魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

74 / 80
アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



エピソード7.「明かされる過去」

「ん?なんだお前は?

此処は迫真の洞窟・・・最も今じゃあ

俺達宇宙政府のアジトだ。

見ねえ顔だな。けどスライムに乗ってる

ところを見るとぉ、お前もモンスター

のようだな。」

 

(「フン、雑魚が。」)

 

「・・・宇宙政府とな?

その方ら、政府の手の者と言ったな。

私の事を知らんとは・・・余程の三下

らしいな。」

 

「な、なんだとぉ!!テメェ何様だっ?

俺らに喧嘩売ってんのかぁ!?」

 

「どけ、三下。」

 

ガスガス、ドスッ!!

**********************************************************

「ここがオリオリが子どもの頃住んでた

教会か〜、ようやく辿り着けたな。

・・・けど・・・随分と寂れてしまってる

ようだぞ?」

 

竜巻の脅威を退け、なんとか辿り着いた

竜巻の教会。

此処にピエールとゼンチャン達が立ち寄った

はず・・・なんだけど。

この教会からはピエールのものと思しき

邪悪なオーラは・・・既に感じられない。

確かにゼンチャンの館を出発する時は

こっちの方角から感じられたんだけど。

・・・今は此処ではない、別の場所から

うっすらと感じる程度になってしまった。

 

スラッピのほうはどうかしら?

チャングーのニオイは?

 

「ピピピッピピ、ピッ!」

 

「確かにチャングーのニオイは此処に

残っている、此処に立ち寄ったのは

間違いない、とスラッピは言っているぞ。」

 

そう、此処に立ち寄ったのは間違いない

のね。

では何処へ行ったのかしら?

 

それにしても・・・。

確かに随分と寂れた教会ね。

こんなところでオリオリは過ごしていた

んだろうか?

 

「懐かしい〜〜〜。

目の前にするとありありと蘇ってきます、

幼い頃の記憶が!

しかし・・・モガ丸さんのおっしゃる通り、

随分と寂れてしまっているようです、

一体どうしたのでしょうか・・・?」

 

書からオリオリが現れ、教会を懐かしん

でいる、やっぱり此処が竜巻の教会。

しかしオリオリでさえも、目の前の教会

の様子に驚いている。

オリオリ達が此処から立ち去った後に

何がこの教会にあったんだろう?

 

コンコン

 

「ごめんくださ〜い、どなたかいらっしゃい

ませんか〜〜〜??」

 

ドアノッカーを叩きコッツが来訪を告げる。

獅子の頭部を模した立派なノッカー。

不思議な事に・・・ドアそのものは・・・

かなり劣化というか、ところどころ朽ちて

来ているのに。

そのノッカーだけは美しく磨かれて手入れ

がされているようだった。

 

遠目には無人の廃教会を装いながらも

ここの主が「私は此処に居る」という

強い意志をアピールしているような、

そんな印象を受けた。

 

しかしノックに返事はなく。

再度コッツが・・・今度はさっきより

大きめの声で呼びかける。

 

「すみませーーーーんっ!!

どなたかーーーーーっ!

いらっしゃいますかーーーーッ!!」

 

ややもすると、ギギィとドアがゆっくりと

開き少し大柄な恰幅の良い、修道服に身を

包んだ女性が現れた。

 

「・・・あらあら、どちら様ですか?

此処は竜巻の教会・・・。

しかしご覧の通り、今は朽ち果てた廃教会

です・・・一体こんな所に何の御用で

しょう?」

 

修道服の女性は疲れた顔で応対に出て

くれた。

 

「シスターッ!!シスターイェルバッ!!

あぁ懐かしい〜・・・私です、オリオリ

ですっ!ご無沙汰しておりましたっ!」

 

修道服の女性が現れるなり書から

オリオリが飛び出した。

 

「え?ま、まぁっ!!オリオリッ!

オリオリではないですかっ!」

 

「はいっ!オリオリですっ!

その節は大変お世話になり、ありがとう

ございましたっ!

シスター、お元気そうで何よりです・・・

と申し上げたいところですが・・・

教会が随分と寂れてしまっているよう

ですが・・・?」

 

「懐かしいわねオリオリ。

なん年ぶりかしら・・・シスターは・・・

体そのものは元気なんだけど・・・ね。

教会は・・・この通りボロボロに・・・

それもこれも全部宇宙政府のせいなの

です・・・!」

 

「宇宙政府の?まさか魔物が襲って

来たのですかっ!?」

 

「いえ、襲われはしていないけど・・・

けど脅されてはいます。

ここ最近、この辺りにも政府の魔物が

多く現れるようになり・・・。」

 

イェルバと呼ばれたこの恰幅の良い

シスターは・・・オリオリとの再会を

喜んだものの、教会の現状を伝えるに

つれ、みるみる暗い表情に変わって

いった。

 

