魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「もがーーーーー!!!
ク、クサイ、クサイぞーーー!!!」
「このニオイは!?」
「この激しい異臭がチョルルカのニオイか!」
「間違いないぞ~!
このクサさ、きっとチョルルカだ!!」
「そのようですね、町のおばあさんの予想、
ようやく的中したようです。」
「オリオリ様、そして宇宙船基地とやらが
ここダン灯台という事になりますね!」
ブゥフェの町で政府の宇宙船基地であろう
場所を3つほど教えくれたおばあさん。
アタシ達は町から近い順に1つずつ
その場所を調べることにした。
最初にゾォリ天文台、次に銀河大神殿を
訪れたけど、どちらも基地ではなかったし、
チョルルカも魔法団もピエールもいなかった。
最後の望みとして訪れたここ、ダン灯台。
この灯台に進入したとたんにアタシ達の
鼻孔を襲ってきた強烈な異臭。
なんだろう、これはもう腐敗臭と呼べるわね、
ニオイレベルのチェックメーターというものが
あるならば完全にメーター振り切ってると
思うわ。
「確かに・・・!
これがチョルルカのものだとすれば、
こんな激臭に耐えながら戦うなんて
不可能ですね・・・う、ゴホっゴホっ!」
「うぅぅ、モガ丸殿、早くゴッシュ殿の
せんたくバサミを!
ニオイを嗅ぐだけで体内から
腐っていきそうです・・・・!」
「よ、よし、わかった!」
モガ丸は道具袋から人数分の
ゴッシュのせんたくバサミと
ペンチを取り出した。
「ムギギギ、開くのにめちゃくちゃ力が
必要なのがコイツの難点だな!」
ミスったわね、ここにチョルルカが
居るかもしれないってわかってたんだから、
内部に入る前にせんたくバサミを
装着しておくべきだったわ。
悪戦苦闘しながらも各自、ペンチを
使ってせんたくバサミを鼻に
装着していく。
「よし、全員装着したな、
・・・・・・・・・お、す、すげー!!
ニオイが全くしない!
すげーぞ、ゴッシュ!
やっぱりアンタは最高の道具職人だぞ!」
うん、さっきまでの不快な激臭は
まったく感じなくなった!
実際にチョルルカに効くかどうか
やってみるまでは不安だったからね。
これでニオイに気を取られることなく
戦えそうだわ。
ただ、全員が鼻声なのが気になるのと、
口でしか呼吸ができないから、
息苦しいのは確か。
これはもう早々にチョルルカを
倒すしかないわね。
「あれ?でもオリオリは宇宙王の書に
隠れてればニオイは遮断できるんじゃ
ないのか?」
「・・・私は生身の体のまま書に
封印されています。
ガイアス殿のように思念だけを
書から出現させているわけでは
ありません。
よって・・・クサイです!」
「あぁぁ、そっか、ジジィとはまた
仕組みが違うんだったな、
詳しくはわかんないけど、
とにかく臭うんだな!」
モガ丸!
この非常事態に!
鼻を押さえてるだけに
喋るのもツライんだから
余計な会話してる場合じゃない
でしょうに!
素っ頓狂な質問をこのタイミングで
発するモガ丸に呆れながらも
アタシ達は群がる魔物たちを
振り払いながら灯台の最上階を
目指した。
口だけで呼吸しながらの戦闘は
思いの外疲れるわ。
なるべく手数をかけずにアタシ達は
魔物を倒していく。
そしてついに最上階にたどり着く。
そこには、なんと形容していいかわからない、
異形の魔物が立って・・・いえ、空中に
浮遊していた。
胴体?があり、手足はなく、代わりに
触手らしきものが胴体からいくつも
生えていた。
胴体の真ん中に大きな口があり
目らしきものが胴体に1つと
2本の触手に1つずつあるという、
この世のものとも思えない、
ホントに異様な姿をしていた。
「む、何者だ貴様ら?」
しゃ、喋った!?
見た目とは裏腹に、この化物は
明瞭な言語を発した。
「オイラ達はブルリア星の冒険王姉弟と
その仲間、そして義勇軍だ!
お、お前が上級執行官チョルルカか!?」
「ほ~う、義勇軍、それに冒険王だと。
コソコソと隠れ回りながら我が政府に
盾突くネズミどもが!
