魔道士リザの冒険譚(星のドラゴンクエストStory冒険日誌)   作:ジョギー

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アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔であるオリオリは・・・
現在、全宇宙に君臨する邪悪な組織
『宇宙政府』、これに反抗する為
レジスタンスグループ『義勇軍』を率いて
打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと
共に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌^_^



エピソード12.「乙女戦士の謎と3番隊長の秘めた想い」

「オリオリ様・・・皆さん・・・さっきの私の

振る舞い・・・本当に申しわけ・・・

っっっ!?」

 

突然激昂してオリオリに詰問をし、その後、

反省してくるといってこの場から離れていた

コッツが・・・その宥め役を買って出たモガ丸、

スラッピと共にようやく戻ってきた。

 

しかしコッツ達が離れている間に予期せぬ

人物の突然の来訪があって・・・アタシ達は

その人物のほうに意識を奪われていたの。

コッツ達が戻ってきたのを視界の端には捉えて

いたけれども・・・。

 

「モ、モガ・・・モガーーーー!?

お、お前はっ!?セセニョンじゃないかっ!」

 

戻ってくるなりモガ丸が目の前の来訪者の名を

叫ぶ。

しかし、つい先日出会ったこの不思議な女の子

の・・・さらに不思議な振るいが・・・アタシ達

を困惑させていたの。

 

「ん~~~??

あれ、なんでアタイの名前を知ってるんだ?

あれ???

どこかでアタイと会ったことあるかい?」

 

「モ、モガ??

何言ってるんだ・・・ついこないだ迫真の洞窟

で会ったじゃないか・・・。

ほら、セセニョンは義勇軍に憧れていつか本隊

に入隊するのが夢で・・・今は1人義勇軍を名乗

って宇宙政府の魔物を退治してるんだろ・・・?」

 

今モガ丸が発言した内容・・・もちろんアタシ

も覚えてる。だってセセニョンと出会ったの、

ついこないだだもん。

 

もちろんアタシも同じ事をモガ丸達とコッツが

戻ってくる前にセセニョンに言った。

けど・・・返ってきたセセニョンの発言があまり

にも斜め上すぎて・・・アタシ達は困惑していた。

 

「えーーー!?

なんでそんな詳しくアタイの事を知ってるんだ?

アンタ達・・・アタイとどっかで会ったことある

のかい?・・・ごめんよぉ~、アタイは物忘れが

激しくてね~人の名前や顔をなかなか覚えらん

ないのさ。」

 

そう言えばそうだったわね。

そんな事を前にも言ってたわ。

けど・・・いくら物忘れがヒドイからってつい

先日の事を全く覚えてないだなんて・・・ちょっと

異常よね?

 

「そんな事より・・・この洞窟に宇宙政府の魔物が

たくさん居るって聞いて退治に来たんだけど・・・

このフロアに来るまでの道にたくさん魔物の死体が

転がってた。

もしかしてアンタ達がやっつけたのかい?

アタイが倒そうと思っていた魔物を倒すだなんて

・・・アンタ達やるじゃないかっ!!」

 

・・・このやり取りも・・・前回にもあったやり

取り・・・ふざけてるようには見えない。

ホントに忘れっぽくて全くアタシ達の事を覚えて

いないのか!?

 

「アタイは物覚えが悪く物忘れがひどくてね~、

覚えらんないかもしれないけどアンタ達の名前を

教えておくれよ。」

 

「・・・モ、モガ丸だ・・・コイツはスラッピ

・・・んで、リザにジョギーにレイファンにコッツ

だ・・・。」

 

例によってセセニョンが無害なのかどうか判然と

しないのでオリオリは書の中に身を隠していた。

オリオリ以外の全員の名をモガ丸が伝えた。

 

「モガ丸にスラッピにリザ、ジョギー、レイファ

ン、コッツだね。

覚えるのは苦手だけど・・・アンタ達の事は忘れ

ないよ。・・・こんなに物忘れがひどいアタイ

だけど・・・昔の事は結構覚えてるんだ。」

 

「モガ、昔の事?」

 

「あぁ。なんとアタイは・・・かの宇宙王の血を

引いてるのさ。」

 

!!

