魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



2ndシーズン第10章[再会と決別]***惑星クラウド・ボォフゥ大陸編***
エピソード1.「抑えがたい魔力」


星見るチカラ。

アタシ達冒険王姉弟に備わっている

不思議なチカラ。

それは初代冒険王である祖父ガイアスから

受け継がれたチカラ。

 

うーんと、「これが星見るチカラの概要」

っていう明確な答えはないんだけど。

例えば・・・目を瞑って星全体に思いを

巡らせると・・・その星の・・・

一度訪れた事のある場所を“霊視”できたり

・・・遠く離れた場所でも、割と近い場所

でも・・・そこに居る邪悪な者の気配を

感じ取る能力とか・・・そういう能力達

も「星見るチカラの一端」だと言えるかな。

 

そんな星見るチカラの1つに・・・

異空間に存在する「職業神ダーマ」を相手に

いつでも修行を行える、っていう能力が

あるの。

 

実際にアタシ達の実体が異空間に飛ぶ

ってワケじゃなく、念じると意識だけが

ダーマ様の居住空間に移動する、って

カンジかな〜。

 

そこで思念体となったアタシ達にダーマ様

は稽古をつけてくれるの。

アタシ達は日々、冒険を続けてるからね。

いつでもどこでも思念体となって修行を

行えるのはアタシ達にとって非常に

有難い能力なの、この星見るチカラは。

 

そして今日もダーマ様との修行に赴く。

 

「おはようございますっダーマ様っ!

今日もよろしくお願いしますっ!!」

 

「うむ、今日もやってきたかリザ達よ。

では早速修行に取り掛かろう。」

 

ダーマ様との修行は・・・アタシ達が

ブルリア星で冒険をしていた頃から・・・

冒険当初から続いている。

もう日課のようなものね。

 

「ゆくぞっ!『彗星連撃』っ!」

 

ガシュッガシュッ!!

 

「グッ!」

 

ガキィンッ!

 

「そらっ!ガードの後は固まっていては

いかんぞっ!

すぐさま次の手を繰り出してくる敵に

注意しろっ!!」

 

「は、ハイッ!!」

 

「ベギラゴンッ!!」

 

ダーマさまが攻撃呪文を行使するっ!

 

「くぅっ!マジックバリアーッ!!」

 

ギュイイイン

 

「フッ詠唱を省略したバフか!

お前ほどの呪文使いになると補助呪文

すら一瞬で唱えおる・・・恐ろしいわい。」

 

「オンステージッ!」

 

ピュイイイイ

 

レイファンもすかさず踊るっ!

 

「己を極めるっ!!」

 

バシュッ

 

ジョギーは自身の怒りという感情と

パワーの増幅を自分のモノとして

自在に操るっ!

そして間髪入れずに攻撃スキルを繰り出すっ!

 

「ハァァァッ!『超ビッグバンッ』!!」

 

キュウイイイドガァアアアア

 

「ムゥッ!!グハァッ!!」

 

アタシもそれに続く!

 

「炎の精霊グァモン・カリクティスよ、

紅蓮の炎でっ!我が敵を灰燼と化すまで

焼き尽くせっ!!メラガイアーッ!!」

 

ボォォオオオオオオ

ドガァァアアアアアアア

 

「オォォォオオオオオッ!!!」

 

アタシ達のコンボがダーマ様に炸裂した!

ダーマ様の膝が落ちた。

肩で息をしてらっしゃる。

 

「ハァハァハァ・・・よ、よぉし、今日は

ここまでだ。」

 

「ハァハァハァッ・・・あっ、ありがとう

ございましたーっ!!」

 

アタシ達姉弟は一礼をする。

今日もダーマ様との修行が終了した。

 

「・・・フッ・・・もうそろそろ我の

チカラではそなたらには敵わぬように

なってきたのぉ。」

 

「いえ、アタシ達は・・・まだまだ未熟

です、そんな事おっしゃらないでください

ダーマ様。」

 

「ふん、お世辞にも程があるわい。

しかしそうやって謙虚なる姿勢こそが

己をさらなる高みへと上げることであろう

、その心を忘れるな。」

 

「はいっ!ありがとうございますっ!