彼女が言うには、神へ祈りを捧げる行為

を政府の魔物に禁じられてしまった

らしい。

約束を破れば容赦なく教会や周辺住民

を襲う、と脅されて。

 

この教会が崇める神は主神ミトラ。

アタシ達が行使する呪文の詠唱文にも

よく、その御名が登場するあのミトラ神。

 

そして宇宙王一族が守護神として崇拝

していた神でもあるらしい。

それをいつまでも崇めているのが政府

には面白くないし、危険思想でもある、

という理由から神への祈りやミサと

いった祈りの集まりを禁じたという。

 

ムムム〜、宗教観の違い・・・それは時に

争いを生む理由として小さくないもの

になってしまうんだろうか?

宇宙王一族と宇宙政府の争いとは・・・

ひょっとしたら宗教観の相違から

始まったものなのかもしれないわね。

 

「やがて祈りを捧げる人は誰もいなくなり

教会もどんどん寂れていってしまった

のです。」

 

「そうだったのですか・・・。

神に仕える身であるシスターに取って

みれば・・・それは生き方を否定される

ようなもの、神への祈りは神職者の方々

に取って息をするのと同じぐらいに

当たり前の行い。

さぞおつらい日々を過ごされているの

ですね、心中お察しいたします・・・。」

 

「・・・えぇ、大きな声では言えませんが

・・・今では隠れてコソコソとお祈りを

続ける事しかできないのです・・・。」

 

シスターのやるせない独り言ちを聞き、

一同皆黙ってしまった。

 

「とりあえず中へお入りなさい、外での

立ち話は竜巻の風でツライでしょ・・・

あ、あら?か、風が・・・吹いていない

・・・??

ま、まぁ!これは一体どうした事でしょ

うっ!?

竜巻が弱まる時節でもないというのに?」

 

「え!?あ、そ、そうですねっ!

そういえば風がありませんね!

子どもの私では歩くのもツライぐらいの

風がいつも吹いていましたのに・・・。

久方ぶりに訪れてみて、この辺りの気候

も随分と変わってしまったのかと・・・

勝手に思っていました。」

 

「いえ、昨日までは変わらず、いつもの

通り強い風が吹いておりました・・・。

一体どうした事でしょう??

な、何か・・・良からぬ事の前触れ・・・

!?」

 

「い、いえっ!シスター様っ!

そ、そのような大袈裟な事ではないと

思いますが・・・。」

 

オ、オリオリが・・・風が消えた事の

真相をはぐらかしている・・・、ご、

ごめ〜〜〜んっ(´;ω;`)

ア、アタシがまたまた失態を犯してしま

ったせいでオリオリに嘘をつかせてしま

っているっ(>_<)

 

アタシ達が・・・竜巻を吹き飛ばして

しまっただなんて話・・・シスターの

ような一般の人には俄かに信じ難い話

でしょうから・・・オリオリはとっさに

真相を隠そうと判断したんだろう・・・

うぅぅ、アタシは針の筵に座っている

気分に襲われた!

 

「ふぅむ、不思議です、風が吹いてない

などと・・・シスターは長くこの教会に

仕えていますが・・・こんな事は初めて

です。

ま、まぁ、とにかくお入りなさい。

立ち話もなんですから。」

 

「は、はい。

私がお世話になっていたのはもう10数年

以上も前のこと、久し振りにお祈りを

しとうございます。」

 

「・・・教会は随分荒れてしまってます。

が、祭壇だけは毎日欠かさずお手入れを

しています。

お祈りは政府に禁止されていますが

久し振りにオリオリが訪ねて来てくれた

んですもの、ぜひ祈りを捧げてください。

シスターも嬉しく思います。」

 

「はい!」

 

そう言ってシスターは中へとアタシ達を

招き入れてくれた。

中の様子は・・・確かに見るに耐えない

ぐらいに荒れ果てていた。

あちこちに蜘蛛の巣が張られていて長椅子

は散乱し埃も凄かった。

 

しかしシスターが言う通り祭壇だけは

ピカピカに磨かれていた。

シスターにとっては祈りを捧げる

この場所だけは・・・荒れさせるワケには

いかないという意地、そして信仰心の篤さ

をアタシは感じたの。

 

オリオリは胸の前で手を組み祭壇に向か

って頭(こうべ)を垂れ祈りを捧げた。

アタシ達全員、オリオリに倣って祭壇に

向かい祈りを捧げた。

 

アタシは・・・居座り竜巻を吹き飛ばし

た際の・・・魔力の暴走、チカラの使い方

を神に向かって懺悔した。

 

自分に眠る、自分でも把握しきれない程の

大きな魔力との向き合い方を・・・

上手にやっていかないと、この先パーティ

に迷惑をかけてしまうという自戒をも

誓いながら。

 

一同、お祈りが終わるとシスターがオリ

オリに声をかける。

 

「ところでオリオリ・・・貴方はどうして

また此処に?

