魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。



2ndシーズン第6章[魔法団の行方]***惑星クラウド・ヨンツゥオ大陸編***
エピソード1.「宇宙船基地は何処に」


ヨンツゥオ大陸南部地方。

かつてこの地方では宇宙政府の

上級執行官マレドーが統治をしていた。

 

そう、あのマレドー。

宇宙政府の役人でありながら

アタシ達義勇軍へと寝返った男。

政府の推進する恐怖政治に

異を唱えた男。

 

政府に属する者全てが全て、

恐怖で宇宙を支配しようとは

思っていない、という事を

アタシ達はマレドーの行動で

知ることになった。

 

それが証拠にマレドーは

この地で善政を敷き民衆からも

慕われていたフシがある。

 

けど義勇軍に寝返り、当然ながら

任地の統治も放棄することになり

マレドーの代わりとして新たな

執行官がこの地を治めることになった。

 

これがチョルルカ。

アタシ達が今、打倒を目指している魔物。

チョルルカというのはまさしく従来の

政府の上級執行官らしく悪政を敷く男だった。

ランペェ村の男性達はチョルルカに

反旗を翻し果敢にも戦ったが

あえなく返り討ちにあったという。

 

チョルルカと戦ったという村の男性達は

一様に「チョルルカは異常にクサイ!

それがネックでまともに戦えない、

道具職人ゴッシュの協力さえあれば・・・!」

と悔しげに語ったという。

 

かくしてアタシ達はその、職人ゴッシュに

チョルルカのニオイ対策用の道具

「この星一番のせんたくバサミ」を

作ってもらえた。

これを携えチョルルカの居城を目指す!

 

「ようこそブゥフェの町へ。」

人の良さそうなおばあさんが出迎えてくれた。

 

「こんにちわ。

おばあさん、いきなりですまない、

チョルルカという上級執行官の

居場所を知らないかい?

この町に来ればわかるだろうって

聞いてやってきたんだよオイラ達。」

 

モガ丸が単刀直入に切り出す。

 

「チョルルカ様の居場所・・・。

それならこの町を越えてはるか彼方に

チョルルカ様のお城があるよ。

だけどチョルルカ様と会ってどうすんだい?」

 

「オイラ達はこの地方で悪さをする

チョルルカを倒そうとする者たちなんだ。」

 

「な、なんと!

バカな事を言わないの!

そんな事をしたら反逆者として

牢屋に入れられて死ぬまで

宇宙政府の奴隷だよ?」

 

「フッフ~ン、普通ならそうなるけどな、

オイラ達は打倒チョルルカの秘策が

あるんだ、それにここにいる

女の子たちはめっちゃ強いんだ!

だから捕まって奴隷になんか

ならないぞ!」

 

「・・・・命知らずな・・・。

そういえば・・・そう、星屑ナントカ団の

人達みたいだねぇ。」

 

え!?星屑魔法団!?

 

「おばあさん、星屑サーカス団を

ご存知なんですか?」

 

コッツが魔法団の偽名を出して

このおばあさんに質問した。

 

「ああ、チョルルカ様と会う方法を

あたしに聞いてきたよ。

だからチョルルカ様のお城を教えといて

あげたよ、そう今まさにアンタ達に

伝えたようにね。」

 

「星屑サーカス団はチョルルカの城に

向かったのですね?」

 

「いや、それが・・・・。

チョルルカ様のほうがわざわざ

この町まで来たのさ。

その、星屑サーカス団に会うためにね。

どんな話をしたのかは全くわからないけどね。」

 

この地方に来てからの話では初めて

魔法団の足取りを聞くことができた。

彼らもまたチョルルカと面会したという。

 

「あ、そうそう白いスライムナイトが

両者を引き合わせていたねぇ。」

 

「モガー!

それってあのピエールの事だよな!?」

 

!!!

魔法団のみならずあのピエールも

この町にやってきていたとは!

これは!

単に困っている民衆を助けたい一心で

チョルルカを目指しているアタシ達だけど

魔法団とピエールも絡んできて

一気に話が前進してきた気配だわ。

 

「おばあさん、サーカス団もチョルルカも

今はこの町にいないようですが

彼らはその後何処へ向かったのでしょう?」

 

「ウワサじゃ宇宙船の基地とやらに

向かったって話だよ。」

 

「宇宙船!?

この星から飛び立つつもりなのか!?」

 

なんですって!?

まずいわね、この星からいなくなっちゃったら

魔法団に会うのは極めて困難になってしまうわ。

アタシ達も急いでその、基地とやらに

向かわなければ。

 

「宇宙船基地の場所だって?

宇宙政府の施設だからね~・・・・。

あたしゃ何も知らないよ・・・。

でも怪しいなという場所をいくつか

知っている。

きっとそのうちのどれかが宇宙船の基地だよ。」

 

「もがー!

おばあさん、その場所全部教えてくれ!」

 

「そうですね、魔法団がこの星から

いなくなる前に接触しなくてはなりません、

基地だと思われる施設を

片っ端から当たりましょう!」

 

うん、今度は本当に時間がない、

休息がどうのとか言ってられないわ!

 

「怪しいと思う場所は・・・・

この町の近くの高台にあるゾォリ天文台、

ゾォリ天文台のさらに西にある銀河大神殿、

銀河大神殿の南方の雲海沿いにあるダン灯台、

この3つが怪しいと、あたしゃ思うよ。」

 

おばあさんは地図を出し、宇宙船の基地と

思われる候補の場所を教えてくれた。

 

「ありがとうな、おばあさん!

よし、じゃあリザ達、さっそく出発しようぜ!」

 

「3つの場所の位置は、

おばあさんの地図を写させてもらいました、

まずは何処から向かいますか?

オリオリさま。」

 

「まずはここから一番近いところから

当たってみましょう。

ここからだと・・・うん、ゾオリ天文台の

ようですね。」

 

「承知しました。

リザ殿達、ではゾォリ天文台へ

向かいましょう。」

 

「いよいよ、チョルルカと対峙だな、

せんたくバサミの準備もOK。

出発だー!」

 

ゴッシュのせんたくバサミを始め、

アタシ達は装備、道具、食料など

入念にチェックしゾォリ天文台へ向かった。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。

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