魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
気球船でしばらく進むと
確かに小さな島が見えてきた。
着陸できそうな場所を見つけ、
気球船を下ろす。
「ここがチィゴ島だな。」
「確かにヒノキがたくさん
生い茂っていますね。」
「気球船から見た感じでは
島の中心部はあっちの方角ですね。
そこに祠があるとご主人は
おっしゃっていました。
さっそく向かいましょう。」
アタシ達はさっそく祠を目指して
歩き始めた。
小さな島だったので幸い、それらしき
祠へはすぐにたどり着いた。
「ここが魔物の巣窟となっている、
との事。
リザさん達、さっそくお願いします。」
祠の内部には確かにたくさんの
魔物が巣食っていた。
木の精霊らしき魔物、
コウモリのような魔物、
政府から派遣されたというより
土着の魔物が凶暴化した、
といったところかしら。
アタシ達はそれらを倒しながら
祠の奥へと進んでいった。
最深部に到達すると、そこには
巨大なバラのような魔物がいた!
バラはアタシ達の気配に気づくと
いきなりその、棘のついた触手で
襲ってきた!
クっ!戦うしかないか!
アタシは。
話のわかる魔物が相手ならば
交渉してヒノキを伐採させてもらって
速やかに立ち去ろう、とオリオリに
相談するつもりだったんだけど。
植物の魔物が相手では話は通じない、
退治するしかないわね。
ギィシィの町の魔物と出会って以来、
アタシは魔物との無用な戦闘は
したくない、と考えるように
なっていた。
しかし今この瞬間は、そうも
言っていられないみたいね。
「ジョギー!レイファン!
陽動をお願い!
植物の魔物は火に弱いはず。
呪文の詠唱時間を稼いで!」
「わかった!」
「了解、お姉ちゃんっ!」
弟達が魔物との間合いを詰め、
触手を誘導する。
その合間にアタシは呪文の詠唱に入る。
「よし!いいよ、離れて!」
弟たちが魔物から離れたのを
確認してアタシは呪文を放つ!
「メラガイアー!!」
ドォォォン!
ゴオオオオオ!!
特大の火球がバラの魔物に命中し
凄まじい火柱が上がった!
花びらや触手は勢いよく燃え上がり、
やがて炎が収束する。
燃えカスすら残さず魔物を倒した。
「よーし!ボスらしき魔物を倒したぞ、
さずがリザ達!」
「リザ殿達は・・・ホントに強い・・・!」
「リザさん達、ご苦労様でした。
これで祠内の魔物は全て倒したはずです。
さっそく宿屋のご主人に知らせてあげましょう。」
うん、目標は達成。
けどなんだろうなぁ、このモヤモヤ。
本来なら、ここの魔物はアタシ達に
倒されるはずはなかった。
それを宿屋の主人さんがヒノキを
採りたい、という理由でアタシ達が
退治することになってしまった。
もちろん、主人さんがヒノキを採る理由も
承知してる。
政府からの重税を払うため、経営してる
宿屋の売上を上げる。
その為の増築にここのヒノキが欲しいという。
けど、なんかひっかかるのよね~。
目的の為、多少の犠牲は仕方ない、
っていう形になるでしょう?今回の魔物退治。
これって結局ピエールと同じ事を
してるんじゃないかって、アタシの中で
疑問が生まれちゃったのよね~。
結局、義勇軍と宇宙政府が対立してるから
どちらも犠牲は生まれちゃうって事
なのかしら。
ピエールのやろうとしている事は
間違っている。
けどそれはアタシやオリオリの視点で
見れば、という話。
彼も・・・一応言葉の上では宇宙に
平和をもたらすために行動してる、
と発言している。
お互いの信念がぶつかり合ううちは
多少の犠牲は生まれてしまうだろう。
けどアタシ達は。
できることなら犠牲は最小限にしたい。
今のアタシ達にできる事は
きっとそれぐらいしかない。
やっぱり宇宙政府の方針こそが
諸悪の根源だ。
それだけはアタシ達の主観でも
客観的に見ても間違いない。
アタシはモヤモヤを抱えながらも
自分達にできる精一杯のことだけは
やろうと思った。
帰りの気球船の上でオリオリに
アタシの考えを話してみた。
「・・・・そうですね、リザさんのおっしゃる事に
一理あると思います。
我々の目的は宇宙政府打倒です。
政府が我々を襲う目的で魔物を
差し向けるならばこれを撃退しなければ
なりませんが、野生や土着の魔物で
特に危害がなさそうなものを
無用に退治することは控えるよう
心がけましょう!