な、なんですってっ!?

 

「アタイは惑星アレスの生まれなんだ。

惑星アレスっていうのは歴代の宇宙王が王朝を

開いていた星なんだ。

惑星アレスに住む人々の名前にはアレっていう

フレーズが必ず含まれていてね、アタイの本名も

セセニョン・アレアレ・アレアーレっていうのさ、

な?アレが含まれてるだろう?

だからアタイは正真正銘、惑星アレスの出身者

なんだ。」

 

・・・オ、オリオリ・・・今のこの子の話・・・

本当なの?惑星アレスや其処に住む人々の名前の

話・・・アタシでは信憑性を判断できない・・・

けど・・・すっごくリアルに聞こえるわ。

口からでまかせを言っているようには聞こえない。

って、オリオリは今、書から出ないか。

 

「う、宇宙王の血を引いてるって・・・それ本当

なのか!?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

??

ど、どうしたのかしら??

セセニョンが・・・固まった!?

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

ピシッ

 

むっ!?

ど、どうしたのかしら!?

セセニョンの体と表情が一瞬強張ったような??

それに・・・目が・・・一瞬白目を剥いた!?

だ、大丈夫っ!?

 

「モガッ!?ど、どうした!?セセニョンっ!!」

 

たまらずモガ丸も声をかけるっ!?

と、その直後に・・・。

 

「う~~ん・・・忘れちまったよ。」

 

「モ、モガァ~~!?」

 

はい~~!?

一瞬異変が起こったかに見えたセセニョン

はすぐに正常な状態(?)に戻ってやり取りの

受け答えをしたの。

 

し、しかしなんとっ!肝心なとこでっ!!

自分で重大な事実を告げておきながら

それが本当かどうか忘れた〜〜〜!?

んもうっ、どうなってんのぉ!?

これも物忘れがヒドイ性格の一端なのっ!?

それとも・・・さっきの一瞬の異変が何か

関係してる??

ううん、一瞬の出来事だったんで異変だった

のかどうかもわかんないけど・・・。

 

「けどアタイは・・・頭の中である人物と会話

ができるんだ。

その人の名は・・・ゼナ・アレクサンドロ・

アレダイス。最後の宇宙王さ。

この人と会話ができるから・・・アタイは宇宙王

一族の血を引いてるって自分では思ってるん

だけど・・・。

ゼナ・アレクサンドロ・アレダイスって人は時々

アタイの頭の中に声だけで現れて・・・魔物が

現れそうな場所を教えてくれるのさ。

アタイはその声に従って魔物退治をしてるって

ワケなんだ。」

 

!!

ゼ、ゼナ・アレクサン・・・えーと、名前が長くて

覚えられない(*_*)

最後の宇宙王!?

つ、つまり・・・オリオリのお父様!?

この子、ゼナ3世のフルネームを口にしたっ!

 

と、ジョギーがセセニョンの目に触れない位置で

手にしている宇宙王の書がピクリと動いた。

オリオリ・・・今この子が口にした名は貴女の

お父様のもので間違いないのね!?

 

「モガ~~、じゃあこの洞窟へ来たのもその

・・・最後の宇宙王の導きなのか?」

 

「そうっ!

いつものようにアタイの中でゼナの声がして

・・・この地方にある教会が魔物の事で困ってる

って聞いて・・・そんでその教会に向かったら

・・・この洞窟に魔物が住むようになって困ってる

って聞いたんだ。」

 

むむむ~・・・この子・・・どう捉えたらいいの

かしら。

惑星アレスや宇宙王に関する話は・・・残念ながら

アタシは知らない事だから判断がつかない。

けどこの子からは嘘を付いているような気配も

ないし邪悪なモノも感じない。

 

ってか、最後の宇宙王、つまりオリオリのお父様

の事をこんなに詳しく知っている・・・宇宙王の

血を引いてるっていうのはあながち嘘ではなさそう。

さっき、それが真実かどうか忘れてしまった、と

口にしたのは、信憑性があるのか自分でも自信が

ないって事なのかしら?

