なんやかんやで2020年。色々ありますが引き続き、この小説をお楽しみください。
第一関門であるロボ・インフェルノ。
そこで足止めを喰らう生徒たち。中には協力して突破を試みようとする者もいれば、己の力で試練を乗り越える者もいる。
先程、轟が凍らせた0ポイントの倒壊に巻き込まれた鉄哲は“個性”によりほぼ無傷だった。その隣にはA組の生徒も“個性”によってほぼ無傷だった。
似た“個性”だ。なんとも言えない感じになる。
『さぁオマエら‼︎後ろに気を付けろよ〜?アイツが来るぜ!』
プレゼントマイクのアナウンスで、何人かの生徒は後ろを見る。
奴が来た、猛る暴牛と戦車とともに。
「む、邪魔ですね。轢きましょうか」
スピードを下げることなく戦車を走らせるニア。進行方向にいる生徒は、それを避けるか、避けれずに轢かれるかだ。
と、いうか既に轢いた。
安心したまえ。
ミッドナイトは
死にはしないだろう。ならば問題ない。
他の生徒を蹴散らしていると、ゴールへの最短距離には避けきれない0ポイントの仮想ヴィランが立ち阻む。
「あれは……壊したほうが速いでしょう」
ニアは手綱を離し、本を構える。
すると本は銀色の輝きを放ち始める。
「ソルド・ザケル」
そう唱えると彼の手には“柄”が現れる。そして白銀の雷が出現した。
その雷は巨大な剣となり、0ポイントの仮想ヴィランを両断し破壊した。
『ヘイヘイへーーイ‼︎さすがナイアーラ!こんなんじゃ足止めにもならねーってか⁉︎なら次の関門はどうよ⁉︎先頭組は辿り着いたな?落ちれば即アウト‼︎ザ・フォール!!』
プレゼントマイクが示す場所は、底が見えないほどの深さがある崖の群だった。崖から崖へは一本のロープがあるため、飛べないから突破できないということはない。
しかしロープに頼るということは、それだけ時間をかけてしまうことになる。
「フフフフフ!今こそ私のベイビーをお見せする時です!」
サポート科の女子生徒がワイヤー等を使い、崖を飛び越えていく。そして着地にはクッション性のあるシューズを展開した。
数あるサポートアイテムを使うことにより、企業へのアピールが出来る。
もはや就活だ。たくましい。
先頭組が進み始めているなか、後方から蹄の轟音が鳴り響く。
「崖ですか。だが無意味です」
ニアはスピードを緩めずにザ・フォールへ走らせる。
そして戦車は宙を駆けた。
『飛んだ!?飛んだぜ!!戦車がよォォ!!このままじゃ全てを持ってっちまうんじゃねーのか!!他の奴らも気張れよ気張れよ〜?』
他の生徒も負けじと空を飛んだり、ロープを伝いゴールを目指す。
「順位は……10位くらいですかね?確実に次に進めるでしょう……うーん、妨害しますか……サイス!」
ニアは掌をロープに向けて唱える。
半透明な三日月型のエネルギー体が現れる。そして崖とロープの間を寸分の狂いもなく、切断した。
もちろん、進行方向側にある部分をだ。これにより進むことは難しくなり、かつ、ロープを渡っている途中の生徒は物理法則に従い、振り子のように逆戻りする。
「どんどんいきますよ〜、サイス、サイス〜」
笑顔でロープを切り落としていくニア。
そして最後の一本を切ろうと、呪文を放つ。
するとその射線上に1人の男子生徒が飛んできた。その生徒はお腹からレーザーを発射して空を飛んでいる。
しかしその飛び方では前方が見えなくなる。見えたとしても限界がある。
「あふん★」
彼はニアが放ったエネルギー体を躱すことなく直撃し、ザ・フォールの闇へと落ちていった。
『青山が落ちた⁉︎残念だがここでリタイアだ‼︎つーかナイアーラのやつ、エゲツなーい‼︎』
『ナイアーラの行動は相手の動きを制限するものだろう。さらに見たところ無駄が見当たらない、実に合理的な行動だ。青山もそれに囚われることなく動いていたが……前方不注意が招いたことだ。今後の課題の一つとして受け止めておくように』
『つまり運が無かったってことだな!オーケー‼︎お前らも気を付けろよ⁉︎』
