魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



エピソード3.「神への冒涜者」

「ここがキジキ村、オラの住んでる村だべ。」

 

ハルラの港からほど近い北の山麓に

ドゼウの村があった。

ここにゼンチャンが来ているなら、

早々に会って詐欺まがいの行いの

真相と、クラウドのコアが眠っている場所を

知っているのか、を確認しなければ。

 

と、村の中央であろう方角から

何やら騒めきが聞こえてきた。

 

「リザ殿、あれはなんでしょう?

何やらたくさんの人達が踊っている

ようです。」

 

ホントだ、踊ってる・・・。

村祭り・・・なのかしら?

そういう時節なのかしら?

 

ただ、踊っている人々の表情は・・・

お祭りを楽しんでいるようには・・・

とても思えなかった。

 

「あれは・・・!

『カツオ節踊り』だべ、あれサ踊れば

幸せになれるってゼンチャンに

踊らされてるんだ、確かにあの踊りは

この辺りの人間にとっては神聖なお祈りの

踊りだけんども、決してゼンチャンを

崇めるために踊るものではねぇっ!

みんなゼンチャンに騙されてるだっ!」

 

!!カツオ節踊り!?

 

 

確か漁師のおじさんは奥地の人達が

カツオを大量に買い漁ると言っていた。

それとこのカツオ節踊りと何か関係が

ありそうね。

それに・・・。

神聖な踊りだけどゼンチャンのための

踊りではない??

では一体誰に祈るための踊りなんだろう?

 

「ゼン様を悪く言うな。」

 

と、アタシ達の背後から怒気を含んだ

女性の声が飛んできた。

 

「ずおっ!カラちゃんっ!」

 

「バカドゼウっ!

なぁんも知らんクセにゼン様を悪く

言うんじゃねぇっ!」

 

「モガっ!

ひょっとしてドゼウの奥さんか?」

 

振り返ると、不機嫌そうな顔をした

若い女性が立っていて、ドゼウに向かって

いきなり罵声を浴びせてきた。

 

「カラちゃんっ!いい加減目を覚ますだっ!」

 

「うるさいっ!黙るだっ!

おまんなんかもう知らんっ!!」

 

アタシ達には目もくれず、ものスゴイ剣幕で

その女性はドゼウを罵倒し始めた。

アタシ達は名乗るタイミングすらなかった

(o_o)

 

「ちょっ!カラちゃんっ!

ど、どこ行くだっ!?」

 

「カツオ節まぶしに行く。

ゼン様が潮の祠さ来てるだ。

だで、私はカツオを獲りに行く。

ついてくんなよバカドゼウっ!」

 

「ぬおっ!!

さっきからバカバカって言うな、ボケっ!」

 

「モガ〜、まるで子どものケンカだな〜

まいったぞ・・・。

ドゼウの奥さん、ゼンチャンと定期的に

会ってるなら話を聞きたいところだけど

・・・。」

 

「とてもそんな雰囲気じゃなさそうですね。」

 

確かに(>人<;)

会うなりこれだもんね。

夫婦ってここまで歪み合えるもの

なのかしら。

アタシ達、オリオリ達のようなお互いを

信頼し合う夫婦を間近で見てるもんだから

ドゼウ夫婦のやり取りに面食らって

圧倒されてしまった(>_<)

 

それにしても。

カツオ節を崇める?神聖視?するのが

ゼンチャンの教えなのかしら。

それって漁師のおじさんが言ってた、

海の守り神にカツオを供えるっていう

習わしと関係あるのかしら?

 

「ずぉぉぉ!カラちゃーんっ!

おまん、カツオを獲りに行くって、

どこさ行ぐつもりだーっ!?

ま、まさかオリハルゴンの島じゃ

ねぇべなぁ??」

 

「う、うるさいっ!!

ぜってぇついてくんなよ、ドゼウ!!」

 

そう叫ぶとドゼウの奥さん、カラは村を

飛び出していってしまった。

 

「カラちゃん、きっとオリハルゴンの島さ

いぐつもりだ。

お、おまんら、オラはカラちゃんを

追いかけて島さ渡るのやめさせる、

悪りぃがゼンチャンの居場所に

行くのはその後にしてくんねぇか?」

 

「モガー!

なんだかわかんないけど、オイラ達も

ついてくぞ。

なんかヤバそうな雰囲気だしな!

な?リザ。」

 

そうね、色々と疑問だらけだけど

ドゼウの奥さんがただ事じゃないって

いうのは見て取れた。

アタシ達もドゼウに同行しよう。

話は追いかけながらでもできる。

いいかしら?オリオリ?