 

けど、一瞬セセニョンの様子がおかしかったのが

アタシはどうも引っかかる・・・。

この子・・・物忘れがひどいんじゃなくて体に

変調をきたす何かを抱えているのか?

 

アタシは・・・根拠はないんだけどセセニョンの

一瞬の硬直がやたらと心に引っかかった。

普通だったらそんなに気に留めなかったかも

知んないけど、何しろこの子の言動行動が

ぶっ飛んでるから・・・(°_°)

 

ただ、この時のアタシは・・・心に引っかかった

その違和感よりもセセニョンが語った内容の

重大さに意識を奪われてしまったので、違和感が

思考から消え去ってしまった。

 

その違和感が再び蘇るのはもっと先の話・・・。

 

「まぁ、結局魔物は退治されちゃってるから

アタイは間に合わなかったけどね。

・・・じゃあ、アタイはそろそろ行くよ。

宇宙政府の魔物はまだまだたくさんいる、困っ

てる人もたくさん居るってことだ。

さよなら、モガ丸にリザ達っ!また何処かで

会えるといいねっ!じゃあね~~!!」

 

かなり重要というか・・・爆弾発言を残し

セセニョンは颯爽と立ち去ってしまった。

 

・・・あ、相変わらず不思議な・・・よくわか

らない女の子だった。

かと言って捨て置くことができない重大な内容

の話をしたりもする・・・。

ほ、本当に何者なんだろう???

 

「セセニョン・・・やはりあの子は・・・私と

深い関係があるのかもしれません。」

 

セセニョンが去ったのでオリオリが書から

現れた。

 

「あの子・・・私の父の名を口にしました。

そして私の父と頭の中で会話ができる??

一体どういう事・・・父がこの世に居ないの

は間違いありません。

父の亡霊が居るとでもいうのでしょうか?

そして・・・宇宙王の血を引いている?

一体誰の・・・?」

 

セセニョンが口にしたゼナ3世のフルネーム

・・・どうやら間違いはないようね。

しかしオリオリも・・・あの1人義勇軍と

名乗る女の子を掴みきれない様子だった。

 

「私は1人娘です。

・・・父と母の子ではないのは明らか。

では初代か2代目から派生した傍系子孫

・・・も、もしくは・・・。」

 

そこまで言うと・・・オリオリは少し眉

を寄せた?

 

「ち、父の妾腹か・・・?」

 

ん?め、妾腹・・・?

ど、どういう事??

 

「つ、つまり・・・父に側室が居て・・・

その者と父の間に生まれた子なのかも

・・・。」

 

え、えーーーーーー!?

そ、それって・・・!

ゼナ3世がふっ、不倫してたって事???

 

「あ・・・いえ、リザさん・・・。

王たる者、子孫をたくさん残して血筋が絶え

ないようにするのも立派な務めなのです・・・

ですから第2、第3の妃を持つ事は認められて

いるのです。」

 

え~~~~、そ、そういうもんなの?

王様って・・・。

ア、アタシには想像もできない世界・・・。

 

「制度としては認められていますが・・・

私が聞いている範囲では・・・父は母以外の妃

を持っていたという話は聞いた事がありません。

いえ、私が知らないだけなのかもしれませんが

・・・。

お、オッホンッ!

ですからセセニョンが宇宙王の血筋の者である

として・・・誰の血を引いているのかはわから

ないのです。

本人が覚えていれば良いのですが・・・。」

 

そ、そうなんだ。

側室を認められているという話を聞いてアタシ

は動揺してしまった。

で、できればアタシも・・・ゼナ3世の子じゃ

なくて・・・初代か2代目の傍系の出である

ことを祈りたい・・・オリオリの為にも・・・!

