だいぶ内容が変わっていると思いましたね。しかし呪文の部分が非常に分かりやすくまとめられていたと思います。
「よし……完成だ」
『ありがとなセメントス‼︎待たせたなリスナー!雄英体育祭1年生部門も佳境に入った!ここまで勝ち上がった16人の
プレゼントマイクのアナウンスでトーナメント第一試合が始まった。
結論から言うと、勝ったのは緑谷だ。最初は心操の“個性”にかかった緑谷は命令されるがままに場外へ向かって歩いていったが、あと一歩のところで緑谷の指が暴発。洗脳が解けてしまった。
その後はヒーロー科で鍛えた緑谷が有利となり組み合った結果、投げ伏せられ、場外に出たのは心操となった。
心操はこれで終わりとなってしまったが、普通科なのにも関わらず、ヒーロー科に立ち向かった勇気、そして“個性”が認められ、会場は彼を強く評価した。
「あらら、惜しかったですね。もっと鍛えていれば勝てたかもしれません」
「普通科だから
観客席から観戦していたニアは少し残念そうにしていた。しかし彼が十分な訓練と経験を積めば、素晴らしい逸材になることは間違いないと確信する。
「ナイアーラは洗脳されたのか?」
「ええ、ですが体質でしょうか?何故かすぐに解けたんですよ。“個性”にも相性はありますからね。それでも洗脳はされましたので、その間に私を無力化することもできると、断言しましょう」
「相性かぁ……俺の“旋回”だと鉄哲みたいに硬い相手やヘドロ事件のヴィランみたいな全身液体の相手だと厳しいな。もっと筋肉つけたほうがいいな」
「肉体あってこその“個性”ですからね。それでも厳しければサポートアイテムを取り入れる方法もありますから、今度パワーローダー先生に相談してみるのはいかがでしょう?」
「だな。今度聞いてみるわ。次の試合は……A組同士か。確か轟ってあのエンデヴァーの息子だよな?こりゃ轟が勝ちそうだ」
回原がそう確信めいたことを言っている隣で、ニアは思考を巡らせていた。
(轟焦凍…エンデヴァーの息子。ならば“個性”を引き継いで炎を扱えてもおかしくはないはずだが……何故氷のみしか使わない?使えない……とは考えにくい。“個性”の中には外見にも影響するものがあるはず…彼の髪の毛は白と赤。そして氷を使うのはその白髪側である右側からしか確認できていない。それに騎馬戦の時もそうだ。緑谷君が仕掛けた時も………ん?確かあの時、緑谷君は左側を執拗に攻めていたように見えた。炎が使えないことに気が付いたからか?)
考えれば考えるほど、疑問が深まる。
すると第二試合が始まった。だが、すぐに決着がついた。
轟が対戦相手の瀬呂を一瞬で凍らせ動きを封じたのだ。その威力はスタジアムをも超える氷の高さ。観客席にも届くほどの威力。とても凄まじいものだった。
「オイオイ、マジかよ……」
隣で回原が驚愕しているが、その氷の塊は急に溶け始めた。轟の左手から発せられる
それを見たニアは確信した。
「ナ、ナイアーラ…次の試合、お前じゃないのか?」
「……おっと!私としたことが少々ぼーっとしてしまいました。回原君、ありがとうございます」
ニアは席から立ち上がり、会場へと向かう。
(何なんだ……
歩いて行くニアの後ろ姿が、あまりにも恐ろしく感じてしまった回原。
彼は悪くないしおかしくもない。ただ見てしまっただけなのだから……
そして会場の準備が整い、第三試合が始まろうとしている。
ニアは物間に訊ねた。
「物間君、先程の言葉……嘘ではありませんね?」
「当然」
たった一言、言葉を交わしただけ。
だがそれで十分だ。
それだけで、十分、愉しめる。
『そんじゃ第三試合にいくぜ‼︎今度はB組同士の戦いだ!あらゆる“個性”を物にするテクニシャン!物間寧人‼︎vs.借り物競走の件はすみませんでした。今度はどんなことをしてくれるのか⁉︎ニア=ナイアーラ‼︎試合ィィ〜開始‼︎』
「ザケルガ」
試合開始とともに魔本を取り出し、物間へ向けて電撃を放つ。速度、直進性、貫通力に優れた一撃は物間に直撃した。
「鉄化してなきゃ死んでたかもね…凄い痛いや……」
物間は鉄哲の“個性”を使って耐えたが、電撃を受けた腕からは僅かな出血を引き起こしている。
「でしょうね。薄い鉄板程度なら貫通できる技ですから。それだけ貴方に期待しているのですよ?」
「ハッ!口だけは達者だ…なぁ‼︎」
続け様に髪の毛を茨に変化させニアに伸ばす。1人を完全に飲み込むのにはあまりにも多すぎる茨は、まるで津波のようだ。
「アイアン・グラビレイ」
ズンッ!!!
