魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌) 作:ジョギー
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^
ようやく処刑の危機から救出できた
全知全能のオンナ、ゼンチャン。
しかし安堵する間も無く再びゼンチャン
は政府に囚われてしまった。
コッツと共に・・・。
ベェルの町でアタシが逃してしまった
政府監視員の報告によってアタシ達の
行動が政府側に筒抜けになってしまって
いたからなの(>_<)
ここら辺一帯の牢獄、処刑場を統括する
役人のボスに連れ去られたゼンチャンと
コッツを救出する為、そのボスの居場所で
あろう『処刑の洞窟』へとアタシ達は
向かっていた。
アタシの判断ミスで起きた2度目の
ゼンチャン囚われ事件、なんとしてでも
今度こそ救出してみせる。
いつも以上にアタシは使命感にかられて
いたの、当然だけどね(/ _ ; )
監獄の砦の役人コモゴモスが処刑の洞窟
への先導役を申し出てくれていた。
彼の先導の元、目的地を目指す。
彼もまた政府への裏切り行為から罪を
問われるハメになってしまっていた。
どうせだったら座して沙汰を待つより
アタシ達と行動を共にしていた方が
安全だもんね、アタシ達もそれは望む
ところだった。
「み、見えてきた。
義勇軍の諸君、あの洞窟がヤツの根城だ。」
深い岩山群のさらに奥にその洞窟は大きな
口を開けるかのように存在していた。
アタシ達を今にも吞み込もうとしている
ように。
書からオリオリが現れる。
「ゼンチャンとコッツを攫った魔物は
『義勇軍の行動は筒抜けだ』とも
言っていました。
あの洞窟に誘い込むのは罠かもしれません
、しかしゼンチャンとコッツがあそこに
囚われている以上、罠とわかっていても
突入しないワケにはいきませんっ!
リザさん達っ!お願いしますっ!
リザさん達であればたとえ罠が待ち構えて
いようともきっと跳ね返してくれると
信じていますっ!!」
もちろんよオリオリッ!
ゼンチャンだけでなくアタシ達の大事な
仲間も捕らえられてるんですもの、
罠だろうがなんだろうが打ち破って
みせるっ!
「・・・あの洞窟は、その名の通り洞窟
全体が処刑場そのものだ、それこそが
罠といえば罠だ。
どんな仕掛けが隠されているか、ワシでも
知らないんだ。
諸君、意気込むのは大事だが慎重に進む
事をオススメする!」
「わかりました、ご忠告ありがとう
コモゴモスさん!
では警戒を怠らず侵入しましょうっ!」
オリオリの号令のもとアタシ達は洞窟内
に突入したっ!
洞窟の中は・・・暗闇が支配していた。
モガ丸が道具袋から松明を取り出し火を
灯す。
「モガ〜、処刑の洞窟って名前だけでも
うすら寒い気持ちになるっていうのに
こう真っ暗じゃ不気味過ぎるぞっ!」
確かに。
松明で多少、洞窟内の様子が視認できる
ようになったとはいえ薄暗いことに
かわりはない。
その光景が余計に恐怖心を煽る。
注意深く歩みを進めるとやがて少し開けた
空間にたどり着いた。
「ここは少し広い空間だな。」
そう言うとモガ丸は松明で辺りを照らして
回った。
すると。
松明の光に反射して何かがキラリと光った
ように見えた。
その光は1つや2つではなく無数だったっ!
「モガ〜?何が光ったんだ〜??
・・・え、ええええええ!!!」
「ピッピピピィッ!!
ピピピィィィィィイイっっっ!!!」
松明の光がこの空間の全容を照らし出すっ!
なんとこの空間の壁一面に剣のような
刃物が無数に設置されていたっ!!
刃は全てこちらに向かっているっ!
無数の光の正体はこれかっ!?
「あわわわ・・・な、なんだこの悪趣味な
壁は・・・!?
お、おぉう!?み、見ろっ!
反対側の壁も同じように剣が設置されて
いるぞっ!!!」
「ピピピィッ!!」
「むぅぅ、この広間は〜〜!