『……………』
実況が1人でに盛り上がる。
プレゼントマイクの言う通りだ。彼は運が悪かったのだ。
そしてニアはザ・フォールを超え、次の関門へと到着する。見たところただの地面だが、関門入口そばにはドクロマークの看板があった。
『この障害物競走も決着がつきそうだ‼︎待ち構えるの最終関門は【怒りのアフガン】だーーーッッ‼︎一見ただの更地だが、よく目をこらせ?辺り一帯に大量の地雷が仕掛けられてるぜ‼︎威力は大したこと無いが爆音は超絶派手だからな!下手すりゃ失禁もんだぜ⁈先頭は轟に爆豪!少し後ろからは塩崎が迫っているぅ!だがコイツを忘れちゃいけねぇ‼︎最下位という最果てから怒涛の進撃!止まるんじゃねーぞ?ニア=ナイアーラだァァ!!!』
「……来たか」
「チッ‼︎」
「やはりそうなのですね……」
轟、爆豪、塩崎が最後の関門を進む中、ニアが迫る。
このまま直進すると思いきや、彼は急に曲がり、先頭3人から離れるように遠回りをし始めた。
「流石に動く爆発源に炎と氷のカーニバル、塩崎さんに近づくなんて愚行はしませんよ。この選択の方が確実に早くゴールできますからね」
ニアは器用に手綱を操り、戦車を走らせる。
否、戦車を滑らせる。俗に言うドリフト走行だ。
地雷が連続して爆発する中を疾走する姿はアクション映画さながらのものだ。
それにこの程度の爆発であれば、ゴールする前に壊れることはない。
このまま行けばゴール手前で追い抜き、一位へと上り詰めることができる。
BOOOOOM!!!
だが、そうはいかなかった。
『怒りのアフガンに鳴り響く爆音‼︎マジかよマジかよ⁉︎ここで来たか緑谷出久‼︎怒涛の猛追だァァァァ!!!!』
緑のモジャ髪でパッとしない男子生徒、緑谷が飛んできた。
彼は集めた地雷の山に、第一関門にて拾った仮想ヴィランのパーツを叩きつけたのだ。1つでも凄まじい威力のものを複数、一気に爆破したのであれば、人ひとりを吹き飛ばすには十分過ぎる。
緑谷はより早く、
そこには轟、爆豪、塩崎がいる。この3人に並ぶことができた。
しかし、抜かすにはまだ足りなかった。
普通であれば、そのまま着地。あとは走るしかないと、誰もが思うだろう。
だが彼は違った。着地まで数秒もない短い間に、次の一手を考え、実行したのだ。
緑谷は空中で身を一回転させ、持っていた仮想ヴィランのパーツを轟たちの間の地面に叩きつけた。轟たちは緑谷を咄嗟に避けてしまい、その爆発に巻き込まれる。
そして当の本人は爆発の中心部に居ながらも、誰よりも前へと突き進んだのだ!
ボロボロになりながらも、最後まで諦めなかった少年の精神を盛大に讃えよう‼︎
『誰が予想したか!この怒涛の番狂わせを!ナイアーラ?違う、轟?違う!爆豪?違う!塩崎?そうじゃねぇ!!誰よりも貪欲に一位を取ろうとしたのはこの男だ!!
緑谷ァ出久ゥゥゥゥ!!!!』
この障害物競走を制したのは最後の最後に猛追した緑谷となった。続けて轟、爆豪、塩崎とゴールをする生徒が現れる。しかし悔しさを露わにした表情だけではなく、どこか困惑しているかのような表情も見える。
その答えはすぐに判明した。
『ん?おい、ナイアーラはどうした?』
『慢心か油断か、それともただ運が無かったのか……あそこを見てみろ』
イレイザーヘッドが指差すモニターには、
しっかり
『ナイアーラが死んだ⁉︎』
「この人でなし!!」
会場がツッコミををしてしまうほど、彼は綺麗に倒れていた。
何があったのかというと、以下の通りになる。
1、緑谷が2度目の爆発ジャンプをする
2、彼の手から離れた仮想ヴィランのパーツが戦車の車輪に巻き込まれる
3、急激なブレーキが片方の車輪にかかり横転、ニアは投げ飛ばされる
4、落ちた先に地雷、そして障壁はたった今、効果が消えた
5、ふん、汚ねえ花火だ……
6、追い討ちと言わんばかりに、轟爆塩の2位争いに巻き込まれる
7、何やってんだよ団長ォォォォ!!
