魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
エピソード1.「ニオイがこの世の地獄??」
マタセ島のニョレ港町の人々とスライム、
エルフ達は互いを侵略する事なく
共存関係を成立させていたわ。
むしろスライム達はエルフと崇められていた。
人間と魔物が共存できていたの。
翻ってマタセ王の件は。
同じ人間同士だというのに・・・
共存できなかった。
マタセ王が個人の欲に走り義勇軍との
協力関係を破棄してしまった。
人間とスライムとの共存関係こそ
世界の理想的な姿、かと思えば
人間同士は仲良くできない。
なんとも悲しく、皮肉な話だったわね。
仲良くできないと言えば、そう!
白いスライムナイト、ピエール!!
あの男の主義主張は、アタシには絶対に
受け入れられないっ!
彼、外面は穏やかだし口調も紳士的だけど
言ってる内容がかなり粗野だってこと
自分で気づいてないわ。
平和、平等のために宇宙政府側に付くって
言うけど、すでに彼の行動が周囲を
不幸にしているのに気づいていない。
魔法団の心変わりは少なくとも、
オリオリの心を不幸にしているし、
コッツ達3番隊は、その魔法団の
心変わりを阻止しようと試みた末
上級執行官ドアヌに酷い目に
遭わされている。
マタセ王を籠絡した事も、マタセ国を
混乱に陥れる結果になってしまったし。
何よ?彼が言うようにアタシ達が歯向かうから
不幸になるとでも言うのかしら。
無用な争いをやめれば誰も傷つかなかった
とでも言うの!?
冗談じゃない、それじゃ結局、政府の言いなり
って事じゃない。
どこか平和で平等なのよっ!
もし、自分のやっている事こそ大義だと
信じ多少の犠牲は仕方ないって考えてるなら
それこそ宇宙政府のやり方と何も変わらない!
オリオリは!
目の前に困ってる者がいれば
必ず手を差し伸べるもの。
どれだけ自分に余裕がない状態だったとしても
自分に利益のない事だとしても
決して困ってる者を放置しないわ!
ここまで一緒に旅をして来てからこそ
よくわかるっ!
オリオリとピエールでは、その主義主張に
決定的な差があるわ。
アタシはランペェ村へ向かう飛行船の中で
マタセ島で起こった色々な事を振り返り
こんな事を考えていたの。
って、アタシがすでにピエールとは
相容れないっていう考えに
凝り固まっちゃってるわね・・・。
こんな事では人同士が分かり合えるなんて
到底無理な話ね。
こういうところに、宇宙政府はつけ込んで
来るんだろう。
ダメだダメだっ!
アタシはふるふると首を横に振った。
あの白いスライムナイトと分かり合える日は
来るんだろうか??
その問いに誰も答えてくれない事を
アタシは知っていた。
答えは自分で見つけるしかない。
「モガー!
陸が見えてきたぞー!ヨンツゥオ大陸だー。」
「ピピ〜!」
着いたか。
相変わらず星屑魔法団は行方知れずのまま。
この地方で出会えるといいんだけど。
「こんにちわ、ランペェ村へようこそ!
この辺りは宇宙政府のマレドー様が
治めてたんだけど突然いなくなっちゃって。
代わりに新しいジョーキューシッコウカン、
がやって来たの。
ジョーキューシッコウカンっていうのは・・・
うーん・・・とってもエライ人!」
「こんにちわ!オイラはモガ丸、
こいつはスラッピ。
お嬢ちゃん、え、エライな、色んな事
知ってるんだな!」
「うん!
