魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



エピソード6.「偽物だったワケね」

「カツオ節をまぶし身を清め、さぁさぁ

踊れ、踊るんじゃあ!」

 

「ゼ、ゼン様ぁ!」

 

「ん?お、おぉカラか、よぉ戻った。

で?カツオは持って帰って来れたのかえ?」

 

「そ、それが・・・・オ、オリハルゴンは

やっぱ恐ろしぐ巣には近づけず、も、

持ち帰る事は出来ながったです、

も、申し訳ありませんっ!!」

 

「な、なぁんだとぉっ!?

お前、せっかくワラワが『カツオ節まぶし』

を開催してやるっていうのにぃ!

手ぶらで帰って来たって言うのかえ?」

 

「す、すみませんっ!

許してくんろぉ、この通りだぁ!!」

 

「ふふ〜ん、儀式の布施を払えない

貧乏なお前にっ!

妥協案をワラワが示してやったというのに

それすら守れんとは・・・

いい機会じゃ、ワラワの命令が聞けんヤツ

がどうなるか・・・皆に分からせてやるわ、

こっちへ来いっ!!」

 

「あ、あぁっ!

どうか許してくんろ、許して・・・」

 

「待ちなさいっ!!!」

 

「ぬぅ?」

 

物陰から祠の奥の様子を見張っていた

アタシはゼンチャンと思しき者がカラに

乱暴を働きそうになったところで

物陰から飛び出したっ!

 

「なんじゃ、お前は?」

 

「モガッ!コイツはリザッ!

ブルリア星の冒険王だっ!

お前がゼンチャンだな!?

悪さをして皆んなからお金を巻き上げてる

のは知ってるぞっ!

けどもうここまでだぞっ!」

 

アタシ達はルーラでカラの気球船より

一足先にハルラの港に戻り、カラが気球船

で戻って来たところから尾行を続けた。

カラは潮の祠という場所にゼンチャンが

来ると言っていた。

 

カラを説得するのは難しいと判断し

直接ゼンチャンに会って悪事を暴こうと

いう結論に至った。

 

予想通りカラは潮の祠に向かい、

カラの言っていた通りゼンチャンと

思しき人物が村人達を集め怪しげな儀式を

行っていたので、アタシ達はひとまず事の

成り行きを見ていたってワケ。

 

「ワラワを信じぬ愚か者どもがっ!

ワラワは全知全能の神、こやつらを

幸せにしてやるのだ、その報酬として

金を受け取っている、何もやましい事は

しておらぬぞよ!」

 

「黙れっ!

おまんが現れてから村は不幸だらけだっ!

村だけじゃねぇ!ハルラの港一帯まで

不幸の波は押し寄せているだ、何が

全知全能の神だ、このペテン師がぁっ!」

 

「ぬ、ワラワを侮辱するのかえ!?」

 

「ドゼウッ!

お、おまんついてくるなって

言ったんにっ!」

 

「カラちゃんっ!

頼む、目ぇ覚ましてくれっ!

今だっておまんにコイツは酷い事を

しようとしてたでねぇか!?

幸せを呼ぶ全知全能の神がそったら事

するハズねぇべっ!!!」

 

ドゼウがカラの説得を試みる。

するとカラは・・・意を決したような

表情を見せて立ち上がった。

 

「・・・ドゼウ・・・ドゼウッ!

に、逃げるだっ!!

ゼン様は・・・ゼン様は魔物だっ!!」

 

「ま、魔物っ!!??」

 

「コイツはゼンチャンじゃねぇっ!

ゼンチャンになりすました偽物だっ!

は、早く逃げねぇと殺されるだっ!!!」

 

「なっ!この女っ!気づいてたのかっ!!」

 

偽物!?

フン、やっぱりね、そういう事か、

どうりでおかしいと思ったわ。

けど安心した、ゼンチャンがこんな

ペテン師じゃなくて。

魔物だっていうならアタシ達にとっては

話が早い。

 

「ヒヒヒヒ、バレたからにはもう全員

生かしておけないねぇ、ここに居るヤツ

皆殺しだっ!」

 

「ひっ!ま、魔物!?」

 

「ワシらぁ、魔物を神だって崇めてた

のかぁ?」

 

「そ、そんなぁ・・・オレなんか

全財産、お布施に注ぎ込んだんにぃ!」

 

「そ、そんな事よりっ!

に、逃げろぉ!こ、殺されるっ!!」

 

祠に集まっていた村の人達がパニックに

なり、慌てて出口のほうへ逃げ出す。

 

「逃がさないよぉ!

ワラワの正体を知った者がいると

次の場所でイカサマができない

からねぇっ!」

 

そう叫ぶと偽ゼンチャンは逃げ惑う

人達の方へ走り出そうとした。

させるもんですかっ!!

