魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「おぉ、アンタ達!
無事だったのかぃ!!
ほ、本当にチョルルカ様を倒したってぇ??
すごいじゃないか!!!」
ブゥフェの町に戻ると例のおばあさんが
出迎えてくれた。
「えぇ、無事生還しましたよ。
おばあさんが教えてくれた場所、
そのうちの1つが見事に
宇宙船基地でした。
情報提供ありがとうございました。」
「いやぁ、あたしゃ怪しいな、と
思った場所を教えたまでだ。
それに、もしチョルルカ様と
出会ってしまったらアンタ達は
ただじゃ済まないと思ってたんだ、
正直・・・。
あたしゃ、とってもむごい事を
してしまったんじゃあないかと、
あれから後悔してたんだ・・・。
いやぁ、ホントに無事でよかったよ~。」
「これでこの地方が圧政に
苦しむことはないでしょう。」
「あぁ・・・だといいけどねぇ。」
おばあさんはアタシ達の無事を
喜んでくれた。
けど、その表情に陰りがあるように
アタシには見えた。
「チョルルカ様がいなくなったのは
嬉しいけど、また別の役人が
来るかもしれないからね~。
結局は政府が健在している限り、
あたしら民衆に平和は訪れないの
かもしれない・・・。」
・・・・そうよねぇ、結局そうなのよね~。
元凶をなくさない限り、万事解決って
ワケにはいかないのよね~。
確かに、その事実を突きつけられると
おばあさんじゃないけど、アタシも
憂鬱になるわ。
ピエールとの舌戦のこともあり、
アタシも憂鬱な気分になってしまった。
「おばあさんのおっしゃる事は
ごもっともかもしれません。
諦観を抱くのも致し方ありません。
ですが、だからといって
政府の理不尽な統治を受け入れるのは
それはもう生きながら死んでるも
同然です。
私達は・・・政府の言いなりには
絶対になりません。
戦う力がある以上、抵抗してみせます。
抵抗し続けることに意義があるのです!」
オリオリが言う。
おばあさんに、というより、それは
ピエールに向けて。
政府の言いなりになって死人のように
生きながらえたほうがいいという
風潮に対して。
そして自分や義勇軍のメンバーに
対しての決意の再確認なのかも。
そうよ、オリオリ。
アタシは断固としてピエールのような
考えには賛同できない!
無駄だと言われつつも、
政府への抵抗の意思は
示しつづけなければならない!
「あぁぁぁぁ、アンタ若いのに偉いね~。
眩しいよ。キラキラ輝いて見える。
あたしのほうが年長者なのに、
若いアンタから教えられてるみたいだ。
なんで本の中にいるのか、
どういう仕掛けでそうなってるのか
よくわからないが。」
「いえ、おばあさん、つい興奮して
出過ぎた事を言ってしまいました。
けど、私達はそういう決意のもと
団結して政府への抵抗を続けます。」
「あたしゃ老い先短い。
アンタらのように自ら動いて
状況を打破するなんて事は
とうてい無理だけど、
アンタらの事は応援するよ。
今のあたしにできる事は
それぐらいだからね~。」
「おばあさん、そのお言葉とお気持ちだけで
十分です、ありがとうございます!
おばあさんのように我々を密かに、心のどこか
片隅でだけでもいい、応援してくれる人が
少しでも増えることが何よりも我々の力と
なるのです。」
「あたしももっと若けりゃね~、
その、義勇軍とやらにも
参加したいよ。」
オリオリの言葉ひとつで
憂鬱な顔をしていたおばあさんの
表情が明るくなった。
オリオリ、貴女は本当に太陽のような
女性だ。
アタシは改めてオリオリのリーダーの
器を認識した。
真のリーダーの、ね。
「で、おばあさん、オイラ達、
次はチョルルカの居城に
行きたいんだけど何か知らないかい?」
「チョルルカ様の居城は
銀河大神殿を北上した遥か先に
あるって話だよ。
けどどうやってお城に入れるか、
そこまでは知らないんだ。
居城までの道のりの途中に
ギィシィという町がある。
そこでなら何かわかるかも
しれないね~。」
「わかった、ありがとう、
おばあさん。」
「おばあさん、もうひとつお願いが。
この手紙をランペェ村のゴッシュという
人物宛に届くように手配を
していただけませんか。
今回のチョルルカ打倒に協力してくれた
人物なのです。
直接会ってお礼を申し上げたいのですが
我々は先を急がねばなりません。」
「わかった、ランペェ村のゴッシュだね。
あとで配達業者に言付けとくよ。」
「それからおばあさん、我々に情報を
