「何でも、女子生徒はチアリーダーの格好して応援しなければならないらしいですよ。A組の方がそう話しているのを盗み……盗み聞きしまして」
「そこ言い換えないんだ。盗み聞きってはっきり言うのか……って何でそれを私らに?」
ニアはクラスメイトの女子たちにそう話す。
先程、A組のビリビリ金髪とチビぶどうが必死に説明していたのを耳にしてしまったことが、今回の提案の始まりである。
拳藤をはじめ、B組女子たちに話すが、拳藤はやりたくなさそうな表情をする。
「てかそれって多分、嘘だよね?チアの姿が見たいがための。流石に騙されないっしょ」
「でしょうね。ですが盗み聞きした感じ…おそらく着替えると思うのですよ。そして騙されたと知ったとき……どんな表情をするか、見てみたいですね」
「いつも通りの外道っぷりだね。いつか痛い目見るぞ?」
拳藤に愛想をつかれるニア。すると拳藤の肩を触る人がいた。
「どうしたの唯?」
「ん!」( *˙ω˙*)و グッ!
「……え?」
目をキラキラさせて親指を立てている小大。どうやら着てみたいそうだ。
「面白そーじゃん。プロヒーローでもテレビCMに出るし、その練習ってことで着てみよ?」
「取蔭⁉︎」
「ワタシもcheerleaderやってミタイデス‼︎」
「ポニーも⁉︎」
「恥ずかしさでウラメシイけど……」
「絶対に可愛いノコ‼︎」
「2人とも⁉︎し、塩崎は⁉︎」
最後の頼みである塩崎に聞くと、彼女は恥ずかしそうに答えた。
「無闇に肌を晒すのは良い行いとは言えません……しかし、許されるので有れば……私も着てみたい…です……」
拳藤以外が意外にも乗り気であることが分かった。
「さて、どうしますか?皆さんは乗り気なのに委員長である拳藤さん、貴女がやらないのは……どうでしょうか?まぁ、これは強制ではありませんので……恥ずかしいから無理。そう断るのは……貴女の自由です」
露骨に残念そうにするニア。いつの間にか拳藤以外も、残念そうな表情をする。
「そーだよね。無理にやらせるのも拳藤に悪いし……似合うと思ったんだけどなー……」
「ん、一佳なら似合う」
「仕方ないノコね。私たちだけでもやろーよ」
そう話していると、拳藤が吹っ切れた感じで頭を掻く。
「わかった!わかったよ!私も着る‼︎」
拳藤がチアコスを了承した。そしてニアは後ろを見て声を上げた。
「言質は取りました!では
「「「「「「え?」」」」」」
すると死角に居たであろう、チアリーダーの格好をしたA組女子たちがやってきた。
「任せてくださいまし‼︎やるなら徹底的にですわ‼︎」
「やったろやったろ‼︎」
すでに吹っ切れてしまったA組チア軍団。
すでに仕組まれていたことに気が付いた拳藤たちはニアに詰め寄る。
「申し訳ありません。どうしても自分を抑えられませんでした。何故なら私は愉悦部員ですから!」
「あ〜の〜な〜〜!」
「本当に申し訳ないと思っていますよ。ふむ、まぁせっかくですし……こうしましょう!八百万さん、服を8着お願いします」
「8着ですね!分かりま……あら?7着ではありませんの?」
ニアの依頼に八百万が首を傾げる。
「ええ、7着ではなく8着でお願いします………」
『さぁ!休憩中だが本場のチアリーダーたちのダンスがあるぜ‼︎……って、何だアリャ⁉︎どーーしたヒーロー科女子ィ⁉︎』
そこにはチアリーダーの格好をしたヒーロー科女子が並んでいた。A組B組の両方が。
どこからか『ヒーロー科最高!』という声が聞こえたが、気にしてはいけない。
『何やったんだアイツら……まぁ楽しめればいいだろ。ブラド、お前のクラスもこういうのやるんだな』
『知らなかった。だが……ひとつ、ひとつだけ言わせてくれ……』
いつの間にか実況席にいたブラドキングがだるそうに指摘をする。
『お前は何なんだ、ナイアーラ』
「何って……愉しんでいるだけですが?」
『違うそうじゃない、そうじゃないんだ……俺が聞きたいのは
「チアリーダーの格好をするならば、この方が似合うからですよ?ねぇ皆さん」
「……ソーダナ」
拳藤はツッコミを放棄して答えた。
そりゃそうだ。クラスメイトが目の前で女性になったのだから。しかもめっちゃ美人なのだ。出てるところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
『……程々にな』
「任せてください」
ブラドキングは机に突っ伏し、頭を抱える。
これ以上、ニアのボケに付き合うのは精神に影響する。そう判断したブラドキングは、今日の夜ご飯のことを考えるのであった。
なお、最後の最後で元の男性の姿でフィニッシュしたニアは、男性陣から多大なブーイングを受けたのであった。
「俺、辞退します……」
「尾白君⁉︎」
昼休憩も終わり、生徒たちはステージに集合する。ミッドナイトが発表した本戦の内容は、1対1のトーナメントとなった。