広範囲に重力が加わり、伸びた茨はニアに届くことはなかった。
だがすでに、物間は“個性”を解除し茨を切り離していた。ニアから可能な限り距離を取っていた。
「ピカッ!」
物間が叫んだと思えば、叫んだ
不意をついた閃光により、ニアは腕で目を塞ぐはめとなる。
「ドン!ドン!ドン‼︎ドン‼︎ドン!‼︎」
続け様に放たれた、爆音とともに現れた
「危なかった、実に危なかった……」
「チッ……」
砂埃が晴れる。
現れたのは円形の巨大な盾。ニアが繰り出した
ステージをも半壊させた一撃を防がれた物間は舌打ちをする。
「見事な攻撃です。視界を奪いつつ高火力を叩き込む……セウシルでは砕けていましたね。しかし閃光による視界を奪えば、貴方自身も動きが制限されてしまうため背後に回り込むことが出来なかった。さて、次の手は何でしょうか?」
「ハハ……こっちは必死に倒そうとしてるんだけどね。寧ろ今ので倒してたら逆に恐ろしいよ」
「褒め言葉として受け取りましょう」
互いに距離を取り、次の一手を考える。後手であれ先手であれ、2人には策がある。
「ジュロン」
先に手を出したのはニアだ。
一言呪文を唱えると、足元から人間の胴ほどの太さがある樹の根が鞭のように物間を襲う。
だが、その樹木の根は綺麗な断面を見せることとなる。
「凄い切れ味だ。流石だよ鎌切」
物間の腕からは鋭い刃が出ていた。それを器用に振りながら根を切断しニアに接近する。
「アトゥのおれたえだよ、わがてに」
ガキンッッ!!!
地面から突如として生えた一本の槍が物間の攻撃を防いだ。
物間が使う鎌切の“個性”ですら切れないその木製の槍。刃も木刀のようにひと繋がりの木製で出来ており、装飾として金色の巻き枝が非対称に絡まっている。その巻き枝には所々に透明な結晶が散りばめられている。
それが
ニアはその木製の槍を手にし手慣れたように回す。手にしていた魔本は側に浮かばせる。
「……これは愚策だったかなぁ?」
「いえ、最適解です。知っているでしょう?身体強化の呪文を使わなければ、私の肉体は人並みだと。筋力も柔軟性も……ならば技術を身に付けるまで。接近戦は不得手ではありますが……誰も出来ないとは言っていませんから…ねぇッ‼︎」
「ぐっ…!」
「まだまだ‼︎」
「ガっ‼︎」
ニアは大きく踏み込んで、物間の胴に突きを入れる。咄嗟に刃で防ぐことができたが、ニアが横に薙いだ一撃が物間の側頭部に重たく入った。
そのまま吹っ飛ばされたが、場外まであと数mのところで堪えた。
「ギガノ・レイス」
「ッ⁉︎おわぁ⁉︎」
容赦ない追撃が物間を襲う。彼はひたすらに逃げ続ける。
(次の一手、次の一手を考えるんだ!)
思考を回し続ける。止めてはいけない。止めたら負ける。
その結果、最後の一手が浮かんだ。
「これならどうだ!」
落ちていたステージの欠片を拾い投げ付ける。そしてニアの目の前で“個性”を発動させた。
ボボボボン!!
「セウシル!」
物間の投げつけた欠片は、ニアを大きく上回るものへと巨大化した。その巨大化した欠片がニアを襲う。
咄嗟に半球体の壁で防いだが、その欠片の大きさ故に前が見えなくなる。
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
欠片の向かうから、その欠片を叩く音が聞こえる。
ニアはその意味を理解してすぐさま回避行動をするが、既に手遅れだった。
「発動ォォ‼︎」
大きな欠片に、更なる衝撃が加えられる。その衝撃で半球体の壁にヒビが入った。
「ぬぁぁぁぁあああ!!!!」
「……見事!」
巨大化させた欠片を飛び乗った物間は大きく跳躍する。そして自身の掌を巨大化させた。勝利を掴み取るための雄叫びをあげ、その巨大化させた両手を合わせ手槌を振り下ろした。
バリィィィン!!!
