魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



エピソード4.「改造バギクロス」

「はぁはぁはぁはぁっ!

ここにっ!はぁはぁっ!わっ若いおなご

がっ!はぁはぁっ!こ、来なかったかっ!?

はぁはぁはぁっ!」

 

「あ、あぁ、ほん半時間ほど前に

エライ形相の若い女が来てオリハルゴンの

島へ行く、と言って気球で出発してったよ。

この頃じゃあ、あの島へ渡るのは危険だぞ

ってかなり念押ししたんだがな、まるで

聞く耳を持たずに飛び出していって

しまった。

そ、それより、お前さん大丈夫かい?

エラく息が上がってるけど?

もしかしてその女の知り合いかい?」

 

自らを全知全能の神と騙り人々から

金品を巻き上げる・・・ペテン師の

ゼンチャンに騙されているドゼウの奥さん、

カラはオリハルゴンという神獣が棲む島へ

渡りカツオを手に入れようとしていた。

 

しかしゼンチャンが現れてからというもの

オリハルゴンは好物のカツオを思うように

捕食することが出来ず凶暴に

なってしまっていた。

 

そんな危険なオリハルゴンが棲む島に

渡ろうとするカラを止めようと

ドゼウとアタシ達は早足でカラの後を追い

ここ、ハルラ港のはずれにある気球船の

発着場へとやって来ていた。

 

「なぁっ!しまっただぁ!

間に合わなかったか〜・・・

カ、カラちゃぁぁぁんっ!!

戻ってこぉ〜いっ!!!

死んでしまうぞぉぉぉぉ!!!」

 

ガクっと膝をつき届くはずもない叫びを

島があるであろう方角に向かって

発したドゼウ。

その叫び声は虚しく雲海に吸い込まれて

霧散する。

 

「えぇ!?あれはお前さんの嫁さんかい!?

そっそれは、かなり危険じゃないかっ!

どうして1人で島に渡らせるなんて事を

したんだ!」

 

「うぅぅっ、と、止めようと思って

ここまで追いかけてきたんだども・・・

ま、間に合わなかったんだ・・・。」

 

「む〜喧嘩でもしたのかい?」

 

「うぅぅ、グス、こんな事になるなら・・・

喧嘩なんかするんじゃなかったぁぁぁっ!」

 

・・・離婚寸前とまで言っていたけど、

いざ命の危険が迫るとなると、やっぱり

心配なのね、ドゼウ、けどっ!

泣いててもどうしようもないでしょっ!

何勝手に諦めてんのっ!

それでも男なのっ!

しっかりしないとっ!

 

「急いで我々も後を追いましょうっ!」

 

「モガー!ドゼウ、お前がカラの無事を

信じなくてどうするんだ!

ホラッ、オイラ達も気球船に乗るぞっ!」

 

「お、おまんら、正気かっ!?

し、島には凶暴になっちまったオリハルゴン

がいるだど!?」

 

え〜い、喋ってるヒマはないっ!

モタモタしてたら助かるものも

助からないっ!

 

「わぁっとっとっ!」

 

有無を言わせずジョギーがドゼウの襟を

鷲掴みにして気球船に乗せる。

 

「大丈夫っ!

リザ殿達がいればオリハルゴンに

やられる事はありませんっ!

ドゼウ殿 っ急ぎましょう!

っていうわけで船頭のオジさん、我々も

オリハルゴンの棲む島まで行きたいのですが

お願いできますか?」

 

「全く、どいつもこいつも命知らずな

ヤツばっかだなぁ。

けどオリハルゴンは今本当に危険な状態だ、

命の保証はできないぜ、オレにしたって

命がけのフライトだからな、こっちの方は

たんまり弾んでもらうぜ?」

 

そう言うと船頭さんは親指と人差し指で

丸く円を作って見せてきた。

 

「ハイッそれはもう、無理を承知で

お願いしてるのですから。」

 

船頭さんにとっても仕事とはいえ

わざわざ危険なフライトをしたくは

ないでしょう、料金の件は仕方ないわね。

 

「ヨォシ、話は決まったっ!