 

「彼女の出自はともかく・・・。

彼女が口にしていた惑星アレスの民の名前の仕組み

・・・あれは間違いではありません。

彼女は少々物忘れがヒドイようですが嘘偽りを

述べているワケでもなさそうです。

あ、頭の中でゼナ3世と会話ができて、そして

魔物が出没する場所に向かう・・・もしそれが

本当の話なら・・・この先もまた出会う事に

なるでしょう。

引き続きセセニョンの事は要観察、という事

にしましょう。」

 

な、何か・・・何かしらセセニョンは・・・

惑星アレスや宇宙王、そしてオリオリについて

重要な何かを知っていそうな雰囲気なんだけど

・・・なにせ本人のあのややこしい性格・・・

それが邪魔をしてイマイチ釈然としない。

それが全て明らかになる時は来るのかしら

・・・。

 

オリオリを始めアタシ達は・・・すっごく

モヤモヤしながら・・・セセニョンが立ち去った

方向の洞窟の道を眺める事しかできなかった。

 

「オ、オリオリ様っ!!」

 

と。

コッツが宇宙王の書の前に進み出た。

その表情は固い。

 

「オリオリ様・・・先程の無礼な振る舞い・・・

誠に申し訳ございませんっ!!

私はどうかしておりましたっ!

あのように失礼な数々の質問・・・部下として

あるまじき行為ですっ!!

いかような処分も受ける所存ですっ!

誠に申し訳ありませんでしたっ!!!」

 

コッツがオリオリの前で跪き額を地面に

くっつかんばかりに下げて謝罪の弁を述べる

・・・。

 

セセニョンの登場で言いそびれていたようだ

けれど、どうやらコッツは十分に頭を冷やして

戻ってきたみたいね。

アタシ達みな一同、固唾を飲んで2人のやり取り

を見守っている。

 

オ、オリオリ・・・ど、どうするんだろ?

確かにコッツの行動は意味不明なところがあった

し、その上オリオリへの・・・リーダーへのあの

態度・・・組織に属する者としては罰せられるべき

ものだとは思うけど・・・。

 

「コッツ・・・顔を上げなさい。

大丈夫、怒ったりしていませんから。」

 

「いいえっ!

処分を下されるまでは・・・オリオリ様に合わせる

顔がございませんっ!」

 

「ふ〜む、困りましたね・・・。

怒ってはいないのです、本当に。

ただ・・・ビックリして・・・そして困って

しまったのです私は・・・。

それに私の方こそ、先日貴方に注意されたにも

かかわらずピエールの事を未だにボロンと捉えた

ままの振る舞いをしてしまいました。

貴方が怒るのも無理のない事だと反省しています。

ですから・・・自分で言うのもなんですが・・・

お互い様ということでこの件は水に流す事に

しませんか?」

 

「い、いいえ・・・オリオリ様がなんとおっしゃら

れようと!

組織の秩序を無視した私の行いは許されるものでは

ありませんっ!どうかご裁断をっ!!」

 

「ふ〜む、困りましたね〜・・・。」

 

頑なに処分を求めるコッツ。

冷静になってみて自分の行動がいかに非常識だっ

たかを思い知ったのかしら。

オリオリが顔を上げるように促しても頑として

平伏の姿勢を崩そうとしなかった。

 

う、うん、これだけ頑ななんだもの、反省して

いるっていうのは痛いほどわかる。

コッツ、もういいんじゃないの?顔を上げても。

 

「モガ、コッツ。

オリオリもこう言ってるんだし、以後気をつける

って事でさぁ、この件は終わりにしようっ!

なっ!」

 

モガ丸が2人の間を取りなす。

ってかモガ丸、そういえばアンタよくコッツの事

宥められたわね。

ただ事じゃなかったのに・・・コッツの様子。

 

コッツがここまで大きく反省の色を見せている

ってことはモガ丸の説得が効いたって事よね・・・。

や、やるじゃないモガ丸っ!

アンタはちゃんとコッツの気持ちを汲んでるって

事よね!?

 

「そうです、コッツ、貴方がいつまでもそうして

いては我々も身動きができません、貴方の反省の意、

しっかりと伝わりました。さぁ、顔を上げなさい。」

 

「・・・しかし・・・!」

 

「では・・・処断の代わりと言ってはなんですが

・・・なぜゆえあのような質問をしたのか・・・

その理由を答えてくれますか?

