魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。




2ndシーズン第1章[新たなる雲海の星]***惑星クラウド・バァジ島編***
エピソード1.「スラッピって関西弁だったのね」


「・・・・もう、目を開けても大丈夫ですよ。」

 

誰か、女の人の声が聞こえる。

気を失っていたんだろうか、

アタシは閉じていたまぶたを開いた。

 

目の前には冒険王の書の中から現れている

・・・・女性!?

え!?冒険王の書からおじぃちゃんじゃない人が

現れてる!!??

 

「大丈夫ですか?リザさん達。

ワープの衝撃で気を失われてたみたいです。

けど、無事に惑星クラウドに到着しました。」

 

あ!!そうか、オリオリね!!!

冒険王の書じゃなくて宇宙王の書!

そうだった、あまりにも急な展開だったので

思考がまだ追いつかない。

 

宇宙王の血を引くオリオリのレジスタンス軍に

アタシ達は参加して、そしてその拠点があるという

惑星クラウドへ向かってたんだ。

 

で、え、何?ワープ!?

へぇぇ!宇宙王の書に触れただけで一瞬(!?)で

こんな遠くの星まで来れちゃうんだ!!

すっごい、なんかとっても

不思議な体験をしたのねアタシ達。

神鳥レティスでさえも、すぐ近くの隣の星へしか

飛べないのに。しかもかなりの力を振り絞って。

それなのに一瞬で、隣の地球よりも遠い星へ!!

 

と、ワープしてきたという事実への興奮が

さめやらぬまま辺りを見回してみると、

なんとも不思議な光景を目にした!

 

雲が!低い!?

 

低いどころか、地面より下に雲があるの。

何?ここは天上界だとでもいうの??

アタシ達、ワープしてきたんじゃなくて

死んじゃって天国に来ちゃったの?

 

「驚きましたか?惑星クラウドでは

雲が地面より低い位置にあるのです。

海があって、その上に雲があり、そして地面があります。

だからクラウドでは海が見えません。

そのため、大陸間の移動は船ではなく

飛行船などで行うんです。」

 

え~~そうなんだ、へぇそういう自然現象というか

星の仕組みなのね。

アタシ天国に来ちゃったのかと焦っちゃったわ、

恥ずかしい(^_^;)

 

「では、さっそく我々の仲間にリザさん達の事を

紹介したいと思います。

我々の仲間・・・義勇軍と名乗っていますが、

義勇軍はこのバァジ島の各地に

点在する秘密基地で活動しています。

まずはその秘密基地に向かうのですが

その前に立ち寄らなければならない場所があります。」

 

へ~義勇軍、なんか思ってたより規模が大きそうだし、

レジスタンス活動とやらも本格的なのかしら。

で、基地の前に立ち寄る場所って?

 

「トラスレ神殿です。

その神殿には聖水があり、みなさんには

その聖水を飲んでいただかなくてはなりません。」

 

ん?聖水?

飲まなきゃいけないって身を清めるとか、

義勇軍に入隊したら必ずする誓いの聖水とかかしら。

 

「みなさんと私は異星人同士です。

ですが今こうやって会話ができています。

本来、異なる言語を話すはずの私たちが

言葉を交わせるのはどうしてだと思いますか?」

 

あ!もしかして!!

 

「そうです。

その聖水を飲むとあらゆる言語を聞いて話す事が

できるようになるのです。

私たち義勇軍のメンバーは多数の惑星の出身者で

構成されています。

当然、話す言葉は違いますが聖水のおかげで

それぞれの星の言葉でも問題なく会話できる、

というワケなんです。」

 

へぇぇ!

確かにアタシとオリオリは出会ったときから

普通に会話できてたわ。

そっか、それは聖水のおかげだったのね!

 

「と、いうワケでまずはトラスレ神殿に

向かいましょう。」

 

異国人、異星人と会話ができるようになるという

不思議な聖水を求めてアタシ達は聖水が安置されているという

トラスレ神殿へ向かうことになった。

いよいよ異星での冒険の開始ね(^o^)

 

アタシ達はオリオリの導きのもと

神殿への道を歩き始めた。

しばらく歩いていると前方に邪気を感じた。

 

「む、魔物の気配・・・?」

 

「え!?魔物!?」

 

魔物の気配を感じたアタシはさっそく戦闘か、

と思いながらもいつものように杖を構え

戦闘準備に入ろうとした。

しかし宇宙王の書の中の女性は

なぜか魔物が現れた事に

ひどく驚いているようだった。

 

アタシ達は苦も無く目の前に現れた魔物達を一蹴し、

神殿へ向かうためにまた歩き始めた。

 

「まさか、この島で魔物が現れるなんて・・・!」

 

オリオリは難しい顔をしている。

それは今し方現れた魔物におびえるというワケではなさそう。

仮にも宇宙政府を相手にしようっていう

グループのリーダーですものね。

それよりもこの場所に魔物が現れるという事実に

納得がいかない様子。

 

しばらくするとまた魔物が現れた。

 

「また・・・!」

 

オリオリの独り言をよそにアタシ達は魔物達を振り払う。

ふたたび歩を進めると前方に

目指す神殿らしき建物が見えてきた。

 

「みなさん、お疲れ様です。

ここがトラスレ神殿です。」

 

「モガ、ここに、飲めばどんな星の言葉も理解できて、

話す事もできるようになる聖水があるんだな?」

 

「ええ、しかし神殿の中にはおそらく魔物がいるはず・・・。

事実、ここへ来る道中でも魔物が現れました。

今までは魔物が現れた事はありませんでした。

宇宙政府の影響が少ない場所だからこそ、

この島に秘密基地を構えたのです。

もしかすると秘密基地の事を宇宙政府が

かぎつけたのかも・・・。

リザさんたち、急ぎましょう!