く、串刺しの刑の処刑場かぁ!?」
コモゴモスが恐ろしい響きの単語を発した。
「串刺しの刑〜〜〜??
な、なんておっかないんだ・・・。」
「お、おそらく・・・無数の剣の壁が動いて
両側から挟み込まれるのではないか?
そ、そのような処刑方法があると噂で
聞いた事がある・・・。」
「か、壁が動く〜〜〜???
じゃ、じゃあ何か、今オイラ達が立ってる
この位置がまさにっ!
しゅっ囚人が串刺しにされる場所って
事かぁ?あわわわ・・・」
コモゴモスの言葉を聞きモガ丸は処刑の
様子を想像してしまったのか、足が
震えだしたの。
そしてそのままジリジリと後ずさりを
始めた。
その先にある“踏んではいけないソレ”に
向かって・・・。
「きっ気をつけろ諸君っ!
何処かにこの壁が作動する仕掛けらしき
ものが存在するかもしれんっ!
むやみやたらと移動したり壁に触れては
ならんぞ・・・」
ガタリ!
後ずさりをしていたモガ丸のほうから
何かを踏んでしまった音が聞こえてきた!
「え?・・・オイラ今、何か踏んで
しまったぞ!?
なんか明らかに其処だけ出っ張ってて
・・・モガーーー!!
こ、コモゴモスッ!オイラひょっとして
・・・処刑装置のスイッチを踏んじまった
のかーーーー!?」
なっなんですってーーー!?
も、モガ丸ぅぅぅ、またアンタしでかした
のぉ!!??
ゴゴゴゴゴ
「ぬぅマズイっ!
やはりモガ丸殿が踏んだのは処刑装置の
作動スイッチのようだっ!
け、剣山の壁が動き始めたっ!!
わ、我々がまさに処刑されてしまうぞっ!」
「ひ、ひええええ!!!
串刺しになって死ぬなんてイヤだぁぁぁ」
「ピピピィッ!!!」
クッ!
このままでは全滅だっ!
進んできた道へ引き返すかっ!?
アタシの脳裏に退却の2文字が一瞬よぎる!
進んできた方向を振り返るも・・・
退却が不可能だと思い知らされる光景が
視界に飛び込んできた!
今進んできた通路を塞ぐように別の壁が
現れたのっ!
じゃあ進行方向はっ!?
アタシは振り返り洞窟内部へ進む方向に
視線を送ったっ!
進行方向にも壁が現れて今にも閉じようと
しているっ!!
こっ、これではっ!
本当に剣山の壁に押し潰されて串刺しに
なってしまうっ!!
「みんなっ!急いでっ!!
奥への通路へ向かって走るのよっ!!」
アタシは奥の通路へ向かうよう全員に
指示を飛ばしたっ!!
宇宙王の書を持っているモガ丸とスラッピ
を先頭にして全員それに続くっ!
アタシは最後尾に回って駆け出すっ!!
ゴゴゴゴゴ
剣山の壁は両側から無情に向かってくるっ!
「はぁはぁはぁっ!!!
ダァーーーーーっ!!!!」
先頭のモガ丸とスラッピが閉じかけの壁
の隙間からなんとか脱出したっ!
コモゴモス、レイファン、ジョギーも
続いて脱出っ!
「リザーーーー!
は、早くーーーー!閉じてしまうぞっ!!」
「リザさんっ!!!」
「リザ姉ぇっ!!!」
ク〜〜ッ!!
ま、間に合わないかっ!?
こ、こうなればっ!!
あ、あの呪文でっ!!!
「アストロンッ!!」
ガタァァァァンッ!!!!
「リザーーーーーーーーッ!!!」
「ピピピィーーーーーーっ!!!」
アタシが呪文を詠唱した刹那、両の剣山の
壁は閉じ切ってしまった・・・。
「あ、あ、あぁぁぁ!
リ、リザァァァァァァァァァァァァァ、
お、オイラのせいでぇぇ!!
