【外なる英雄もどき】   作:Ecoli@良性TYPE

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アトランティス……
アトランティスゥゥ……
アトランティスゥゥうあぁ!!!



私は尊死した。


第14話

『さあさあ!今年も盛り上がっていくぜ雄英体育祭!!!準備はいーかマスコミにヒーロー?どうせお前らの目的はコイツらだろ!!1年!A組!!』

 

プレゼント・マイクのアナウンスにて雄英体育祭が始まった。

やはり、ヴィランと遭遇し乗り越えた1年A組が注目される。それに続いてニア達B組、普通科、そしてサポート科が入場していく。

経営科は雄英体育祭に参加することはほとんどない。彼らにとって雄英体育祭とは、将来活躍するであろう未来のヒーローや、誰もが目に留まるアイテムを開発するエンジニアをどう売り込んでいくか考える、限られたイベントなのだ。

同じものでも、プレゼンの仕方で価値が変わる。

社会にて身につけたいことの一つでもあるかもしれない。

 

「しかし……やはりA組が目立つ感じですね。同じヒーロー科として目立てず釈然としません」

「仕方ないさ。実際はどうか分からないけど、()()()()()という実績がある。それに対して僕らB組には話題が無い。ただそれだけさ……でも僕らだってA組の誰よりも強く、ヒーローを目指しているはずだ。それをこの体育祭で証明しよう。調子に乗っているA組の、伸びきった鼻をへし折ろう」

「ええ、私たちが目立ち愉しめるよう頑張りましょう」

「……ん?」

「……はい?」

 

ニアと物間は妙に噛み合わない会話(アンジャッ○ュ)をしながら整列する。

生徒全員が並び終えると、18禁ヒーローのミッドナイトが壇上に立つ。今年の1年担当は彼女のようだ。

……全国放送で18禁は良いのか?いや、良きかな良きかな。

 

「では1年生代表による選手宣誓‼︎1年B組、ニア=ナイアーラ‼︎」

「はい」

「「「「「ハァ!?」」」」」

 

ニアが選手宣誓に呼ばれると、B組の何人かが驚いていた。

実力はあれど、歪みに歪んで逆に真っ直ぐな性格をしたニアが生徒代表というのは、あまりにも不安すぎるのだ。

驚愕の声を上げたクラスメイトをスルーして壇上に上がり、マイクの前に立つ。

自分以外の生徒がこちらを見ている。

期待の目、不満の目、敵対的な目、お願いだから自重してくれみたいな目など、様々な視線が刺さる。

その視線を浴びながら彼は口を開く。

 

「宣誓、我々選手一同は己の実力を存分に発揮し、プロにも劣らぬ精神をもって最後まで全力で戦い抜くことを誓います」

 

「おい!ナイアーラがまともだぞ!?」

「嫌な予感しかしない」

「何かもう慣れましたぞ」

「これ知ってるノコ。上げて落とすやつ〜」

「もしかしてさ、私たちにも飛び火するんじゃね?」

「やめてくれ、頼むから!」

「嗚呼、なんと憐れな……」

 

宣誓が終わるとともに会場は拍手に包まれる。

だが、良い雰囲気は、つくった本人によりすぐに崩された。

 

「と、まぁ建前はこれで済みました。ここからは私個人から言わせていただきます」

 

ざわつき始める会場。B組は「あぁ、やっぱり今回もダメだったよ」みたいな顔をしている。

 

「まずはそうですね……そこの貴女。そうそう、『たるい』とか戯言を吐いた貴女です。邪魔ですのでボッシュートです」

 

ニアが指を鳴らすと、ニアに指された女子生徒は地面に開いた光の中に落ちていった。

これにより会場はさらにざわつき、不穏な空気になる。

 

「この体育祭はかつてのオリンピックの代わりと聞きました。世界各国の代表が様々なジャンルごとに頂点を目指す催し事が、たった1カ国のたった1校、たったの1日の行事と同レベルだと?正直言って、馬鹿馬鹿しい

 

馬鹿馬鹿しい

 

その一言で、ニアへとブーイングが飛び交う。

しかし彼は気にせず、言葉を続ける。

 

「そりゃそうでしょう。先程の彼女のように『たるい』と口にするレベルなのですから。私としては、かつてのオリンピックに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 

ヨヨヨ……と、涙を流すような仕草をするが、それがかえって反感を買うことになった。

で?