貴方とボロン・・・そして貴方達2人と

一緒に亡命してきた孤児達は・・・

宇宙政府に反抗する為、仲間を募り

レジスタンス活動をするんだ、と。

ここから旅立っていきましたね?

貴方達はその後どうですか?

見たところ元気で過ごしているよう

ですが。」

 

「はい・・・とりあえず元気でやって

います、この通り相変わらず宇宙王の書

の中に居りますが・・・。

レジスタンス活動は義勇軍という組織を

立ち上げ、始める事ができ現在も続ける

事が出来ております。

此処にいる少女、コッツも義勇軍の

構成員です。」

 

「シスター様、義勇軍3番隊隊長、

コッツと申します。」

 

「3番隊隊長!

まぁ、お若いのにご立派なのねコッツ。」

 

「いえ、私などまだまだ未熟者です。

しかし、オリオリ様の御身だけは命に

代えてでもお守りせねば、と日々心に

刻んでおります!」

 

「まぁなんと!

未熟者だなんてとんでもない、その志、

並の若者では発言できるものでは

ありません!

オリオリ・・・良き仲間に恵まれたの

ですね。」

 

「はい・・・コッツは本当に良くやって

くれています。

そして私達と一緒に亡命してきた・・・

あの孤児達、あの子達も成長して義勇軍

のメンバーとなりました。

このコッツが指揮する3番隊の隊員と

なって。」

 

「あの子達もレジスタンスグループに!

そうですか、皆頼もしく成長したのですね

・・・それはよかった。」

 

シスターは遠くを見るような目にうっすら

光るモノを滲ませゆっくりと閉じた。

思い出に想いを馳せているようだった。

 

シスターとオリオリが昔話に花を咲かせ

近況を報告し合うのはほっこりして

いいんだけど・・・。

ところで亡命?孤児?って何の話だろう?

孤児達が・・・3番隊のメンバー??

 

「モガ〜?昔話が盛り上がってるところ

すまないが・・・。

オイラ達はオリオリの過去の話はまだ

知らない事が多い。

亡命とか孤児とかってどういう事

なんだ?」

 

モガ丸がアタシ達“ブルリア星組”を代表

して質問した。

 

「モガ丸殿、私の指揮する隊、3番隊の

メンバーは若い隊員が多かったでしょ?

彼らはオリオリ様がこの惑星クラウドに

亡命されてきた折、共にやってきた

子ども達なのです。」

 

「モガ丸さん、リザさん達。

そうですね、皆さんにはお知らせして

いない事がまだありました。

少しお時間をもらえますか?

今からお話いたします。」

 

「モガガ!

も、もちろんだぞ、オリオリの過去は

謎のままの事が多い、是非聞かせて

くれっ、なぁ?リザ。」

 

うん、先日から・・・処刑の洞窟あたり

から・・・そしてゼンチャンの館での

ピエールとのやり取りからも・・・徐々

に明らかになりつつあるけど・・・

そういえばオリオリは・・・この教会で

幼少期を過ごしたとは言え故郷ではない、

とも言っていた。

その辺も含めて聞いておきたいわね。

 

「シスター様も少しお待ちください。

紹介が遅れましたが彼女達はブルリア星

の冒険王姉弟です。」

 

「えっ!?

ブルリア星の冒険王っ!?」

 

「はい、義勇軍の強き味方となってもらう

為、私がスカウトしてきた方達です。

彼女達には私の過去の事でまだ伝えて

いない事があります、それを今からお伝え

しようと思います、シスター様へのお話は

もうしばらくお待ち願えますか?」

 

「ブルリア星の冒険王、こんな若い方達

が・・・しかし異星からの助っ人だなんて

・・・オリオリ、貴方の活動はそこまで

スケールが大きくなっているのですね。

シスターは驚きと感動を覚えています!

ええ、わかりました、先に冒険王の方々

へのお話を済ませなさい。」

 

「ありがとうございます。

ではリザさん達、何からお話をしたもの

でしょうか?」

 

え?えーと、いざ畏まって言われると

何を聞けばいいか困っちゃうわね。

・・・あ、そ、そう!

アタシ・・・うすうすそうじゃないかって

思うようになってて・・・オリオリの

お父様・・・もしかして・・・宇宙王の

末裔どころか・・・その・・・ご本人??

まずそこをハッキリさせたいわ。

 

「・・・気づかれていましたか・・・。

いえ、隠すつもりはなかったのですが

・・・ご推察の通り、私の父は3代目

宇宙王その人、宇宙王ゼナ3世です。」

 

っ!!!!

やっぱりっ!

 

「モガーーーーッ!!