騎馬戦の上位4チーム、計16名による本戦が始まろうとしたとき、ニアと共に騎馬をしたA組のまともそうな男子、尾白が辞退を申し出た。
「理由を聞いても?」
「何もせずに勝ち上がった自分が許せないんです。必死に勝ち上がろうとした人が出れなくて、何もしなかった自分が出るのが……悔しいんです……!」
パッとしない尾白は、悔しそうにしながら、自身の本心を曝け出す。すると彼と同じように、庄田君も申し出る。
「僕も彼と同じです。気が付いたら終盤に差し掛かっていた。そして勝ち上がってしまった。努力をせずにトーナメントに出る事は、この体育祭の趣旨に反するのではないのかと……!」
2人の申し出を聞いた主審のミッドナイトは、険しい表情で告げた。
「そういう青臭いのは……好み!!2人の申し出を受理します‼︎」
好みで判断するミッドナイト。とても興奮している。
辞退することになった庄田はニアに言う。
「ナイアーラ、君に挑戦出来なくなったことを心から詫びる。でも君は選手宣誓でこう言った。
「分かりました。今回はお預けです。次を愉しみにしています」
「あと君はいつまでその
「似合うでしょう?」
「答えになっていないが?」
ドヤ顔のニアと苦笑する庄田は握手を交わす。それを見たミッドナイトは身体をくねらせて興奮している。その格好でその動きは子供には見せられませんよ?
「辞退した2人の枠が空いたのだけど5位以下が0ポイントなのよね〜……クジで決めちゃいましょう!」
いつの間にか用意されている箱。残りの2枠を26人から選出されることになった。
そしてクジの結果、選ばれたのは……
「第1枠、鉄哲徹鐡!」
「ッシャオラァ!!」
全力でガッツポーズをする鉄哲。本当に嬉しそうだ。
「そして第二枠……物間寧人‼︎以上この2名が本戦へ出場します‼︎」
「っ⁉︎……良しッ!」
まさか自分が本戦に出れるとは思っていなかった。だが、運良く、選ばれた。これで入場前に交わした約束を果たすことができるかもしれない。
「早速トーナメントの組み合わせも決めちゃいましょう!」
ジャン‼︎とステージモニターに映し出されたトーナメント表。16人の名前がランダムに位置付けられた。
一回戦
第一試合……緑谷出久vs.心操人使
第二試合……瀬呂範太vs.轟焦凍
第三試合……物間寧人vs.ニア=ナイアーラ
第四試合……上鳴電気vs.発目明
第五試合……芦戸三奈vs.飯田天哉
第六試合……常闇踏陰vs.八百万百
第七試合……鉄哲徹鐡vs.切島鋭児郎
第八試合……麗日お茶子vs.爆豪勝己
このような形で決定した。組み合わせによって様々な表情をする生徒たち。その中で、ニアは物間に声をかけた。
「控室での言葉……忘れていませんよね?」
「当たり前さ。僕が君に勝てる可能性は非常に低い。それぐらい実力差がハッキリしているからね。それが何だ?僕は僕が出来る、あらゆる手段で君に勝つ。だから手を抜くという事はやめてくれよ?」
「ふふ……それでよろしい。愉しみにしていますよ」
そう言ってニアは歩き出す。
「あとそのチアリーダーのコスプレはいつまで着ているんだい?」
「似合いませんかね?」
「うん、軽く殺意が沸くから着替えるんだ」
「……似合わないか…………」
笑顔に青筋を浮かべた物間に言われたので、渋々ジャージに着替え直したニアであった。
本戦が始まる前にレクリエーションがある。大玉転がしや借り物競走など、楽しめるものだった。しかし備品は経営科とサポート科が共同開発した物。普通じゃなかった。
大玉転がしの玉は、不規則で様々な効果が現れる謎過ぎる玉だ。電気が流れたり、立方体に変形したり、ローションが溢れたり。終いには脚が生えてスタート地点に戻るといったカオスっぷりだった。
「参加するべきでした……!」
「お前だけだよ、こんなに悔しがるのは」
ニアは本戦のために借り物競走だけ参加することにしていたが、これほどなものだとは思わず、後悔している。
それに対して参加した円場は冷たい対応をする。彼は脚が生えた大玉にドロップキックをされてダウンした被害者だったのだ。
蹴り飛ばされた瞬間は絵になりましたよと伝えたら殴ってきたので、ニアは円場の拳を躱し、アームロックを決める。それを見ていた鱗飛竜はこう言った。
「それ以上はいけない」
借り物競走
それはお題に書かれた物を誰かから借りてゴールする、ユニークな競技だ。コミュ力が無いと少し大変かもしれない。というか作者は現実で借り物競走を見たことがない。
それはさておき、ニアは何となく面白そうだと第六感が囁いたので参加した。
ニアの番となり、スタートラインにつく。他に走るのはA組の峰田、上鳴、瀬呂。そしてニアの4人だ。
そしてスタートの合図が鳴り、彼らは走り出す。その先にある、お題が書かれた紙を手に取り確認する。
「……何ですか、コレ?」
ニアはお題を見る。
【ウエボス・ランチェロス】
何かの技名か?それとも神話生物?