『物間の怒涛の攻撃が炸裂ゥゥ!!!これを耐え切れるかナイアーラ⁉︎』
物間の一撃によりニアのセウシルは破壊された。そしてそのまま物間の攻撃を躱せずに直撃する。
その勢いにより、再び2人を砂埃が包み込む。
『さぁどうなった⁉︎クラスメイトの“個性”と共に勝利を掴みにいく物間か⁉︎それともあらゆる手段で攻めるナイアーラか⁉︎』
プレゼントマイクの実況と観客たちのざわつきが会場を包む。
そして砂埃は晴れていく。
「………素晴らしい、実に素晴らしい技だ!」
「随分と余裕そうだね。決めに行ったつもりなんだけど」
体操着が汚れ、額を切り血を流すニア=ナイアーラが立っていた。どうやら物間の振り下ろした拳の直撃を免れたようだ。
「……なんて奴だい君は…………」
頬を痙攣らせる物間。
何故ならば、ニアが笑っていたのだから。
しかしその笑いは、相手を嘲笑うものでも己が愉しむものでもない。ただただ単純に喜んでいるのだ。
「嬉しいんだよ。私を
浮かばせていた魔本を手に取りページを開く。
強い光を発するそれは、見るもの全てに
物間もそれに気が付きニアを止めようとしたが、手遅れだった。ニアに呪文を唱えさせてしまった。
『…………は?』
プレゼントマイクが実況を止め、絶句する。観客すら、その規模に言葉を発することは出来なかった。
それは神秘的であり恐怖を覚えるほどだ。
それを名付けるのであれば、雷帝が相応しい。
巨大な砲門を持つ下半身に、剛角を生やす人間の上半身。その人間の腕は翼であるも、羽ばたく素振りは一切無い。
その巨大な砲門の周りには五つの雷太鼓の紋様が刻まれている。そしてその紋様がひとつ、またひとつと光りだし、五つ全てが強く光出す。
「……これは…やられたな………」
物間は小さく笑い、覚悟を決めた。
事の重大さを知った教師たちはニアを止めようと動く。だが、既に発動してしまった。
「なッ⁉︎お前は……!」
すると物間の目の前に、
最後に聞こえたのは、ニアの声だった。
砲門から一筋の雷撃線が発射された。ステージを飲み込むその一撃が物間を襲う。
そして雷帝は消え、ステージの状態が見えるようになる。
焼け焦げ、砕け、もはや焼け野原といえるものだった。
『オイオイオイオイ⁉︎物間は無事か⁉︎』
プレゼントマイクの声が響く。だがその心配はすぐに消える。
「イタタ……負けちゃったか……」
場外の壁に寄りかかり座っている物間がいた。体操着がだいぶ焼け焦げているが、大きな怪我もなく意識がハッキリとしている。
「も、物間君の場外により…勝者、ニア=ナイアーラ‼︎」
ミッドナイトのコールで試合が終わり、会場は、命の危険があったのではというざわつきと、2人の接戦による盛り上がりで包まれる。
ニアは焼け焦げたステージのとある一箇所を見つめる。
そこには
『ニャルラトホテプの血を引く者よ……我が司祭に手出しはさせぬ』
「……そうですか」
旧支配者は一言告げると、姿を消した。周りの様子を見る限り、誰も旧支配者を見ていないようだ。
ニアは物間の方に歩み寄り、座り込んでいる物間へ手を差し出した。
不意による青春的な行動がミッドナイトを襲う。彼女はスッゴイ喜んでいる。
そんな彼女はさておいて。ニアと物間はステージを出て廊下を歩く。
「見事でした。まさかクラスメイトの“個性”をフル活用するとは……こちらも大変でしたよ」
「まだストックしてるのもあるんだけど負けちゃしょうがない。次また戦うときは負けないさ」
「それは愉しみだ。さて……」
ニアは歩くのをやめ、一呼吸置いて話す。
「来ましたね、クァチル」
「来ちゃったね、あのミイラ」
2人はため息を吐く。
ニアもまさかクァチル=ウタウスがやって来るとは思っていなかったし、物間自身も呼んだつもりは一切無い。奴が勝手に2人の前に現れたのだ。
「物間君、貴方どれだけの業を積めばアレに気に入られるんです?完全に貴方を庇いましたよね?」
「僕が知りたいよ!コンクリートが焼け焦げる熱線をほぼ無傷で済んだんだぞ⁉︎」
「私だって初めてですよ⁉︎旧支配者が人間を庇うなんて!しかも対価を求める事なく!……まさか契約したんですか⁉︎遺言読んだんですか⁉︎」
「そんなのするわけないだろう⁉︎不老不死にはなりたくないし歪な背骨になろうとは微塵も思わないさ‼︎」
「契約してたらすぐさま契約解除して馬鹿にしてやりますよ!……ハァ、これ以上は疲れるだけです。戻りましょう……」
「……そうだね」
2人は予想だにしない出来事で焦るも、どうしようもないのでリカバリーガールのところへと向かった。
その後、ニアはブラドキングにやり過ぎだと軽く怒られましたとさ。
えー、先に言っておきます。察しの良い方なら分かってるかもしれません。
轟ファンの方、本当に申し訳ない
まぁ、その〜…うん。この小説書き始めたときから決めてたんだ。悲しき運命なんだ……
ニア=ナイアーラにヒロインっている?誰が良いかな?
-
A組の誰か
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B組の誰か
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最近出番がないアビゲイル・ウィリアムズ
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外なるブラコン、イブ=スティトル
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ニャルラト……は要らないか
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物間
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要らぬ。いない方が人類のためだ。