出発するぜ、しっかり掴まってろよ。」

 

留ロープが解かれ気球は上昇を始めた。

急がないと、カラがオリハルゴンに

襲われる前に助けださないと!

 

けど気球船というのは、風に身を任せて

進む乗り物だから・・・任意でスピードを

上げるという事ができない。

追う行為には向いてない。

 

「ずぉぉお!は、早くっ!

もっと早く進めねぇだかー!」

 

「ちっ!マズイな、風向きが悪い。

逆風だぜ、これじゃあスピードアップ

どころかダウンだ。

お前さんの嫁さんが出発した時は

追い風だったんだがな。」

 

「そ、そんなぁっ!」

 

ふむ、風か・・・。

ハッ!

ひょっとすると・・・

できるかもしんないっ!

 

「みんなっ!

しっかり船体に捕まっててっ!

一か八か試してみたい事があるの。」

 

「モガっ!リザっ!やってみたい事って

なんだ!?」

 

「風が逆風だっていうなら、もっと強い風を

起こせば今よりスピードアップできる

んじゃない?」

 

「風を起こす?

あ、そうか、風の呪文だな、リザ姉。」

 

「ふふふ、そうよ、さすが弟ね、

ジョギー。船頭のおじさん、島の方角は?」

 

「あ、あぁ、船体は今、島に向かって

真正面に進んでる。

それよりお嬢ちゃん、何をするつもりだ?」

 

「今からアタシが風の呪文を推進力代わりに

行使する、みんな落ちないように

ちゃんと捕まっててっ!」

 

「え?なんだって!?呪文?」

 

「モガ、おじさん!いいから早くっ!

落ちちゃうぞ!」

 

モガ丸が船頭のおじさんを促す。

全員どこかしら船体に捕まったのを

確認しアタシは呪文の詠唱に入った。

えーと、方向は全方位じゃなく一方向に、

けど威力は最大で・・・。

 

「風の精霊よ、荒れ狂う風巻を呼び

刃とし我が敵を切り裂けっ!

バギクロスッ!!」

 

ビュウオオオオオオ!!

 

凄まじい烈風が巻き起こり気球船の

後方に向けて風は吹きすさび、

船を推し進める。

 

バギ系呪文を調節し、真空の刃は作らず

巻き起こす風だけを利用して気球の

推進力にできないかしら、という

アタシの思いつきだったんだけど

上手くいったわ!

気球はグングン進み、あっという間に

オリハルゴンの島まで到着できたの。

 

「す、すげーな、リザ!

戦闘に使う呪文をこんな風に使うなんてっ!

お前ますます何でもありになって

きてないかっ!?」

 

アタシも一か八かだったんだけどね。

上手くいってよかったわ。

これで通常運転よりも遥かに早く

到着できたはず。

 

「す、スッゲーなお嬢ちゃんっ!

俺ぁ長く船頭やってるが、こんな

フライトは初めてだぜっ!

どうだい、俺と組まねぇかい?

あのスピードで運航できるなら

運び屋として十分な仕事をこなせるぜ!」

 

え、ええっ!?

いやいやいや、魔法は神秘の体現なのヨォ、

まさかそんな事言われると思わなかった

なぁ(-。-;

お金儲けになんか使ったら魔法の神様に

叱られちゃう〜(°_°)

 

「ハハ、冗談だよ!

しかし、いいもん体験させてもらったぜっ!

お嬢ちゃん達一体なにも・・・」

 

「キャーーーーーーーー!!!」

 

っ!!!

 

「カ、カラちゃんの悲鳴だべっ!!!」

 

むぅ、オリハルゴンと遭遇したかっ!?

急がなきゃっ!!

 

「おじさんっ!

ありがとうございましたっ!!

これ帰りの分も入ってますっ!」

 

コッツが急いで往復の渡し賃を船頭の

おじさんに渡すっ!

 

「事態は急を要します、我らはこれにて!

危険ですからおじさんも早く島を

離れた方がいいっ!」

 

「え、お、おい!

こんなにっ!?貰い過ぎだぜ!

それに、アンタらどうやって帰るってんだ?」

 

アタシ達はモガ丸のルーラがあるっ!