 

「メラゾーマッ!!」

 

走り出そうとする偽物の背中にアタシは

呪文を命中させた。

 

「グヘェぇぇ!!」

 

無防備で背中から攻撃された偽物は

そのまま床に倒れ込む。

 

「皆んなっ!早くっ!

今のうちに逃げてくださいっ!!」

 

コッツが村人達を誘導する。

 

「ガガガ、お、面白い事をやってくれる

じゃないか、なんだってぇ、ワラワに

歯向かうっていうのかえ?

命知らずにも程があるねぇ。」

 

「神の使いオリハルゴンに成り代わり

人々を騙し、オリハルゴンからカツオを

奪いこの地方一帯の良き風習を乱れさせ、

多くの災いをもたらしたペテン師めっ!

アタシがオリハルゴンに代わって

アンタを成敗するっ!覚悟しなさいっ!」

 

ちょっとキメ過ぎなセリフかも

知んないけど、これぐらい言ってやらないと

気が済まないものっ!

 

「フン、ちょっとばかり魔道の心得が

あるの知らないけどねぇ、お前らのような

ガキにワラワを倒せるとでも思ってる

のか!?

出でよ、我が下僕達っ!

もう窮屈な格好をする必要はないぞえっ!」

 

偽ゼンチャンの手下と思しき妖しげな

装束に身を包んだ男達がその装束を

脱ぎ去り、次々と正体である魔物の姿を

現した。

 

「ひ、ひえぇぇぇ、こ、コイツらも

全員魔物だったべかぁ!?」

 

「ドゼウッ!カラッ!

アナタ達も逃げなさいっ!

後はアタシ達にまかせてっ!!」

 

「まかせてって・・・いくらおまんらぁが

つえーって言っでもこれだけの魔物に

囲まれて無事でいられるわけねぇべっ!」

 

「いいからっ!

カラを連れて安全な場所に行ってっ!

これからここは戦場になるっ!

大事な奥さんを危ない目に遭わせるのは

もうこりごりでしょう?」

 

「だっだどもっ!」

 

「キヒヒヒ、逃がさないって言ってる

だろう、お前達っ!取り囲んで

おしまいっ!」

 

手下の魔物達がアタシ達をぐるりと

取り囲んでしまった。

にじりにじりとアタシ達との距離を

詰めてくる。

もぅっ!しょうがないわねぇ!

 

「ベギラゴンッ!!」

 

ヴォオオオオ

 

「ギャッ!」

 

「アガガガッ!」

 

アタシは手下の魔物数体を呪文で攻撃した。

包囲網に綻びを作る。

 

「モガ丸ッ!コッツッ!

今倒した魔物の後ろに物陰があるから

そこへドゼウ達をっ!

頼んだわよっ!」

 

「了解〜!任しときぃ!!」

 

「了解です、リザ殿っ!

ささっドゼウさん、カラさん、

あちらへ避難しましょうっ!」

 

モガ丸達がドゼウとカラを安全な場所へ

退避させたのを確認してアタシ達は

戦闘態勢に入る。

 

「ヒヒヒヒ無駄な事を。

身を隠したところでどのみちここに居る

人間は皆殺しじゃいっ!」

 

「聞こえなかったの?」

 

「は?」

 

「アタシが必ずアンタを成敗してやるって

言ったでしょう?」

 

「ムギ〜うるさいわ小娘っ!

イキのいいのは嫌いじゃっ!

さっさと消えるがいいわっ!!

かかれっ!者共っ!!」

 

偽ゼンチャンの号令で手下の魔物達が

襲いかかってきた。

アタシは杖を掲げ呪文の詠唱を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。

・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。

・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!

・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府との抗争のさなか、自分を除く3番隊の
隊員全員を政府に捕虜として奪われてしまう。
その事に深く後悔と自責の念を抱きながらも
アタシ達と共に懸命に冒険を続け、
上級執行官候補者やピエールとの戦いでは
実際に戦闘に参加するなど戦力面でも
成長を遂げる。
アタシに憧れを抱いている模様\(//∇//)\

・ドゼウ
全知全能のオンナ「ゼンチャン」に恨みを
抱く男性。
どうもゼンチャンはペテン師で、彼の奥さん
がゼンチャンに騙されたあげくお金を
たくさん騙し取られた事が原因で
夫婦は離婚の危機に陥ってしまったらしい。
ゼンチャンの悪事を暴くべく彼女を
必死で探しているらしいの。

・カラ
ドゼウの奥さん。
全知全能の神の化身と嘯くゼンチャンを
モロに信じ込んでしまっている。
そして多額のお金をゼンチャンに
渡してしまい、ドゼウと離婚の危機に
陥ってしまうが、それを悪びれもせず、
逆にゼンチャンを信じない夫を
激しく罵倒する始末。
しかし、それはカラの演技だったの。
彼女は実はゼンチャンが魔物で
ゼンチャンの名を騙る偽物だと
言う事を見抜いていたの。


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