オリオリの父ちゃんが宇宙王っ!!

そ、そう言われればっ!

た、確かにっ!そうだと言われれば

納得できる話が多い気がするぞっ!!」

 

そうよ、そうなのっ!

ただただ初代宇宙王の血を引く、一族の

端くれぐらいかな〜と最初は思ったけど

それにしては王政府の歴史に明るいし!

覚悟とか、宇宙王の嫡流でないと

おかしいぐらいに持ってるしっ!

何よりオリオリ自身の人となり、

人の器、やっぱり宇宙王の娘だって

いうほうがしっくり来るわっ!

 

つ、つまり・・・世が世ならオリオリが

次の4代目宇宙王になるはずだった!?

 

「さぁどうでしょう?

私が子どもの頃に無法者集団のクーデター

が起こり父は王の座を追われてしまい

ましたから。

誰が次の宇宙王に就くか、そういう議論

すらまだ生まれていなかったのではない

でしょうか?

あのまま王政府が存続していれば・・・

私の弟が生まれる、なんて事も起こり

得たわけです、その場合、将来的に

そちらに王位を継ぐというのが本来の

王位継承のあり方でしょうし。」

 

あ、そうか。

けど可能性の1つとしてオリオリ女王

っていうシナリオもあるにはあったん

だろう。

そ、それで・・・亡命って??

 

「私の故郷・・・それは惑星クラウドでは

なく・・・王の惑星アレスという星です。

宇宙王一族は惑星アレスの出身であり

王政府の宮殿もアレスにありました。」

 

王の惑星アレスッ!!

なんて神々しい、尊厳のある名前なの!

宇宙を統べる宇宙王にふさわしい名前っ!

 

そして、そうかっ!

王の住まうアレスを守る集団、宇宙王=

アレスの名の下に宇宙の平和を守る集団

という意味で組織されたのがアレスの聖剣

なのねっ!

 

「私の故郷、惑星アレスは・・・緑豊か

で平和な星でした。

星と星との往来も自由でしたし。

百花繚乱の文化も花咲いておりました。

あの日までは・・・!

あの日・・・無法者集団によるクーデター

が起こり王一族の宮殿は大混乱に陥って

しまいました。

しかし混乱状態だったからこそ、私達は

逃げる事ができたのです。

許嫁であったセアドは私の身を案じ、

この宇宙王の書に魔法を使って私を

封印しました。

それを幼馴染のボロンに持たせ移動の

魔法を使って、この惑星クラウドまで

ワープさせたのです。

その際に、宮殿に仕える多くの者達の

子息も一緒にワープさせました。

先程お話した、後に3番隊の隊員となる

子ども達です。」

 

アタシ達姉弟とモガ丸、スラッピは押し

黙ってオリオリの話に聞き入る。

けどしかし、宇宙王の書にオリオリが

封印されている理由が判明したわ。

セアドがオリオリを宇宙王の書に封印したの

は・・・クーデターからオリオリを守る為

だったのねっ!

 

「父と母も混乱に乗じて宮殿から落ち延びる

事ができたと後から聞きましたが・・・。

その後の動向はリザさん達もご存知の

通りです。

身分を隠し秘密裏に宇宙政府に参加し

内政変革を目指しましたが正体が露見し

そして・・・コモゴモスさんが語った

事実となったのです・・・。」

 

・・・そ、壮絶・・・その一言しか

思い浮かばない。

この麗しき次期宇宙王の女性は・・・

子どもの頃すでに凄まじく悲惨な

経験をしていた・・・!

そしてそんな小さな子どもの頃から

本の中での生活を余儀なくさせられる

運命を辿っていたなんて・・・。

 

アタシには想像もできない苦難の道を

オリオリは歩んできたんだ・・・。

 

「私とボロン、そして孤児となって

しまった宮殿の仕官達の子息らは・・・

セアドの移動魔法にて惑星クラウドの、

この地方に辿り着いたのです。

大人は誰もおらず、子どもだけの集団。

皆、自分達の身に何が起こったのか、

薄々は理解していましたが、やはり

子どもばかりだったので悲しみや不安

といった気持ちで一杯でした。

途方に暮れていた私達を救ってくれた

のが此処におられるシスターイェルバ

でした。」

 

「ええ。貴方達はみな、魂が抜けたような

生気のない顔をしていました。

まだまだあどけなさの残る年頃なのに、

子どもの無邪気さなど微塵も感じられず

みな一様に下を向き誰も口を開く事は

なかった。

しかしお父様やお母様はどうしたの?と

聞くと・・・皆一斉に大声で泣き出して

しまいました。

これは只事ではないと、当時の私は

思ったものです。」

 