ダーマ様っ!!」

 

「時にリザよ。」

 

「は、ハイッ!」

 

「先の戦い・・・何といったか・・・

そうそう、惑星クラウド、ボォフゥ大陸

だったか、そこの洞窟であったか。」

 

「は、はぁ?」

 

ダーマ様がアタシに問いかける。

 

「あの地でそなたが放ったメラガイアー、

あまりの威力に洞窟もろとも破壊して

しまったそうだな?」

 

ギクリッ

 

あ、アタシが大失態を犯した事を・・・

ダーマ様はご存知だった・・・

ヒャア〜叱られるのかしら〜:(;゙゚'ω゚'):

 

「そなたの体に眠る魔力・・・我でも

計り知れんぐらいの量なのかもしれぬ

・・・そなたの体・・・器に収まりきらん

ほどのな。

どうじゃ?最近、魔力が暴走する事が

頻繁に起こってはおらぬか?」

 

・・・そういえば・・・宇宙政府の・・・

卑劣な魔物を相手にした時・・・怒りで

我を忘れた時必ず魔力が暴走している

ような気がする・・・。

 

「そなたらの・・・純粋な戦闘力は・・・

もう既に我を軽く凌駕している・・・

しかしその強大な力を己の意志で

コントロールできんうちはまだまだ

ヒヨッコと言わざるを得んのぉ。

卑劣な敵に対し怒りを覚えるのは悪いこと

ではないが・・・そなたらは自分で

思っている以上のステータスを持っている

ゆえ、怒りでそれが発現し、自分で

思っている以上の力を出してしまう処まで

到達している、その事をゆめゆめ忘れるで

ないぞ。

護るべき者まで傷付ける事になって

しまうゆえな。」

 

うぅぅ、処刑の洞窟での戦いはっ!

今まさにダーマ様の仰った通りの出来事。

やっぱり言外に、ダーマ様はアタシを

戒めてらっしゃるんだ・・・。

 

「それではのぉ。また来るがよい。」

 

「あっありがとうございましたっ!」

 

ダーマ様は異空間の狭間に姿を消し

アタシ達も思念体から実体に戻った。

 

「・・・やっぱりダーマ様もご存知だった

な、リザ姉のこないだの事。」

 

「体の容量を越える魔力・・・って

仰ってたね、姉ちゃんどんだけ魔力を

抱えてるんだろう!?

なんか体に悪影響とかなければいいけど。」

 

・・・自覚は全くないんだけど・・・

実際に自分でも今まで体験した事がない

規模のメラガイアーだった。

そうね、自覚はないけど、アタシの中には

思っている以上の魔力が眠ってるんだ。

無意識になっちゃうとそれが出てきて

しまうかもしれない・・・戦いに於いて

できるだけ怒りで我を忘れないように

しなきゃね、ダーマ様の仰る通り、

護るべき存在まで傷つけかねないもの。

 

処刑の洞窟での出来事が・・・想像以上に

重い事実だって事を思い知らされた

今日の修行だった。

 

「・・・ふぁああ、お・・・おはよぉ

リザ達・・・今朝も早いな、ダーマ様とこ

で修行かぁ?」

 

ようやく救出できた全知全能のオンナ、

ゼンチャンがその能力を発揮できる場所

であるゼンチャンの館に向かう道中、

野営をアタシ達パーティーは張っていた。

その早朝に・・・アタシ達姉弟は・・・

いつものごとく星見るチカラでダーマ様

との修行に”出かけて“いたの。

 

アタシ達が思っている以上にアタシ達の

チカラは大きくなっている・・・

その事実を受けとめなきゃいけないわね。

そして自らの意志でその大きなチカラを

自在に使えるようにならなくては。

 

いつどんな強大な敵が現れるかも

しれないもの。

チカラをセーブしながら戦うという縛り

を持ちながら、そのまま負けてしまった

んじゃ元も子もないしね。

 

うん、アタシ達はまだまだだ。

チカラだけじゃなく、もっと精神的に

強くならなければ。

 

「ふぁあ・・・おはようございます・・・

リザ殿達・・・。」

 

「うぅぅぅ〜ん、・・・く〜〜〜〜っ!

・・・おはよう皆・・・ここからワタシの

館までもう少しよ、半日も歩けば着くわ。

けど野宿なんてダメね、お肌に良く

ないわ。」

 

パーティー全員、目が覚めたみたい。

よしっ!