みたいな感じでニアは止まらない。

 

「まぁぶっちゃけ、それはどうでも良いとして……私は皆様に問いかけます。この場にいる全員、目標をもって全力で取り組みますか?ヒーロー科だから勝って当たり前?普通科だからどうせ良い成績を残せない?そんな考えを持つゴミはこの場にいる意味は一切ありません。今すぐボッシュートしてあげますので挙手してください」

 

満遍の笑みでそう言うが、それに応える者はいない。

それを確認したニアは言い放つ。

 

「ふむ、この場にいる全員が全力で取り組むということですね?よろしい!学科も!個性も!性差も!性質も一切関係ない‼︎全力で目標に向かって足掻きましょう‼︎」

 

声を張り上げ、宣言したニアは満足げだ。

会場はニアに対する反感がほとんどと、全員を巻き込む演説という僅かな評価などで盛り上がる。

主審のミッドナイトがニアを壇上から降りるよう促すと、彼は忘れていたかのように一言を言い残した。

 

「まぁ、有り得ないと思いますが、もし、私と勝負している際に、()()()()()()()ようなことがあればその時は……

覚悟してくださいね?

 

 

ぞわり

 

 

その瞬間だけ、ニアの口調が悍しく聞こえた。この場にいる全員がそう感じるほどに。

そして観客席の人たちもそう感じた。それと同時に、彼らはニアに対してこう思った。

 

 

こいつ(ニア)はあまりにも危険だと 

 

 

「えーと、そろそろ良いかしら?あと移動させた普通科の子も戻してあげて?」

「はぁ……仕方ありませんね。よいしょっと」

 

ニアは露骨に嫌がりながら門を開き、ボッシュートした女子生徒を元いた場所に落とした。何故か異常に震えているが、ニアはそれを気にすることなくB組のところへと戻る。

彼は周りから憎悪と怒り、そして敵対的な目を浴びる。多少はクラスメイトにも飛び火しているが気にしない気にしない。

ちょっとやり過ぎだと注意されるが、逆にいつも通りで何故か安心してしまったという声もあった。だって自重しないルーニーだから。

 

「色々あったけど早速競技に取り掛かるわよ‼︎まず最初はこれ!」

 

ミッドナイトが指差すモニタには、

障害物競走

と表示されていた。

 

「外周約4㎞のコースを一周してもらうわ‼︎コースさえ守ってくれれば()()()()()のレースよ‼︎ただし次の競技に進めるのは上位42名。ここで多くの生徒が涙を飲むわよ!!(ティアドリンク!!)じゃあ皆、位置につきまくるのよ‼︎」

 

その言葉で準備を始める生徒たち。より有利になるように、スタートラインの前方に向かうのが大半だった。

密集したなかで、B組の大半は中盤辺りにいた。何故なら彼らには作戦があるからだ。

 

「皆、作戦は覚えているね?」

 

物間の問いに、作戦に乗ったクラスメイトは頷く。

 

「僕らはA組より注目されていない。体育祭を見ている人たちはA組しか見ないだろう。おかしいよね、僕らだって同じヒーロー科として、ヒーローを目指して日々努力しているのにさ。違いなんてヴィランと遭遇したかしてないかだろう?……なら見せつけてやろうよ。僕たち(B組)の方が優れているってことに……!」

 

彼らは彼らなりの戦い方がある。そして勝利をもぎ取るのだ。

 

そうして、いざスタートするかと思えば、アナウンスが入った。

 

『HEY!ナイアーラ!お前にはブラドキングからの激励を預かっているゼ‼︎()()使()()()()()()()()()ってさ‼︎じゃあミッドナイト!あとはヨロシク〜!!』

「……なんと」

 

ニアに制限が課されたところで、ミッドナイトはスタートの合図を進めた。ニアの反論は認めないようだ。

ニアはスタートラインからだいぶ離れた、最後方にて準備をする。門が使えないのならどうするか。様々な手段はあれど、自分が()()()なければならない。

ならば()()をやろう

そう考えていると、スタートランプが点灯する。

 

 

ピッ…

 

 

ピッ……

 

 

ピッ………

 

 

『スターーーーート!!』

 

プレゼント・マイクの合図で、生徒全員が走り出した。

 

「ってスタート狭すぎだろ‼︎」

 

唯一の通路は、横に10人ほどしか歩けないほどの通路だ。

そこを200人近くの生徒が一斉に通るとなれば、進むに進めない。

そしてこれが最初のふるいとなる。

 

「何だこれ⁉︎冷た‼︎」

「うっ、動けん⁉︎」

 