「・・・昨日まで平常に暮らしていた

のに、突如として宮殿に魔物達が乱入

してくる・・・幼い子ども達には理解

できない事態であり、そして、ただただ

目の前に迫り来る魔物の恐怖があった。

親を目の前で殺された子もいました。

その恐怖と理不尽さから自己が壊れる

のを防ぐ防衛本能が働き・・・彼らは

生ける屍と化してしまったのかもしれない

・・・。

それが親というワードがシスター様から

発せられた事により・・・恐怖の体験

がフラッシュバックしてしまったので

しょう。

そしてもうパパやママは死んでしまった

んだと・・・幼心に理解したのです

・・・!」

 

「あの時私は・・・とても居た堪れない

気持ちになりました。

しかしオリオリ、貴方は・・・涙を堪え

必死に自分より小さい子ども達を元気

づけようとしていました。

今思えば・・・あの時既に・・・貴方は

リーダーとしての資質を備えていたのです。

まだ小さいのに、なんて立派な女の子

なんだろうと、私は感銘を受けたものです、

しかし同時に不憫にも思いました。

自分もツライ気持ちだろうに、と。

それで私は・・・小さい子ども達は勿論

の事、何よりオリオリを1人にしては

いけないと思いました。

そして貴方達のお世話をする決意をし、

この教会で面倒を見るようになったのです。」

 

「シスター様には本当に感謝しています。

私が本の中になぜ居るのかなど・・・深い

事情はお尋ねにならず・・・とにかく

此処に居なさい、明日から一緒に

生活しましょう、と仰られて。

一夜にして全員が身寄りのない孤児と

なってしまった私達に・・・生きる場所

をお与えになられました。

いえ、場所だけではありません、その

慈しみのお心は・・・親を失くした私達

の心の拠り所でもありました。

感謝してもし切れないほどです。

・・・リザさん達・・・以上が私の

生い立ちです。」

 

・・・プハァッ!

こっ、濃いっ!!濃ゆいわぁっ!!

オリオリの半生のなんと濃密な事っ!

 

そうだとは思いつつも、正式な正統の

宇宙王の血筋のお姫様だったなんて!

そして・・・まだ幼い頃に体験した

一家離散、一族離散の憂き目!

 

生まれはお姫様かもしれないけど・・・

その人生のほとんどを追われる身で

過ごしてきた多難な運命。

それがオリオリという人間を形成して

いただなんて。

オリオリ、貴方って人は・・・。

 

そして・・・。

義勇軍3番隊の若者達もまた、幼い頃に

悲惨な目に遭い、そしてオリオリと共に

なんとか生きてきたんだ。

 

そうか、彼らは牢獄から解放された時、

オリオリを見て皆一様に涙していた。

なんて忠誠心の厚い若者達なのって、

その時はそれぐらいにしか思わなかった

けど彼らの中には・・・悲惨な境遇を

オリオリと共に乗り越えてきたっていう

想いがあるのね。

 

その悲惨なクーデターが・・・ピエール

が言っていた宮殿での出来事・・・。

そしてピエール、ボロンに取っても

教会での日々は・・・イェルバからの

無償の慈愛を受けていた日々・・・

オリオリと孤児達と共に身を寄せ合って

過ごした日々・・・。

 

それを聞かされたアタシは・・・やっぱり

ボロンが義勇軍を離れるという選択肢を

取った事が理解できない、許せない!

オリオリだけでなく、3番隊の若い隊員

もボロンに取っては昵懇の友のはず。

それを・・・!

身の安全を保障していたとは言え、

彼らを政府の軍勢に襲わせるという事態

を招いたしまった彼の選択肢が

ますます許せなくなった!

 

オリオリや3番隊隊員の凄絶な過去、

そしてボロンへの怒り・・・アタシ達の

知らない様々な出来事が衝撃を与え、

アタシ達“ブルリア星組”はしばし口を

開く事ができなかった。

が、やがてシスターイェルバが口を開く。

 

「ところでオリオリ。そういえば・・・。

ボロンの姿が見えませんね。

彼とは行動を共にしていないのですか?

あれほど『オリオリは俺が守るんだ』

って言っていた彼が・・・。」

 

「・・・シスター様・・・実は今日伺った

のは他でもありません、そのボロンの

事なのです。

彼は義勇軍の親衛隊長、つまり私専属の

ボディガードのような役割をこなして

くれていましたが・・・。」

 

オリオリは手短にボロンが義勇軍を

離れ宇宙政府の手先となってしまった事、

そしてオリオリもボロンと決別する覚悟

を決めた事を伝えたの。

 

「つい先日もボロンは我々の前に現れ

ゼンチャンという、えっと、男性と

チャングーというオレンジ色のスライム

を連行していってしまいました。

彼は今、仮面を被りピエールと名乗って

います。

シスター様、ピエールなる者が此処を

訪れませんでしたか?

