魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌。
「やぁお役人さん、オイラ達またまたやってきたぞ!」
「ぐっ!!」
通行官アクルというこの魔物はアタシ達の顔を
見るなり強張った表情を見せた。
アタシ達が生きてこの場所に帰ってくるなんて
思いもよらなかったでしょうからね。
「オイラ達、大聖堂に用があるんだ、
ピエールから聞いてると思うけど
此処を通過させてもらうぞっ!」
「くっ!
こ、此処を通るには通行証が必要と
言っただろう!?
君たち、執行官候補者様から通行証を
発行してもらったとでも言うのか!?」
「ふふ〜ん、お役人さん!
もう無駄なお芝居はお互いやめようぜ!
オイラ達、全部知ってるよ、他でもない
ズデーロンが全部教えてくれたからなぁ!」
「な、何のことだ!?
わ、ワシは規定通りの事を申しているまでっ!
通行証がないと此処を通すわけにはいかんっ!」
ええいっまどろっこしいなあ!
アタシ達は急いでるの、ここでコイツの
お芝居に付き合ってる暇はない!
「・・・どうしても通行証を見せろって
言うんならこれでどう!?」
グサッ!!
アタシは抱えていた自分の背丈の倍は
ある細長い包みからソレを抜き出し
アクルの目に前に突き刺した。
「こ、これは!?ズデーロン様のっ!?」
それはズデーロンが握っていた剣。
ところどころ刃がこぼれてるけど、知ってる者が
見ればすぐさま所有者が誰だかわかる
特徴的な剣。
「この剣が何を意味するか、わかるでしょ
アンタなら。
アタシ達を使って賭け事みたいなことを
やってたんでしょう?
でも残念だったわね、アンタのご主人様は
もうこの世にいない。
賭けはアタシ達の独り勝ち?
大穴が当選したって事になるのかな?」
アタシは、コイツらがアタシ達の事を
賞品扱いした事を根に持ったような
言い方をしてやった。
あんまりにも愚かで腹が立ったからね!
「ぐぐぐぐ、ま、まさか本当にお前達が
ズデーロン様を倒したとは・・・。」
ようやく本性を現したわね。
「く、クッソォ!
よくも我らの計画を潰してくれたなぁ!
おのれ・・・」
ビッ!
アタシ達に襲いかかろうという仕草を見せた
アクルの喉元にジョギーが剣を抜き切っ先を
あてる。
「やめておきなさい、アタシ達は無駄な
殺生はしたくない、アンタ如きでは
アタシ達には勝てないわ。
命を無駄にせずズデーロンに向けて念仏でも
唱えてればいい。
ってワケで此処は通させてもらうわっ!」
アクルはヘナヘナと、その場に崩れ落ちた。
ようやくアタシ達はキュウエルの関所を
越えた。
目指すはヨンツゥオ大聖堂!
今度こそ魔法団に会ってセアドに心変わりの
真相や新しい魔星王の事を聞かなくっちゃ!
それにオリオリの気持ちをどう考えているのか、
問いただしてやんなくちゃ!
アタシ達は自然、早足になる。
しばらく歩くと入江に浮かんだ巨大な
円形の建造物が見えてきた。
あれに違いないっ!
大聖堂が建っている小島に向けて架かっている
桟橋を渡り、とうとう入り口にたどり着いた。
「皆さん、やっと上級執行官の居城と
言われるヨンツゥオ大聖堂にやってきました。
ここはこの大陸における政府の最重要施設です、
どんな強力な魔物が潜んでいるかもしれません。
心して突入しましょうっ!」
オリオリが皆の士気を高める。
うん、ホントに、どんな強敵が待ち受けて
いるかわからない。
野営を一晩取ってくれたおかげで疲労感は
少し和らいでいるもの、不覚を取るわけには
いかない!
「さぁ!突入ですっ!」
ガタンッ!!
扉を勢いよく開けアタシ達は聖堂内へ
踏み込んだ!
魔物の気配をたくさん感じるっ!
全て相手をしていてはたちまち疲労感が
襲ってくる、アタシ達は全力疾走しながら
最上階を目指した。
嵐のように魔物が群れをなして襲ってきたけど
アタシ達は足を止めず走りながらスキルを
撃ち、進行を邪魔する魔物だけを
倒していった。
1階、2階、3、4・・・そしてとうとう
最上階までたどり着いた。
そこには。
魔法団らしき姿は・・・やはりなく、
代わりにいつもの、白いスライムにまたがった
ソイツが居たの。
「やぁ義勇軍の諸君っ!
無事ここまで辿り着いたようだな。」
書がひとりでに動きアタシ達の前まで移動し
オリオリが現れる。
「ピエール!
約束通りここまでやってきましたよ、
星屑魔法団はどこです!?」
「オォ、麗しきオリオリよ、無事でよかった。
・・・それでは今から貴女の愛する夫セアドに
会わせよう・・・と言いたいところだが!
その前に聞かせてくれ、答えは決まったかい?
直ちに義勇軍を解散し私と共に宇宙政府に
参加し、政府を内部変革させるのか?
という問いの答えを!
さぁ、オリオリ!」
「答えなど、何度も言っている、お断りよっ!
私が宇宙政府に参加するなど天地が
ひっくり返ろうともあり得ないっ!!」
「な、なんとっ!