スタートしてすぐに地面が凍りつき始めた。先頭にいるA組の生徒が仕掛けたようだ。

大半の生徒が巻き込まれるが、A組は全員回避し、B組も殆どが回避に成功した。巻き込まれたとしてもすぐに脱出した。

 

『いきなり轟が仕掛けたーー‼︎だが当然ヒーロー科の奴らにゃ足止めにもならないよーだゼ‼︎あ、遅れましたが実況は私、プレゼント・マイクと、解説のミイラマンこと、イレイザーヘッドでお送りします。アーユーレディ⁉︎』

『無理やり連れてきたわけはコレか。俺は寝る』

『冷たい反応!これは堪えるぜ‼︎おっと‼︎先頭が第一関門に到着!さぁさぁ乗り越えてみろよエヴリワン‼︎ロボ・インフェルノォォォォ‼︎』

 

入試時における0ポイントの仮想ヴィランが何台も立ちはだかる。おまけ程度だが、他の3種類も存在しているため、突破するには厄介極まりない。

しかし、先頭にいる生徒。氷を張った張本人、轟焦凍は何故か険しい顔つきで小さく呟いた。

 

「もっとすげえの用意してもらいてえもんだな……クソ親父が見てるんだから……」

 

右腕から発せられた冷気が、一体の0ポイント仮想ヴィランを一瞬で凍らせた。

その隙に間を潜り抜けた。他の生徒もそれに続こうとするが不安定な体勢で凍らせたため、0ポイントは倒壊した。下手したら死傷者が出そうだが、自由が売りの雄英高校。平然とやってのけるのだ。

 

『フゥゥ〜♪さすが推薦組!やる規模が違うな!

……ってオイオイオイオイ⁉︎どうしたナイアーラ⁉︎スタート地点から動いてないぜ⁉︎』

 

プレゼント・マイクが指摘すると、モニターに彼の姿が映し出される。手に魔術書を持っただけで、スタート位置から一切動いていないのだから。

そのため、選手宣誓であれほどの大口を叩いたくせにそれは可笑しいだろうとヤジが飛ぶ。

それでも彼は動こうとはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すでに動いていたのだ。

いかに目立ち、場を沸かせるのか。

尚且つ、己が愉しめるのか。

それを模索し、行動を終えていたのだ。

 

手にした魔術書が光りだす。

 

「陣地作成完了、魔力充填済み……では、創りましょう!」

 

彼の目の前に、どの分野にも属さない幾何学模様が展開される。それは妖しく光り輝き、()()が構築された。

 

無から現れた木は車輪と車体に形を変えた。

 

2つの輪はあらゆる戦場を駆け回ったかの如く荒々しく

車体は無駄を削ぎ、疾ることだけを追求する

 

だが、これだけでは動きはしない。

ならば創るだけだ。

コンクリートの地面が盛り上がり始める。それは次第に形を成し、誰もが知っている動物として生まれた。

 

大きく捻れ曲がった一対の剛角。全てを蹴散らすことが可能な隆起した筋肉。地面を蹴るたびに雄々しさが伝わる蹄。

 

 

「「ブモォォォオオオ!!!」」

 

 

天に向かって轟く咆哮は、すべての観客の注目を浴びた。

ニアによって創られた二頭の(ブル)は、木製のそれと繋がれる。

完成した。

 

古代において戦場を蹴散らし、そして歴史に消えた兵器。

 

戦車(チャリオット)だァァ!?何も無いところからたったの1分で完成させたァァァ!やはりこの男只者じゃねーよ!』

『最初の渋滞を考え、アレの作製に専念した。無駄な動作が一切無い、実に合理的な選択だ。スタート地点で後方に居たのも、邪魔が入らないようにしたようだな』

 

実況と解説を尻目に、ニアは戦車に乗る。

そして手綱を手に取り、嗤う。

 

「では……蹴散らしましょう‼︎」

 

腕を大きく振るい、戦車を走らせた。

愛された外道(ニア=ナイアーラ)、今、スタート(招来)!!

 




煽り文章を作る才能が欲しい。
どうやったら人を腹立たせられる文章を作れるんですかね?
ニアに磨きを掛けたいんです。外道っぷりを高めたいんです。


あと本編には関係ない茶番ストーリーも考えています。だいぶ先になりますが、無限の茶番をぶつけましょう

ニア=ナイアーラにヒロインっている?誰が良いかな?

  • A組の誰か
  • B組の誰か
  • 最近出番がないアビゲイル・ウィリアムズ
  • 外なるブラコン、イブ=スティトル
  • ニャルラト……は要らないか
  • 物間
  • 要らぬ。いない方が人類のためだ。
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