魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「もが~、星屑魔法団、ホントにこの塔に
居るのか?
いっつもいっつも居るって言いながら
肩透かしだからな~。」
「それもあるけど、私達と一足違いで
出会えなかった場合もありました。
ともかく居ると信じて、
そして入れ違いにならぬよう
先を急ぎましょう。」
マタセ山の塔内部に進入したものの
魔法団が居るような気配は
感じられなかったわ。
モガ丸が思わずグチをこぼしたのも
仕方ないことかな、と。
代わりに魔物の気配は、
いつものことだけどヒシヒシと
感じられる。
謁見の間で対面したマタセ王。
彼はとてつもなく邪悪なオーラを
発していた。
表情や言動には、それらしい空気は
全く表さなかったけれど。
とても義勇軍を支援してくれているような、
そんな人物には、少なくともアタシには
思えなかった。
魔法団がこの塔に居るのかも、
何がマタセ王を邪悪な存在へと
変えてしまったのかその理由も、
この塔を登らない限りはわからない、
それだけは事実だわ。
アタシ達は群がる魔物達を蹴散らしながら
最上階を目指した。
魔法団らしき集団がいないか注意をしながら。
それらしい気配は感じられぬまま、
とうとう最上階にたどり着いた。
最上階は・・・無人だった。
「やっぱり居なかったな、魔法団。
マタセ王の情報は誤りだったのかな??」
「いえ、それとも、また我々が一足
遅かったのかもしれませんね。」
「もが~、けどよぉ、入れ違いにならないか、
かなり注意深く周囲を警戒しながら
登ってきたぜ~!?
オイラとスラッピは戦闘に参加できない分、
そっちの役割はこなそうと頑張ったぜ~!?」
「あ、すみません!
別にそういう意味では・・・!
どこか別の抜け道があったのかも
しれませんし!」
「もが!コッツ!この野郎!
あくまでオイラ達が魔法団が居たのに
見過ごしたっていう方向で話すんのか!?」
「えぇ、ご、ごめんなさい!
本当にそういうつもりじゃないんですぅ!!」
モガ丸とコッツのやり取りを横目に、
アタシは、何か怪しいものはいないか、
何か手がかりになるような物はないか、
フロア中を見渡した。
するとフロアの奥中心に玉座があるのを
見つけた。
なんだろう、この塔の最上階は
何をする施設なんだろう?
玉座があるってことは、ここで何か、
政治的な儀式かなにか行われるんだろうか?
そう考えながら、誰も座っていない玉座を
アタシは見つめた。
「あのマタセ王がこの玉座に座り、
あの優しそうな大臣さん含め、
貴族たちがここに集まり、
難しい政治の話とかするんだろうなぁ。」
アタシは玉座の主であろう、
あの筋肉隆々の、たくましい身体をした
マタセ王のことを思い浮かべていた。
「他に何か手がかりはないかな。」
アタシは振り返り、他に魔法団の手がかり
らしきものがないか、別の場所へ
移ろうとした。その瞬間・・・・。
!!!邪悪な気配!?
しかもこれは!
マタセ王のモノ!!
キッ!!
踵を返し玉座の方に視線を向けた。
さっきまで誰も座ってなかったハズの玉座に
誰か座っている!
ううん、アタシはそれが誰なのか知っている。
このフロア中に充満している邪悪な気配、
それが玉座の人物が誰なのか
示しているっ!
「マ、マタセ王っ!?
どうしたのです、なにゆえ王が
このような場所に!?」
書からオリオリが現れ、
その人物に問いかけた!
「フ、フフフ、ハ~ッハッハッハ!
星屑魔法団などこの塔には居らぬわ!
全てワシが仕組んだ罠だ。
愚か者どもめが!
このワシにまんまと騙されおって。」
「もが~!罠だったのかー!!
ん?待てよ、最初っから魔法団は
居なかったってことか?
コッツー!ほら見ろ~!
オイラ達が見過ごした訳じゃあ
なかったじゃないか!!」
「ひえ~、モガマル殿~!
だから、そういう意味じゃないん
ですってば!」
モガマル・・・あなたって
結構根に持つタイプなのね・・・^^;
「星屑魔法団の秘術により
ワシは邪悪な力を得た!
お前たちの力など、
到底ワシには及ばない!」
「もしかしてリザ達が感じた
邪悪ってマタセ王のことかー!?」
「フハハハ!そういうことだ!
ワシの力が強大すぎて
お前たちに感づかれてしまったが、
それも致し方のないこと、
どのみちお前らのほうから
ワシのもとにやって来て
返り討ちにすればいいだけだからのぉ!」
フン、わりとあっさり正体を現したわね。
地位と権力を持て余した人間が、
次に考え付きそうな浅い考えだわ。
魔星王誕生の報を聞き、
もとより政府と義勇軍を天秤にかけていた
ずる賢い男が、悪しきものと知っていながら
強き存在へと靡いたっていうだけの話。
しかも、義勇軍を裏切るだけに飽き足らず、
その身を魔道に堕とし、安易に力だけを
追い求めるなど!
アンタには一国の主たる器も、義勇軍の友軍を
名乗る資格もないわっ!
ブルリア星の冒険王が成敗してくれるっ!
「安心して、モガマル!
お城で彼と対面したときから
こうなることは予想できたわ!!
アタシ達を動揺させ不意を突こうって
狙いだったかもしれないけど、
とんだマヌケよ、この男はっ!」
「モガ〜!さすがリザ達!
マタセ王の正体に気づいてたのか!!」
「オリオリっ!
残念だけどマタセ王はもう元の彼に戻ることは
ないっ、今ここで彼を倒すしか道はないわ!