 

「ええ、カラさんを追いましょう。

それがゼンチャンに繋がることにも

なりましょうし。」

 

「ずお、おまんら、ついてきてくれるのか?

すまん、恩に着るだ、ただ島には

オリハルゴンっていう魔物が棲んでる、

気を付けていくど!」

 

ま、魔物!?

それは危険だわっ!

一般人の、しかも女性が魔物の棲む島に

単身渡ろうだなんてっ!

これは一刻を争うっ!!

 

ドゼウとアタシ達は急いでカラの走り去った

方向へ向かって走り出した。

 

「はぁはぁはぁっ!

待ってけろ〜〜、カラちゃーーーーんっ!!」

 

ドゼウはもう息を切らしながら奥さんの

名前を呼んでいる。

よっぽど心配なのね、いがみ合っていても

やっぱり。

 

「ところでドゼウさん、オリハルゴンとは

一体どういう魔物なのですか?

この辺りの住民に危害を加えるような

悪い魔物なのでしょうか?」

 

「はぁはぁっ、い、いや、オリハルゴン

っていうのはハルラ港の沖合にある

小さい島に棲む・・・はぁはぁ、魔物

なんだが・・・魔物というよりは神獣、

神の使いと呼んだほうが正しいかも

しれねぇ。」

 

か、神の使いっ!神獣っ!?

 

そ、それってまさに漁師のおじさんが

言っていた海の守り神のっ!!??

 

「はぁはぁはぁっ、お、おまんら、し、

知ってか、はぁはぁっ!」

 

「モガ〜、ドゼウ、これ飲めよ!」

 

パシッ!

 

見るからに運動が苦手そうな体型のドゼウが

・・・ただでさえ走るだけでもキツそう

なのにさらには話をしながら走るって

いうのはかなり体力の消耗が激しい

んだろう。

もうほとんど会話にならないぐらいに

息が切れているのを見かねてモガ丸が

水筒をドゼウに放り投げたの^_^;

 

「ゴクゴクゴクッ!

ぷはぁあああ、あ、ありがとう!

い、生き返ったべ!」

 

「ったく〜、リザ達、少しペース落として

進もう。

ドゼウは全然ついていけてないぞ!」

 

そ、そうね、アタシ達は冒険者だから

慣れてるけど、ドゼウも同じように

ってわけにはいかないものね。

けどこんな調子で奥さんに追いつけるの

かしら(⌒-⌒; )

っていうか、奥さんのほうは足が速い

のかしら、全く追いつける気配が

ないわね。

 

「で?

オリハルゴンっていうのはどういう

魔物なんだ?」

 

「はぁはぁ、オリハルゴンっていうのは

実はハルラ港近辺の守り神のような

魔物だべ。そしてカツオが大好物なんだが、

昔はその好物を捕獲するために、度々

ハルラ海に出没してたらしんだ。

海っていってもこの星の海は雲海の下だから

陸からは見えねぇんだがな。

それはさておき、ハルラ一帯は遠い昔から

漁が盛んだ、カツオを捕獲中の

オリハルゴンと漁船がよく鉢合わせに

なったりで不幸な事故も度々あったと

聞くだ。」

 

ふむ、人間と自然、野生動物や野生の魔物

とが生きている以上、避けられない事ね。

特に人間が悪いともオリハルゴンが悪いとも

思えない自然の摂理だとは思うけど。

それがどういう経緯で神獣と呼ばれるに

至ったのかしら。

 

「んで困った昔の漁師達は獲った大量の

カツオをオリハルゴンの住処である

その小さな島に供える事にしたらしいべ。

するとオリハルゴンが海に出没することは

なくなり不慮の事故もなくなり、おまけに

オリハルゴンが直接カツオを獲りに来る

事もなくなったから漁師達の漁獲量も

増えたって話だ。

現代のオラ達からすれば当然の話だな、

オリハルゴンが海に来なくなった分、

人間と鉢合う場面がなくなったんだから。

けどこの出来事が故事となり『オリハルゴン

にカツオを捧げれば航海の安全と豊漁が

約束される』と漁師達、果てはこの村の

周辺の民達の言い伝えになったんだべ。」

 

なるほど〜そういういきさつね。

漁師のおじさんが言っていた内容と

合致する、至極真っ当な話だわ。

 

「ところがだ。

ところがここでゼンチャンが絡んでくるだ。」

 

「モガ?