おじさんは早く引き返した方がいいわっ!

 

「モガッ!

オイラ達は移動呪文があるから大丈夫っ!

おっさん、気を付けて帰れよっ!」

 

モガ丸がそう言い残すとアタシ達は

悲鳴が聞こえた方角へと走り出した。

アタシ達が乗って来た気球船が着陸した

場所から少し離れた所に無人の気球船が

停まっていた。

きっとカラが乗ってきた気球船だろう。

 

無人だったって事は自分で操船して

来たんだろうか、なんて無鉄砲なっ!

けど、それぐらいに無鉄砲だからこそ、

オリハルゴンからカツオを奪おうだなんて

恐ろしい事もやってしまおうと

思えるのかもしれない。

 

「ずぅおおおおっ!

カラちゃああああんっ!!

待ってろぉぉぉ、今助けるかんなぁ!」

 

あれほど走る時、息を切らしていたドゼウが

信じられないスピードで走っていく。

か、火事場のナントカってヤツかしら、

アタシ達もそれに続く。

 

数百メートルほど走ると前方に巨大な

黒い塊が視界に飛び込んできたっ!

あれがオリハルゴンかっ!?

で、デカイっ!!

 

「あわわわ、たっ助けてくんろ〜!」

 

オリハルゴンと思しき魔物の前で

腰を抜かせているカラを発見した。

よかった、無事みたいっ!

けど今にも襲われそうっ!!

相手は神の使いと言われる神獣、

できれば傷つけたくないけどっ!

そうも言ってられないっ!!

 

「ライデインッ!」

 

バシュッ!!

 

アタシはオリハルゴンの鼻先をめがけ

雷撃を落とした。

 

「グボォォォ!」

 

オリハルゴンは一瞬怯んだっ!

そのスキにカラを助けたいっ!

 

「ずぉぉぉ、カラちゃんっ!!」

 

するとドゼウがさらにダッシュして

加速し、カラとオリハルゴンの間に

割って入った!

す、すごい、やるじゃないドゼウッ!

カラを想う気持ちの強さなのね、

アタシ達の予想以上の身体能力で

カラを守ろうとしているっ!

い、いや、気持ちの強さが本来持っている

身体能力以上のモノを出させているの

かしらっ!?

 

「ヒ、ヒィィ!ド、ドゼウ〜!」

 

「カラちゃん、逃げるど!

さぁ、捕まれっ!」

 

ドゼウがカラを背中に背負いオリハルゴン

から距離を取ろうと懸命に走る。

アタシ達はそれと入れ替わるように

オリハルゴンの前に立ち魔物を牽制した。

 

いよいよ神の使い・・・神獣との対峙っ!

アタシはしかし、この神獣と呼ばれる

魔物と、どう対峙すればいいのか

決めあぐねていた。




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府との抗争のさなか、自分を除く3番隊の
隊員全員を政府に捕虜として奪われてしまう。
その事に深く後悔と自責の念を抱きながらも
アタシ達と共に懸命に冒険を続け、
上級執行官候補者やピエールとの戦いでは
実際に戦闘に参加するなど戦力面でも
成長を遂げる。
アタシに憧れを抱いている模様\(//∇//)\

・ドゼウ
全知全能のオンナ「ゼンチャン」に恨みを
抱く男性。
どうもゼンチャンはペテン師で、彼の奥さん
がゼンチャンに騙されたあげくお金を
たくさん騙し取られた事が原因で
夫婦は離婚の危機に陥ってしまったらしい。
ゼンチャンの悪事を暴くべく彼女を
必死で探しているらしいの。

・カラ
ドゼウの奥さん。
全知全能の神の化身と嘯くゼンチャンを
モロに信じ込んでしまっている。
そして多額のお金をゼンチャンに
渡してしまい、ドゼウと離婚の危機に
陥ってしまうが、それを悪びれもせず、
逆にゼンチャンを信じない夫を
激しく罵倒する始末。
ゼンチャンの催す儀式に必要な
カツオ節を手に入れる為、
魔物の棲む島へ渡ろうとしてしまうの。
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