うわぁぁぁぁぁっ!!!」
モガ丸が閉じてしまった壁に向かって
アタシの名を叫ぶ。
剣山の壁に飛びつき力ずくで開けようと
もがく。
けど壁はビクともしない。
「む、こ、ここを見てみろっ!
作動スイッチらしきものが此処にもある、
おそらく処刑装置を外側から操作する
場合のモノだろう。」
「コモゴモスさんっ!
は、早くそのスイッチをっ!!
リ、リザさんならっ!リザさんなら
きっと生きているはずっ!
は、早く剣山からか、解放・・・して
あげないと・・・。」
オリオリが消え入りそうな声でコモゴモス
に壁の解除スイッチを押すように促す。
「む、むぅ、諸君らの気持ちは痛いほど
わかるが・・・この装置が作動完了して
しまった今、あの魔道士はもう生きては
・・・」
「そ、そんなワケないっ!!!
リザ姉ちゃんが死ぬもんかっ!!!
きっと生きてるっ!!
少しでも息があれば私が呪文で傷を
癒すもんっ!!
だから早く解放してあげなきゃっ!!」
「そ、そうだな、ともかく・・・こんな
恐ろしい装置から解放してやろう。
しかし君らは見ないほうがいいかも
しれんぞ・・・?」
「い、いいから早くっ!
助かるものも助からないっ!!」
「・・・わかった。」
ガタン
コモゴモスが剣山の壁の解除ボタンを押す。
ゴゴゴゴゴ
すると合わさっていた一対の壁が元の位置
に戻るべく動き始めた。
「む、しかし妙だな。
作動が完了すれば壁と壁はピタリと合わさる
のかと思っていたが・・・。
割と大きな隙間を残したまま止まっていた
ようでもあるな?」
「え?そ、それはどういう??」
コモゴモスは違和感を感じたみたい。
作動が完了した、つまり処刑が完了した
壁はもっとピタリと合わさるはずだと。
ふっふ〜ん、そう、その隙間こそが
アタシが生きてる証拠。
ゴゴゴゴゴ
やがて壁が所定の位置まで戻った。
床にはアタシの串刺しの死体が転がってる
はず・・・だった。
「モガ〜・・・リザぁあ、痛かっただろう、
今助けてやるぞ・・・」
そう言いながらもモガ丸はアタシの惨殺死体
を想像したのか、中の様子を直視できない
ようだった。
「むっ!?こ、これは!!!
な、なんとっ!
ハハハハハッ!そういう事だったかっ!!
見てみろ、モガ丸殿っ!!
見てみろ!諸君っ!!冒険王殿は
無事だぁああっ!!!」
「えっ!?ぶ、無事っ!!??」
「えぇ!?リ、リザさん!?」
「リザ姉っ!!」
「リザ姉ちゃんっ!!」
仲間達全員が“処刑現場”に慌てて駆け寄る!
そこにはっ!!
鉄像と化したアタシが転がっていたの!
「モガーーーーー!!??
な、なんだこりゃあ!!??
リ、リザが鉄の塊になっちゃってるぞ??」
「あっ!!そうかっ!!
アストロンっ!!!」
そう、鉄化呪文「アストロン」。
対象を鉄の塊に変化させて敵からの
あらゆるダメージを無効化する究極の
防御呪文。
それをアタシは自分自身に詠唱したの。
処刑エリアからの脱出に間に合わないと
判断したアタシは咄嗟にアストロンを
唱えて危機を乗り越えたってワケ。
剣山の壁と壁がキッチリ合わなかったのは
アタシという鉄の塊が“挟まっていた”
せいだったってワケ。
しばらくしてアストロンの効力が解けて
鉄像だったアタシはみるみる元の姿に
戻っていった。
「うほ〜〜〜〜〜っ!!
スゲーぞリザっ!!
お前ホントになんでもありだな、
ホントに魔法使いみたいだなっ!!!」
イヤ・・・アタシれっきとした魔法使い
っていう職業なんですけど?( ̄^ ̄)ゞ
「リ、リザさんよくご無事で!
や、やはり貴女は偉大な冒険王っ!