運が悪かったのだ。QED。
その後、ニアは這いつくばりながらも、8位に入ることができた。
ちなみに
さらに戦車は、横からの衝撃に弱い。いきなり横から車輪の動きを止められたら大惨事になるのは間違いないだろう。走っている自転車に傘が引っかかって事故るのと同じだ。
ただし速さと重さが段違いであるため、自動車事故レベルになる。みんなも安全第一だぞ‼︎
「まぁ、私のことですから死にはしませんよ」
「いや、頭から血ぃ流してる奴に言われたくねーよ⁉︎早くリカバリーガールのとこ行け‼︎」
泡瀬に言われ、渋々リカバリーガールのところへと歩いていった。ちゃんと治してもらいました。
これにて第一種目、障害物競走が終了した。上位42名が次の種目へと進むことができる。
なんか1人だけヒーロー科から予選落ちした生徒がいるらしい。いったい何があったというんだ。恐ろしい……
「準備はいいかしら?これより本線開始よ。予選落ちしちゃった子も大丈夫、決勝前にレクレーションという見せ場は残っているわ‼︎じゃあ第二種目の説明をするわね‼︎次の種目はコレよっ‼︎」
モニターに、【騎馬戦】と映し出される。
『上位42名で自由にグループを組んで騎馬を作ってもらうわ。ひとグループ2〜4人!ルールは普通の騎馬戦と同じだけど、一つだけ違う点があるわよ!さっきの第一種目の順位が持ち点になるわ!騎手にはグループの合計スコアのハチマキが支給されるわよ。42位は5ポイント、41位は10ポイントと5ポイントずつ増えていくわ……そして1位の緑谷君には〜〜……
1000万ポイント!!
が、支給される‼︎ついさっき手にした栄光は全員に狙われる!下克上サバイバルよ!!!チーム編成に15 分、試合は時間は15分、で行うわ。試合終了時にポイントを多く持っていた4グループが決勝戦進出よ‼︎みんな頑張りなさい?じゃあ今から15分、グループ決めの開始!」
そしてモニターに15 分のカウントダウンが始まった。
「さて、誰と組みましょうかね。物間君たちは何かを企んでいるようですし……やはりここは愉しむためには1位の彼と組みましょうか!」
そう決めたニアは緑谷の方へと歩み寄る。緑谷自身も、1000万ポイントという足枷のせいで組む人が居なさそうなため、ニアにとっては非常に都合が良い。
ただし“彼”に声を掛けられるまでは。
「なぁ、ちょっと良いか?」
「はい、何でs…………」
「15分経ったわ、準備はいいかしら⁈もう一度ルールを確認するわよ!15分間の騎馬戦バトルロワイヤル!終了時に持っていたハチマキの合計得点の上位4チームが決勝トーナメントに進出よ‼︎ただし騎馬をわざと直接攻撃するのは一発アウト‼︎あくまで騎馬戦、じゃあカウントダウンするわよ?
3………2………1………!」
「START!!」
ミッドナイトの合図で騎馬戦が始まった。
「俺たちも動くぞ」
「…………」
「…………」
「…………」
彼の声に従順な騎馬の3人。目は虚になり、生気があまり感じられない。
側から見れば、操り人形に見える。
騎手は逆立ったボサボサ髪でクマが凄い生徒だ。彼はA組に対して宣戦布告した人物でもある。
心操人使
彼の“個性”は【洗脳】だ。
“個性”を使いながら相手に話しかけ、それに応じると洗脳することが出来る。
そのため、入試のような機械相手では
そして、この“個性”でヒーローになる。
そう決めた彼は、勝ち上がるために3人の駒に声を掛けた。案の定、引っかかって今に至る。
(すれ違う別のチームを洗脳、その隙にハチマキを奪う。シンプルでこれしか作戦がないが、これで勝ち上がってやる!)
そう考えていたが、現実は甘くはなかった。
「この私を選んだ貴方、良いセンスだ。何か作戦でもあるんですよね?」
「あぁ、もちろ…ん……え?」
洗脳していた馬の1人、ニア=ナイアーラが笑顔で話しかけてきたのだから。
障害物競走の順位はニアが8位で、それ以下は原作とほぼ同じです。
青山は犠牲になったのだ。ニアの愉悦のためにな‼︎
ニア=ナイアーラにヒロインっている?誰が良いかな?
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A組の誰か
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B組の誰か
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最近出番がないアビゲイル・ウィリアムズ
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外なるブラコン、イブ=スティトル
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ニャルラト……は要らないか
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物間
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要らぬ。いない方が人類のためだ。