一体何の用だ!?」
「ランペェ村を始め、この地方一帯を
圧政で苦しめ、そしてランペェ村の
住人たちをひどい目に合わせただろう!
お前のような悪いヤツは成敗してやる!!」
「フハハハハ!
これは心外、ゲスな大衆が政府の
統治に従うのは道理だ、
組織に歯向かう者を罰しただけの事!
前任者マレドーはどうも政府の方針に
反抗的で、この地方の民衆を厳しく
統制しなかった、故に民衆はつけ上がり、
オレに反抗しようなどという
発想に至ったのだ。
それでは政府の統治が徹底されぬ、
民衆は力で押さえつけるのが
最も効果的だと言うのにのぉ!」
ク!
やっぱり上級執行官というのは、
宇宙政府というのは頭が腐ってるわ、
ゲスはお前たちのほうよ!
その醜い見た目そのままじゃない!!
「しかし貴様ら、よくもオレを前にして
平気でいられるな?
普通はオレの発する激臭のせいで
まともに立っていることも
ままならないハズだが?」
「へっへ~ん!
オイラ達はランペェ村の人達から
お前と戦うときの注意点を
聞いているんだ!
見ろコレを!」
モガ丸は自分の鼻に装着している
せんたくバサミを得意げに指さした。
鼻栓をして、それを上級執行官に
向かって自慢する・・・・
なんともおかしい絵面だけども・・・・(^_^;
「ハッハッハッハ!
お前ら、本気か!?
これから1戦交えようかという
この状況で鼻栓だとぉ?」
う、やっぱりそうよね、
普通そうよね??
ゴッシュの意気込みはホンモノだとは
思うけど、やっぱ大真面目に
バカバカしいわよね?この作戦(^_^;
「まぁしかし、五体満足で立っている
ところを見ると、本当にオレの激臭は
遮られてるみたいだな。
だがしかし!それがなんだというのだ!
例え激臭の影響がなくとも、
これからお前らがオレに殺されることに
なんの変更もない!!
義勇軍とその一味!今ここで皆殺しよ!
ゲハァァァァァ~~~~!!!」
チョルルカはいきなり、その大きな口から
紫色の息を吐いてきた!
まずい、モガ丸達を退避させなきゃ!
アタシはとっさにモガ丸とコッツの前に
立ちふさがり紫の霧をまともに浴びてしまった。
「モガ丸、コッツ早く隠れて!」
「もが~~~!リ、リザ~~~・・・・
大丈夫か~~~??」
「いいから早く!!」
「リ、リザ姉!この紫のブレスは!」
おそらく毒攻撃!
ク!ニオイだけじゃなく毒も吐いてくるのか!
アタシは戦闘態勢に入るべく構えを
取ろうとした。その瞬間・・・。
ドクンッ!
全身を激しい痛みが襲う。
やっぱり、アタシは毒に冒されてしまった。
厄介ね、これでは動く度にダメージを
負ってしまう。
「ホイミッ!」
アタシは毒で受けたダメージを
自分で回復させた。
しかし、回復呪文を唱えた、
その動作で再度毒のダメージを負う。
死にはしないけど、ダメージがループで
襲ってくる。
毒攻撃の嫌なところね。
「リザ!これを飲め!」
ビュッ!
モガ丸が毒消し草を煎じた飲み薬の
入った瓶を道具袋から出し、
アタシに向かって投げてくれた。
アタシはそれをキャッチし、すばやく中身を
口に含んだ。
スゥゥ~~~
解毒作用の成分が体内に浸透していくのが
自分でもわかる。
「メラゾーマ!」
アタシは攻撃呪文をチョルルカに
向かって放った!
ゴォォォン!
大火球が上級執行官に炸裂する!
「おのれ!こしゃくな!」
メラゾーマを唱えた動作を取ったけども。
毒によるダメージは発生しない。
よし!完全に解毒できたわ。
モウィ遺跡では眠りで手間取ったからね、
道具袋はモガ丸に持ってもらったの、
状態異常をスムーズに解除するために!
ここからが本番よ!
「また毒の息を吐かれると厄介よ!