しかし一番大事なのはそれぞれ
自分の命です。
これもまた無用に捨てるような行為は
禁じます。
降り懸かる魔物は、やはり振り払うより
ほかありません。」
オリオリ!ありがとう!
アタシの考えを取り入れてくれて。
思い切って打ち明けてよかったわ。
「リザさん、思うことがあれば
いつでも相談してくださいね。
1人で抱え込んでは疑問はやがて
迷いとなり、とんでもない失敗を
招いてしまいますから。」
うん、タァコでの件があるから
耳が痛いけど(+_+)
悩みってみんなで共有すれば
その負担が軽くなるもんね。
ありがとうオリオリ!
「いらっしゃいませ、遠路はるばる
ようこそ旅のお方。
ここは宇宙政府御用達の宿屋で
ござい・・・・って、テメエらか!」
ミヤァロの宿屋に戻ると
主人さんが例のごとく手荒く
迎えてくれた。
「ご主人、島の魔物は退治しました。
これでヒノキを採取できますよ。」
「何、本当か!
ありがてぇ、テメエら義勇軍を
すこ~し見直したぜ!
よぉし、これで宿を増築できる、
宿泊客が増えればなんとか
重税も払えそうだ。
じゃあ約束通り、大聖堂までの
道のりを教えてやろう。」
よかった、なんとか話が前へ
進みそうね。
「宇宙政府がこのヨンツゥオ大陸を
統括する為の拠点、それが大聖堂だ。
大聖堂からヨンツゥオ湾を北上すれば
ジリョン城があり、ジリョニスタの塔がある。
この3つの建造物はこの大陸における
宇宙政府の重要施設ってワケだ。
で、テメエ達部外者が大聖堂へ行くには
通行証が必要だ。
通行証はここから北へ進んだ先にある
キュウウェルの関所で発行されている。
大聖堂へ行きたけりゃ、さっさと
関所へ行きやがれっ!!」
「わかった、わかった、どうもありがとうよ!」
「宿屋が大きくなったら
またみんなで遊びに来ましょう。」
「いいや!!テメエら義勇軍は
お断りだ、二度と来るんじゃねえぞ!
・・・けど、チィゴ島の魔物の事は
助かったぜ、ありがとよ。
ここから関所までは少し距離がある。
これでも持っていきやがれ!」
そう言うと、主人はカウンターの下から
干し肉、パン、チーズ、ドライフルーツなど
保存食と水を取り出した。
「長旅をする宿泊客に出してるものだ、
特別に無料サービスだ、
その代わり、二度と顔見せんじゃねえぞ!」
「ご主人!お気遣いありがとうございますっ!
遠慮なくいただきます!」
「口は悪くても案外親切なご主人ですね。
こんなに食料をくれるなんて。」
うん、ご厚意ありがたく!
態度とは裏腹に少しはアタシ達を
応援してくれてるんだろう。
けど、この宿では政府の被支配層の
人々の、苦しいリアルな生活の声を
聞くことができた。
アタシ達が良かれと思い、
政府への反抗を示す裏で
庶民のみんなを苦しめてしまう事も
あるという事を教わることができた。
それもアタシ達は肝に命じなきゃ
いけないわね。
さて。目指すはヨンツゥオ大聖堂。
いよいよ宇宙政府の中核に
迫ろうとアタシ達はしている。
ここから先は心して旅をしなければ。
アタシ自身の悩みや庶民のみんなの
苦しい実生活。
様々な思惑を抱えながらも
アタシ達はキュウウェルの関所を
目指した。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
3番隊と星屑魔法団の一行は
「星屑サーカス団」として身分を偽り
宇宙政府から身を隠していた。
ある時現れた白いスライムナイトの
調略により星屑魔法団は3番隊の元から
姿を消してしまう。
消えた魔法団と宇宙政府の上級執行官
との接触を阻止するため3番隊は
奮闘するが返り討ちに遭いコッツ以外の
隊員は捕虜となってしまった。