このリザさんとスラッピさんによれば

この教会を訪れたのは間違いない、と

いう事なのですが・・・。」

 

するとイェルバは黙り込んでしまい・・・

伏し目がちで深い溜息を漏らした。

 

「はぁぁああ・・・なんて事・・・

あの白い仮面の騎士が・・・あのボロン

だったなんて・・・。」

 

「シスター様っ!

それではやはりボロンは此処にっ!?」

 

「ええ・・・。

大柄な男性と・・・少しおかしな格好を

していましたがその男性とオレンジ色の

スライムを伴っていました、間違い

ありません。

白い仮面の騎士、確かにピエールと

名乗っていました。

彼は祭壇で祈りを捧げていました。

どういうつもりで祈っていたのかは

語りませんでしたが。」

 

やっぱりピエールがここを訪れていた!

そして神に祈りをっ!?

ボロンにとってもこの教会は・・・

九死に一生を得た命を育ててくれた大恩

ある場所。

そしておそらくは・・・その頃から想い

を寄せていたオリオリとの思い出の場所

でもあるはず。

何か決意のようなものをミトラ神に

誓っていたんだろうか?

 

「しかし・・・非常に遺憾です、まさか

ボロンが宇宙政府に与するなど・・・。

自分達の境遇を苛酷なものにした相手

に加担だなんて・・・おこがましいけど

・・・私はボロンも含めて・・・此処で

育った貴方達全員の育ての親だと思って

います。

“息子”がそんな愚かな事をしているだ

なんて・・・!

もし先に知っていたなら引っ叩いてでも

行いを改めさせたものを!」

 

シスターイェルバッ!

な、なんてお優しい方なんだろう!

少なくともアタシは・・・ボロンの裏切り

を知った時、腹が立って仕方がなかった。

殺してやりたいとまでは思わなくても

なんて勝手なヤツだ!って・・・憤慨の

気持ちしかなかった。

 

けどこの恰幅の良い修道服の女性は

・・・ボロンの性根を叩き直すと仰った。

血は繋がっていなくとも・・・本当の

親子のような関係が築かれていたん

だろう。

 

「シスター様・・・ピエールは・・・

ボロンはっ!

自分の信じる道に・・・ただひたすら真っ

直ぐなのです、ただ、信じたその道が

・・・私に取っては間違ったものに思える

のですが・・・。

それはさておき・・・ピエールは何処へ

向かったのでしょう?

それらしい事を言っていませんでしたか?」

 

「迫真の洞窟と星雲の洞窟が魔物の根城

となり、そこに巣食う魔物達から教会が

脅されていると伝えたところ、血相を

変えて・・・いえ、仮面を被っていたので

表情は伺えませんでしたが・・・その

魔物達を退治するといって飛び出して

いってしまいました・・・。

私が制止するのも聞かず・・・。」

 

「えっ!?

ボロ、いえピエールが魔物を退治・・・

彼は今、宇宙政府に属しています・・・

そんな彼が政府の魔物を倒す・・・

シスター様、ピエールは間違いなく

そう言ったのですか!?」

 

「はい。

迫真の洞窟と星雲の洞窟とは・・・オリオ

リ、貴方とボロンがよく遊びに出かけに

行っていた場所ではなかったですか?」

 

「あ、あぁ!そう言えばっ!

またまた記憶が蘇ってきました、確かに

私とボロンはその2つの洞窟に出かけて

いました。

その洞窟にはそれぞれ・・・そこにしか

咲かない花が咲いており私はよくお花摘みに

出かけていて、ボロンも一緒に付いてきて

くれていたのです。」

 

「・・・オリオリ様・・・ボロンに取って

その洞窟達は・・・大切な思い出の場所

なのかもしれません。

いくら今は同胞である政府の魔物とはいえ

・・・思い出の地を荒らされている、と

捉えたのかもしれませんね。」

 

「ええ、私もそう思います。

いくら政府に身を置いたとはいえ、あの子

にとって、この地で過ごした日々は

やはり大切な思い出なのでしょうし、

そうあって欲しいと私は思います。

彼は大丈夫と言い張っていましたが

沢山の魔物が居る場所にたった3人で

向かうなど・・・しかも付き添いの大柄

な男性は、自分は戦えない、というような

事を話していましたし・・・私はとても

案じております。

オリオリ、コッツさん、それに冒険王、

助けに行ってあげてくださいっ!

シスターからのお願いですっ!!」

 

「・・・ボロン・・・アナタという人

は・・・ホンットにっ!

ホンットに自分勝手なんだからっ!!」

 

オリオリ!?

ど、どうしたのっ!?

オリオリが突然、ボロンの事を叱りつける

ような言葉を発した。

 

「私や過去の自分と決別する、と言って

みたり・・・そうかと思えば此処での

思い出の場所を大事に思うような

行動・・・人を振り回すにも程が

ありますっ!