聖水を手に入れ一刻も早く秘密基地に向かいましょう!」

 

なるほど、さっきからオリオリが険しい顔をしていたのは

そういうワケだったのね。

アタシ達がやってくるまではこの島には魔物・・・

宇宙政府の手は伸びていなかった。

けれど魔物が現れたということは政府に基地の事が

知れた可能性は否定できないわね。

うん、確かにのんびりしてる時間はなさそう。

 

よし、じゃあ、聖水を手に入れるために急いで

神殿の内部まで進まなくては!!

魔物がいるかもしれない?

望むところよ、ブルリア星の冒険王は

伊達じゃないってところを見せてやるわ(^_-)-☆

 

アタシ達は戦闘態勢のまま門をくぐり

建物の内部へ入っていった。

魔物は・・・やはり居た!!

けどアタシ達の敵ではない!

 

神殿は3階層まであったけど魔物は

全て退治し最深部まで進んだ。

 

「素晴らしいですね!みなさんは本当にお強いです!

やはり我が義勇軍にとって

必要不可欠な存在だと確信しました!」

 

へへへ~、どうやらオリオリの期待に添えたみたいね。

 

「で、その聖水っていうのはドコだ?」

 

モガ丸が辺りを見渡している。

 

「奥の祭壇から湧き水が流れているでしょう?

それこそがトラスレ神殿の聖水です。

飲めばあらゆる星の言葉を聞き取ることができ、

そして話す事ができるようになります。」

 

「よーし、この水だな!

リザ達、飲め!オイラも飲むぞ!」

 

モガマルとスラッピが祭壇へ近づいていく。

アタシ達もそれに続く。

 

・・・なんて綺麗な水なの!

神々しく輝いているようにさえ見えるわ。

アタシは手で、その光るような水を掬い

口に含んだ。

弟妹達もモガマルもスラッピも聖水を口にする。

 

「これで大丈夫です、問題ありません。

私たちの仲間の言葉も

全てブルリア星の言葉に聞こえるはず。」

 

特に体に変化はないようだけど・・・。

けど清らかな水だというのは確かだわ。

 

と、聞いた事のない、

誰だか主のわからない声が聞こえた。

 

 

「すごいやん!

ものごっつすごいやん!」

 

「・・・・・モガ?」

 

「なんや?」

 

「ス・・・ス・・・・スラッピ・・・・・

スラッピがしゃべってる!」

 

「何言うとんねん。

今までもしゃべってたやん。

モガマルはん、おかしな事言うてはるー。」

 

えぇぇぇぇ!!!!

スラッピがしゃべってるーーーー!!!!!

 

「いやいやいや!

スラッピはピーピー言うだけで

オイラだけが言葉が通じてたんだ!

なのに・・・・。

リザ達もスラッピの言葉、理解できただろ?」

 

そうよ、そう!

スラッピが何を言ってるかモガ丸だけがわかってて、

アタシ達にはスラッピのピーピーって

声しか聞こえなかった。

 

ってか、ええ!?

トラスレの聖水って異星の言語だけじゃなくって

異種族の言語まで理解できるようになるって事!?

 

すっごい効き目だわ!!!

 

「ええやん、こっからはこのスタイルで

行かしてもらうで。」

 

「ダメダメダメーーーー!!」

 

「なんでやねん!」

 

「なんででも!なんかヘン!なんかヘン!!

スラッピ、頼むから今まで通り

ピーピー言ってくれ!」

 

「・・・・・アカンか。

そうか、モガマルはんの頼みなら・・・

わかったで~!」

 

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

 

「ピッピッピー!」

 

「スラッピ!」

 

「ピー!」

 

「それでこそスラッピだ!」

 

「ピッピピー!」

 

「えーと、お二人とも、先へ進んでよろしいですか?」

 

・・・・オリオリがツッコミ入れてる・・・・(^_^;)

う~ん、アタシは別によかったけどな~

正直モガマルのかんっぜんな好みの問題であって。

スラッピが何しゃべってるのかわかるほうが

便利だと思うんだけど・・・。

ってかスラッピってめっちゃ関西弁だったのね!

しかもコテコテw

ま、でも確かにスラッピから関西弁が飛び出したら

調子狂うかもね・ω・

 

「ではみなさん、島の反対側にある

秘密基地へ向かいましょう。

ですがその前にもう一つ立ち寄って欲しい場所が

あります。」

 

「どこに寄るんだ?」

 

「ドォクリ洞窟という場所です。

そこに私の幼なじみがいるはずです。

彼の名はボロン。

ボロンは義勇軍の中でもとびっきりの強さの持ち主・・・・

けどその強さと同じくらいナマケモノでもあるのです・・・。

私がブルリア星に向かっている間は・・・

活動をお休みして洞窟で眠って過ごす、

そう言っていたので。」

 

「モガー!それは確かにナマケモノだー!」

 

「ですから眠っているボロンを

たたき起こさねばなりません。

っもう!ボロンったら!」

 

義勇軍の中でもとびっきり強いという

オリオリの幼なじみボロン。

次に向かうのは、そのボロンが眠りについているという

ドォクリ洞窟ね。

 

わかった、行こう!

いなかったはずの魔物がいるという事実も

憂慮しなければ。

義勇軍を取り巻く状況は未だよく把握できないけど

時間があまりないって事だけは確かね。

今は一刻も早くオリオリの仲間と

合流するのが先決みたいね。

 

ってワケで聖水の力を手に入れたアタシ達は

オリオリの幼なじみボロンが眠るという

ドォクリ洞窟へと向かった。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。

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