勝負を急ごう!ジョギー!レイファン!」
「わかった!」
「うん、了解!」
アタシ達はお互い適度に距離を取り、
戦いの陣形を整えた。
ビシュ!ビシュ!!
チョルルカはいくつもある触手で
攻撃してきた。
アタシ達は盾で受け止めダメージを
緩和させる。
衝撃は・・・それほど重くない?
なんだコイツ、上級執行官のクセに
大したことないの?
「ほぉ!冒険王と名乗るだけあって
それなりに戦えるのは確かなようだな!」
ビシュ!ビシュ!!
チョルルカはさらに、余った触手で
追撃を繰り出してきた。
最初に攻撃してきた触手に
盾を使っていたので
第2波の攻撃はまともに食らってしまった。
「キャー!」
「ぐわ!!」
攻撃を受けた箇所から血が流れる。
ク!
何本もある触手は厄介ね!
「フハハハハ!
どうした、もう終わりか!?」
触手をどうしたものか。
アタシは傷を負いながらも、
チョルルカの攻略を考えていた。
今の所、ヤツの攻撃はハッキリいって
大したレベルではない。
その事実がアタシを冷静でいさせた。
「ジョギー!レイファン!
1箇所に集まろう!」
アタシは弟たちに号令をかけた。
「おぅ!」
「わかった!」
ジョギーとレイファンがアタシのもとに
走り寄ってくる。
「どうするんだリザ姉?」
「どう?ヤツの攻撃。
ここまでの戦った感じ。」
「ん?あ、ああ。
いや、おそらく、そんなに強くはないな。
今の所だけど。
けど、あの触手攻撃は厄介だな。」
「私もそう思うよ、姉ちゃん。」
弟たちもアタシと同じ印象を受けたみたい。
「1箇所に集まればいくつもある触手も
全部同じ方向に飛んでくるでしょ?
そこを叩くわ。」
「あぁ、そうか!わかった。」
アタシは作戦を伝えようとした。
みなまで言わずとも2人ともアタシの
意図を理解してくれたみたいね。
「フハハハハ!どうした、もう観念したか!
最後は仲間揃って死にたいのか。
望み通り全員揃ってあの世に送ってやろうか!」
「フン!うるさいわね、よく喋る執行官ねアンタ。
臆病な犬ほどよく吠えるっていうけど
アンタ見てると、まさに絵に書いたような
負け犬ヅラね!」
アタシはわざとチョルルカを挑発するように
言葉汚く罵ってやった。
「な、なんだとぉ~~~!!
このチョルルカ様に向かって負け犬だとぉ!!?
おのれ、虫けらのくせにオレを愚弄
しおって!!」
チョルルカは頭(どこが頭か知らないけど)に
血が上ったのか、全部の触手を
アタシ達に向かって振り下ろしてきた。
しめた、狙い通り!
ビシュシュシュシュ!!!
「ベギラゴン!」
アタシは飛んできた触手目掛けて
灼熱呪文を唱えた。
チョルルカの全ての触手に高熱の
ビームが炸裂する。
「グゥワワワワ~~~!!!」
ビームが着弾した瞬間、激しい炎が
発生しチョルルカの触手全てを包んだ。
「超はやぶさ斬り!!」
ジョギーの超速の剣技が放たれ、
触手の根本に炸裂した。
シャッシャッシャ!!
チョルルカの本体と燃え盛る触手が
切断された。
「これでもう厄介な動きはできない!」
アタシの作戦はハマった。
残るは本体だけ。
「グヌヌヌヌ!
お、おのれ~~~!
これで勝ったと思うなよぉ!!」
チョルルカの本体にある眼は
まだ、その生を諦めてはいない!
まだ反撃が来る!
アタシは形勢が有利になっても
警戒を怠らない。
モウィ遺跡での失敗は繰り返さない!
「こ、これでも喰らえ!」
ブシャァァァァ!
本体の眼が妖しく光り、チョルルカは
口から今度は黒ずんだ霧を
吐いてきた!
黒いブレス・・・闇ブレスか!?