そう思っていると、誰かがゴールをしたらしい。
1位には瀬呂が入った。お題は【リュック】だったため、すぐに借りることができたと言う。
2位は上鳴でお題は【時計】。これもすぐに借りることができた。
そして残るは峰田だが、彼は手をついて落ち込んでいた。
「何なんだよ!借り物競走でお題が【背油たっぷり!豚骨ラーメン】って⁉︎ゴールさせる気ないだろ⁉︎」
コレは酷いと思ったニアは彼に歩み寄る。
「何故諦めるのですか?まだ手にする方法があるじゃありませんか」
「うるせぇ!イケメンの同情なんていらねーよ!つーか何で女の姿じゃねーんだよ⁉︎あのおっぱいは⁉︎くびれは⁉︎ふざけるなァァ‼︎」
「ちょっと拗らせすぎでは?しかしこれは酷い。お題を決めた人は何を考えているんだか……というか貴方はまだ良い方ですよ。私なんて知らない単語が出てきましたもの。何ですかウエボス・ランチェロスって⁉︎せめて誰もが知っているものにしてくださいよ!」
無茶難題に文句を垂れるニアと峰田。
『ウエボス・ランチェロスはメキシコ料理だな。そういえばお前、前に食っただろ?』
『おう‼︎美味かったから名前を覚えててな!んでミッドナイトから借り物競走のお題にしちまったゼ‼︎ついでに背脂ラーメンも俺が書いた‼︎』
犯人が自白した。
ここで
「面倒ですが仕方ありません。ちょっと行ってきます。あ、峰田君でしたか?お土産は何が良いです?」
「え、じゃあエロ本」
「わかりました」
お土産のリクエストを聞くと、地面にお酒を撒き呪文を唱える。そこに門が開いた。手にした宝石は瞬く間に塵となる。
『何処に行くつもりだ?』
「メキシコです。時間が無いので私は行きます」
『おい⁉︎待てっ⁉︎』
会場がざわつく中、ニアは誰の声も聞き留めることなく、その門へと消えていった。
〜30分後〜
門がミッドナイトのところに現れ、そこから紙袋と料理が乗った皿を手に持ったニアが出てくる。
「ナイアーラ君⁉︎どこ行ってたの⁉︎」
「メキシコですが?ほら、馬鹿馬鹿しいお題をクリアするためにね。これが私のお題のウエボス・ランチェロスです。んで、こっちの紙袋が……峰田君、コレでよろしかったですかね?」
「え……こ、これはッッッ⁉︎…………ありがとう、お前は良いイケメンだ」
「喜んでもらえて良かった」
2人は硬い握手をする。
「2人とも青春っぽいことしてるところ悪いけど……ナイアーラ君、時間切れで失格よ。それと私からマイクにキツく言っておくわ。あとあの馬鹿に依頼した私からも謝っとくわ。ゴメンなさい」
「いえいえ、ミッドナイト先生が謝る必要はありませんよ。それに私はお題をクリアするために行動しただけですから……」
そう言ってニアは借り物競走の会場を後にする。
峰田もニアから貰った紙袋を大事そうに抱えて、満足げな顔をして会場を後にする。
日本時間において雄英体育祭が行われている時、メキシコではとある事件が発生した。
内容は2件。1つは不定形の粘液体がコンビニ強盗をした事件。もう1つは民間人宅への襲撃事件。
どちらも監視カメラに、【不定形の化物】が映っていたことから判明したが、被害者は皆、口を揃えてこう言った。
『とても素敵な人が困っていたから手を貸してあげた。化物なんか見ていない』
と……
ニアのプロフィールを簡単に纏めておきます〜
ニア=ナイアーラ(15)前世は享年29歳
誕生日 7月7日
身長 174cm
個性 魔術書……魔術書なる本を自由自在に取り出せる。魔導書と書く場合もあるが気にするな!
好きなもの 愉悦、茶番、面白いもの、家族
嫌いなもの つまらないもの、家族に害する存在
外見 瞳は金色、褐色肌、ウェーブがかかった黒髪
……分かりやすく言えば、FGOのバーソロミュー・ロバーツとD.Gray_manのティキ・ミックを足して2で割った感じかなぁ……
ニア=ナイアーラにヒロインっている?誰が良いかな?
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A組の誰か
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B組の誰か
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最近出番がないアビゲイル・ウィリアムズ
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外なるブラコン、イブ=スティトル
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ニャルラト……は要らないか
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物間
-
要らぬ。いない方が人類のためだ。