッピ、
そしてスラッピの言葉がわかるモガマル。
すごい、なんか同時通訳みたいな流れで
エルフたちの伝えたいことがアタシ達にまで
伝わったわ。
「ここにいるエルフ達は故郷に帰りたいって
言ってるってよ!
故郷に帰ればみんな治って元気になるらしい!」
「スライムのふるさと・・・・?」
「心当たりあるのか?ボロン。」
「・・・・そういえばこの星の何処かに
スライムだけが棲む島があるらしい。
もしかしてその島のことか?」
「ピーッピピ!」
「きっとそこだってさ!
よし、エルフ達をそこに連れて行って
元気にしてあげようぜ!」
スライムだけが棲む島。
へぇぇ、そんな島があるんだ。
スライム愛が強いボロンにとっては
まさに楽園のような島ね
そっかぁ、ここのスライム達は
故郷であるその島から
このマタセ島へ移り住んだのね。
そして、その神々しい姿ゆえに
町の人々にエルフと呼ばれるように。
で、故郷に帰れば元気になる、と。
慣れ親しんだ故郷で静養すれば
元気になるってことかしら。
それとも何かもっと直接的な、
治療できるような施設か場所でも
あるのかしら。
とにかくエルフたちを完全に元気にするには
その故郷とやらへ連れて行かなくちゃ
いけないみたいね。
よぉし!
じゃ善は急げよ、エルフ達の故郷へ向か・・・
「待ってくれ!
俺たちは消えた魔法団の行方を追っている、
それに誕生してしまったという魔星王が
活動を始めるのを阻止しなくっちゃいけない。
さらにはこのマタセ島でリザ達が感じたという
邪悪な気配の正体、これも確かめなきゃ
いけない。
いくら俺のスライム愛が強いからって、
それらを放り出してまでスライムだけの島に
向かうことはできないぜ!?」
「モガ~、けどエルフ達をこのままに
しておけないぞ!?」
「しかし・・・!」
「ボロン・・・・心配は無用です。
エルフ達を救いましょう。」
「!!しかしオリオリ!」
「星屑魔法団や魔星王を追うのは
私達に任せて。
ボロンはエルフ達を連れて
スライムの故郷へ向かうのです。」
「い、いいのか!?
いや、ダメだ、俺は親衛隊長だ。
オリオリを守るのが務め・・・・。」
「大丈夫です。
コッツが居るし、何よりリザさん達も居る。」
「はい!
私にお任せください!」
ボロン・・・本当は大好きなスライム達を
救いたくて仕方ないのに。
真っ先にスライムの故郷に
向かいたいはずなのに。
自らの立場と任務のために自分の気持ちを
押し殺そうとして・・・・。
けど、そう!
オリオリのことはアタシ達に任せて!
コッツと一緒に命がけで守るわ!!
それにアタシ達も、苦しむエルフ達を
このまま見過ごしたくない、
ここは二手に分かれて各々任務を
遂行しましょう!
「さぁ、行きなさいボロン!
エルフ達を救いたいでしょ?」
「あぁ・・・救いたい!
すまない!オリオリ!
スライムの故郷へ連れていき
エルフたちの元気を取り戻したら
すぐに戻ってくる!
それまでオリオリを頼んだぜ、
ブルリア星の冒険王達、それにコッツ!」
「ピッピピ!」
「あぁ、必ずエルフたちを救ってみせる!
スラッピたんも元気でな!」
それぞれ目的があるとはいえ、
ちょっと寂しいわね、ボロンはこの星に来てから
ずーと一緒だったもんね。
「ボロン、気を付けて、無理をしないでね。」
「おぅ!コッツもな、オリオリをしっかり
守るんだぞ!」
「はいっ!」
本当に、ボロン、気を付けて。
しばしのお別れね。
このスライムエルフの祠が、
しばしの親衛隊長ボロンとの別れの
場所となったわ。
しばしの別れ・・・・のハズだった。
「さぁ、リザさん達、コッツ、
私達はマタセ城に向かいましょう。
城主に、この島に忍び寄る邪悪について
心当たりがないか尋ねてみましょう。」
ボロンがパーティーから抜けた寂しさを
心に残しつつ、アタシ達は島の南方にある
マタセ城を目指して歩き始めた。
この島から発せされる邪悪な気配、
心なしかお城があるという南の方角へ
向かうにつれて、それが濃くなった気がした。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・ボロン
義勇軍親衛隊隊長でオリオリの幼馴染。
義勇軍の中でもかなりの実力者らしいけど
超の付く怠け者。
そして超の付くスライム愛の持ち主。
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。