提供した事は伏せておいてください。
おばあさんが危険な目に遭っては
いけませんので。」
「あぁ、わかった、ありがとうよ、
あたしの心配までしれくれて。
アンタ達、気を付けて行くんだよ。
あたしゃ、なんだかアンタ達が
孫のように思えてきたよ。
勇気を持つことも大事だけど、
無理をせずに、ねぇ。」
あぁ、おばあさん、本当にありがとう。
孫・・・・か。
ブルリア星のおじぃちゃん、どうしてるかしら。
アタシ達がいないからきっと退屈
してるんじゃないかしら。
おばあさんの励ましの言葉で
アタシはふと、故郷で待っている
おじぃちゃんの事を思い出していた。
「ありがとう、おばあさん!」
「じゃあな、またな!」
「ピピー!」
白いスライムナイト、ピエールのせいで
気分が憂鬱だったけど、
オリオリの確固たる信念と
おばあさんの優しい気遣いのおかげで
少し心が晴れたわ。
「リザさん、ピエールの言う通り、
我々の力は政府に比べれば
脆弱かもしれません。
しかしこうやって、我々の考えに
賛同してくれる方々が
少しずつでも増えれば
それが我々の力になり、
やがて政府に打ち勝てる、
私はそう信じています。
現状維持でかまわないという意識、
それこそが最も厄介な敵なのです。
それを覆すには政府への抵抗の意志を
示し続けるより他にない、
と私は考えています。」
オリオリ、そうだよ、現状が変わらないって
諦めたら本当に何も変わらない。
ピエールの考えは・・・革新的であるかの
ように見せかけて実は現状維持を
決め込んでいるようにしかアタシには
思えない。
アタシはやっぱり、オリオリ、貴女の考えに
賛同するわ!
「それに・・・。」
「?」
宇宙王の書がアタシの顔の近くに
寄ってきてオリオリが耳打ちを
してきた。
「リザさんがピエールと激しく
言い争った時のリザさんの訴え。
私はすごく感動し嬉しかったのです。
リザさんは・・・その・・・タァコ王に
会ってから・・・我々の活動に
疑問を抱いていませんでしたか?」
ギクッ(゜o゜)
「タァコ王が語っていたピエールの
主張の内容に。
あの時、私はリザさんを叱咤し
貴女の思考を強引に停止させました。
しかし強引ゆえにリザさんがいつまた
迷いを抱くかもしれないと、私は不安でした。
けど先のピエールとの言い争い、
あれを聞き、安堵したのです。
『あぁリザさんの迷いはもう吹っ切れた
んだな』と。」
うぅぅオリオリ、ホントにごめんなさい、
あの時のアタシの迷い・・・・
ひょっとしたらあの迷いのせいで
新魔星王誕生の阻止が
間に合わなかったのかもしれない。
「いえ、責めているわけではありません。
現にここまでの旅はリザさん達の
力がなければ進めることは
かなわなかったでしょう。
その事実こそが、貴女が我々を
信頼してくれていることの証。
そしてダン灯台でのリザさんの訴えは
私の考えと全く同じでした。
あれでリザさんへの信頼は確信に
変わったのです。」
アタシは確かに・・・・迷っていた時期が
あったわ。
けどオリオリ・・・・貴女の器の大きさが
アタシの迷いを晴らしてくれたの。
それにピエールの考えは・・・・
確かに直接聞くまでは興味が
あったのも事実。
けど、その内容を聞いて呆れてしまったわ。
だから、あの場面でピエールと
言い争いになってしまったの。
どうしても納得いかなかった。
愚かさに気づいてほしかった。
「すみません、今更、以前のことを
蒸し返して。
けど私のリザさんへの信頼、
それはもう揺るがない、ということを
伝えたかった。
まだ我々は志の道半ばではありますが
これからも引き続き我々の力になって
ほしくて私の想いを打ち明けました。
リザさん、これからもよろしくお願いします。」
オリオリ!
アタシこそよろしくお願いします。
アタシはあのヨンツゥオ大宮殿での
貴女の寛大な対応に触れて以降、
とっくに貴女の事を信頼してるよ。
この宇宙を治めるのは決して宇宙政府の
ような邪悪な組織ではないっ!
オリオリのような優しく強い意志を持った
宇宙王こそ相応しいって。
「お~い、なんだなんだ女同士で
ヒソヒソと。
長話だな~、早く出発しないと
ピエールに逃げられるぞ~!」
モガ丸がアタシ達の内緒話に
割って入ってきた。
ピエールを追いかけるため、
アタシ達はギィシィの町を目指した。
Story日誌 第6話<魔法団の行方>了
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。