けど新しいジョーキューシッコウカンは
マレドー様と違ってとっても悪い人なの。
だからお父さんや村の男の人達みぃんな
武器を持って戦ったんだけど、
やられちゃった。
みんな怪我をしてしまって今は寝てるの!」
「これ!アンタは余計な事をベラベラと!」
「あ、お母さん!ごめんなさい〜!!」
マレドー、宇宙政府を裏切り義勇軍に
寝返ったあのマレドー・・・。
アタシは当初、彼は政府のスパイじゃないか
って疑っていたんだけど。
そっか〜、彼はこの地域で善政を敷いて
いたのね、む〜人は、いえ彼は魔物だけど、
見た目で判断しちゃいけないわね、
ごめんなさいマレドー、反省(_ _;
「すみません、この子はお喋りが好きなもので。
失礼はありませんでしたか?」
「モガ〜、大人の難しい話をよく理解してる
賢い娘さんだぞ!」
「たしかにマレドーは我が軍へ帰投する
以前はこの地域を担当していました。」
「で?ご婦人。
マレドーの代わりにやって来たという
上級執行官とは?」
「新しい上級執行官はチョルルカ様といいます。
あの、すみません、この子が口走って
しまいましたが、チョルルカ様に
逆らった事はどうか内密に!」
「そのチョルルカというのは強いのか?」
「はい、とても強くて村の男達は
返り討ちにあってしまいました・・・。
チョルルカ様は強いのはもちろんなのですが
もう一つ特徴があって・・・」
「もう一つの特徴?」
「はい、それは・・・」
「それは???」
「とってもクサいのですっ!」
「く、クサい!!??」
「はい、あまりのクサさに戦う前から
戦意を奪われ武器を使う間も無く
やられてしまうのです!」
「モガー!!
めちゃくちゃクサいじゃないか!
そんなヤツいるのか!」
「そのクサさはこの世の地獄、と
皆申しておりました。
私の主人はゴッシュさえ居ればチョルルカ様
にも勝てたのに!と申しておりました。」
「ゴッシュ?何者ですか?」
「はい、ゴッシュはこの地方随一の道具屋です。」
道具屋??
その道具屋さんがいれば新しい上級執行官に
勝てたって?
どういうことなんだろう?
「ご婦人。
そのゴッシュという人物がいれば
チョルルカに勝てたというのは
どういう事でしょうか?」
コッツもアタシと同じ疑問を抱いたようね。
「はい、ゴッシュは腕利きの道具職人です。
彼にチョルルカ様の臭いを封じる道具を
作ってもらえば勝てる、という見通しかと
思います。」
「・・・なるほど!」
あぁ、そういう事ね。
けど臭いを封じる便利な道具って何だろう?
「ゴッシュは最近、この村の近くの
洞窟に住むようになったと聞きます。
そしてなかなか洞窟から出て来ず村に姿を
見せなくなってしまいました。
それゆえ私たちはその洞窟を『ゴッシュの洞窟』
と呼ぶようになりました。」
洞窟から出てこないなんて、ちょっと心配ね。
何かトラブルでもあったのかしら。
「リザ殿!」
「あ、は、はい!
なぁに?コッツ。」
「その洞窟に向かいゴッシュを探しましょう!
彼に協力を仰ぎチョルルカを倒すのです。」
そうね、アタシ達義勇軍は困っている人を
見過ごすわけにはいかないもの。
チョルルカとやらがどの程度強いのか
知らないけど、クサいのはヤだもんね。
「え!?チョルルカ様を倒す!?
それはとても有り難い話ですが、どうか
旅の人、ご無理はなさらないでくださいね。」
またしても魔法団の行方とはかけ離れた
展開だけど。
宇宙政府の圧政に苦しんでる人達は
助けなきゃね!
アタシ達はアタシ達の信念のもと、
宇宙政府に対抗してみせるわっ!
ピエール、アナタの主張には死んでも従う事は
出来ないっ!
アタシは。
頑として受け入れられないと思いながらも
ピエールの主張が頭から離れなかった。
新しい上級執行官を退治する事は
自分達の主張が正しいと証明するための
行為だと、無意識のうちに思っていたのかも
しれない。
アタシ達はゴッシュの洞窟へと歩き始めた。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。