魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



2ndシーズン第8章[惑星の秘密を知る者]***惑星クラウド・ボォフゥ大陸編***
エピソード1.「漁港の町ハルラ」


全宇宙を支配する宇宙政府。

彼らは、その恐怖政治により宇宙の星々の

民を苦しめていた。

 

政府は・・・ブルリア星に派遣し、アタシ達

冒険王姉弟に倒された魔星王ドスラーデスに

代わる新しい魔星王をここ、惑星クラウドで

誕生させようと画策する。

 

新たな魔星王を誕生させるには、

星の心臓部『コア』と呼ばれる物質と

星屑魔法団が操る“秘術”が必要だった。

 

様々な紆余曲折の末、新しい魔星王は

誕生してしまう。

しかし、魔星王誕生の裏には

星屑魔法団団長セアドのある狙いが

隠されていた。

 

彼は誕生したばかりの魔星王を手なづけ

打倒宇宙政府の為の切り札とすることを

考えていたの。

 

セアドの妻、義勇軍の総司令官オリオリと

反政府運動を展開するアタシ達は・・・

その新しい魔星王が眠る場所へ向うよう

セアドからの“指令”を受けた。

 

その場所は何処かというと・・・セアドが

青雲のオーブに込めたメッセージに

残されているはずだったんだけど・・・

白いスライムナイト『ピエール』・・・

こと義勇軍親衛隊隊長ボロンが・・・

セアドのメッセージがその場所を

語る寸前でオーブを破壊してしまった事に

よりわからなくなってしまったの。

なぜピエールがボロンで、ボロンが

オーブを破壊したかは・・・

長くなるし、思い出すのもツライので

ここでは割愛するわ・・・。

 

アタシ達は全知全能のオンナ『ゼンチャン』

という人物がその場所を知っているかも

知れないという情報を得て・・・

彼女が居るというボォフゥ大陸へと

向かっていた。

 

「モガー!ハルラの港に着いたぞ!」

 

マタセ島の港から飛行船の定期便で

ボォフゥ大陸の最寄りの港ハルラへと

到着した。

アタシ達にとって惑星クラウドでの

2番目の大陸での冒険が始まる・・・

と言いたいとこだけど・・・

そんな呑気な事をアタシ達は言っていられない。

“ゼンチャンはボォフゥ大陸に居る”という

漠然とした情報しか持っていないから・・・

どんどん聞き込みをしなければいけないんだ。

 

「よぉ〜、そこのお嬢ちゃん達ぃ、

採れたての新鮮な魚はどうだい?

今夜の晩御飯はコイツで決まりだぜ!」

 

港町だけあって魚市場が盛況なようね、

漁師のおじさんがアタシ達に

呼び込みをしてきた。

 

「まぁ、イキがいいんですね〜、

お造りでいただいたら美味しそうっ!

・・・けどごめんなさい、おじさん。

私達、急ぎの用があって・・・。

人を探してるんですが・・・『ゼンチャン』

という人物の噂を耳にした事は

ありませんか?」

 

漁師さんの売り込みをさらりと受け流し

コッツがいきなり本題に入る。

 

「ゼ、ゼンチャンだとぉ!?

なんだ?お嬢ちゃん達、ゼンチャンの

関係者かい?」

 

わぁおっ!

いきなりビンゴじゃないっ!!

この漁師さん、ゼンチャンを知ってるんだ!

ん?けど・・・漁師さんの表情が

少し険しくなってる気がした。

 

「わ、私達はゼンチャンとは会ったことは

なくって・・・関係者ではなくて・・・

訳あってゼンチャンに聞きたい事が

あるんです。

その為にゼンチャンの情報を集めようと

しているんです。」

 

「そ、そうか・・・。

いや、俺もゼンチャンっていうのは

噂で耳にした程度なんだがな。

この港よりもう少し奥地の辺りに

ゼンチャンっていう全知全能の神の化身

っていう謳い文句の女が現れるように

なったって聞く。

ただ・・・そのゼンチャンってーのと

因果関係があるのかはわからねぇんだが、

ゼンチャンの噂が流れるようになって

しばらくして、ここら一帯の海で

良くない出来事が多発するように

なっちまってな。

それで俺ら漁師仲間の間じゃあ、ゼンチャン

っていう名前に良い印象をもってないんだ。

だからお嬢ちゃん達がゼンチャンの名を

出したもんだから、ちょいと警戒しちまった、

ごめんよぉ。」

 

ふむむ、全知全能の神の化身・・・

なんか聞くたびに肩書きが仰々しく

なっていってる気がするんだけど・・・。

けど。

ゼンチャンはこの近くに居るんだ。

 

星雲のオーブをピエールに叩き割られた時は

どうしようかと思ったけど。

意外と早くにゼンチャンに会うことが

できそうね。

 

ところで、この一帯の海で起こる

良くないことって何だろう?