このような邪悪な罠すら跳ね除けるとは!」
「むぅぅ、恐れ入ったっ!
なんという発想とそれを実現するチカラの
持ち主なのだ、道理でワシらごときが
叶わないワケだ、素晴らし過ぎるぞ、
冒険王っ!!」
「まさか、アストロンとはな!
流石に今回ばっかりはリザ姉でもダメか
と思ってしまったけど・・・
さすがだな!」
「姉ちゃん・・・よかったぁ!」
皆が口々にアタシの無事を喜んでくれた。
アタシももうダメかって思ったけどね
^^;
それに装置に使われてる剣の材質が
アストロンより強かったらここまで
無傷では済まなかったと思う。
死にはしなかっただろうけど大なり小なり
のダメージは覚悟してたんだけど・・・。
まぁ無傷でラッキーだったわ^_^
「ラッキーって・・・オイラ・・・
ホントにもう・・・リザが死んでしまった
かって・・・うぅぅぅ、けど・・・
ホントに良かった〜〜〜」
モガ丸・・・ゴメンね、心配かけたね。
・・・ってモガ丸っ!!!
そもそもアンタが作動スイッチを
踏んじゃったんでしょう!?
なんでアタシが謝るの・・・ってまぁ
いっかぁ。
それを口にしたら流石にモガ丸でも
凹んじゃうかぁ。
ヨシ、結果オーライ!
余計な時間を使っちゃったわ、引き続き
洞窟内を進もうっ!
ゼンチャンとコッツが心配だわっ!
「今ので身をもってわかっただろう。
この洞窟そのものがトラップの集合体
なのだ。
他にも処刑装置を兼ねたトラップは
まだまだ存在するはず。
より警戒を強めて奥へ進もう!」
「モガッ!
オイラよぉくわかった!そして反省したぞ!
もうあんな思いはゴメンだ、リザ達の足を
引っ張らないようにするぞ!」
そうね、この洞窟のことはパーティ全員が
知らないんだ、今回のことで身をもって
知ることができた。
トラップがたくさん仕掛けてあることを
想定内にしなきゃね。
この洞窟そのものが巨大なトラップで
あること、それを実感しながら、
アタシ達はゼンチャンとコッツを救出する
べく、さらに洞窟の奥へと進んだ。
★★★登場人物★★★
・魔道士リザ
本編の主人公、つまりアタシ。
職業は賢者。
偉大な魔道士を目指すべく
日々、冒険を通じ修行をしてるの。
・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスター。
得意な武器は剣。
・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動に優れ、オンステージという
スキルで味方をサポートする役割が多い。
・モガ丸
モモンガ族。
おっちょこちょいで時に空気を読まない
発言が多い。けど憎めない、アタシ達の
一番の友達であり理解者。
・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉を話すわけじゃないけど
モガ丸だけはスラッピの話している
ことがわかるらしい。
実はスラッピが人間の言葉を話すと
関西弁だということが判明。
・オリオリ
冒険王の書に似た『宇宙王の書』という
本から現れる謎の女性。
その正体はかつて全宇宙を平和に治めていた
宇宙王の末裔。
かつ宇宙政府打倒を目指すレジスタンスグループ
『義勇軍』の総司令官。
実は既婚者だという事が判明。
これにはアタシもビックリ!
・コッツ
義勇軍3番隊の女性隊長。
宇宙政府との抗争のさなか、自分を除く3番隊の
隊員全員を政府に捕虜として奪われてしまう。
その事に深く後悔と自責の念を抱きながらも
アタシ達と共に懸命に冒険を続け、
上級執行官候補者やピエールとの戦いでは
実際に戦闘に参加するなど戦力面でも
成長を遂げる。
アタシに憧れを抱いている模様\(//∇//)\
・コモゴモス
宇宙政府の役人。監獄の砦の責任者。
アタシ達と戦い敗れるも、本心ではゼンチャンの
処刑に反対していたので砦を通してくれた。
冤罪に近い罪で人々を逮捕する政府の方針に
常々嫌気がさしているという、宇宙政府に
ありながらも心ある魔物。