どういう事だ?」

 

「ゼンチャンは自分を全知全能の神に

なぞらえるためにこの地方の言い伝えを

悪用しちまうんだ。

オリハルゴン=海と漁業の神の使い、という

図式をそんまま自分に置き換えちまった。

この図式にはカツオが神への供物という

意味も含まれているだ、カツオから生まれる

カツオ節を自分に捧げよ、海の安全と

豊漁を願う祈りをカツオ節を持って行え、

そうすれば皆んな幸せになる、という

具合にな。」

 

な、なんと罰当たりなっ!

神の名を騙って詐欺を行うなんてっ!

とんでもない悪党じゃないのっ、

ゼンチャンって!!

 

「そしてゼンチャンを信用した村の人たちは

漁港で大量にカツオを買い漁って

カツオ節に加工しゼンチャンに捧げるように

なっちまっただ。

おかげで本来オリハルゴンに供えるはずの

カツオが市場から消えてしまい、

ゼンチャンが現れてからというもの、

オリハルゴンへのお供えが徐々に減り、

今ではほぼ途絶えちまっただ。

怒ったオリハルゴンは、大昔のように

自ら海でカツオを獲るようになっただ。

しかも、カツオを供えてもらう事に

慣れちまってたオリハルゴンは、いっこうに

供物が来ない事で怒りは倍増、より凶暴に

なってしまったって話だ。

そう、全てゼンチャンのせいだ、

オリハルゴンのポジションを悪知恵で

奪ってしまったんだからなっ!」

 

「ドゼウの奥さん、カラはなぜそんな危険な

島へ行こうとしてるんだ?

まさか、オリハルゴンが獲ってくるカツオを

手に入れようって考えなのか!?」

 

「きっとそうだ、ゼンチャンは

祈りの儀式にカツオ節を捧げさせ、

市場やオリハルゴンからカツオを奪い、

祈りの儀式を行う代償として皆んなから

お金を巻き上げるだ、オラ達夫婦はもう

払うお金がないから代わりに儀式に使う

カツオ節を用意しろ、とでもゼンチャンに

言われてるんだべ、おそらく。

カツオは・・・今やもう市場には

ほぼ出回ってない、だからもうオリハルゴン

が自ら獲ってくるカツオぐらいしか、

この辺りではカツオを用意できねぇんだべ。」

 

そっ、そんな凶暴な魔物と化してしまった

オリハルゴンの元へ行くなんてっ!

カラ、危険すぎるっ!!

 

「そうなんだっ!危険すぎるだっ!

けどっ!自分の命よりもゼンチャンに

カツオ節を捧げるほうが大事だって思うほど

カラちゃんや村のみんなは狂っちまってる

って話だ、オラはそこが恐ろしいっ!

オリハルゴンに殺されちまうより、

オリハルゴンが獲ってくるカツオを

奪おうだなんて考えさせてしまう

ゼンチャンもっ、それに何の疑いも

持てないカラちゃんもっ!」

 

空腹で苛立っている野生動物や魔物ほど

恐ろしいものはないわっ!

急いでカラを止めなければっ!!

 

ドゼウのコンディションが心配だけど、

それよりもカラの命のほうが危ないわっ!

 

ドゼウのためにペースを落としていた

アタシ達だけど再度ペースアップして

カラを追いかけようと、アタシ達は

走り出した。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府との抗争のさなか、自分を除く3番隊の
隊員全員を政府に捕虜として奪われてしまう。
その事に深く後悔と自責の念を抱きながらも
アタシ達と共に懸命に冒険を続け、
上級執行官候補者やピエールとの戦いでは
実際に戦闘に参加するなど戦力面でも
成長を遂げる。
アタシに憧れを抱いている模様\(//∇//)\

・ドゼウ
全知全能のオンナ「ゼンチャン」に恨みを
抱く男性。
どうもゼンチャンはペテン師で、彼の奥さん
がゼンチャンに騙されたあげくお金を
たくさん騙し取られた事が原因で
夫婦は離婚の危機に陥ってしまったらしい。
ゼンチャンの悪事を暴くべく彼女を
必死で探しているらしいの。

・カラ
ドゼウの奥さん。
全知全能の神の化身と嘯くゼンチャンを
モロに信じ込んでしまっている。
そして多額のお金をゼンチャンに
渡してしまい、ドゼウと離婚の危機に
陥ってしまうが、それを悪びれもせず、
逆にゼンチャンを信じない夫を
激しく罵倒する始末。
ゼンチャンの催す儀式に必要な
カツオ節を手に入れる為、
魔物の棲む島へ渡ろうとしてしまうの。

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