貴女のご両親が宇宙政府に忠誠を誓いながらも
宇宙王の末裔だという血筋のせいで処刑されて
しまった事、まだ根に持っているのか!?」
オリオリとピエールの激しい論戦が
繰り広げられている。
けど、根に持つって!
根に持たない方がおかしいでしょ!!
やっぱりコイツ、自分の尺度でしか
話せないのかしら!?
ホンットに自分の事しか見えてない!
「上級執行官候補だというヤツらを見ただろう!
奴らは!
組織の敵である貴女達を、協力して倒す、
などと言う発想すら持ち合わせず、
挙句、それぞれ単体で戦い貴女達に敗れた。
とても統率の取れた集団とは言えんっ!
付け入る隙はいくらでもあるんだ、
組織に入り暗躍するのは容易い事なんだ。
それに。貴女の愛しい夫セアドも政府に忠誠を
誓っているぞ!」
「そんな筈はない、私とセアドは手を取り合い
義勇軍を作った。私はセアドを信じている、
私の考えはセアドの考え、彼が政府に忠誠を
誓うなどあり得ないっ!」
「残念だな!
ヤツはすでに政府の犬だっ!!」
「・・・それはアナタの事でしょ、
ピエール・・・。」
「・・・っ!」
「政府を内部から変革させるなどいう
幻想に取り憑かれ、その実、やっている事は
政府の魔物達の行いと何ら変わりはない!
その事に気づきもせず自分だけは他者とは
違うというその排他主義!
子供染みすぎて陳腐すぎるっ!
一度でも政府に関わると知らず知らず己も
政府の色に染まってしまうという事実を!
皮肉にもアナタが証明してしまっているっ!
これを政府の犬と言わずして何と言う!?」
オリオリがキメのセリフをピエールに放つ。
アタシも全くの同感!
ピエールこそが宇宙政府の手先かのような
数々の振る舞い、内部変革というのは
既に建前になっているとアタシも思う。
「うぬぬぬ、ここまで私を愚弄するとは!
こんなに丁寧に説いているというのに、
そんな私より義勇軍を裏切ったセアドを
信じるというのか!」
「さっきからそう言っています。」
「くっ!ならば!力づくよっ!!」
!!
ピエールから殺気が漂い始めた!
「宇宙政府にっ!いや、この私に異を唱え
続ける諸君らを成敗いたすっ!!
お望み通り血の雨を降らそうではないかっ!
さぁ、冒険王諸君、武器を取れ!」
「モガーーー!やっぱりイヤな予感が当たった!
ピエールと戦うハメになっちゃったぞー!」
とうとう本性を現したわね、やっぱり
戦う事でしか解決しようとしない。
もう既にアンタは政府の魔物でしかないっ!
「ハハハハハ、一度手を合わせてみたかった、
政府の魔物達をことごとく葬ってきた
諸君らの実力、この私が試してやろう!
かかって来いっ!!」
ピエールが戦闘態勢に入る。
アタシはモガ丸達にすぐさま指示を飛ばすっ!
「モガ丸っ!スラッピっ!
物陰に隠れてっ!オリオリを守るのよっ!
コッツっ!コイツは今までの魔物とは
比べものにならないぐらい強い!
アナタも戦闘に参加して!」
「リ、リ、リザ殿っ!!
りょ、了解しました!コッツ感激です、
リザ殿から戦力として見なされている事!」
「あ〜〜〜わかった、わかったっ!
けど今はそんな呑気な事喋ってる場合じゃ
ないよっ!!」
「は、はいっ!」
「モガ!オリオリの事は任せとけっ!
リザっ!思いっきりやってやれぇ!」
各自、所定の位置につく。
さぁアタシ達も戦闘態勢は整ったっ!
「ほぉぉ、私に対して最大限の警戒を
しているようだな、これは光栄!
しかし賢明な判断だ、さすが冒険王!
では参るぞっ!」
・・・いちいち自分の事に置き換えて
喋るのやめてくんないかな、どんだけ
ボク好き〜、なのよっ!
アタシは杖を握り、意識を集中させた。
ブゥウウウウン
アタシの周囲にルビス秘術の魔法陣が
広がっていく。
「行くよ!みんなっ!」
いよいよ?とうとう?
ピエールとの戦いが始まるっ!
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府と星屑魔法団の接触を阻止すべく
奮闘するが上級執行官ドアヌの軍勢の
返り討ちに遭い彼女以外の隊員は
全員捕虜となってしまった。
その後、アタシ達と行動を共にし
離脱したボロンの代わりにオリオリの
護衛を務める。
どうやらアタシに憧れを抱いてる模様\(//∇//)\
・関所通行官アクル
上級執行官の居城、ヨンツゥオ大聖堂への
関所を守る宇宙政府の役人。
次期上級執行官としてズデーロンを推し、
彼の執行官就任の為の陰謀に加担していた。
アタシ達がズデーロンを倒したことにより
陰謀は暴かれアクルの前途も厳しいものに
なってしまった。
ハッキリ言って自業自得ʅ(◞‿◟)ʃ
・ピエール
打倒宇宙政府ではなく、内政変革により
平和的解決で宇宙平和を志す男。
あくまで打倒政府を願うオリオリとは
対極に位置する思想と言っていいわね。
宇宙政府の幹部級の魔物達が
軒並みアタシ達に倒され、とうとう自ら
アタシ達を倒そうと立ち上がる。