魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
エピソード1.「原風景」
奇妙な夢を・・・アタシは見ていた。
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「ボロ~~~ン、待ってよ~~~~!」
「遅いぞ~~~~オリオリ~~~~!!」
幼い少年と少女が森の中を駆けている。
お互いの呼ぶ名は・・・
アタシの知っている名だった。
ボロンとオリオリ?
いえ、だけど、走っているのは
明らかに幼い子ども2人。
それに女の子は・・・
生身の姿・・・オリオリは宇宙王の書に
封印されているはず・・・
生身の姿というのはおかしいわ。
「ほら、こっちだオリオリ。」
「はぁっはぁっはぁっ、んっもう!
ボロンっ、女の子を置いてっ
はぁっはぁっ、先々走っていくなんてっ
もうちょっと女の子をいたわりなさいよっ!」
「はんっ、まるで女の子みたいな事を
言うじゃないかっ!」
「私は女よっ!!」
これは!?
やっぱりボロンとオリオリなの?
このやり取り・・・まさにボロンとオリオリ
そのものだわ。
これは幼い頃の2人なの?
「で?私に見せたいものって?」
「へっへ~、この洞穴を見てみなよ。」
「?」
幼い・・・オリオリであろう女の子が
茂みの中にある穴を恐る恐る覗く。
「あ!」
「ピピピっ」
「スライムっ!?」
「そっ!なぁ可愛いだろぉ?」
「でも・・・や、野生のスライムって
人間を襲ったりするって聞いたこと
あるよ?」
「大丈夫さ、スライムが人間を襲うのは
人間のほうからスライムに危害を
加える場合がほとんどなんだ。」
「へぇぇ、そうなんだ~。」
「それにほら、コイツ、怪我しててさ。」
「え、あぁ本当!
でも・・・手当されてる・・・・
これってもしかして・・・・?」
「そう!オレが手当してやったんだ。
こないだ、この森に果物を採りに来た時、
偶然見つけたんだ。
怪我してたからさ、最初はオレの事も
警戒してたんだけど。
こっちに敵意がないっていうのをさ、
野生だから余計に敏感に
感じ取ってくれたのか、
手当をさせてくれたんだ。
それからオレに懐いてくれて。
時々様子を見に来てるってワケ。」
「そうだったんだ。
けど、アナタのスライム好きも
ここまで来たら病気ね。」
「病気とはなんだ、病気とは!
スライム愛と呼んでくれよ!」
「アハハっ」
これは・・・・なんなの?
幼い頃のボロンとオリオリの記憶・・・・?
なんでこんなものをアタシが見てるの?
夢なのか?
夢だとしても、アタシが知るはずもない
ボロンとオリオリの幼い頃の記憶を
なぜアタシがビジョンとして見てるのか?
「・・・リ様~!・・・オリ様~~!!
・・・・オリオリ様~~~~!!」
と、幼いオリオリ達が走ってきた
元の方角からオリオリを呼ぶ
大人の声が聞こえてきた。
「オリオリお嬢様・・・・・!
こんな森の奥深くまで!
心配しましたよ~、お怪我でもされたら
私達が旦那様に叱られてしまいます!」
「マルコにミラ・・・ご、ごめんなさい!
けどボロンがどうしても私に
見せたいものがあるって。
私もなんだろう、ってすごく興味があったの。
それでついつい・・・・」
「マルコ、ミラ、オリオリを連れ出したのは
オレだ。
オリオリを叱らないでやってくれ、頼む!
それにもし危険なことがあったとしても
このオレがオリオリを守ってみせるさっ!」
「ボロン!またアンタだね!
いくら剣術大会で優勝したからってね、
まだまだ子どものアンタに一体なにが
できるっていうんだい!」
「うっクックソ!
子ども扱いしやがってー!」
この恰幅のいい女性2人は・・・
オリオリの家の使用人か何かだろうか。
そしてボロンとも親しげ。
そっかボロンはオリオリと幼馴染
だもんね。
家族ぐるみでの付き合いだったのかも。
「で、慌ててどうしたんです?
2人とも、家で何かあったの?」
「それが、突然セアド様が
お見えになったんです!
近くまで来たからオリオリ様の
顔を見たくなったとおっしゃって。」
「セアドが!?」
「ええ。
ですから急ぎこうしてオリオリ様を
探しにきたんですよ!
さあ、早くお屋敷に戻りましょう。
セアド様を待たせてはかわいそうですよ。」
「わかった、すぐ戻ります。
帰ろう、ボロン。」
その少年、ボロンは少し寂しそうな
表情をしていた。
「い、いや。
オレはもう少しスライムの様子を見てから
帰るよ、果物や木の実も採ってかなきゃ
いけないからな。」
「あぁそっか。
わかった、じゃあ先に帰るね、
気を付けなさいよボロン。」
「あぁわかった・・・・。」
セアド・・・・後に星屑魔法団の団長となる、
オリオリの夫となる男。
そうか、オリオリとセアドは幼い頃からの
婚約者だったのね。
で、こんな小さい頃からオリオリは
セアドにべた惚れ?ってヤツだったのね
でも・・・ボロン・・・はなんだかちょっと
寂しそうね。
セアドがいるお屋敷に戻るオリオリを
見送るボロンの背中が・・・・とっても。
「・・・・ザッ!・・・・・リザッ!・・・・・
リザ~~~~~!!!」
え?
今度はアタシを呼ぶ声?
え、何?アタシもこの夢の登場人物なの?
これはアタシが見てる夢だったんじゃないの?
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「リザーーーー!」
「はっ!?」
「起きろよ、リザ、
もうそろそろギィシィの町に
着くそうだぞ。」
あ、あぁぁ、モガ丸・・・!
そっか、やっぱりアタシは夢を見てたんだ。
ギィシィの町までの道のりは長く、
アタシ達は馬車を雇って目的地まで
向かっていた。
どうやらアタシは居眠りを
してしまっていたらしい。
それにしても。
見たこともないはずのボロンとオリオリの
幼い頃の光景が・・・。
なぜあんなにくっきりとアタシの夢の中で
繰り広げられたんだろう。
そもそもあれは夢なのか?
夢というよりは誰かの強い思念が
アタシの脳内に流れ込んできた、
というほうがしっくりくるかも。
そうか!
ひょっとしたら、ボロンがエルフたち
(黄金色のスライム)を無事故郷まで
送り届けるという任務を果たし、
そろそろ合流する時期が近づいている、
っていう予知夢かもしれないわね。
ボロンが復帰してくれたら
この先の冒険も一段と心強くなるわっ!
この先に待っている義勇軍を取り巻く
過酷な運命・・・・。
この時のアタシ達はそんな事は微塵も
知らずにいたわ。
とても受け入れがたい過酷すぎる運命。
「よぉし!ギィシィの町に着いたみたいだぜ。
早くピエールを追わないとな!」
馬車はギィシィの町に着いた。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・オリオリ
今回の日誌では幼少期での登場。
当然ながら宇宙王の書に封印されていない
生身の姿。
会話から察するに、大きな屋敷のお嬢様で
後の夫となるセアドとは幼少期から
婚約しているもよう。
そして幼馴染のボロンとは、この頃から
憎まれ口を言い合う仲のようね。
・ボロン
同じく幼少期での登場。
大のスライム好きはこの頃から。
そして武術の腕前もこの頃から
秀でているらしく剣術大会で
優勝するほどの腕前らしい。