シスターでなくても、私も引っ叩いて

やりたくなりましたっ!

コッツ、リザさん達っ!

迫真の洞窟へ向かいましょうっ!!

魔物達にやられてしまってはボロンを

引っ叩く事ができませんっ!!」

 

アハッ、そういう事ねっ╰(*´︶`*)╯

笑っちゃいけないけど、なんかオリオリ

に元気が出てきたっ!

ボロンの事になると塞ぎがちになって

しまうオリオリだったけど、そうよ、

1発ブン殴ってやればいいのよっ!

 

敵対しているとはいえ、オリオリも

ボロンには目を覚ましてほしいんだ。

言っても聞かないから、もうブン殴って

やるしかないものね。

よしっ!行こうっ!迫真の洞窟へ!

ボロン、いえピエールなら・・・魔物

ごときにやられはしないと思うけど、

ゼンチャン達が心配でもあるし。

とにかくピエール達に追いつかなくては。

 

「あ、ちょっと待ってオリオリ!

そう言えばっ!!

もうひとつ気になる事がありますっ!」

 

っ!?

アタシ達が出発の意思を固めた矢先、

突然イェルバが呼び止める声を発した。

 

「どうしました?シスター様。」

 

「そういえば、ボロン・・・ピエールが

此処を発った後、貴方達が今日訪う前

にも此処を訪った者がおりました。

・・・若い女性で剣を携え赤い服・・・

あぁそうっ!コッツさん、貴方がお召し

になっている服装に似た服を召して

いました!

その者も迫真の洞窟へ向かったのです!

洞窟が魔物の根城になっていると聞いて

退治する為にやって来た、と申して

おりました。

あんなに若い・・・しかも女性が単身

魔物の巣窟に向かうなど・・・危険

極まりない事です!

私は強く引き留めをしたのですが、全く

聞く耳を持たずといった様子で飛び出し

て行ってしまいました・・・。

ボロンと共にその若い女性も助けてやって

くださいっ!お願いしますっ!」

 

えぇ!?

剣を持った義勇軍の制服に似た格好を

した女性ですって?

一体何者?

それともアタシ達のまだ知らない義勇軍

のメンバーが居るんだろうか?

 

「・・・義勇軍には単身で活動している

女性兵士などは存在しません。

一体何者でしょう?

コッツ、貴方心当たりはありますか?」

 

「いえ!私も存じ上げません。

帯剣しているという事は・・・多少は

腕に覚えのある者でしょうか?

しかし実力の程は計りかねます、急いで

洞窟に向かった方が良さそうですね、

オリオリ様っ!」

 

「そうですね、コッツ!リザさん達っ!

正体不明の女性戦士の事も気がかりです、

急いで洞窟に向かいましょうっ!」

 

「ハハッ!」

 

此処を訪れた若い女性戦士、オリオリ達

にも心当たりがないという。

どれぐらいの実力を持っているか

わからないけど・・・危険である事に

変わりはない!

 

女性戦士の安否、それにピエール達の

動向、とにかく急いで確認しなくてはっ!

アタシ達はイェルバに見送られながら

急ぎ迫真の洞窟へ向かった。

 

****************************************************

 

「グヌヌ・・・つ、強い・・・たった

1人で俺らの軍勢を・・・ぜ、全滅させる

とは・・・お前は何者・・・!?」

 

「・・・フン・・・貴様ら下等な魔物に

名乗る名などない・・・。」

 

「グッ!

な、なんのつもりで・・・俺らの事を

・・・?」

 

「・・・もう死んでしまう貴様らが知る

必要はない・・・。」

 

ガッ!!

 

「グハァッ!!!・・・グ、グフっ!」

 

アタシ達が迫真の洞窟へ出発した頃、

ピエールは既に、この洞窟に巣食う魔物達

を全滅に追い込んでいた。

 

「ひゃああああっ!

ブルリア星の冒険王ちゃん達も強いけど

ピエール様もとってもお強いのね〜〜!

ワタシますます惚れてしまうわぁ❤︎」

 

と、ピエールは洞窟の片隅に咲いている

花に近寄っていく。

 

(「クラウドケイトウ・・・フフ、無事だったか

・・・オリオリが好んでいた花・・・

花言葉は『博愛』・・・まさにオリオリ

の為にあるような言葉よな。」)

 

赤や黄、ピンクといった鮮やかな色の花々。

花穂の形状が鶏のトサカに似ている事

から、その名前が付いたらしい。

 

「まぁピエール様、綺麗な花ですこと、

ピエール様はお花を愛でる趣味も

持ってらっしゃるの?