いいわね!?」
「・・・致し方ありません!
リザさん達、頼みます!!」
「フハハハ~!
強がりにしては言うてくれるっ!
お前らが居れば宇宙政府を倒せるだとぉ!?
これからワシに倒されるモノが、
どうして政府を倒せると・・・
言うのだァァァ!!!!」
みるみる巨大化し醜くなっていく
そのマタセ王だった魔物は、
絶叫しながら飛びかかってきた!
その丸太ほどの太い腕の一撃を
躱しながらアタシはモガ丸達に
物陰に身を潜めるよう指示する。
「モガ丸っ!スラッピ!
コッツと一緒に隠れてて!!
宇宙王の書を守っててね!」
「よっしゃあ!任せときぃ~!」
モガ丸達の身の安全を確認すると
アタシ達は攻撃の準備に入った。
精霊神ルビスの御力がアタシの周囲に
魔法陣を張っていく。
魔法陣の力はアタシが放つ攻撃呪文の
威力を1発だけ上げる、ルビスの秘術と
呼ばれるもの。
アタシは呪文の詠唱に入った。
特大のを食らわせてやるわっ!
「猛きイカヅチの精霊よ、正義の稲妻で
我敵を打ち倒せ!ギガデイン!!!」
バチィィィィ!
バチバチバチィィィ!!
秘術の力で威力が増した
眩しい電撃の光がフロア中を
明るく照らし魔物に向かって
飛んでいくっ!
「ぐわぁァァァ!!!」
電撃の光が収束され
辺りは再び平静さを取り戻していく。
一つさっきまでと違うのは、
体中が黒く焦げてしまった魔物の姿。
おそらく人間だった頃には、
受けたことのないダメージ。
魔物と化して、体中に力が漲る感覚も
初めてなら、敵から受ける想像を絶する
ダメージもまた初めてのものだろう。
つい最近まで人間だったのも、
彼にとっては敗北の要因じゃないかしら。
甚大な身体的ダメージを負い、
精神的にも大きなダメージを負った彼は
もう戦意喪失状態だろう。
「ぬぅぅぅ、おのれ~!
魔法団の秘術で魔物化したワシは・・・
つまり、魔星王と同格の力を得たはず
・・・・。
なぜ義勇軍ごときに敗北する・・・???
おのれ~~~!
これでも喰らえ、イオナズン!!!」
まさか、まだ反撃する余力が!
アタシ達はとっさに盾を掲げ、
爆発呪文のダメージを軽減する。
魔物が放った攻撃呪文は・・・。
大した威力ではなかった。
やっぱり生来の魔物ではないぶん、
力の使い方にまだ未熟さが
残ってるのかしら。
「ハッスルダンス!」
パァァァ~~~!
妹レイファンが、受けたダメージを
回復するダンスを踊ってくれた。
弟ジョギーが魔物にとどめを刺す。
「超ギガスラッシュ!!」
ギシャアアアア~!
再びフロア内を眩しい電撃が走る!
これで勝負はついた・・・!
「お・・・・おの、れ・・・・
こ、このワシが・・・・
義勇・・・ぐ・・・んごときにぃ・・・
グ、グフ!」
黒焦げになったマタセ王だった
魔物は、そう言い残すと息絶えた。
元は人間だった者にトドメを
刺すのは・・・正直ツライわ・・・。
けど彼を放置すれば
魔物としてこの先成長し、
やがて何の罪もないマタセ国民に
被害が及んでしまう・・・。
あの、黄金色のスライム達をエルフと
崇めるニョレ港のおじさん達も、
マタセ王の犠牲になってしまう。
それは。
ニョレの人々とエルフ達の共存関係に
光を見たアタシにとっては
とても許されることではなかった。
マタセ王、もう少しアタシ達が早く
貴方に出会っていれば、ううん、
もっと早く魔法団に追いつき、魔星王誕生を
阻止していれば!
貴方は心変わりをせず、魔道へと堕ちることも
なかったかもしれない。
ごめんなさい、アタシには。
オリオリを、義勇軍の大義を信じ、
卑劣な宇宙政府を倒す義務があるの。
魔道へ堕ちた貴方を許すわけには
いかなかった。
ごめんなさいね。
戦う前は、あれほど軽蔑していたのに、
やっぱり人間だった者を倒してしまった
悔恨かしら、ひどく後味が悪い。
オリオリが信頼していた人物だった、
というのも後味の悪さをさらに濃くする。
「・・・私もお城でマタセ王と対面した時から
感じていました。以前の彼とは違う違和感を。
リザさんほど明確に彼の正体に気づいた
ワケではありませんが。
一体何が彼を変えてしまったのでしょう・・・?」
書から現れたオリオリもまた、
ショックを隠しきれない様子だわ。
当然ね、オリオリの、マタセ王との付き合いは
アタシ達よりも長いのだから。
フロアには、今度こそアタシ達
義勇軍一行だけになった。
結局、魔法団の手がかりは何一つ得られずに。
と、そんな矢先だった。
「マタセ王の心変わりの理由、
それは私が原因だ!」
だ、誰!?
誰もいないはずのフロアに
朗々とした声が響き渡った!!
振り返ると、そこには!
白い甲冑に身を包み
スライムに乗った騎士が居た!
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。
・マタセ王
マタセ島を治めるマタセ国の国王。
陰ながら義勇軍を支援している人物だったが
表向き、宇宙政府にも恭順を示していた。
実は情勢次第ではどちらの味方にもなれるよう
中立を保っていた。
魔星王誕生に際して政府有利と見るや
義勇軍を裏切り自らは魔物化して
アタシ達を襲ってきた。
・白い甲冑のスライムナイト
???
噂の白いスライムナイトか!?