貴方の言い分だと、夫のある身である私がボロンに

ただならぬ感情を持っている、という向きの話でし

たね。

私は自分では・・・ただ昔を懐かしんでいただけ

のつもりでしたが・・・。

それほどに私はボロンを慕っているというふうに

見えたのでしょうか、貴方には・・・。」

 

ガバッ

 

「そ、それはっ!!」

 

オリオリが・・・激昂したワケを答えるようコッツ

に求めると、それまで頑なに顔を伏せていたコッツ

が飛び跳ねるように顔を上げたの。

 

「おや、ようやく顔を見せてくれましたね、

コッツ。」

 

「う、うぅぅぅぅ、オリオリ様・・・。

そ、それは・・・・申し訳ありません!

今は答えられませんっ!

けど決して、オリオリ様や軍に背を向ける理由

ではございませんっ!!

全くの私の個人的な事情でございます!

その・・・個人的な事情で・・・オリオリ様に対

し、あのような無礼を働いてしまいましたっ!

公私混同をしてしまったのは私です、しかし、

その内容だけはっ!今はお許しくださいっ!!

その他の処分であれば、いかようなものでも

お受けしますっ!!」

 

「公私混同・・・!?

はて、ますますワケがわかりません、コッツの

私情・・・一体何を心に秘めているのか・・・?」

 

(「モガ~、やっぱオリオリはこっちのほうは

てんで疎いな・・・ホントにコッツの秘めた想いに

気付いてなさそうだ・・・。

ま、生まれた時から許婚がいて、恋愛というもの

をやったことがないんだろうから無理もないん

だろうけど・・・。」)

 

「モガ~、オリオリ、他人には言えない事情なんて

いうのは誰にでもあると思うぞ。

もちろんコッツにもな。

まぁ、そのせいでコッツがオリオリに無礼を働く

っていうのは良くないと思うけど・・・。

それについてはこんだけ反省してるんだ、

もうこの件は終わりにしよう!」

 

「あ、は、はいモガ丸さん、

そうですね、コッツ・・・話したくない事情である

のなら、今は聞く事はしません。

ですがこの件を不問に処すという私の判断も・・・

受け取ってください。いいですね?」

 

「あ・・・は、はい。

承知・・・いたしました・・・。

オリオリ様、今回の件、誠に申し訳ございません

でしたっ!!」

 

最後にもう一度、コッツは深々と頭を下げた。

ようやく事態が収まったのでアタシもふい~っと

大きなため息をついた。

 

ただ。

ひと段落はついたものの、大丈夫かしらオリオリ

とコッツ。

この先ギクシャクしなきゃいいんだけど。

 

あぁ、そうか。

それはアタシ達が頑張ればいいのか。

2人がギクシャクしないよう周りが気を付ければ

いいのね。

 

うん、そうしよう!

ただでさえピエールの事で義勇軍は不安定なんだ。

これ以上軍が揺れるような事があってはならない。

それはオリオリもコッツも望むところではないはず。

アタシ・・・場を盛り上げるとかあんまり得意

じゃないけど頑張る!

 

アタシは今回の件でパーティーが一枚岩でなくなる

のを防ぐよう努めようと心に決めたの。

 

けど・・・コッツがオリオリに激した理由。

この時はまだモガ丸とスラッピしか知らないん

だけど・・m実はこの先も尾を引く事になるの。

根は相当に深かった。

 

やがてそれが負のオーラとなり・・・悲劇を生んで

しまったの。

 

「さて、そもそもの話に戻りますが、此処も既に

・・・おそらくは・・・ピエールによって魔物が

退治されていました。

彼もゼンチャン達の姿も既にありません。

・・・困りました。」

 

「ピピッピピピピ〜〜〜〜ッ!」

 

「どうしました?スラッピさん?」

 

「ピーピピピッピピッピーピーピーッ!!

ピピピピッ!!」

 

「なになになんだって?

ピエールのニオイは自分にはわからないけど

チャングーのニオイは此処から東の方に続いて

いる・・・だって?

モガーッ!リザ達っ!!

チャングーのニオイは此処から東に続いている

・・・つまりピエールも東に向かったという事に

なるみたいだぞ!」

 

「ここから東・・・はて?

一体どこへ向かったのでしょう??