ウフフ、かっわいい〜❤︎」

 

ピエールは花の前で屈み込み、愛でる

ように花を撫でた。

花を愛でているのか、それとも、この

花を愛したオリオリを愛でているのか、

それはピエールにしかわからない。




***登場人物紹介***
・リザ
本編の主人公。つまりアタシ。職業は賢者。
偉大な魔道士を目指し冒険を通じ日々修行
しています。
理不尽な事がキライで宇宙政府の汚いやり方
等を聞かされるとちょっと、ほんのちょっと
気性が荒くなる、と言われます(−_−;)
恋愛には疎く恋バナはニガテです。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスターで剣が得意。
彼もアタシ同様、日々修行を欠かさずどんどん
強くなっていて、そのスキルの強さには
もうアタシでもかなわないわ。
アタシも負けてられないっ!

・レイファン
末の妹。職業はスーパースター。
回復行動やオンステージというサポート行動
が得意。
こだまする光撃という最高のサポートスキル
でアタシやジョギーの攻撃を最大限に強くし
てくれます。

・モガ丸
アタシ達の冒険の最初からの友達。
戦闘は得意ではないけど見え〜るゴーグルで
宝物を発見したり移動呪文ルーラで冒険の
移動を助けてくれたり、と冒険のサポートを
してくれる。
種族はモモンガ族で一族には悲しい過去が
あったけど、それを乗り越えて今なお
アタシ達と一緒に冒険を続けてくれてるの。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉は通じないけどモガ丸だけはスラッピの
話している事がわかるの。
ただ、トラスレの聖水を飲む事でアタシ達
とも会話ができるようになり、実はコテコテ
の関西弁を話す事が判明。
モガ丸のワガママで関西弁で話す事は禁止
されてるけど(o_o)

・オリオリ
宇宙王の書という本にワケあって閉じ込め
られている美しい女性。
その正体は宇宙王の末裔。
そして・・・3代目宇宙王の娘である事が
とうとう明かされたっ!!
世が世なら4代目宇宙王となる人物だったのっ!
圧政を敷く宇宙政府を倒すため義勇軍という
レジスタンス組織を作り反政府運動を続け
ている。義勇軍の総司令官。
実は既婚者でセアドという夫がいるの。
義勇軍親衛隊長ボロンとは幼馴染だけど
ボロンが義勇軍を離れ宇宙政府に参加した
上にオリオリに愛の告白をした事により
その胸中は複雑極まりないものになって
しまった。

・コッツ
義勇軍3番隊隊長。
3番隊は政府軍に捕虜として連行されていた
けどベェルの町でついに全員無事で発見され
救出された。
コッツは冒険のさなかも部下達の安否に心を
砕いていた。
無事の救出でようやくコッツの心の闇は完全
に取り除かれた。
アタシ達と行動を共にするうち、アタシに
強い憧れを抱くようになったらしい(//∇//)

・ゼンチャン
全知全能のチカラを持つと言われている
人物。その正体はオネエだった( ̄▽ ̄;)
その能力ゆえ幾度となく宇宙政府に命を
狙われ処刑寸前に。
アタシ達は心ある宇宙政府の役人コモゴモス
の協力もあり、なんとかゼンチャンを救出
する事に成功したの。
その全知全能の能力とは!
チャングーという相棒のスライムと協力して
行う霊視だった!
彼女(彼)はホンモノだった!
ただアタシはどうしても彼女(彼)のキャラが
受け付けられなくて、極力絡むのを内心避け
てるの、これ内緒だけどね( ̄O ̄;)

・チャングー
ゼンチャンの相棒のスライム。
ゼンチャンがその能力を発揮するためには
チャングーの身体を媒介しなきゃいけない。
イコール2人で1つのコンビなの。
宇宙政府はそこに目をつけチャングーの事も
捕らえて監禁していた。
スラッピと同じく何故かコテコテの関西弁を
話すの:(;゙゚'ω゚'):

・ピエール(ボロン)
宇宙政府を内側から変革させて宇宙平和を
もたらそうと考えるスライムナイト。
その正体は義勇軍親衛隊長ボロン。
ボロンは幼馴染であるオリオリに恋心を
抱いていた。
打倒政府を目指し続ければオリオリの身に
危険が及ぶ事を憂慮して政府の内政変革に
路線変更した、というのが彼の言い分。
その“裏切り”がオリオリだけでなく様々な
関係者に悪い影響を及ぼすという自覚はないの。
困ったものだわ。

・イェルバ
オリオリとボロンが幼少期に過ごしていた
竜巻の教会に仕えるシスター。
神へ祈りを捧げる事を宇宙政府に禁止されて
しまい教会を訪れる人々もやがていなくなり
教会は寂れてしまった。
その事を嘆いているけど、祭壇のお手入れ
だけは欠かさず自身だけは礼拝を密かに続
けるなど篤い信仰心を持っている。
オリオリやボロン達を我が子のように
想い、それゆえボロンが宇宙政府に与して
しまった事を非常に嘆いているの。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。