「フバーハ!」
アタシはとっさにブレス耐性上昇の
補助呪文を唱えた。
アタシ達の周囲を光の霧が覆い、
闇ブレスの被ダメを抑える。
「ベホマラー!」
瘴気により腐食するような感覚に
襲われる息攻撃に耐え、
レイファンが回復呪文を唱えた。
フバーハにより抑えられた被ダメ、
さらにすかさず回復呪文が
行使されたので
アタシ達は体力消耗、怪我は
ほぼゼロに等しくなった。
「奥義!天下無双!!」
「メラガイアー!!」
アタシとジョギーはそれぞれ、
自身最高の技と呪文をチョルルカに
向かって放った。
「ウギャ~~~~~・・・・・ァァァァ・・・・!」
チョルルカは断末魔を発した。
ふぃ~、勝った!
ドアヌと同じく、コイツも大した事はなかった。
上級執行官でも下位の者だろう。
それに!
ゴッシュのせんたくバサミのおかげね。
見事にニオイを遮断してくれた。
あの凄まじいニオイに加えて毒にも
冒されるかと思うとゾっとするわ。
本来の実力を発揮する前に
やられてしまいそうだもの。
「オ、オリオリ様・・・・!
やりました、リザ殿達が上級執行官を
打ち負かしました!」
「ドアヌに続きまたしても上級執行官に
打ち勝つなんて・・・!
リザさん達の強さは本物中の本物!
戦いにおける戦闘センス、臨機応変さ、
そしてそのセンスを実行する
力強さ・・・!改めて・・・ですけど。
義勇軍の未来はきっと明るい!」
コッツ達がアタシ達のもとへ駆け寄り、
称賛の言葉を述べる。
「お、お、おのれ・・・義勇軍、い、いや、
冒険王・・・!
・・・だ、だが、オレを倒したところで
・・・現状は・・・変わらん・・・政府の巨大さに
比べれば・・・お前らごとき・・・ネズミの群れ
であることに・・・変わりはない!」
「ヘンっ!負け惜しみを言ってるぞー、
チョルルカのヤツ!」
「ふ、フハハハハ!
負け惜しみではない・・・・
魔星王の誕生も既に・・・行われた・・・のだ。
新たな魔星王・・・・それは・・・
この星そのもの・・・・。
せいぜい・・・・恐れ・・・・慄き・・・・
たじろぐがいいわ・・・・グフっ!」
そう言い残し、チョルルカは息絶えた。
新たな魔星王はこの星そのもの・・・?
一体、どういう事なの?
「ってことは・・・今オイラ達が立っている
この地面も魔星王って事?」
「この星そのものが魔星王って?
リザさん・・・・実際に魔星王と対峙した
事があるのはアナタ達です。
どういう事かわかりますか?」
え!?アタシ!?
いやいやちょっと無茶ぶりじゃない?
オリオリ(^_^;
アタシ達が戦ったドスラーデスは
明確に姿形のある魔物だったからな~。
星そのものって言われても
想像もつかないよ~。
「そうですよね、すみません。
やはり魔法団に問いただすしか
ないようですね。」
そうね、実際に新しい魔星王を
誕生させた星屑魔法団なら
その秘密を知ってるに違いないわ。
「オリオリ様!
あちらを見てください!」
と、コッツが何か見つけたようで
オリオリに呼びかけた。
「こ、これは・・・!宇宙船!!」
「やっぱりこの塔が政府の基地!!」
「星屑魔法団が辺りにいるかもしれません!
探してみましょう!」
ここにチョルルカが居たってことで
おおよそ見当がついていたけど
宇宙船の基地は間違いなく
ここだってことね。
という事は確かに魔法団も居たはず。
けど姿が見えない。
アタシ達が戦ってるうちに塔から
出ていったしまったのか!?
パチパチパチパチ!
アタシ達が魔法団を探すために
駆け出そうとしたその時、
何処からか拍手らしき音が聞こえてきた。
「ハッハッハッハ!
見事だったよ諸君。」
これは・・・聞き覚えのある、
いえ、つい最近聞いた、あの声・・・・!!
キッ!
振り返ると彼は居た・・・・
白いスライムナイト、ピエール!!
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。
・チョルルカ
ヨンツゥオ大陸南部地方を支配する
宇宙政府の上級執行官。
本体から発するその激臭とも呼べる
クサい臭いで、対峙する敵の戦意を消失させて
倒すという特徴を持つ。