私とボロ・・・ピエールは幼少時、教会から

あまりに離れた場所へ行く事はシスターから

禁じられていましたので、この洞窟より東へなど

足を運んだ事はありません。

ピエールの目的は一体??」

 

東か・・・。

アタシの星見るチカラによれば・・・ピエールの

気配はもうほとんど感じられない。

洞窟の外に出れば少しは感じられるかしら??

 

モガ丸っ!

急いで外に出たいからリレミトをお願いできる??

 

「おうっ!任せとけ!」

 

外に出たところで星見るチカラが反応するかどうか

急いでやってみたかったのでアタシ達はモガ丸の

リレミトで瞬時に洞窟の外へ出た。

 

・・・う〜む・・・確かに東のほうに微かにそれ

らしい気配を感じるような感じないような・・・。

もし居るとしても此処からは既に相当離れた場所

に移動しているんじゃないかしら?

ピエールのヤツ・・・。

 

「そうですか・・・では此処はスラッピさんの鼻

を頼りにしてみましょう。チャングーさんのニオイ

を辿って東に向かいましょう。」

 

・・・アタシ達はどうやらピエールにかなり遅れを

取ってしまったようね。

見失ってしまったと言ってもいい。

チャングーのニオイを辿るという・・・今はスラッ

ピの嗅覚だけが頼りになってしまった。

 

しかし他に手がかりがない以上、今はそれに頼る

しかない。

 

「ピピッ!」

 

スラッピは自分がゼンチャン達の命運を握っている

という自覚をしっかり持っているらしく意気揚々と

パーティーの先頭に立って東に向かって先導を始めた。

 




***登場人物紹介***
・リザ
本編の主人公。つまりアタシ。職業は賢者。
偉大な魔道士を目指し冒険を通じ日々修行
しています。理不尽な事がキライで宇宙政府
の汚いやり方等を聞かされるとちょっと、
ほんのちょっと気性が荒くなる、と言われます(;´Д`A
恋愛には疎く恋バナはニガテです。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスターで剣が得意。
彼もアタシ同様、日々修行を欠かさずどん
どん強くなっていて、そのスキルの強さ
にはもうアタシでもかなわないわ。
アタシも負けてられないっ!

・レイファン
末の妹。職業はスーパースター。
回復行動やオンステージというサポート行動
が得意。
こだまする光撃という最高のサポートスキル
でアタシやジョギーの攻撃を最大限に強く
してくれます。

・モガ丸
アタシ達の冒険の最初からの友達。
戦闘は得意ではないけど見え〜るゴーグルで
宝物を発見したり移動呪文ルーラで冒険の
移動を助けてくれたり、と冒険のサポート
をしてくれる。
種族はモモンガ族で一族には悲しい過去が
あったけど、それを乗り越えて今なおアタシ
達と一緒に冒険を続けてくれてるの。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉は通じないけどモガ丸だけはスラッピ
の話している事がわかるの。ただ、トラスレ
の聖水を飲む事でアタシ達とも会話ができる
ようになり、実はコテコテの関西弁を話す事
が判明。モガ丸のワガママで関西弁で話す事
は禁止されてるけどʅ(◞‿◟)ʃ

・オリオリ
宇宙王の書という本にワケあって閉じ込め
られている美しい女性。その正体は宇宙王
の末裔。
圧政を敷く宇宙政府を倒すため義勇軍という
レジスタンス組織を作り反政府運動を続けて
いる。義勇軍の総司令官。
実は既婚者でセアドという夫がいるの。
義勇軍親衛隊長ボロンとは幼馴染だけど
ボロンが義勇軍を離れ宇宙政府に参加した上
にオリオリに愛の告白をした事により衝撃を
受けてしまったの。

・コッツ
義勇軍3番隊隊長。
3番隊は政府軍に捕虜として連行されていた
けどベェルの町でついに全員無事で発見され
救出された。コッツは冒険のさなかも部下達
の安否に心を砕いていた。
無事の救出でようやくコッツの心の闇は完全
に取り除かれた。
アタシ達と行動を共にするうち、アタシに
強い憧れを抱くようになったらしい\(//∇//)\
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