身支度をしてっ!

腹ごしらえをしてっ!

出発しようっ!

 

「・・・ジョギーちゃぁあん、ワタシの

事、寝込みを襲うとかしなかったでしょう

ね〜〜??いくらワタシが魅力的でも

ダメよぉ?」

 

「え,えぇ!?お、オレ〜〜〜っ!?

ご、ごめん、オレそんな趣味ないからっ

!!」

 

「んもうっ!

別に照れなくていいのよっ!?」

 

「い、いやホントにっ!

無理ですからっ!!」

 

・・・ゼンチャンは通常営業ねƪ(˘⌣˘)ʃ

さて、歯を磨いて、顔洗って、

ご飯にしようっ!

 

ゼンチャンの救出が終わり、ひとまずは

心休まる野営の一幕。

身支度を済ませパーティーはゼンチャンの

館へ向けて出発した。

 

ヒュウウウウウ

 

風が少し強い朝だった。

心なしか、目的地へ進むたび、どんどん

風は勢いを増しているように思えたわ。

 




***登場人物紹介***
・リザ
本編の主人公。つまりアタシ。職業は賢者。
偉大な魔道士を目指し冒険を通じ日々修行
しています。
理不尽な事がキライで宇宙政府の汚いやり方
等を聞かされるとちょっと、ほんのちょっと
気性が荒くなる、と言われます(;´Д`A
恋愛には疎く恋バナはニガテです。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスターで剣が得意。
彼もアタシ同様、日々修行を欠かさずどん
どんm強くなっていて、そのスキルの強さ
にはもうアタシでもかなわないわ。
アタシも負けてられないっ!

・レイファン
末の妹。
職業はスーパースター。
回復行動やオンステージというサポート行動
が得意。
こだまする光撃という最高のサポートスキル
でアタシやジョギーの攻撃を最大限に強く
してくれます。

・モガ丸
アタシ達の冒険の最初からの友達。
戦闘は得意ではないけど見え〜るゴーグルで
宝物を発見したり移動呪文ルーラで冒険の
移動を助けてくれたり、と冒険のサポート
をしてくれる。
種族はモモンガ族で一族には悲しい過去が
あったけど、それを乗り越えて今なお
アタシ達と一緒に冒険を続けてくれてるの。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉は通じないけどモガ丸だけはスラッピ
の話している事がわかるの。
ただ、トラスレの聖水を飲む事でアタシ達
とも会話ができるようになり、実はコテコテ
の関西弁を話す事が判明。
モガ丸のワガママで関西弁で話す事は
禁止されてるけどʅ(◞‿◟)ʃ

・オリオリ
宇宙王の書という本にワケあって閉じ込め
られている美しい女性。
その正体は宇宙王の末裔。
圧政を敷く宇宙政府を倒すため義勇軍と
いうレジスタンス組織を作り反政府運動を
続けている。義勇軍の総司令官。
実は既婚者でセアドという夫がいるの。
義勇軍親衛隊長ボロンとは幼馴染だけど
ボロンが義勇軍を離れ宇宙政府に参加した
上にオリオリに愛の告白をした事により
衝撃を受けてしまったの。

・コッツ
義勇軍3番隊隊長。
3番隊は政府軍に捕虜として連行されていた
けどベェルの町でついに全員無事で発見
され救出された。
コッツは冒険のさなかも部下達の安否に
心を砕いていた。無事の救出でようやく
コッツの心の闇は完全に取り除かれた。
アタシ達と行動を共にするうち、アタシに
強い憧れを抱くようになったらしい\(//∇//)\

・ゼンチャン
全知全能のチカラを持つと言われている
人物。
その正体はオネエだったガーン
その能力ゆえ幾度となく宇宙政府に命を
狙われ処刑寸前に。
アタシ達は心ある宇宙政府の役人コモゴモス
の協力もあり、なんとかゼンチャンを救出
する事に成功したの。
その全知全能の能力は未だ未知数。
それを発揮するには彼女(彼)の館に行かない
とダメみたいで。
現在、その館を目指している最中。
アタシはどうしても彼女(彼)のキャラが
受け付けられなくて、極力絡むのを内心
避けてるの、これ内緒だけどね( ̄◇ ̄;)

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