 

「実はな・・・漁に出た船がもう何隻も

帰ってこねぇんだ。

捜索もやるにはやったんだが見つからず

じまいさ。

口にしたくはないが・・・もう

助からねぇんじゃないかってな。」

 

「モガー!

それはかわいそうだ〜。

おじさんも心配でたまらないだろうなぁ

・・・。」

 

「あぁ、俺の仲間の船も一隻行方不明の

ままなんだ。

それともう1つ気になることがあってな、

その・・・ゼンチャンが現れたっていう

奥地の村のモンらぁがどういうわけか

この市場でカツオを買い漁るように

なっちまってな。

ちょっと、いや、かなり俺らも

困ってるんだよ。

これもゼンチャンの噂が流れるように

なってから後の事さ。」

 

「え、なんで?

たくさん買ってくれるならおじさん達

儲かっていいんじゃないのか?」

 

「まぁそりゃそうなんだが・・・。

この辺り一帯には海の守り神と呼ばれる

神獣が棲んでいるといわれる島があってな、

その島には毎月カツオを供える習わしが

あるんだ、ところが片っ端からカツオを

買われるもんだから、お供えに回す分の

カツオが確保できねぇんだ。

ひょっとしたら仲間の船の遭難事件は

その守り神の祟りなんじゃあないかって

俺は睨んでる。」

 

なるほど〜、確かにゼンチャンの噂が

流れるようになってから色々と

出来事が起こり過ぎてるわね。

そりゃあ、このおじさん達じゃなくても

ゼンチャンに良い印象は持てないわね。

 

「おじさん、さぞや不安でたまらない

でしょう、心中お察しします。

そんなところ申し上げにくいのですが、

他にゼンチャンに関する情報は

ないでしょうか?

私達はどうしてもゼンチャンに会わなくては

いけないのです。」

 

「ふーむ、そうだなぁ、あいにく俺は

直接ゼンチャンと会った事もないし

関わりもないしなぁ。

おーい、オメェらっ!

例のゼンチャンっていう女の事で

何か知ってるヤツぁいねぇかー?」

 

おじさんは漁師仲間に大声でゼンチャンの

事を聞いて回ってくれた。

すると1人の仲間らしき漁師さんが

それらしい情報を持っていた。

 

「ゼンチャン、ゼンチャンねぇ。

そういや昨日、市場に来てた背の高い男が

ゼンチャンに会う、みたいなことを

言ってたような・・・。」

 

「そ、その男性の名はっ!?

そして、何処に向かうと

言っていましたか!?」

 

「確かドゼウって言う名前だったな、

ここから西にある剛力の像という

場所へ向かうと言ってたぜ。」

 

「その、ドゼウ殿を追いかければゼンチャンに

会えるかもしれませんね、私達も

急いで剛力の像へ向かいましょうっ!」

 

港に着くなりゼンチャンの情報が

かなり多く集まったわ。

漁師さん達の気の毒な話も合わせてだけど(>_<)

 

「おじさん、ありがとうっ!

助かります・・・あ、せっかくなんで

そのお魚いただきますね。

不安な航海の中、獲ってこられたお魚、

ありがたくいただきたいと思います!」

 

「おっ、ありがとうよ、毎度ありぃ!

お嬢ちゃん達、気をつけてな。

とにかくゼンチャンの噂からこっち、

物騒な話ばかりだからな。

それに・・・子どもだけの旅は

危険だろうだからな。」

 

情報のお礼にお魚を購入。

けどそうね、確かに不気味な話の連続だ。

ゼンチャンには・・・なんだか

良からぬイメージを持ってしまったし。

 

と、それはさておき!

今日の夕食は決まりね。

本当にっ!

おじさん達が命がけで獲ってきたお魚、

ホント美味しそうっ!

野営になるだろうけど、今日は

食事が楽しみ(*^^*)

 

「リザッ!

ヨダレが垂れそうだぞっ!

晩御飯の事ばっかり考えてるのか!?

まずはドゼウに会うのが先決だぞっ!」

 

ギクッ!Σ(゚д゚lll)

アタシ、そんなに締まりのない顔してた

のかしら、モガ丸にツッコまれちゃった!

 

「ふふ、リザ殿ったら、やっぱり可愛い〜❤︎

お魚のことで頭が一杯なんですね。」

 

キャ〜、コッツまでっ!

ダメダメ、最近はモガ丸とコッツが

セットでアタシをイジってくるのが

定番になりつつあるぅ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

アタシはひとまずお魚の事を頭の片隅に

追いやり、早足で港町から出発した。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府との抗争のさなか、自分を除く3番隊の
隊員全員を政府に捕虜として奪われてしまう。
その事に深く後悔と自責の念を抱きながらも
アタシ達と共に懸命に冒険を続け、
上級執行官候補者やピエールとの戦いでは
実際に戦闘に参加するなど戦力面でも
成長を遂げる。
アタシに憧れを抱いている模様\(//∇//)\

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